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どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-  作者: すずめさん
-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-
213/613

-第三章十八節 発狂エルフとサイコパスの日記と治まらぬ怒り!…-



レイヴンを見て発狂し出したエルフの衛兵をそのままに…マサツグ達が集落に戻って来ると、広場にはゴロゴロと…捕まって居たオーク達が並べられては寝息を立てて居た。どれもみな満足げな表情を浮かべて寝ており、マサツグ達もそれを見て安心し…今日は遅いと言う事でエルフの衛兵達共々オーディックの家に厄介になると、その日一日を終えるのであった…そして翌日!…


__……チュンチュン…チチチチ…


「……んん~…ふあ……あぁ~……おんや?……

…あの発狂ガールがいない様な?…

それにオーディックも?…」


__……ドドドドドドド!!!……ッ?…


…さてここからが面倒事の始まりで、翌朝雀の鳴き声と共に目を覚まし辺りを見回すと、そこにはエルフ達も寝て居るのだが…あの発狂したエルフとオーディックだけが見当たらず…目を覚ましたマサツグが何処に行ったのだろう?と辺りを見回して居ると、家の外より慌しい足音が聞こえて来る。当然そんな足音に朝から何事か?と言った様子でマサツグが戸惑いつつも眠い目を擦って居ると、その足音の主はオーディックなのか!…自身の家に飛び込んで来るなりマサツグが起きている事に喜び!…駆け込むよう近付いて来ると、ただ慌てた様子で声を掛ける!…


__バタアァァン!!!…ッ!?…


「おぉ!!…アンタ、起きとっただか!?…

丁度良いだでよ!!」


「……ッ?…オーディック?…朝から何をそんなに?…」


「アンタが気絶させたエルフさ

トンデモねぇ事になっとるだに!!…

アンタも抑えるのに協力してけれ!!…」


「ッ!…え?……と、とにかく少し待ってくれ?…

…どっこいしょ…」


駆け寄るなりオーディックは朝の挨拶を省略すると、マサツグに丁度良いと言い出し!…この時オーディックは息を切らしており、マサツグもそんなオーディックの様子を見て戸惑いつつも声を掛けると、オーディックは落ち着く暇も無い様子でマサツグに助けを求める!…何でもあの助けたエルフの内、発狂して居たのが暴れ出した様に言い出すと、その言葉を聞いたマサツグは更に戸惑い!…腹の上で寝ていたシロを起こさず降ろし、その言葉の意味を確かめる様にマサツグが完全に起きると、オーディックと共にその現場へ向かう!…


__タッタッタッタッタ!!……ッ!?…


「アアアアアアアアァァァァァァァァァ!!!!…」


オーディックに誘導されるままその現場にやって来ると、そこに居たのはあの発狂して居たエルフの女性で…自身の頭を抱えては悶える様に苦しみ!…断末魔を上げて涙を流すと、言葉にならない様子で暴れていた!…当然周りにはその様子を見に来た他のオーク達も集まっており、全員が奇異とした目で見詰めて居て!…とにかく収拾が付かない様子で!…マサツグもそのエルフの様子を目にすると、戸惑った様子で言葉を漏らす!…


「な、何だこれ!?…頭を抱えてる?…」


「分がんね!!…分がんねぇけど

今朝突如悲鳴が聞こえたから跳び起きて!…

様子を見に着たら既にこの有様だでよ!!…

ただこっちから声を掛けてもあんな風に叫んでるし!…

落ち着かせ様にもとんでもねぇ力で

押さえ付けようがねぇ!!…

何とかアレを押さえてくれねぇだべか!?…」


「ッ!?…ちょ!?…

オーディックで押さえられねぇモンを俺に頼む!?…

それに止めるったって如何やって止めりゃ!!…」


マサツグが現状の様子を見て戸惑っている一方で、オーディックも何が起きたのかを説明し始めると、それは突発的な物だと話し!…更にその説明の途中で自分ではあのエルフは抑えられないと言い!…そこでマサツグに助けを求めたと説明をすると、その話を聞いたマサツグも酷く驚いた様子で困惑する!…あのオーディックですら押さえられないモノを抑える!…一体如何やって抑える!?…と考えさせられると、ただ戸惑いの言葉を漏らし!…その間にもそのエルフは苦しんでおり、原因が分からないまま対応場をして居ると、後からレイヴン達も騒ぎを聞き付けてか…現場に到着するなり慌てた様子でマサツグに声を掛ける!…


「……ヤブ!!…」


「ッ!!…レイヴン!!…」


「……話は後だとにかくアレを止めてくれ!!…」


「ッ!?…お前までそんな事言う!?…」


__ウンッ!!……ッ!?…


突如後ろから声を掛けられた事でマサツグ達が振り返ると、そこには既に準備万端の状態で活動して居るレイヴンの姿が有り!…だがマサツグはそんなレイヴンの様子等全く気にして居ない様子で返事をしており、レイヴンも慌てた様子でマサツグにエルフを止めるよう訴え掛けると、その言葉を聞いたマサツグはレイヴンにツッコみを入れる!…今まさにその止め方で悩んで居る!と言った様子でマサツグが言葉を口にするのだが、レイヴンはマサツグなら止められると言った様子でただ静かに頷いて居り!…マサツグもそんなレイヴンの頷きを見て更に困惑し!…徐々にいつもの如何にでもなれ状態に突入し始めると、遂には吹っ切れた様子で吠える!…


「……ッ~~~~……ッ~~~!!!!…

だあああぁぁぁ!!!…もう!!…

そこまで無言の圧を掛けてくんならやってやらぁ!!…

但し期待すんなよ!?…」


「…信じて待ってるよ!…」


「ッ!?…こ、コイツ!!……えぇ~い、ままよ!!」


オーディックからは懇願の眼差し…レイヴンからは妙に信頼して居ると言った視線!…ただ言葉を掛ける事無く二人から視線を向けられると、マサツグは耐え切れなくなった様子で吠え出し!…いつもの様に自棄を起こしてはレイヴンに文句を言い!…そのエルフに向かい出す一方で、レイヴンはマサツグに信頼して居ると声を掛け!…その言葉を受けてマサツグが苦虫を噛んだ様な表情を見せると、恨めしそうにレイヴンを一睨みする!…そしてそのエルフの元に辿り着いた所で改めて様子を確認すると、まるで地獄に居るかの様な苦痛の表情を見せており!…そんな表情に戸惑いつつ!…マサツグが声を掛ける様に手を伸ばし始めると、それに反応するようエルフも動き出す!…


「ッ!!……本当にトンデモナイ勢いで暴れてるな!!…

…フゥ~…おいアンタ!…

何があんのか知らんがとにかくおちつ…」


「ッ!?!?…アアアアアァァァァァ!!!!」


__ガッ!!…グオオォォ!!!…


「ッ!?…ぬわああぁぁ!!!…ッ!!…」


マサツグの伸ばして来る手に反応してそのエルフが手を掴みに来ると、マサツグを背負い込む様にして勢い良く投げ飛ばそうとし!…その際エルフはやはり痛みか何かで錯乱しており!…叫びながらマサツグを背負い込みまですると、マサツグも悲鳴を上げるのだが!…マサツグも咄嗟に反応するよう投げ飛ばされる直前で腰に力を入れると、地面に叩き付けられる直前で地面に足を着き!…ブリッジ状に耐えて見せる!…


__ブオン!!…ダアァン!!!…どよッ!?…


「おぉ!!…耐えただ!!」


「ッ!!…おいおい!…

背負い投げして来るとか聞いてねぇぞ!?」


「ッ!!!…アアアアアァァァァァ!!!!」


マサツグが足を着いて耐えた際、辺りからはその背負い投げに耐えた事でどよめきが上がり!…オーディックも投げられたのかマサツグが耐えた事に驚くと、目を丸くしてその様子を見守る!…その一方でレイヴンは焦った様子でその様子を見守っており、マサツグも背負い投げをされた事で文句の言葉を口にし…エルフもマサツグに耐えられた事で若干驚いた反応を見せると、更に技を掛けようとする!…耐えているマサツグに対して地面に無理やり押し付けるよう力を入れると、掴んで居る腕に何度も圧を掛け!…だがマサツグもその圧に負けないよう全身に力を入れると、ブリッジ状態を維持し!…逆転の策を考え出すと、改めて今自身が置かれている状況について確認をする!…


__ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァァァァァ!!!!…

グッ!!…グッ!!…


「ッ!?…テメェは人キメラかっての!!…

…とは言えこのままだと不味いな!!…

何か方法は!!……ッ!!……あの技が有った!」


「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァァァァァ!!!!」


「…ッ!!…

さすがにそろそろキツイから仕掛けさせて貰うぜ!…

…ッ!!!…」


もはや形振り構って居ない様子でエルフはマサツグを落としに掛かると、涙を流しながら目を血走らせ!…その際上げている悲鳴も徐々に人外の様に聞こえて来始め!…マサツグがその悲鳴にツッコミを入れるよう文句を更に口にすると、ここで打開策を考え付く!…後はそのタイミングと言った様子でエルフの猛攻を耐え忍んで居ると、徐々にマサツグの下半身にも限界が迫り!…それを見てエルフも止めとばかりに動き出し!…渾身の力でマサツグを押し崩そうとすると、マサツグもそれを待って居た!とばかりに反撃する!…


__ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァァァァァ!!!!…

ダンッ!!…グルンッ!!…


「これがああぁぁ!!!」


__ダアアァァァン!!!…ッ!?…ッ!!…

グアアアアァァァァァ!!!…


最期の一押しとばかりにエルフが力を込めて押し崩そうとするタイミングで、マサツグは下半身全体に力を入れると地面を蹴り!…そして自身の頭を支点にするようグルリと縦に半回転!…やってやった!とばかりに吠えながらその押し崩そうとしたエルフと入れ替わるよう立ち位置を変えると、逆にそのエルフを地面に押し潰してはマウントを取る!…その際エルフは一瞬の出来事に驚いた様子でマサツグの腕を放し、勢い良く地面へ顔を叩き付ける事になるのだが…まだ意識は飛んでおらず!…マウントを取られても尚まだ抵抗しようとすると、藻掻き続ける!…そしてマサツグもしてやったり!と言った様子で言葉を口にするのだが、まだ抵抗を受けては慌ててエルフを抑えに掛かる!…


「身躱しローリングよ!!!…

…ッ!!…コラ暴れんな!!!…」


__グウウゥゥ!!…ワアアァァァァァ!!!!…


「マサツグ!!…絶対逃がすな!?…絶対だぞ!!」


「ッ!?…な、何だ!?…それはフリか!?…」


「ンな訳ねぇだろ!!!…

…今暴れている原因を取り除いてやるからな!…」


そうしてマサツグがエルフを抑えた事で全員が驚き戸惑った様な反応を見せて居る一方で、レイヴンもマサツグが拘束した事で動き出し!…そのままエルフを抑えるよう指示を出し、マサツグがその指示を聞いてボケる様に言葉を口にすると、レイヴンは慌てて違うとツッコむ!…そしてレイヴンがそのエルフの元まで駆け寄って来ると、突如懐から一つの薬を取り出し、マサツグが抑えている中レイヴンがそのエルフに薬を投与すると、途端にそのエルフは先程までの様子が嘘の様に落ち着きを見せる!…


__ワアアヴヴヴヴゥゥゥゥゥ!!!…

ヴヴヴヴヴ!……ヴ?……


「ッ!…お、おいレイヴン!?…」


「安心しろ!…今投与したのは解毒薬!…

それも少しばかり改良したな…

……マサツグが起きて来る前に一人で

あの洞窟に行って実験内容を確認して来たんだが…

とんでもない事が分かった!…」


「ッ!…え?…」


マサツグに抑えられながらも必死に抵抗し、もはや獣にまでなりそうな状態だったのだが…レイヴンに薬を投与された途端、まるで憑き物が消えた様に静けさを取り戻し!…その場に音も無くパタッと倒れると、まるで息を引き取った様に眠り始める。そんなエルフの様子にマサツグも戸惑ってはレイヴンに大丈夫か!?…と言った様子で名前を呼ぶのだが、レイヴンは大丈夫と言った様子で返事をし!…先程与えた薬については解毒薬と称し、更にあの捕まっていた洞窟についても再度調査して来た様に言うと、驚きの発見があったと口にする。当然それを聞いてマサツグは戸惑った反応を見せるのだが、レイヴンは一安心と言った様子で立ち上がって見せると、後はエルフ達の回復力次第と口にする!…


「とにかく今はこれで良し!…

経過観察を経て症状が収まれば完治だ!…

…まぁ…それでも…

何でこんなトンデモナイ劇薬が作られて有ったのか…

気になって仕方がない所だがな?…」


「……ッ?…劇薬?…」


「……あぁ…如何やらあの症状はエルフ達だけの様だ…

そして薬漬けに近い状態にされて居たらしい…

もう一回行ってみたら日記を見つけた…

それも内容を見る限りここのオーク達を

誘拐した犯人の物だ…」


エルフの具合が落ち着いた所で安堵するのだが、レイヴンは改めて問題を見つけたと言った様子で話し出し!…その際エルフがこうなった原因について劇薬と言葉を口にすると、その話を聞いたマサツグは困惑気味に劇薬と言葉を復唱する…そしてレイヴンはそのマサツグの言葉に対して反応するよう頷くと、何やら一冊の日記の様な分厚い本を何処からともなく取り出し…そしてマサツグに見せるよう徐にその日記を開いて見せ、この日記の持ち主こそがこの神隠しの犯人だと説明すると、マサツグも察した様子で質問をする!…


「ッ!?……じゃあもしかしてさっきの解毒薬も!…」


「それは大丈夫!…

材料を見た限り確かに解毒効果の有る物ばかりで…

配合表もご丁寧に日記に書かれて有った!…

…この日記の内容を見る限りオーク達を攫った

理由はさしずめモルモット!…

だが上手くは行ってなかったみたいだな?…

オークを攫って薬を投与しても次には完治!…

…圧倒的自己回復能力が付いて居たみたいだ…」


「そ、そうなのか……だとしても何でこんな?…」


マサツグはそのレイヴンが持って来た解毒薬についても心配の声を掛けるのだが、レイヴンはそれを見越した様子でマサツグに大丈夫と言い…その解毒方法についても見つけた日記に書かれて有った事を説明すると、既に日記の内容を呼んだのか今回の事件の真相について話し出す。何でもレイヴンがその日記を読んだ限りでは、オーク達は実験用のモルモットだったらしく!…だがそれも順調ではなかった様子で、上手く行っていなかった事を上げると、その理由を簡単に説明する。それを聞いてマサツグも納得した様な反応を見せるのだが、やはり疑問は残る物で…それについて考えるよう言葉を口にし…眠りに就いたエルフの上から退き始めると、レイヴンは更に説明するよう話を続ける。


「……そうだな…一応挙げるなら…この日記の主…

相当…エルフに対して憎しみを抱えて居たみたいだぞ?…

なんせその劇薬は…苦痛を伴う洗脳薬らしいからな?…」


「ッ!?…く、苦痛を伴う洗脳薬って…

それって如何言う!?…」


__スッ!…ッ!…


レイヴンはマサツグに日記を見せつつその理由について説明をすると、日記の持ち主は何やらエルフに対して恨みを持って居ると話し…そしてその劇薬の主な効能についても話し、その効能を聞いてマサツグも驚いた様子で言葉を復唱すると、レイヴンに詳しい話を聞こうとする!…この時その場に集まっているオーディックやオーク達は完全に置いてけぼりなのだが、話を聞く限り自分達は無益な恨み言に巻き込まれて居たと自覚し!…オーク達自身も一体如何言う事なのか?と言った様子で話を聞いて居ると、レイヴンはマサツグにあるページを開いて見せては説明を続ける。


「…ホラこのページから…

…その洗脳薬と一緒に恨み言が書かれて有る…

これは相当なモンだと思うぞ?…

…まぁ…理由に関しては自業自得だが…」


「…どれどれ?……ッ!…」

 -----------------------------------------------------------------------------


 --月--日



 我がエルフ達から追放されてどれ位の年月が


 経っただろうか?…元々我もその一因ではあったが…


 死して尚その事を思い出すと今も怒りを思い出す!…


 我はただ!…不死についての研究をして居たと言う


 だけであったのに!…これこそ解明出来れば我々は


 死の運命から逃れられる!…そんな画期的な研究だと


 言うのにもだ!!!……だが学会はおろか王族…


 十二貴族達でさえもこの研究を認めず!…


 我は追放!!…多少の犠牲を払ってでも完遂するに


 相応しい内容だと何度訴えても聞き入れて


 貰えなかった!!…その結果が今の我だ…


 今の我は自身を犠牲にする事によって不死となった!…


 …見よ!!…この身に宿りし魔力によって朽ちぬ体を


 手に入れた!!…もう死など手懐けたも同然だ!!…


 我は死に勝ったのだ!!!……だが、それを証明する


 にも学会は我に門を開く事は無いだろう…


 我のこの素晴らしい研究と知恵に嫉妬して追放した


 のだからな!?…嗚呼…憎らしい!!…


 我を追放した連中が憎らしい!!…


 忌々しいエルフ共め!!…


 如何やって苦しめてやろうか!?…


 …そんな事を考えて過ごして居たらある珍しい魔力を


 感じた…懐かしくも忌々しい…そんな魔力だ…


 …その魔力に誘われるまま外に出るとモンスターらしき


 コアが落ちていた…それを手に取った瞬間我はある事を


 考えた!…嗚呼!…素晴らしい計画を思い付いた!…


 これで割れの恨みは晴らせると!!…幸い我が隠れ家


 としている場所は薬材が豊富に揃っている!…


 後はそれを作り出すだけだが…


 …今の我ではその薬の効力を試せない…


 まさかここに来てこの不死の体に不便さを覚えるとは…


 …だがそれも心配ない!…宛は有る!……


 …今に見て居ろ忌々しきエルフ共!!…


 本当の地獄と言うモノを見せてやろう!!………etc.


 -----------------------------------------------------------------------------


__数ページ後…


 -----------------------------------------------------------------------------


 --月--日



 ……出来た!…


 薬を投与した者を意に操り苦痛を与える薬!!…


 早速あの日拾ったモンスターのコアに我が魔力を


 流し込み!…近くに居る者を捕まえて来る様に


 命令した!!…だがそのスライムが連れて来るのは


 どいつもこいつも二足歩行の猪ばかり!!…


 こいつ等に薬を投与した所で全く効果は見られん!!…


 さすがの超回復能力と言った所か!…


 これでは実験にならない!!…


 ……と思って居た矢先、運は我を見放さなかったのか


 最高のモルモットが我の転がり込んで来る!!…


 …嗚呼、忌々しきエルフ!!…


 それも衛兵の者達と来た!!…我は好機とばかりに


 その者達を張り付け、薬を投与した!!…


 …嗚呼、最高の反応だ!!…


 発狂しながら我に許しを請い!!…


 助けてくれと他の仲間に泣き叫ぶ!!…


 我はこの光景が見たかったのだ!!!…


 何とも満たされる!!……実験は成功だ!…


 私が掛けた暗示を見事に全うし、苦痛に


 震えていた!!…


 更にこの薬は定期的に摂取せねば更なる


 苦痛が与えられる事も判明した!!…


 …痛みは人を従順にさせる!!…


 我はなんて素晴らしい薬を発明したのか!…


 我は我が恐ろしい!!…


 …後はその時が来るのを待つだけ!…


 効力は既に確認した!…


 確かに個人差が出て来るではあろうが


 これだけの成果が有れば十分だ!!…


 …この場所はもう要らない!…


 次に我が住処にするであろう場所は…


 あの天高き樹の上なのだから!!!…………etc.


 -----------------------------------------------------------------------------


レイヴンはその数ページをマサツグに見せると、自身が確証を持った内容はこれだと説明し…その際同情の余地はないのか自業自得と話すと、マサツグもそのページを確認する。するとそこに書かれてあった内容は、日記の1ページにしてはとても長く!…レイヴンの言う通り恨み言がビッシリと書かれてあると同時に、その劇薬を作るまでの経緯に実験内容と!…思わず読むのを止めてしまいたくなる内容がそこに書かれて有った!…だがそこは自分達の受けているクエストと関係の有る内容なのかもしれないので、マサツグは嫌々ながらもしっかりと内容を読み!…そして日記の最後にはレイヴンの言って居た洗脳薬の配合表か、まるでクッキングブックの様に薬の調合方法が書かれて有るのを目にすると、最後に自信の感想を口にする…


「……確かに恨み言だな?…

内容も滅茶苦茶で長い様な気もするが?…

…オマケに感情むき出しの殴り書きだし……

かなぁ~り逝っちゃってるなぁこれ?…」


「あははは……分からんでもない!…」


その際マサツグは読むのに疲れたと言った様子で思ったままに呟くのだが、レイヴンはそれを聞いて苦笑いをしており…とにかく倒れているエルフの衛兵をそのままに…話が一段落した所でオーディックが近付いて来ると、マサツグ達に声を掛ける。


「…あんだばとにかくお疲れさん!…

一応皆は解放したがまだ事件は

終わってねぇって事だべな?…」


「ッ!……あぁ…そうみたいだな…

……ふぅ~!……」


「あんだば~…

あそこで番してたら犯人は来るだでか?…

オラさっきの話を聞いてその恨み?…

に巻き込まれただけだって知ったら…

腹が立って来たでよ!!…」


オーディックは取り敢えずエルフを制止させた事に感謝するよう二人へ労りの言葉を掛けると、再度確認するよう神隠しの事について尋ね!…そのオーディックの言葉に反応するようマサツグが返事をすると、悩んだ表情を見せては大きく息を吐く…まるで強張って居た緊張を解すよう…一旦は落ち着きを取り戻し始めて居ると、オーディックはその犯人を捕まえたいのかマサツグ達に張り込みをすれば犯人が戻って来るかを尋ね!…だがそれに答えるようレイヴンが難しいと言った様子で返事をすると、その理由についてもあの洞窟で見つけて来たとばかりに話をする。


「……如何だろうか?…多分戻っては来ないと思う……

現に二回目行った時詳しく辺りを調べてみたが…

収集された薬材は全てもう使い物にならない位に

萎びてたし…あの萎びた感じから見て…

約二週間は返って来てない…

薬材を長く保存するにも有る手順が必要だし…

それがされて居ないって事は放棄されたと

考えた方がいいかも知れん…」


「ッ!!…ブフゥ~~!!…チッ!!…

ムカつく奴でな!?…

自分のやった事の癖にオラ達を巻き込み追って!!…

許せねぇ奴でな!?…」


レイヴンは二度目のあの洞窟を見て来た際の事を話し出すと、その薬を作るのに置いてあった薬材の事を話しては居なくなった期間についても話し…大分間が空いている事からあの場所は放棄された場所だと話すと、張り込みをしても無駄だと言った様子でオーディックに言い聞かせる。当然それを聞いてオーディックが鼻息を荒く苦虫を噛んだ様な表情を見せると、その犯人に対して怒りを露わにし!…ボコボコにしないと気が済まない!と言った様子の言葉を口にすると、落ち着かせる様にレイヴンがある話をする。


「…まぁ怒りはご尤もだが…

ある意味ではこうも考えられる…

あのスライムを倒した事で

今後この集落が襲われる事は無いだろう…

それにこの日記の内容を見る限り

あの洞窟に戻って来る事はもう無さそうだし…

真の意味で平和は取り戻されたと…

そうも考えられる!…」


「んだども!…

…んだどもオラの気が晴れんでよぉ!!…

オラの仲間さあんな目に遭わせて!!…

絶対に許さんでよ!!!…

ブフゥ~~!!!…ブフゥ~~!!!!…」


__ブフゥ~~!!!…ブフゥ~~~!!!!…


「ッ!?…おいおい!?…

怒りを覚える事は別に構わねぇが

何処にぶつける気だ!?…」


レイヴンはオーディックの怒りも分かる!…と言った様子で声を掛けると、改めてあのスライムを倒した事でこの集落の危機は去ったと言い…更にその犯人についてももう二度と戻って来る事は無いと…確証は無いものの可能性は低いと言った様子でオーディックに話すのだが、オーディックの怒りは収まらず!…仲間意識が強いのか絶対に許せないと言った様子で鼻息を荒くして居ると、その周りのオーク達も同調するよう鼻息を荒くする!…当然そんな様子にレイヴンが慌て出すと、落ち着く様に声を掛けようとするのだが…そこはマサツグがハッと一つ思い付いた様子で、オーディックに提案するようある話を持ち出すと、オーディックも耳を傾ける。


「……ッ!…じゃあよぉオーディック?…

いっそユグドラドで待ち構えて居るってのは如何だ?…」


「ッ!…それは如何言う事だで?…」


「…俺の勘が正しければぁ?…

…コイツは近い内ユグドラドに攻めて来る

様な気がする!…

だったら先回りしてユグドラドに待機!…

出て来た所でエルフ達と共闘!…

そこで怒りをそのままそいつらにぶつけたら良い!!…

その方が色々と…」


マサツグは何も考えて居ない様子で思った事を口にするようオーディックに声を掛けると、ユグドラドで待ち伏せする様に声を掛け…当然それを聞いたレイヴンは驚き、オーディックは首を傾げ…一体如何言う意味なのかと戸惑い気味に尋ねると、マサツグは続けて説明をする。その際マサツグは自分の勘と言ってはその犯人はユグドラドに攻めて来ると言った事を口にすると、そこで暴れれば良いと!…やり返すタイミングは何時でもあるとばかりに笑顔で話し!…その話を聞いてその場は居る者達全員がぽか~んとした表情を見せて居ると、当然レイヴンがマサツグの話に割って入るようツッコミを入れる!…


「……ヤブ?…今サラッとトンデモナイ事を

言ってるの気が付いてる?…」


「……え?…そうか?…俺だったらそうする…」


「いやいや!…族長自ら出向いてお礼参りとか!!…

色々と話が吹っ飛びすぎだろ!?…

大体オーディックがここを離れたら!!…」


「…いやそれは面白いかも知れんな?…」


「ッ!…え?…」


レイヴンが驚きつつも呆れた様子でマサツグにツッコミを入れると、マサツグはその言葉に疑問を持ち…返事をする際自分だったらそうすると答えるのだが、レイヴンに真っ向から否定され!…その際集落の守りを心配した様子でレイヴンが半分説教にも似た話をマサツグにし始めようとして居ると、マサツグの提案に乗った様子でオーディックが返事をする!…当然これにはレイヴンも再度戸惑った様子でオーディックに視線を向けると、オーディックは目を輝かせては顎に手を当て前向きに考え!…そして自身の中で結論が出たのか、丁度皆が集まっている事を良い事に!…呼び掛けるよう声を掛け出すと、他に行きたい者が居ないかを尋ね出す!…


「……おぉ~い!!…皆に尋ねるだぁ!!…

さっきの話を聞いていた通り!!…

このままやられっぱなしはオラの気が許さん!!…

もしオラと同じ考えの奴が居たら

一緒に暴れねぇだでか!?…いっちょ!!……

オラ達を怒らせた怖さってぇモンを!!…

教えてやらねでか!?…」


__オオオオオオオォォォォォ!!!!…


「よしよし!!…んだば決まりだ!!…

先導はアンタ達に任せる!!…

なんせこの集落を救ってくれた英雄だでな!?…

恐らく全員で数十!!…

一個師団が出来る程の規模だで!…

頑張って指揮してくれだでな?…

あっはっはっはっはっはっは!!!…」


オーディックが若干声を張り上げる様に皆へやり返さないか!と問い掛けると、その場に集まっている者達は拳を突き上げて支持をし!…全員がやる気を漲らせた目を見せながら吠えて居ると、オーディックは決まりとばかりにマサツグの案に乗っかる!…その際指揮はマサツグ達に任せると言ってはオーディックが大笑いをし始めると、それを聞いたマサツグ達はえ?…と言った様子で戸惑い…まさかの展開に二人は困惑すると立ち尽くし…オーク達に囲まれながら如何してこうなった?…とばかりに呆けて居ると、マサツグがレイヴンに問い掛ける…


「……なぁ、レイヴン?…」


「……何だ?…」


「……俺…またとんでもねぇ事言っちまった?…」


「…気付くのが遅ぇよ馬鹿!!……はあぁ~…」


困惑した様子でレイヴンに呼び掛けてはレイヴンも困惑気味に返事をし…その返事が返って来た所でマサツグは今抱えている疑問を口にすると、レイヴンはマサツグに呆れながらもツッコむよう文句を言う!…その際最後に大きく溜息を吐くと、その場で項垂れ!…マサツグはマサツグで天を仰ぐよう空を見上げ…今日も空が青いとばかりに自身の発言に後悔すると、メンドクセェ…と思うのであった…



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