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どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-  作者: すずめさん
-第一章-スプリングフィールド王国編-
32/618

-第一章三十一節 称号とアリと異種系ゲーマー-



ブルーベルズへ向かう道すがらお互いの体験談を話し今現在…ステータスについての話に変わると互いにステータス画面を開いて見せ合い始める。自身のステータス画面を開くのは久しぶりと言った様子でマサツグが画面を開き、モツもマサツグにステータスを開示して互いに情報を見せ合うのだが、そこで気になるスキルを見つけてモツに質問をする。


 ---------------------------------------------------------------------


「モツ」


「新進気鋭の冒険者」


Lv.20 「万能冒険者(オールラウンダー)


HP 2250  TP 600


ATK 190+55 DEF 180+150     


INT 120    RES 130       


AGI 165    LUK 75 



 装備    


 武器 バスターソード


 頭装 守りのバンダナ


 体装 ラメラレザーアーマー


 足装 ラメラレザーレギンス


 装飾 無し



MS [剣術Lv.5]             


SS [鑑定Lv.5] [適正能力抜群]    


[工作員] [採取術Lv.4]


[中級剣術皆伝] [刹那Lv.3]


[術技]


兜割り  TP 10 ダッシュ斬り TP 15 火炎斬り TP 20


氷結斬り TP 20 雷撃刃    TP 25 天昇剣  TP 30


 ---------------------------------------------------------------------


「……[適正能力抜群]?…

モツ?…これって?…」


「ん?…あぁ、そのスキルは職業が何であれ無制限に

武器が使える様にスキルで、剣士なのに弓が使えたり…

魔法使いなのに斧を装備出来たりする物らしい…

その証拠に…ほら、俺の職業が万能冒険者(オールラウンダー)になってるだろ?

このスキルを習得すると自動的に職業が万能冒険者(オールラウンダー)になるらしい…

まぁ…俺自身まだその真価を試してないんだけどな?…

剣を使ってるし…」


ここで少しこのゲームにおける仕様を説明すると、実はこの[適正能力抜群]のスキルが無くても魔法使いで斧を装備したり…槍を装備したりと色々装備しようと思えば出来るのは出来る…出来るのだがこのモツの持っているスキルが無いままに装備をすると負荷(デバフ)が付いて回り、その負荷(デバフ)と言うのが行動速度減少や重量制限で攻撃モーションが否応無しに大振りになったりと、自分のペースで動こうものならTP消費がいつもより倍掛かると言った様な事になる。更にこれが最悪のケースになると常時ダメージを受けたり、呪いを受けて動けなくなったりと面倒な負荷(デバフ)が付いて回る事も有り、モツのスキルはそう言った装備制限負荷(デバフ)から守ってくれる役に立つスキルなのであった。そしてその説明を簡単に受けたマサツグはと言うと、無制限に武器を扱う事が出来ると言う点だけを聞き取り羨ましがる。

 

「へぇ~!!そりゃ便利そうだな!!

…俺も町に戻るまでの間コボルトの棍棒で

頑張ってたからそう言ったスキルがあれば

便利だったろうなぁ…」


「ぶふ!!…棍棒!!…ッ!!………ふぅ…

ま…まぁ、確かに便利なんだけどこれにも

一応制限があってな?…さすがに何から

何までって訳じゃなくてメインスキルに

選んだ武器以外の術技が如何にも使えないらしい…

ただこれもwikiで調べただけだから有無は

分からないけど…まぁそこを除けば便利は便利だぞ…

あの例のスキルガチャで引いた奴なんだが……ッ!?…」


マサツグがコボルトの棍棒の話を持ち出しモツの[適正能力抜群]を羨ましがるのだが、モツはマサツグがコボルトの棍棒を手に町へ帰る図を想像しては噴出し、必死に笑うのを堪える。一応本人は苦労して居ると言う点を踏まえて笑うの我慢しては落ち着き、更に詳しいスキルの説明をしてはこのスキルを例のスキルガチャで手に入れた事を笑いながら話し、次にモツがマサツグのステータスに目を通し始めると直ぐにモツが戸惑った様子でマサツグに尋ねる。


「……ヤ…ヤブ?…この称号は…何?…」


「え?…称号?……え?…」


モツがマサツグのステータスを見るなり称号を目にしては戸惑い、マサツグに声を掛け、そのマサツグの称号を指差して如何言う事かと尋ねると、マサツグもステータスを見て貰うまで気づかなかった様子で覗き込んで、そこに書いてある自身の称号に戸惑いを覚える。何故ならそこに書いてあった称号はマサツグにとって全く覚えの無い称号であったからだ。


 ---------------------------------------------------------------------------------


「マサツグ」


「妖精誑し(たらし)(女王攻略済み)の冒険者」


Lv.20 「剣士」



etcetc……

 ----------------------------------------------------------------------------------


__ピシッ!!…


「…ッ!…あぁ~っと……マサツグさん?……あれ?…

お~い!!マサツグ~?聞こえてるかぁ~!?

生きてるかぁ~!?お~い!!」


「………。」


「……駄目だ…完全に機能停止してる…

まぁ…確かにこの称号を見たら困惑するが…

一体何をやったらこんな称号が貰えるんだ?…」


そこに書いてあったのは紛れも無く妖精たらし(女王攻略済み)の文字で、それを見たマサツグがショックの余りその場で固まり動かなくなると、モツは開いたマサツグのステータス画面を凝視する。モツはモツでマサツグが驚き戸惑った表情のまま固まった事に気が付き、声を掛けるのだが返事は帰って来ずマサツグの顔を覗き込んだり手を軽く振って見せたり…色々試して見るもやっぱり返事は帰って来ない。そうしてマサツグが固まってから数分間…モツがその場でマサツグの再起動を待って居ると、徐々に感情が戻って来たのかマサツグの肩がプルプルと震え出す。


__……プルプルプルプル…


「…ッ!…お?気が付いたか?…

あぁ~…まぁ確かにショックなのは分かるけど

さすがにここで固まるのは…」


「な!…」


「……な?…」


マサツグが再起動した事にモツが気が付いて、労りの言葉と外で立ち止まる事の危険性についての二つを話そうとするのだが、マサツグはモツの話を聞かずに肩を震わせては一言漏らし始め、そのマサツグの言葉にモツも戸惑いながらも復唱すると、マサツグはカッといきなり動き出しては天に吠えるよう仰け反り、大声で辺りに響き渡るようショックを受けた様子で叫び出し始める!


「んなんじゃこりゃ~~~~~~~ああああ!!!!」


「うわあぁぁ!?…ヤ…ヤブ!?…」


「おいおい!!ちょっと待ってくださいよ!!

何時!?何時変わったの!?

俺こんなのに設定した覚えは無いよ!!」


マサツグが平原のど真ん中で道すがらに大声でショックの雄叫びを上げ、モツがマサツグの事をリアルのあだ名で呼ぶ程に驚き戸惑い、マサツグは自分が設定した覚えの無い称号にただひたすらに動揺していつ設定されたかと変更出来ないかを調べ始める。そんなマサツグの様子にモツも慌てて宥めようと声を掛け動き始めるのだが、マサツグの動揺はそれ以上なのか中々落ち着かない!


「おおお…落ち着け!!

こんなだだっ広い所で叫ぶな!!

それに称号は自動更新だから仕方が無い!!」


「これって今すぐに変更出来ないの!?

このままだとマサツグさん色んな人に

誤解を受けちゃいますよ!!」


「残念だが俺も称号の変え方は知らない!!

あんまし気にしなかったし、何よりそういった

項目が無かったからな!!」


「だあっはあぁぁ!!!…

万事休すじゃねえかチキショオオオォォォ!!!!…」


__ドサアアァァァァ!!……


幾ら周りに人が居ないとは言え冒険者や商人が使う往来のど真ん中で大の男二人が問答し、モツが必死に落ち着くようシステムだから仕方が無いとマサツグを説得するのだが、マサツグは諦め切れない様子で誤解を受けるからと称号変更の手段を探し続ける。その際モツにも称号変更方法について必死の形相で尋ねるのだが、モツはその称号に関しては全く気にしていない様子で、ただマサツグを落ち着かせようと知らないとだけ答えると、マサツグはその言葉に絶望した様子でその場に崩れ落ち嘆き始める。そしてその称号が付いた原因について一人落ち込みながら考え始めると、一つだけ思い当たる節が出て来る。


{……ッ!?…ちょっと待て!?…

もしかしてあの時か!?…確かに最後の方ティターニアが

顔を赤くしてお願い事をしてきたよ!!

そんでもって叶えてあげたらグッタリしてたよ!?…

あれが落としたって事!?…でもどっちの意味で!?…

物理的に落としたって事!?…

それとも恋愛感情的な方で!?…

どちらにしてももうチョイネーミングセンスを頼みますよ

運営さ~ん!!!…}


__ガサガサ!…ガサガサ!…


「ッ!?…敵!?…ヤブ!!敵だ!!…

いつまでも嘆いては居られそうにないぞ!?」


マサツグが思い当たった節は当然あの時のティターニアのお願い…マサツグはその時の事を思い出してはティターニアの様子も思い出し、あれがいけなかったのか!?と一人地面に這い蹲り項垂れて居ると、マサツグの叫び声で反応したのか近くの草むらから何かが近づいて来る気配を感じとる。それにモツが気付き剣を抜くとマサツグにも戦闘だ!と声を掛けるのだがマサツグはショックの様子で項垂れたまま、モツがその様子に慌てて居るとその気配を感じる草むらから巨大なアリ達が出て来始める!


__ガサガサ!…ガサガサ!…ゾワァ!!…


「ッ!?…デッカ!?…鑑定(アプレェィザァル)!!」


__ピピピ!…ヴウン!…


 -----------------------------------------------------------------------


「ジャイアントアント」  


 Lv.3


HP 900 ATK 90 DEF 120


   MATK 0 MDEF 50



 SKILL


 強化外殻 Lv.1


 -----------------------------------------------------------------------


巨大蟻達が出て来た事にモツが驚きながらも鑑定(アプレェィザァル)を使い、基本的な能力を調べたところで剣を構えるとその蟻の大きさを改めて確認する。その巨大蟻の大きさはさすがにEDF!!と叫びたくなる程に大きい訳では無いのだが、それでも大体生後十か月の赤ちゃん位に大きく、外殻は黒く若干光っている。それが大体分隊クラスでゾロゾロと出て来てはマサツグ達を囲み出し、その様子にモツが慌てながらも剣を握り直して巨大蟻達に向かい走り出すと、先制攻撃を繰り出し始める!


__チャキ!!…バッ!!…


「ハアアアァァァァ!!!!」


__フォン!!ガキイィィィン!!…


「グッ!?…ッ!!…

デカイ分、体も頑丈みたいだな!…

ヤブ!!敵に囲まれてる!!

いい加減機嫌を!!……え?…」


モツが勢い良く飛び出し剣を振り被って蟻の頭を叩き斬る様に振り下ろすのだが、その剣の刃は通らず蟻の頭に軽い傷跡を付けるだけに終わって弾かれ、仰け反ってしまう。モツがその事から殻を如何にかしない事にはまともにダメージを入れられないと学習し、一旦距離を取ってからいつまでも項垂れるマサツグに喝を入れようと振り向くのだが、モツが目にした光景はコンクリートブロック位の岩を持ち上げアリと対峙しているマサツグの姿であった。


「………。」


「ちょ!?…何をやってんだ!?…

ふざけている場合じゃ!?…」


「………誰が…」


「ッ!…え?……」


無言で岩を掲げるその異様な光景を見せるマサツグにモツが戸惑いを隠せない様子で見詰め、慌ててマサツグに正気に戻るよう声を掛けるのだがマサツグは一向に岩を下ろそうとはしない。それどころかマサツグは表情が見えないままに俯いて小言で何かを呟き、それを聞いたモツが戸惑った様子で何を言っているのかをマサツグに聞き返すと、次の瞬間マサツグはトンデモナイ行動を起こす!


「ッ!!!…誰が!!…誰が!!!…

誰が妖精たらしじゃあぁぁぁぁぁぁああ!!」


__ブォン!!!…ドグシャアァァ!!!…


「えええぇぇぇぇ~~!?!?」


__……ピクッ!…ピクピク!………


マサツグは持っていた岩を徐々に自身の頭上より高く掲げては恐らく運営に対して文句を言い出し…そして叫ぶ様に更に文句を言うと蟻の頭目掛けて掲げた岩を投げ落とし蟻を始末してしまう。その様子を見ていたモツが驚き戸惑った様子で声を挙げてマサツグの奇行に呆気に取られ、マサツグがその投げ落とした岩に手を掛けるとまた持ち上げては下敷きになった蟻を見下ろした。その際岩で潰された蟻の姿は殻が砕けて中身は露出すると言った見るも無残な姿で、それでもまだ息が有るのか痙攣して見せるのだが、マサツグが持ち上げた岩を別の所に置いて剣を抜くと、止めの一撃とばかりにそのひび割れて中身が露出した箇所に向けて剣を突き立てる!


__……ゴトンッ!…スラァ…

…チャキッ!!…ドシュ!!!…


「ッ!?……」


「まずは一匹!……」


マサツグが蟻に剣を突き立てると蟻酸らしき物が飛ぶが動じず、ただ無言で止めを刺すその様子にモツが更に戸惑いを覚えて居ると、剣を引き抜き一匹仕留めたと怒りの表情で別の蟻の方を見詰める。そうしてマサツグが他の蟻に対しても同様に岩を手に致命傷を与え、剣で止めを刺してを繰り返し、如何やって始末しようかと悩んで居た蟻達はどんどん数を減らし…ついには残り二匹となる。


__……ドシュ!!!…


「……ふぅ~~…後二匹っと!…モツ~?…

生きてっかぁ~?…」


「ッ!?…うぇ!?…」


「多分もう一回蟻共が来ると思う~!

そこの草むらが怪しいから警戒な~!!」


蟻を駆逐しながら称号に対する不満を晴らして居たのか…マサツグが元の様子に戻るとモツに声を掛け、そのマサツグの声でモツがハッと我に返りマサツグの方を振り向いて、マサツグの様子を確かめる。そこにはいつものマサツグが立っており、いつもと違う点が有るとするなら謎の汁塗れになった岩を抱えて居る事で、その様子に戸惑いながらもマサツグの忠告を聞きモツが剣を握り直すと、マサツグの忠告通り草むらから蟻の増援が出て来始める!


__ガサガサ!…ガサガサ!…


「ッ!?…また大量に!!…

流石にマサツグみたいに戦う訳には行かないからな…

何か弱点になりそうな……ッ!?…

そう言えばあいつ等の関節…

細いしワンチャン斬れるのでは?…」


草むらからまた大体分隊分位の巨大蟻が飛び出して来てはモツを困惑させ、その対処法にマサツグの様なパワープレーは無しでどう対処するかで考え始めると、ふと蟻達の関節に目が留まる。虫独特の関節の繋ぎ目…人間で言うと手首や手足、首に腰と肩に腿周りと色々括れており、それらを見てその部分だけを狙って斬れば弾かれずに戦えるのでは!?と蟻達の姿を改めて観察して考えて居ると、蟻達はモツの様子などお構いなしに襲い掛かり始める!


__ガサガサ!…ガサガサ!…


「ッ!!…

とにかくやって見るしかない!!!………ふぅ…

ッ!!…ハアアアァァァァ!!!」


__ズバババアァン!!!……バラバラ…

…ウゴウゴ…ウゴウゴ…………。


「ッ!!…よっしゃ!!イケる!!!」


向かって来る蟻達にモツは戸惑ったがやって見る価値有りと割り切ると、スッと正眼に構えて剣を握り直し、目を閉じゆっくり息を吐き出す。その間にも蟻達がモツに向かって走って来るのだがモツが落ち着きを取り戻すまでには十分時間を取る事が出来、モツと向かって来る蟻達との距離が丁度間合いに入った時モツは目を開き、蟻の関節目掛けて斬り掛かり始める!蟻達の動きを確認しつつモツが滑り込ませる様に剣を関節に持って行き、蟻達の関節を見事両断してしまうとバラバラに解体してしまう!まだ息が有るのか蟻達は藻掻いて見せるのだが、徐々に衰弱して行く。これが有効だと分かるとモツはガッツポーズをして喜び残りの蟻の殲滅をマサツグとし始める!


「オオオオオォォォォォォォ!!!!…」


__ズバババアァァァン!!!…


「オッコイショ!!…フン!!!」


__ドグシャアァァ!!!!…


もはや攻略法さえ分かってしまえばこちらの物と言った様子で淡々と蟻達を殲滅して行き、遂には全滅…マサツグ達が勝利を収めるとバトルフィールドは消失して行き、蟻達は無残な状態に姿を変えると道一杯に転がってアイテムをドロップし、その姿を消して行く。それらを見た二人が息を切らしながらも戦闘が終わった事を自覚すると剣を鞘に仕舞い、モツが蟻達に対して文句を言って居たが、ふとマサツグの蟻の対処法をの思い返しては質問をし始める。


「はぁ!…はぁ!…終わった!!……結局三十匹位か?…

小出しでゾロゾロ戦闘を長引かせやがって!…

…はぁ!…はぁ!…ッ!…

それにしてもマサツグ…よくあいつ等の対処法?…まぁ…

とにかく…倒せたな?…知ってたのか?…」


「はぁ!…はぁ!……え?…いや、全然?…」


「え?……」


モツはてっきりマサツグがこの蟻達の対処法を知っているから、あの様な戦い方(奇行)をしたのだと驚きながら話し掛けるのだが、マサツグはモツの問い掛けに戸惑った様子で息を切らしながら首を横に振って知らないと否定する。勿論そのマサツグの知らないと言う言葉にモツが戸惑った様子で言葉を漏らし、マサツグの方を振り向き如何言う事なのかと困惑し始めると、マサツグは自分が取った行動についての説明をし始める。


「いやぁ…ただあの蟻共の殻が堅そうだし…

今の俺の剣じゃ絶対に刃が通らないってのは

薄々分かってたから何か使えるものをって探して…

手頃な岩を見つけたから…こう…グシャ!…っと…

ね?…」


「……ッ…」


「いやぁ~!…苛立ち半分賭け半分!…

やって見たら意外と上手く行ったなぁ~!…って、

お陰で良いストレス発散になったわ!…

あっはっはっはっはっはっは!!…」



マサツグが思い付きだけで行動したとモツに説明し、その説明を聞いたモツが完全にマサツグの行動に呆れた様子で口を開き固まって居ると、マサツグは笑いながらストレス発散になったと言い出す。話だけを聞けばかなり危なく聞こえるものなのだが、窮地を脱する為に思い付いた策だと考えると中々に納得が行かず、モツは困惑し続けると同時に今までのマサツグの思考を考える様に色々思い出し始めると、改めてマサツグについて納得してしまう…


「………。」


{…何故あの場面であれを思い付く?…

…怒り任せにも程が…って、よくよく考えれば

ヤブはそういう奴だったな?…

中々クリア出来ないミッションにぶち当たると

直ぐに熱くなって意地からでもクリアしようと

躍起になって…その上で突拍子の無い作戦を

土壇場で思い付いては試してガラリと戦況を

変えてしまう……人の行動の斜め上を行く…

そんな異種系も異種系のゲーマーだったけな?…}


「……ん?…何固まってんだモツ~?…

先を急ごうぜぁ~?…」


「……はあぁ~…

…少し前のマサツグに言ってやりたいわ!…」


無言でその場に固まりモツは頭の中でマサツグが如何言った人物かを改めて思い出すと、一人呆れた様子で納得してその場に立ち尽くし軽く笑い始めるのだが、マサツグが先を急ごうとし、モツが付いて来ていない事に気が付き振り返ると急かす様に声を掛ける。その言葉を聞いてモツがハッと気が付いた様子で意識を戻し、先ほどまで自分より固まって居たマサツグの事を思い出して追い掛ける様に文句を言い、ワイワイ騒ぎながらもブルーベルズに向かい再度二人が歩き出すと道中半ば程で夜になる。その日の移動は終わりにし二人で野宿をする事になるのだが、ここでもある事件が起きる……


「……さて…野宿の準備が出来た訳なんだが……」


__ガサガサ!…ガサガサ!……


「……ふぅ!…これでオッケーと…」


二人がブルーベルズへ続く道から少し離れた場所に野宿の準備をし始め、何事も無く設営をして朝になるまで体力を回復させようと寝る準備をし始めるのだが、モツが気が付いた様子で傍とマサツグの居る方を振り向くと、そこにはマサツグがアイテムポーチから突如謎の草むらを取り出し始める姿があった。マサツグは何食わぬ顔でその草むらを身に纏い出し、全身が草で包まれるよう身に纏うと準備完了と言った様子で満足げな表情を見せる。そんな満足げな表情を見せてまるでモリ〇ーと呼ばれそうな格好でマサツグが座って居ると、当然モツは疑問を感じてマサツグに質問をする。


「…何なんだ?…それ?…ギリースーツ?…」


「え?…いやぁ……ギリースーツ知らない?…

ほら、よく軍隊とかで草むらに紛れては

奇襲かけて来る迷彩…」


「いや、ギリースーツの細かい情報は求めてないし…

俺が聞きたいのは何で今ギリースーツを身に着けて

いるかなんだけど?…」


「ッ!…あぁ!…これを着て野宿するとモンスターに

襲われる事無く寝る事が出来るんだ。町に帰る途中

コボルト達がこれを着て襲い掛かって来たのを

見て思い付いたんだがな?…これが結構使えるんだわ!…

…まぁ…顔とかに葉っぱが刺さったりするのが

玉に瑕なんだが…」


モツが困惑した様子でマサツグへ今の格好について説明を求めると、マサツグは若干戸惑った様子で反応してはギリースーツの説明をし始める。しかし当然ながらモツが聞きたいのはそこでは無いので違うとマサツグに答えると、改めてギリースーツを身に纏い始めた事について質問をし、マサツグがその質問の意味を漸く理解して答えると、その答えを聞いたモツが呆れた様子であるアイテムを自身のアイテムポーチから取り出す。


__……はあぁ~……ガサゴソ…スッ……?…


「…道具屋で買わなかったのか?…魔物除けの粉…」


「…え?…魔物除けの粉?…」


「……マジか…」


モツがアイテムポーチからちょっとした包みを取り出し、マサツグの前に突き出す様にして見せるがマサツグは知らないと言った様子で恍けて見せる。その反応にモツは戸惑いつつも一応と言った様子で魔物除けの粉についてマサツグに尋ねるのだが、マサツグは更に恍けた様子でアイテム名を復唱しては困惑の表情を見せる。その様子にモツが更に呆れた様子で一言呟いてはマサツグに実演するよう焚火の前に移動し、その包みの中身を焚火の中に投入して見せると、焚火から怪しい紫色の煙が噴出し始める!


__ザザァ!!……ボフゥッ!!…


「うわぁッ!?…な、何だ!?…」


「安心しろって!…

確かに色こそ怪しいがこれは文字通りモンスターを

追い払う為の粉で…さっきみたいに焚火の中に

入れると煙が立ち昇って、辺りのモンスターを

寄せ付け無くする物なんだ。一晩限りで効果は抜群!…

冒険者必須のアイテムなんだが…本当に知らな…」


焚火からまるで火事が起きているが如く怪しい紫色の煙が立ち昇るとマサツグが驚き、その様子にモツが軽く笑いながら落ち着くよう言葉を掛けると、魔物除けの粉についての説明をし始める。そして一通り簡単にだけ魔物除けの粉について説明をし、本当にマサツグが魔物除けの粉について何も知らなかったのかと疑問を感じつつ、質問をし振り返って見せるとそこにはショックを受けた様子で立ち昇る煙を見詰めるマサツグの姿が有った。


__ガァ~~~ン!……


「本当に知らなかったのか…ご愁傷様…」


「おいおい!…

こんな良い物が有るなんて聞いていないぞ!?…

何で教えてくれなかったんだ!?…アヤ!?…」


「あぁ~……まぁ…

道具屋じゃなくて魔法道具屋に行かないと

買えない物だからな?…

その教えてくれた人が魔法職とかでない限りは

多分分からないと思うし…」


マサツグの様子にモツは本当に知らなかったのかと戸惑った様子で見詰めて居ると、一人ショックを受けた様子で空へ立ち昇る怪しい紫色の煙を見詰めては教えてくれなかったアヤに対し、文句を言い出し始める。そしてその文句にモツが戸惑いながらも見知らぬアヤと言う者の為に、何処で売っているのか…その教えてくれた人のJOB次第では知らないかも…と、補足説明を入れるとマサツグが更にショックを受けた様子で固まってしまう。


__ッ!?……


{……まさか本当に知らなかったとはいえ

今まであのギリースーツで頑張って来たのか?…

オマケに話の内容だとコボルト達から

あのギリースーツを手に入れたって事だろうけど……

確かアレってそこそこのレアアイテムで数倒さないと

手に入らないんじゃなかったっけ?…だとしてもヤブ…}


__スッ……チ~~~~~ン……


{もっと見聞を広めるべきではなかったのか?…

マサツグよ?…}


マサツグがショックを受けるその様子にモツが今までどんな苦労をして来たのかと考えさせられると同時に、ギリースーツを持って居る事に驚いてマサツグの運に驚かされる。しかしマサツグがここまで苦労している原因はただ単なる知識不足だと改めて理解してしまうと、モツは自然とマサツグに対して合掌をして心の中でツッコミを入れる。そうしてその夜はマサツグがショックを受けたまま過ぎて行き、朝になるとマサツグがショックを引き摺りつつもモツと共に身支度を整え、またブルーベルズへの街道に戻って目的の森を目指し、歩き出し始めるのであった。



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