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どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-  作者: すずめさん
-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-
214/613

-第三章十九節 オーク部隊とユグドラドへの帰還と女王様のホットライン-



「……じゃあ!…行くだよ!!

この借りはキッチリ奴に返してやるだ!!!」


__オオオオオオオオォォォォォォォ!!!!…


「……最初来た時より大所帯に…

と言うより何だこのある意味恐ろしい光景は?…」


「…言い出しっぺなんだからしっかり面倒見ろよ?…

正直俺はお腹いっぱいなんだからよ…」


オーク達を引き連れて一度ユグドラドに戻る事が決まるマサツグ達、あの時さすがに直ぐに準備して出発と言う訳には行かないので数日の日数を要し!…こうして全員の準備が整った所で今日出発となると、マサツグ達は如何してこうなった?…とばかりにゲンナリして居た!…そしていざオーク達の集落を後にする際あのエルフ達はと言うと、また荷車に乗せられてはガラガラと曳かれる事になり…出発の日までに何度かあの劇薬のせいで被害が出そうになるのだが…一番酷かったのはあの発狂ガールだけなのか他の者達は頭を抱えて悶える程度で、それもレイヴンが調合した解毒薬により徐々に緩和され、ユグドラドに辿り着く頃にはほぼほぼ完治して居た。…但し一人を除いて……


「グッ!!…ウゥッ!!…

アアアアアァァァァァ!!!!…」


「ッ!?…また来たのか!?…

先生出番です!!…」


「……先生ってガラでも無いんだが…まあとにかく…

ほら落ち着け?…ゆっくり深呼吸しろ!…

今緩和の解毒を打つからな?…」


「……にしても飛んでもねぇモンを作ったでな?…

あんな人を苦しませる薬を作るだで…

益々ブチのめさねぇどな!!…」


やはり一番に尾を引いて居たのはあの発狂ガール…他のエルフ達が回復する一方で彼女だけは一番に時間を要し!…そして今日もこうして発狂しては他の仲間達に取り押さえられ、レイヴンが出番と言った様子で呼ばれると、レイヴンは余分に調合した解毒薬を取り出しては沈静化に掛かる…その際レイヴンが彼女達の主治医となって治療をして居た事で、何時しか彼女達から先生と呼ばれ…その呼び方に関してレイヴンはそんなのじゃないと言った様子で流すのだが、内心は嬉しいのか照れ隠しをし…何だかんだで今日も付き合って居ると、そんな様子を見たオーディックも改めてその元凶について怒りを燃やす!…さてここで話は少し変わって何とか他のエルフ達が口を聞ける様になった際!…何故一番に影響が出ているのかその理由について尋ねると、そのエルフは理由についてこう話す。


「彼女は妙な程に奴から好かれて居ました!…

まるで彼女を虐めるのが趣味と言わんばかりに!!…

…結果として我々より彼女があの悍ましい

実験台の人柱にされて!!…

その代償でこの様な事になったのではと!…」


まるで彼女が個人的にその犯人から好かれて居た様に言っては実験台にされたと語り!…その結果発狂ガールになったとそのエルフが語ると、思い出すのも嫌!と言った様子で自身の身を抱える!…余程あそこは悪夢の様な空間だったのか、とにかく文字通り身の毛もよだつ様な態度で酷く青ざめており!…その話を聞いたマサツグやオーディックはこれ以上聞くのは酷と感じ!…これ以上の質問は止めようと思える程に他のエルフ達も怯え切って居たのであった!…さて話は今に戻りその発狂ガールも落ち着かせたところで、マサツグとオーディックが先頭に立ち!…いざユグドラドに向けて出発すると、マサツグ達一行は森の中を抜けようとしていた。


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…ガラガラガラガラ…


「……んだども改めて思うだがよぉ~お? 

アンタ達よくこの森を抜けて来たでだがよ?」


「ッ!…え?…」


「この森さ罠仕掛けたのはオラ達だども…

たまに何処に仕掛けたか忘れてオラ達も

引っ掛かっちまうのに…

アンタ達はそれに引っ掛かった様子が見れんでげな!…

余程目が良いか鼻が良いか…

おったまげたもんでよぉ~?」


徐々に遠ざかる集落と同胞達の見送りを背に…オーディックが改めて驚いた様子でマサツグに声を掛けると、その突然のオーディックの言葉にマサツグは戸惑う!…そして突如如何した?…と言った様子でマサツグがオーディックに視線を向けると、オーディックは話を続けるようその理由を語り…森に罠を仕掛けて居た事について話し出すと、その罠に自分達も引っ掛かると言い…改めて無事に自分達の集落へ辿り着いた事について褒めるよう言葉を掛けると、マサツグも漸く納得する。


「…ッ!…あぁ、それはほら!…

シロが片っ端から罠を見つけてくれたから!…」


「ッ!…シロ?…シロって?…

あの嬢ちゃんの事だでか?…」


「そうそう!…

俺達はシロの案内で辿り着いた様なモンなんだ!…

シロが先行して罠を見つけて俺達が解除!…

…今の所発見率は100パーって所かな?…」


「ッ!?…はええぇ~!!…てぇしたモンでな!?…

…あんな小っちゃい子供だで!…

将来は良い狩人だでか?」


「…いや、俺としては大人しい子に育って欲しいが…」


オーディックが驚いている理由についてマサツグも納得した様子で話し出すと、その理由にシロの名前を上げ…そんなマサツグの話にオーディックも若干驚いた様な反応を見せると、シロの名前を口にしては振り返って指を指しながら確認し…そのオーディックの言葉にマサツグも返事をするようシロの罠発見率について話すと、その話を聞いたオーディックは更に驚く!…自分達ですら引っ掛かる物を見つけて踏破!…その話を聞いてオーディックは将来シロは良い狩人になると言った様子で話すのだが、マサツグとしては普通の大人しい女の子に育って欲しく…そんな事をマサツグがポロっと漏らしている一方で、その肝心のシロはと言うと、エルフ達と一緒の荷車に乗せられてはマサツグの背中をじぃ~っと見詰めていた。


__じぃ~~……


「……ッ!…シロちゃん?…

如何したんだ、そんなにマサツグを見詰めて?…」


「……何でも無いのです!…

ただ見ているだけです!…」


「ッ!…そ、そうなのか…」


荷車に曳かれては一切逸らす事無くマサツグを見詰め!…そんな様子にレイヴンも不思議と言った反応で声を掛けると、シロは何でも無いと返事をする。ただ何が楽しいのか分からないが、シロは素直にマサツグの背中を見て居ると答えると、上機嫌の様子を見せており…そんなシロの返答にレイヴンは戸惑い!…やっぱり見ているんだ…と戸惑いつつも返事をして居ると、そのやり取りを見ていたエルフの衛兵の一人が質問をする。


「……あのぅ~先生?…少し宜しいでしょうか?…」


「ッ!…先生では無いんだが…如何した?…」


「あの小さな子供は?…

あのオーク族の集落の子供でも無さそうですし?…

一体何処の子なのでしょうか?…

と言うよりも何故ついて来て?…」


「ッ!…あぁ!…あれはマサツグのペ!……ッ!?…」


レイヴンの事を先生と呼ぶと恐縮した様子で声を掛け…その呼び掛けに対してレイヴンもツッコミを入れるよう返事をすると、そのエルフに答えようと返事をする。その際レイヴンはその声を掛けて来たエルフの衛兵の方へ振り返るのだが、そこには困惑した表情を見せているエルフの衛兵が座っており…何故かモジモジとした様子でシロの事を見て居て、改めてシロの存在について質問をし始めると、レイヴンもその問い掛けに対して簡単と言った反応を見せるのだが!…ここでその答えについてピタッと固まるよう困惑すると、言葉に詰まる!…何故なら!…


{……やっべ!!…如何説明しよう!?…

シロちゃんはフェンリルだし!!…

エルフ達と確か変な関係性が有った様な!?…

それにそのままマサツグのペットって言い掛けたし!!…

そのまま話してたら間違いなくヤブが変態認定を

受けちまう!!…あっぶねぇ!!…

何なら首輪もしてるから色々と更に

誤解を受けそうだし!!…

シロちゃん自身マサツグと血は繋がって無いから

実の娘って訳でもないし!…

…あぁ~もう、色々とややこしいな!?…

てかフェンリルの子供拾う人生とかどんな

波乱万丈物語り描いてんだよ!!…

……とにかくここは一応娘って事で誤魔化して!…

フェンリルって事も黙っておくか!…}


この時レイヴンはその答えを考えるのに頭をフル回転させた!!…何故なら色々と問題が出て来るからである!!…まずエルフとフェンリルの関係性!…これは古い時代の話に遡っては敵対して居たと言う話で、今も尚その話を聞いては信じて居る者が少なからずエルフ達の中に居り!…あまりフェンリルの事を好ましく思って居ない者がこの中に居るかもしれないからである!…当然これを知ったエルフ達はシロを嫌煙し、シロもそれに傷付く可能性が有り!…それを知ったマサツグが大激怒!…エルフ達と戦争を勃発させかねない事態になる事をレイヴンは予期したのである!…更に今発言しようとした内容について!…ただ単純に冒険者(プレイヤー)同士の会話でなら「ペット」と言っても何ら問題は無いのだが、事NPCに関してはそうは行かず!…明らかに幼女を指差してペットと言うと、別の意味に捉えられ!…完全にその飼い主が変態認定を受ける事になるのである!…オマケにシロは自ら進んで首輪を着けている事から更に誤解を生み!…それを言い掛けたレイヴンは言葉を飲み込み!…有耶無耶にしてしまうと、説明について改めて考えるのであった!…オマケに面倒な事は更に続く!…エルフと言うのはその血についても拘り、純血で無い者は不純だと考える傾向がある!…故にハーフエルフやダークエルフ…同じエルフでもいざこざを起こすと言った事が多々あり!…ダークエルフとの間柄に至っては戦争にまで発展する事態となった!…なのでその事についてもマサツグとシロは当然血は繋がっておらず、これまた説明がややこしく!…ここで改めてマサツグの波乱万丈ぶりについてレイヴンが心の中で文句を零し考えを纏めて居ると、その衛兵は困惑した様子でレイヴンに声を掛ける…


「……ッ?…せ、先生?…」


「…ッ!…あぁ、いや何でも無い!…

あの子はシロって言ってあの先頭で歩いている俺の友人…

マサツグの娘だ!」


「ッ!…娘と言う事は親子?…」


困惑気味に声を掛けられた事でレイヴンは戸惑った反応を見せるのだが、何でも無いと言うと改めてシロの自己紹介をし…その際シロがフェンリルであると言う事を隠しつつ、やはり親子と言う事は隠せなかった様子で…マサツグとシロが親子である事を話すと、エルフの衛兵は当然の様に親子かどうかについて尋ねて来ようとする。そしてその質問が飛んで来た事でレイヴンもやっぱり!…と言った様子で身構えると、再び頭を中をフル回転させようとするのだが…先程から話を聞いていたのかシロはマサツグウォッチングを止めて、話をしているレイヴン達の元にやって来ると、会話に参加し始める!…


__……スック…テテテ!…スチャッ!…ッ!?…


「シロです!!…ご主人様とは!……えぇ~っと…

良く分からないけど一緒に居て!!…」


「ッ!?…シ、シロちゃん!?…」


「ご主人様もシロの事を本当の娘の様に

愛してくれて居ます!!…

だからシロもご主人様の事がだぁ~い好きです!!!」


レイヴンがエルフの返答に困って居る様子を見かねたのか、それとも単純に自己紹介がしたかったのか…シロはレイヴン達の元にやって来るといつもの様に手を上げては自己紹介をし!…この時マサツグとの関係についてもかなり変化球気味に拾われたと説明すると、エルフの衛兵達に満面の笑みを見せる!…当然このシロの登場にレイヴンも驚くと同時に、自分の嘘がハッキリとなった事にも戸惑い!…だがシロはマサツグの事を愛して居るとばかりに好き!と声を大にして話し!…そしてそれを聞かされたエルフの衛兵達も目を丸くさせて驚いた反応を見せると、ただシロを見詰めては瞬きをして居た!…


__パチクリッ!!………


「……はあぁ~…ゴメン…前言撤回!…この子はシロ!…

さっき言った通りマサツグとは何の血の繋がりも無いし

親子でも無い!…

けどマサツグは本当の親の様にこの子を愛している!…

それだけだ…」


「ッ!…で、でしたら如何して?…」


「……分からないか?…さっきお前が口にしたよな?…

まるで実の血が繋がって居るかを確認するよう…

親子か?…って?…」


「ッ!!……す、すみません!…」


ただシロの登場にエルフ達は戸惑い!…レイヴンも嘘を吐くのを諦めると、大きく溜息を吐いては本当の事を話す。その際嘘を吐いた事について先に謝ると、マサツグとシロの間に血縁関係は無いと話し…その話を聞いて衛兵の一人が問い掛けるよう言葉を口にすると、レイヴンはその言葉に対してツッコミを入れる!…まるでレイヴン自身!…辟易とした様子でその衛兵達にツッコミを入れると、衛兵達も自覚が有ったのか謝り…そんな様子にシロが不思議そうに首を傾げている一方で、シロの大好きと言う言葉はマサツグの耳にも届いたのか…オーディックの隣で照れた様に頬を染めて居ると、オーディックに指摘を受ける!…


「……ほほぉ~う!…愛されとるでな!!…

アンタ!!……ッ!…顔、赤いだでよぉ~?」


「ッ!?…うっせバァロい!…」


そうしてオーディックに顔が赤い事を指摘されてマサツグが文句を言いつつ!…一行が森の中を進み続けて居ると、昼頃には森を抜けて平原に出る!…そしてあのエルフ達の世界樹!…ユグドラドが眼前に見えて来ると、オーク達と共にエルフ達も安堵の声を漏らし!…もう少しと言った様子でその平原を横断するよう進み続けて居ると、街道で馬車が一台…猛スピードで走っている光景を目にする…


「……ン?…あれはぁ?…」


「ッ!…アレは何だで?…

豪くトンデモねぇ勢いで走ってるだが?…」


「ッ!…何敵襲だか!?」


「ッ!…いやいや違うだで!…あれはただの馬車…」


マサツグ達とその馬車との距離は開いて居るものの、ハッキリと分かる位に猛スピードで走っており…更にその馬車は妙に赤く!…まるで某・赤い彗星を彷彿とさせる様な機動力を見せている!…当然そんな馬車を見てマサツグとオーディックが反応すると、驚いた様子でその馬車を見ており…その際足を止めた事で他のオークが敵襲かと誤解し始め、その言葉にオーディックが笑いながら違うと話して居ると、その馬車はそのままユグドラド方面へと姿を消して行く…そんな物凄い勢いで走って行った馬車を見送るようマサツグが視線を送ると、何処か見覚えを感じ…改めて誤解も解けた所で再び隊列を組んで歩き出すと、遂にユグドラドの根元…あの門番達の居る場所へと辿り着く!…


__ガラガラガラガラ……ッ!…


「止まれ!!…って、オーク族?…

それに女王様のお客人…今回は何の様で?…」


「あははは…

悪いんだけどまた女王様に取り次いで貰えるか?…

色々とややこしくて…」


「…は、はぁ……それはそうとその荷車……ッ!?…」


荷車を曳きながら門番達の居る所までやって来ると、当然ながら門番達が飛び出し!…不審者か!?と慌てた様子で声を掛けると、途端にマサツグ達である事に気が付く。この時一緒に武装したオーク族…オーディック達も居る事で更に門番達は戸惑い…一体これは?…と言った様子で用件を尋ねると、マサツグは苦笑いをしながら女王陛下に取り次ぐようお願いをする。その際用件は直に話すと言うとややこしいとマサツグが話し!…それを聞いて更にそのオーク達の様子と…大体は分かった様子で門番達は納得し、最後に一緒に曳いて来た荷車について質問をすると、そこで瀕死…及び負傷した同胞の姿を目撃する!…


「ア、アンナカルテロッテ!!…

フェミーチェにラタンナ!!…

い、今まで一体何処に!?…

と、とにかく直ぐに搬送を!!…誰か手を貸せ!!!」


__どよっ!?…ガタガタ!!…


「お、おい!!…大丈夫か!?…」


「あ、あぁ…何とか…まだ私達は大丈夫!…

それよりもアンナを!!…彼女が一番に重傷だ!!…」


やはりユグドラド内でも心配がされて居たのか…その行方不明者の衛兵が無残な姿で見つかったとなると、門番達は慌て出す!…そして門番が慌てて声を掛けると、衛兵達も何とか生きて居るとばかりに手を上げて返事をし…門番が直ぐに人手を集めるよう辺りに声を掛けると、当然これを見て他の門番達も慌てて駆け寄っては荷車からその衛兵達を運び出す!…この時そろぞれ門番達から心配の声を掛けられるのだが、衛兵達は揃ってあの発狂ガール…アンナの事を気にしており!…その事を聞いて門番達も慎重に運ぶようそのアンナに手を掛けようとした途端!…まだ発作は続いているのか突如アンナが起き上がっては暴れ出す!…


「お、おい!?…大丈…」


__ッ!?…ウ、ウワアアアアァァァァァ!!!!…


「ッ!?…な、何だ!?…ッ!!!…」


__ガッ!!…ギリィ!!!…


「コロシテやる!!…

コロシテヤルゥゥゥゥゥ!!!!…」


アンナと言う衛兵が門番に反応するよう大声を上げて飛び起きると、その門番に襲い掛かり!…突如襲い掛かられた事で門番もたじろぎ!…尻餅を着きながらもそのアンナから慌てて距離を開けるよう離れようとするのだが、あっと言う間に捕まっては馬乗りにされる!…そしてアンナは今だあの劇薬の暗示が残っているのか、馬乗りにした門番の首を両手で締め出し!…涙を流しながら殺してやる!と…自身の中でも抵抗しようとして居るのだが体が言う事を聞かない!…そんな苦痛の表情を見せては門番の首を絞め続けていた!…


__ギュウウゥゥゥ!!!…ッ!!!…


「ッ!?…また始まった!!…ッ!…」


「……ふぅ~…あん時は不覚を取ったでが…」


__スッ…ガッ!!…グイィ!!…キュッ!!…


「…二度も投げ飛ばされはせんでよ?…ブフゥ~!!…」


当然それを見てマサツグ達も始まったとばかりに制止に向かおうとするのだが、今度はオーディックが動き出し!…そしていともその衛兵の手を解いては門番を解放してしまい、同時にその発狂しているアンナを吊り上げるよう拘束すると、溜息を吐く…その際もう投げられない!と言った様子でオーディックが言葉を口にして居ると、吊り下げられている衛兵は思いっきり暴れ!…オーディックに向かい何発も蹴りを入れ始めるのだがオーディックは物ともせず!…寧ろ痒いと言った様子で何とも言えない微妙な表情を見せると、そのアンナを拘束し続ける!…


__ア゛ア゛ア゛ア゛ァァァァ!!!

フォン!!…ガイン!!…ガイン!!…


「ッ!…うぅ~ん…

まぁ鎧を着てるだで全然痛くは無いんだども…

さすがに痒いでなぁ…何かムズムズするだで…」


「オーディック!!…とにかくそのままな?…

今鎮静化させるから…」


互いに鉄製の物を付けているせいか、発狂する声に交じって金属音が響き!…その衛兵の暴れ様に門番達は恐れ戦き!…そんな蹴りを喰らって平然としているオーディックにも驚きの表情を見せて居ると、オーディックは痒いと余裕を見せる。そんな余裕を見せるオーディックに対してレイヴンも直ぐに鎮静化するよう動き出すと、オーディックも薬を投与し易い様にそのエルフを抱き締め!…動きの制限を掛けた所でいつもの様にアンナへ薬を投与すると、事切れた様に直ぐにグッタリとし始める…


__ア゛ア゛ア゛ア゛ァァァァ!!!…ア゛!…

…アアァ?……ガクン!…


「……これで良し!…スマン助かった!…」


「いやいや!…イイてモンだよ!…

…さて、安静にして居る内にこの子を!…

…んん?…」


沈静化したアンナにレイヴンが一段落と言った様子で言葉を漏らし…オーディックに協力のお礼を言うと、オーディックも大した事は無いと笑いながら返事をする。そして改めてアンナを門番達に引き渡そうとするのだがその門番達の様子は可笑しく…やはり先程の様子は憑き物が消えた様に見えたのか不気味に見えてしまい、門番達も沈静化されても尚近付くのを躊躇い!…アンナが再度目を覚ました際襲って来ないか?と問い掛けると、ビクビクとした態度を見せる。


「…ほ、本当に大丈夫なのでしょうか?…

…も、もう暴れたりは?…」


「……はああぁ~…同じ仲間だで!…

そげな事でビクビクしてたら治療も出来んだに!…

早くこの子を治療するだ!!…

ここなら大陸一の治療を!!…」


__ビクッ!!…オドオド…


「……はああぁ~…駄目だに…

何か任せられんだでな?…

あぁ~…オラがこの子さ運ぶだで…

後の事は任せたでな?…」


「ッ!?…えぇ!?…ちょっとぉ~!?」


あの襲われる様子を目にして恐怖を覚えるのは当然!…だがそれでも仲間だろうと考えると、オーディックはそんな門番達の様子に文句を言うのだが…門番達は完全に委縮してしまって居り…一向にアンナの事を迎えに来ないままオーディックが情けないと言った様子で再度溜息を吐くと、他の衛兵達と共に一度そのアンナを診療所に連れて行くと決めてしまう!…その際後の細かな説明は任せると言った様子でマサツグ達に声を掛けると、マサツグ達はそのオーディックの言葉に戸惑い!…一体如何やって説明をすれば!?…と言った具合に困惑して居ると、女王様との連絡が付いたのか電話を持って門番が近付いて来る!…


「……あのぉ~…女王様が直に出られるそうで…」


「ッ!?…マジで!?……

てっきりあの隣のキツそうな姉ちゃんが出るのかと…

…まぁいいや…その方がこっちとしても楽…」


「後何か物凄く不機嫌のご様子なので…

失礼の無い様に…」


「ッ!!…りょ、りょうかいでぇ~す…」


門番は女王様との連絡が付いたとマサツグ達に声を掛けると、電話の様な物の受話器を渡し…その際女王陛下自ら出たと言葉を掛け、マサツグ達が驚いた様子でその受話器を受け取ると、秘書官の方が出なくて良かったと胸を撫で下ろす!…しかし門番が言うにはその女王様は今何故か機嫌がとても悪いらしく、粗相の無い様にとマサツグに注意をし!…その注意を受けてマサツグも戸惑った様子で返事をし、深呼吸をした後女王様との電話に臨むと、マサツグはその女王様の異変に気が付く…


「……すぅ~…はぁ~……よし!…

…お電話変わりましたぁ!…

マサツグですぅ~……」


《……もしもし?…あの貴方ですか?…》


「ッ!……女王様……

…何か良い事ありました?…」


__どよっ!?…


マサツグがまるでコールセンターの受付嬢の様に電話へ出ると、門番の言っていた通り女王様が出るのだが…その声は何かを必死に抑えようとしている声で、確かに怒りを我慢して居る様にも聞こえる声なのだが、如何にも違って聞こえる!…そして受話器の向こうの女王様はマサツグに対して本人であるかの確認をするよう声を掛けるのだが、そのマサツグはと言うと…問い掛けに対して肯定するのではなく、調子を尋ねるよう女王様に返事をし!…更にまるで友達のよう軽くサラッと聞き出し始めると、その女王様に対しての対応ぶりに門番及びレイヴン達の度肝を抜く!…先程門番から粗相の無い様にと言われたばかりにも関わらず、余りにもフランクな対応に!…門番達は気が気で無いと言った様子でアタフタとしており!…レイヴンもおい!!…とツッコミたいのを我慢した様子でマサツグの事を睨んで居ると、マサツグは淡々と女王様との会話を進める。


《…ッ!……やっぱりわかってしまいますか?…》


「…必死に我慢している内側に喜びが

混じってますよ?…」


「ッ!?…え?…」


受話器の向こうの女王様はマサツグの指摘に対して怒る事は無く…寧ろ恥ずかしいと言った様子で声を細々とさせると、マサツグにバレた?と確認する。するとその問い掛けに対してマサツグは肯定するよう自身が感じた事を丸々女王様に伝えると、そのマサツグのセルフを聞いたレイヴンは戸惑い!……女王様もそれを聞いた所で赤面しているのか、恥ずかしがるよう受話器越しに声を漏らすと、直ぐに落ち着きを取り戻した様子で改めて用件を尋ねる。


《あらヤダ!……で、ご用件は?…》



「…女王様からご依頼を受けました…

オーク族の集落の神隠しについてですが…

無事に解決いたしました!」


《っ!…それは本当で!?…》


「はい!…つきましてはその証人に族長のオーディック…

そしてミイラ取りになって居た衛兵達を救出しましたので

ご確認を…

……後に数名今この場にオークの者達が居ますので…

そのオーク達の滞在許可を頂けたらと…」


用件を尋ねる際やはり少し恥ずかしさが残っているのか、女王様の声は少し上ずっており…だがマサツグは気にしないよう話を進めると、今回の女王様から受けた神隠しについての話をし始め…無事解決したと結論から話すと、それを聞いた女王様は更に歓喜した様子で言葉を漏らす!…それを聞いてマサツグも承認を連れて来たとばかりにオーディックの名前を持ち出すと、同時に行方不明になって居た衛兵を助けたと説明し!…更に他のオーク達も連れて来たと!…色々訳が有って滞在許可が欲しいと話を進めて居ると、マサツグの電話振りにレイヴンが疑問を持ち出す!…


「お、おいおい?…何をそんなに淡々と話を進めて?…」


《……分かりました!…こちらの方で手配をします!…

…因みにどれ程連れて来られたのですか?…

話の内容を聞く限りだと…

それだけでは無い様に聞こえるのですが?…》


「ッ!…察しが早くて助かります!…数は約三十!…

全員武装してやる気満々!…

理由は後に分かると思いますが…」


__…オオオオオオオォォォォォ!!!!…

ッ!!…オオォ~~!!…


「……だから一体何の話をしているんだぁ~?」


先程のマサツグのぶっ飛び発言に対して淡々と話が進んで居る事にレイヴンが疑問を持ち、如何言う事か?とマサツグに尋ねるのだが当然返答は無い!…その間にも受話器の向こうでは女王様が何かを察した様子でマサツグの願い出を受け止めると、手配をすると答えては同時に人数を尋ね…詳しい話も求めるようマサツグに問い掛けると、マサツグも女王様の察しの良さに助かると返事をするなり話を進める!…その際オーク達の数は30!…武装もして居てやる気も満々と女王様に話して居ると、そのマサツグの言葉に反応するようオーク達は武器を掲げて吠え出し!…それに釣られてシロも手を上げては元気に吠え出す一方で、レイヴンはその反応を見るなり今だ困惑した様子で言葉を漏らすと、ただただ状況が飲み込めないまま放置されるのであった…



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