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どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-  作者: すずめさん
-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-
208/611

-第三章十三節 集落の調査と妙な確認と雨の日の神隠し-



オーディックから色々と話を聞いた所でマサツグ達は動き出す!…とにかく今分かっている事はやはり金銭目的の誘拐や恨みを買っているとかではなく、ただ無差別に襲われているとの事で…自分達でも分かる事が有るかも知れないと!…まずはその被害に遭った家に向かい歩き出すと、その道中再度怪しい所が無いか目を凝らし始める!…因みにオークの集落はそのたたら場を中心に展開するよう形成されており、行方不明者もあちらこちらでランダムに…故にレイヴン達とは別行動し、手分けして痕跡を探す事になったのだが…ここでシロが有る事に気が付いたよう…徐に鼻をスンスンとさせながら辺りの臭いを嗅ぎ出すと、その様子に気が付いたマサツグはシロに問い掛ける…


__……ッ!…スンスン…


「…ッ!…如何したんだ、シロ?…」


「……はいです…何処からか優しい匂いが?…」


「ッ!…優しい匂い?……

…駄目だ、全ッッ然分からん……」


丁度その行方不明者の家に近付いて来た時の事で、シロはマサツグの問い掛けに対して不思議そうにしており…辺りを見渡すよう視線を動かすがそれらしい物は見当たらず…シロも何処からこの匂いが?…と言った様子で首を傾げて居ると、マサツグもその話を聞いて臭いを嗅いでみる。だが元よりこのゲームにおける匂いと言うモノは、最初から感じ取り難く!…プレイヤーであるマサツグが幾ら臭いを嗅いだところで分からず…マサツグも一緒になって首を傾げて居ると、シロはその匂いのする方へと歩いて行く…


__スンスン…スンスン…


「……こっちからその匂いがするのです…」


「ッ!…え?…そっちって?…」


__テテテテテ!!…スンスン…

テテテテテ!!…ガラガラ!…


まるで導かれる様にシロがその匂いのする方向へ向かい歩いて行くと、マサツグも戸惑った様子で追い掛け…その際気付いた事にシロの歩いて行く方向は奇しくもその行方不明者の家がある方向で…マサツグがまさかと言った様子で追い掛け続けて居るとシロはその家の中へと入って行く!…これは偶然なのかはたまた何か関係があるのか?…とにかくマサツグも続いてその家の中へと入って行き、シロが何処に行ったのかを探し出すと、シロはその家の玄関口…直ぐにその姿を見つけるのであった。


「……シロ?…ッ!…」


「……ここから…ここから匂いがするのです!…

でも何でだろう?…その優しい匂いと一緒に

水の臭いもするのです…」


「ッ!…水の匂い?……」


シロは土間の様な玄関に一人ポツンと立っては不思議そうに首を傾げており…マサツグも入って直ぐにその姿を見つけると、更に困惑する!…この時シロは何処か何かに操られて居る様な?…とにかく若干虚ろな表情を見せており、その際先程からして居た匂いの他に水の臭いもすると言い出すと、それを聞いたマサツグはますます困惑する!…ただでさえその優しい匂いと言うのが分からず悩んで居ると言うのに、家に入った途端水の匂いと!…そしてシロの様子も何処となく怪しいモノになっており!…マサツグが一抹の不安を覚えつつシロの様子を見て居ると、突如我に返った様子でシロはハッとするなり謝り出す!…


「……ッ!?…ご、ごめんなさい!!…

寄り道しちゃいました!!…」


「ッ!……え?…」


突如振り返って謝り出すシロにマサツグが戸惑った様子で言葉を漏らすと、シロの表情を確認し…するとシロの表情は先程までの様な虚ろな物ではなく、マサツグに対して反省する様な表情を見せており!…マサツグはそこで漸く今までのシロの様子が無意識に行われて居たモノだと言う事に気が付くと、その先程からすると言われている匂いに対してある疑いを掛ける!…


「……無意識?…

…って事は先程からするって言ってる匂いは?…催眠?…

確かにこのゲームそう言った物も作れたりするらしいが…

…でも何で?…一体誰が?…

確かに誰にも疑問を持たれる事無く連れ出す事は

出来ると思うんだが…当然痕跡が残る筈だし……」


「早くその行方不明者?…さんの家に!!…」


「いやシロ?…ここがその家なんだが?…」


「ッ!!…え?…」


マサツグの持った疑いと言うのは催眠の類で、実際薬師になれば作れたりするので可能性は十分に有るだが!…その一方で目的に関しては全く分からず!…あくまでも憶測の域を出ない!…更に誰がやったのかも分からないで居ると、我に返ったシロは寄り道したと言っては今だマサツグに謝り続ける!…そして急いで目的地に行こうと言い出すのだが、マサツグはそんなシロを止めるよう声を掛けると、ここが目的地と答え!…するとシロは驚いた表情でピタッとその動きを止めてはマサツグの顔を見詰め!…今にもいつの間に!?…と言い出さん勢いで固まり続けて居ると、マサツグは固まっているシロをそのままにその家の調査をし始める。


「……で、だ…

…確かにここがその行方不明者の家なんだが…

…何だこれ?…全然荒らされた後は無いな?…

やっぱ催眠の類で考えたら当然なんだろうが?…

…まるで浸水した様なこの跡は何だ?…

ここいらにそんな水が有る様子は見られなかったし…

この家だけ浸水するとかまずあり得ない!…

…そもそも何でこの家だけ?…

ここの他にも家は並んでいるのに…

まだこの家だけ他と比べて離れて居るのなら

まだしも?…」


まず置いて有る家財一式を調べる前に家の中全体を見回すと、当然前情報に有った通り荒らされた形跡は何処にも無く…マサツグの考えた催眠の類なら当たり前なのだが、それとは別に家の中全体はまるで浸水にでも有ったかの様に今だ若干湿っており…その上で床や壁、今立って居る土間も何かで濡れた痕跡が残っていると、同時に若干のぬめりも感じる!…恐らく浸水したままの状態で放置してあった為か、床にはカビらしき物も見られ!…とにかく保管状態はあまり宜しくない様子で…マサツグが本格的に家財も調べ始めようとして居ると、シロは再び臭いを嗅ぎ出しては有る事に気が付く!…


__……スンスン…ッ!…


「…ご主人様?……あの臭いがしなくなったのです…」


「ッ!…え?…」


シロが気付いた事とは先程自分が虚ろな状態になったと思われる匂いについてで、匂いを嗅ぎ出すなりその匂いがしないと…つい先程までして居た筈なのに今はしないと言い出した事で、それを聞いたマサツグも困惑した様子で反応し!…シロの居る方へ振り返るなりその状態を確認し、シロが正常な状態…不思議そうに首を傾げている姿を目撃すると、更に困惑した様子を見せる。一体何が原因であの匂いが発生したのか?…謎が謎を呼びますますマサツグが困惑する中…とにかく家財一式を調べてみるが、これと言った物は出て来ず…そのまま家の中を調べ終え外周も見て回るが、何も見つからない…精々気になる事が有ったとするなら、やはり家の中が濡れて居た事位で…オーディック達が何も無いと言って居た事から普通の事なのかと思わず納得してしまうと、そのまま次の被害者の家へと向かい出す。しかし!…


__ゴソゴソ…ゴソゴソ……


「……ふぅ!…やっぱ何も無いな?…

オマケにこっちはちゃんと換気がされてあったのか

さっきみたいに濡れた後は無いし…

それにシロは匂いに反応しないし…

…シロォ?…そっちは如何だ?…何か有ったか?…」


二件目はちゃんと管理がされて居たのか一件目みたく浸水した様な跡はなく、同じ様に匂いもしない…そしてこれまた同じく可笑しな所は何処にも無い状態で、マサツグ達が必死に何か痕跡をと思い探すが努力振るわず!…空振りに終わる…そんな探索にマサツグは額の汗を拭いつつ何も無いと口にすると、押し入れの方を探索しているシロに声を掛けるのだが…シロはシロで何かを見つけたのか、押し入れをゴソゴソとさせながらヒョコっと顔を覗かせると、マサツグに返事をする。


__ゴソゴソ…ゴソゴソ……ヒョコッ!…


「…何にもないでぇ~す!!……あっ!…

でも何か裸のおねぇさんがいっぱいかかれた

絵本なら!…」


「ッ!?!?…シ、シロちゃん!?…

それは見てはいけません!!!…

元の有った場所に直しなさい!!!…」


「……ッ?…はいです?…」


先程見たく何か可笑しな状態になる事無くシロは探索をして居たのか、押し入れから顔を覗かせると、事件と関係有りそうな物は何も無いと言い…だが事件とは関係ない所で!…恐らく春画集であろう物品を見つけると、マサツグにこれは何?…と言った様子で報告をし!…マサツグもマサツグでその報告を受けて慌て出すと、シロに元の場所へ戻すよう声を掛ける!…その際中身を見ないよう更に声を掛けると、シロはそのマサツグの慌て様に不思議そうにし…戸惑いつつもマサツグに返事をすると、再び押し入れの中へと消えて行く…さて、紳士bookも見つけてその持ち主の尊厳も守り!…進展はと言うと、何も無く…そのまま三軒四軒と調べるがやはり何も無く…そのまま何も見つける事無くレイヴンとオーディックの二人と合流すると、一度オーディックの家に戻っては情報の交換をし合う…


「……で、そっちは如何でした?…

こっちは見ての通り全部空振り…」


「こっちも似た様なモンだった!…まるで何も無い!…

強盗に有った訳でもなけれは何かに絶望して一家心中…

なんて訳でも無さそうだし…

色々見て回ったが何も無かった…

まさに神隠しに遭ったとしか……」


「んだども可笑しいんだでよぉ?…

ここのモンで誰一人として無言でどっかへ行く様な…

そんなシャイな奴は居らんでよぉ?…

それに神隠しって言うのもどうにもシックリごねぇし…

それこそ水瓶さへっ繰り返して見たども何も…」


オーディックの家に有る囲炉裏を囲む様にしてマサツグ達が座ると、マサツグはレイヴン達に何か見つけたかについて尋ね…この時自分達は空振りと話しては両手を上げて首を左右に振り…だがレイヴン達も同じ様で何も見つけられなかった事を口にすると、まさに神隠しと言った様子で悩み出す…そうしてマサツグとレイヴンが悩んでいる一方で、オーディックはやはり可笑しいと考えているらしく!…攫われた者達の事を良く理解して居るのか…何の音沙汰も無く姿を消す様な事はしないと言うと、再度真剣に調べた様に言うのだが…その際水瓶を引っ繰り返してでも調べたと言うと、その話を聞いたマサツグはハッと思い出した様子でオーディックに質問をする!…


「ッ!…そうだ!…オーディック!…

一つ聞きたい事が有るんだが?…」


「ぶひぃ?…何だでな?…」


「……俺達が最初に調べた家…

実は浸水に遭った様な痕跡が有ってな?…

ここ最近でそんな大雨…

もしくは水が溜まる様な事は有ったか?…」


マサツグがオーディックの名前を呼んで質問しようとすると、オーディックは首を傾げて見せ…その際いつもの訛りで返事をし、その返事の仕方にレイヴンが思わず吹き出しそうになって居ると、マサツグは続けて質問をする。この時マサツグが質問をした内容と言うのは、マサツグ達が最初に調べた家の話で…その時見られた浸水の跡について覚えが無いかと天候を交えて質問をすると、オーディックは驚いた様子でマサツグに答える。


「んだでな!?…そげな事無いとっちゃあ!…

確かにここ最近雨が多い気はするだで?…

だども雨が溜まる様な事は無いだど!…

ただでさえたたら場さこさえて有って

年中暑いってのに!…

オマケに水はここいらじゃ貴重だで!…

一応川さ有るが沼まで汲みに行かんねば

なんねぇ時もあるべ!…」


「ッ!……沼まで?……じゃあもう一つ!…

その攫われた奴の中に薬師はいないか?…

或いは集落の中で?…」


「……ッ?…いんや?…そげな奴は居らん!…

まずオラ達は病気になる様な事は無い!…

皆頑丈だで!…確かに器用な奴も居るが?…

何故それを?…」


オーディックはマサツグに対して両手を突き出すと、有り得ないと言った様子で返事をし!…その際雨が多かった事は認めるも溜まる事は絶対に無いと更に言い!…生活水に関しても近くに有る沼から汲んで来ないといけない場合も有ると口にすると、とにかく水は貴重であると断言する!…そのオーディックの言葉を聞いてマサツグも更に可笑しいと言った様子で悩み出すと、更に続けて薬師が居るかについて質問をし!…その質問を受けて更にオーディックは戸惑った様子で返事をすると、首を左右に振りながら居ないと言い…その理由に自分達は病気に掛からないと笑いながら口にし、一応器用な奴は居ると言った風に返事をすると、益々マサツグは疑問を持つ!…そうしてマサツグに返事をした上で質問の意味についてオーディックが質問をすると、マサツグは最初の家であった事について話し出す!…


「……いや…

実は最初調べた家で奇妙な光景を見てな?…」


「ッ!…奇妙な光景?…それはどんな?…」


「家一軒丸々浸水した様な跡…

後シロが何か優しい匂いがするって言って

様子が可笑しくなったり…

その家はとにかく可笑しな事が幾つか見られた!…

近くに他の家が立って居るのにその家だけ洪水に

有った様な状態だし!…

シロが言うにはその優しい匂いも最初だけで

後はしなくなったって…

その時のシロもまるで催眠に掛かって居る様な?…

とにかく変な状態だった…」


マサツグが最初の家を調べた時について簡単に違和感を覚えたと口にすると、まず食い付いて来たのはレイヴンで有り…そのレイヴンの問い掛けに対してマサツグは答えるよう端的に思った事を口にし始めると、その話を聞いたレイヴンとオーディックは驚いた表情を見せる!…何故ならマサツグが言うにはその最初調べた家は浸水した跡が見られたと語り出したからであり、先程話して居たオーディックの話を否定するものであったからである!…更に続けてシロの様子やその一軒だけ可笑しいと続けて説明し、何か裏に居る様な事を示唆すると、その話を聞いたオーディックは慌て出す!…


「あ!…あんだっで!!…そげな馬鹿な!!…

…ッ!?…ま、まさか集落のモンを疑うでるだか!?…」


「いや!…その逆だ!…

さっきの質問の答えで俺が考えるに!…

最初オーディックが襲って来た時みたいに

敵は間違いなく外から来てる!…

それも家一軒水浸しに出来る程の実力者!…

更に催眠も使って来る厄介な敵だと考えている!…」


マサツグの話を聞いてオーディックが驚き戸惑うと同時に、その疑って居る様な口振りにマサツグへ噛み付き!…だがマサツグは直ぐに違う!と返事をし!…オーディックと一緒で外から何かが来ている事を疑うと、続けて自身が思う犯人像を口にする!…その際やはり気になるのはその水に関連する事と、催眠の二つで…マサツグは厄介な敵が居ると言った様子で腕を組み顔を顰め出すと、オーディックはそのマサツグの話を聞いた所で疑問を口にする。


「ッ!?…ん…んだども…なして?…

なしてその敵はオラ達の事を?…」


「……さすがにそれは分からない…

だが敵は外から侵入して来て

オーディック達を狙って居る!…

そんな風に感じられる!…」


「……ッ!…そう言えばシロも変な穴を見たのです!…」


「ッ!……穴?…」


オーディックが思う疑問とは自分達が狙われて居る事についてで、マサツグの話を聞いて納得した様子を見せるのだが…同時に自分達が狙われる事に関しては今だ分かっていない様子で…その事を尋ねるようマサツグに声を掛けると、マサツグ達も分からないと言う…だが明確に狙われて居る事だけは判明して居ると言う風にオーディックへ説明すると、ここでシロが思い出した様に!…突如気になる穴を見つけたと言い、マサツグ達もその話を聞いて際しい話を聞く様に反応すると、シロは続けて何処で見つけたのかを話し出す。


「はいです!…

おっきな木の外の壁に穴がポッカリ開いてたのです!…

まるで窓みたいで…

シロが簡単に出入り出来る位に大きかったです!…」


「ッ!?…そ、そんな穴が開いていたのか?…

…全然気づかなかった…」


「お家の後ろに隠されて居たのです!…

あれはお家の後ろに行かないと

きっと見つけられないのです!…」


「……見に行ってみるか?…」


シロが話し出したのは恐らくあの太っとい丸太の壁の事で、そこに自分が出入り出来るだけの穴が開いて居たと言い…それを聞いたマサツグは自分は気付かなかったと驚いた様子で話し…シロは続けて家の後ろにその穴が有ったと言う風に説明をすると、マサツグ達に胸を張ってはドヤ顔をする!…そうしてその話を聞いた所で実際にどんな感じに穴が開いて居るのかが気になると、マサツグが見てみるか?…と声を掛け!…レイヴンとオーディックは揃って頷き!…シロの案内の元その穴の開いている現場へ向かい出すと、到着次第その家が行方不明者の家の裏だと言う事が判明する!…


「……まぁ、そんな穴が開いて居るのを

見つけたって聞かされたからには

被害者の家の裏位しか思い浮かばなかったが…」


「……そこそこデカいな?…俺達でも通れたし…

…でもオーディックだとキツイ?…」


「……駄目だでな!…オラが通ろうとすっと肩が!…

その他にもつっかえて通れねえだよぉ~!!…」


「……猪の壁尻……誰得?…」


__……ポツッ…ポツッ……ッ!……ダスウゥゥン!!…


シロが見つけたと言う穴の現場にやって来ると、そこにはシロの言う通り約1m半強?…位の穴が開いており…更にその穴も最初に調べた家と同じく妙に湿っていて、マサツグやレイヴンが自分達でも通れる事を確認して居ると、オーディックもチャレンジをするのだが…ギリギリ通れないのか色々とつっかえた様子を見せて居り、しまいには体が穴に挟まっては一人ジタバタとし始める!…そんな様子にマサツグが思わず誰得?…と言った様子で苦笑いをして居ると、今日は雨なのか突如としてポツポツと降り出し!…オーディックも何とか自力で抜け出せたのか、抜け出す際尻餅をつく様に後ろへ転がって来ると、ハッとした様子でマサツグ達に声を掛け出す!…


「……ふぃ~!…ッ!…雨だでな?……ッ!?…

そうだ!!…言い忘れてただ!!…」


「ッ!?…え?…」


「神隠しは決まって雨が降った日に起きるだ!!…

だから恐らく今日も!…起きるかも知れね!!…

だから皆警戒するだでよ!!…」


「ッ!?…ちょ!?…それを早く言えっての!!…」


「…時刻的にはそろそろ夕暮れ!…

…やるなら影の少ない深夜って所だな!…」


オーディックが突如思い出した様に慌て出すと、マサツグ達はそのオーディックの反応に若干驚き!…だがそんなマサツグ達の事など御構い無しにオーディックは神隠しについての新たな情報を口にする!…その際神隠しが起きる日は決まって雨が降ると言い出すと、今日雨が降り出した事に慌て続け!…当然それを聞いたマサツグ達も更に驚き!…戸惑った様子で時間を確認すると、その時刻は夕方を指して居た…そしてこの雨がいつまで続くかは分からないものの、マサツグ達は犯人の気持ちになってはいつ犯行に及ぶかを考え!…深夜に犯行の可能性が高い事を示唆し!…互いに顔を見合わせ頷いて見せると、今日は寝ずの番と言った様子で身構えるのであった。さて、時間は一気に進んで夜の11時!…今だ雨は降り続けており!…いきなりのぶっつけ本番に戸惑いつつそれぞれ分かれる様にして見張りに立つと、目を光らせていた!…


__ザアアァァァ!……


{……一応灯りは点けられてるが自分の周りだけだか

ら如何にも…遠くまで見通す事が出来ないな!…

感知(サーチ)を多用するか?…いやしかし!…}


{……さすがに範囲が範囲だけに

魔法陣はとてもじゃないが描けない!…

オマケに相手が何なのか今だに分かってないし!…

魔術師ソロだし!…こりゃ苦戦必至だな!…}


{さぁ!…どっからでも掛かって来るだぁ!!…

今まで連れ去った仲間さ何処にやっただぁ!!…

神隠しぃ!!…}


__ザアアアァァァ!……じぃ~~……ッ!…


それぞれ集落の東西南に別れて見張りに立ち、外に視線を向けると外敵に対して目を光らせていた!…ただ夜中でロクに灯りも無いせいか、周りの見通しはとても悪く!…更に雨音がまるでジャミングの様に!…他の音を掻き消し外敵の足音も掻き消してしまうと、いつどこから来るのか本当に分からなくなってしまう!…そんな状況にマサツグも戸惑いを覚えると、感知(サーチ)の多様を考えるのだが!…多用し過ぎていざ見つけた時!…動けなくなるリスクを考えると、如何にも判断を鈍らせてしまう!…そしてレイヴンもさすがに半径200mの集落丸々一つを魔除けの魔法陣で守れないと言った様子で考えると、自身の方に犯人が来た際苦戦すると予期し!…オーディックはオーディックでまるで仇を取る様に闘志を漲らせ!…シロはシロで夜目と耳が効く事から見張り台を任されると、全体を見回す様に目を光らせて居た!…さてそんなシロが集落内に目を光らせて居ると、ここでふとある物を見つける!…


「……ッ?…あれは?……」


{……現時点でまだ来てない…

今日は襲って来ないのか?…

もしくは既に最初考えた通り催眠で誘導!…}


{……夕暮れ時から彼此6時間!…

更にこれが6時間あるとなるとキツイなぁ…

いっその事さっさと姿を現して欲しいモンだが…}


「何処だ!?…

何処だ何処だ何処だ!!…

ッ~~~!!!!…」


__……ッ!!…カンカンカンカン!!!…


シロが集落の中である物を見つけるとそれを一点に見詰め!…その間マサツグ達も外に目を光らせて居るのだが、当然中の様子など気づいて居らず!…ただ各々何も無い事に嫌な予感!…疲れた…闘志を漲らせ、思いを馳せて居ると、突如シロの居る見張り台の方から半鐘の音が響き出す!…まるで静寂を打ち砕く様な勢いで半鐘の音が雨の音に対抗すると、この時シロも慌てた様子で半鐘を叩き続けて居り!…それを聞いたマサツグ達は慌てて反応し!…駆け出す様に集落の中へ戻って行くと、まずは見張り台のシロへ声を掛ける!…


__ッ!?…バババッ!!×3…


「ぜぇ!!…何が有った!!!」


「ッ!!…ご主人様、水が!!…

()()()()()()()りが動いてたです!!…」


「ッ!?…何だって!?…」


まず最初に辿り着いたのはマサツグであった!…マサツグは慌てた様子でシロの居る見張り台の方に目を向けると、何が有ったのかを問い掛け!…シロはその問い掛けに対して自分の目を疑う様に!…ただ戸惑った様子で()()()()が動いて居たと口にすると、マサツグのその方向を指差しては伝える!…だが当然それを聞いたマサツグは何が何だか分からず!…一体如何言う事とシロに尋ね!…シロはシロで今だ慌てるようマサツグに説明し、だが自分でも何を言って居るのか分からないのか混乱し始めると、悩む様に頭を抱え出す!…


「おっきな水たまりが動いてて!!…

それで家の中に入って行って!…

中からオークさんを!!…」


「おい!!!…大丈夫だか!!…

しっかりするだ!!…」


「ッ!?…話は後で聞く!

…シロはそのまま見張りを!!…」


「ッ!!…は、はいです!!…」


悩みながらも一生懸命に説明をしようとするシロにマサツグも怒らず話を聞き!…だがそんな時間も無いとばかりに叫ぶ声が聞こえ!…マサツグとシロもその叫ぶ声の聞こえた方に視線を向けると、そこには現場に辿り着いたオーディックとレイヴンの姿が!…そしてオーディックの腕にはオークの子供が抱えられており、必死に無事かどうかをオーディックが叫んで居ると、レイヴンが状態を確認して居た!…そんな様子を見てマサツグもシロの話を後回しにすると、引き続き見張りをシロに任せ!…シロはシロで慌てつつも返事をし、再度被害が無いかを確認して居ると、マサツグはその間にもオーディックの元へ辿り着く!…


__ダダダダダダ!!!…


「オーディック!!…レイヴン!!…容態は!?…」


「……大丈夫だ!…息は有る!…

ただ何か様子が可笑しい!…

別に命の危険が迫っているとか

そう言う物ではないんだが!…

さっきからうなされてる!…」


「うううぅぅぅ~!!……」


マサツグが慌てて駆け付けるなりその攫われそうになった子供の容態について尋ねると、レイヴンは慌てながらも大丈夫と返事をし…だが様子が可笑しい事には変わらず、原因が分からないと言った様子で言葉を口にすると、ただうなされて居ると説明する!…そんなレイヴンの説明を聞いてマサツグもそのオーディックが抱えている子供に目を向けると、レイヴンの言う通り何かに怯えるよう唸っており!…マサツグもその様子を見て戸惑いの表情を見せ!…一体何が原因で唸っているのかと考えて居ると、その子供の両親か…家から出て来るなり慌ててその子供の元へと駆け寄る!…


「坊!!…坊!!!…」


「ぞ、族長!!…これは!?…」


「ッ!…安心するだ!…一応命に別状はねぇみだいだ!…

…例の神隠しだ!…だどもこの人達が助けて下さった!…

感謝はオラじゃなくてこの人達に!…」


やはり心配した様子で駆け寄って来た両親の姿は、何処か濡れており…それこそ今降っている雨とは別に…マサツグとレイヴンがその事に気が付いた様子で見詰めて居ると、その子供の両親はオーディックに説明を求める!…そしてその説明をする際、オーディックも気が付いた様子で反応すると、まず子供が無事である事を伝え!…次に隠す事無く神隠しに遭い掛けたと説明し…マサツグ達が見つけたと説明をすると、その子供の両親はマサツグ達に感謝をする!…


「「ッ!?…あ、ありがとうございます!…

ありがとうございます!!…」」×2


「ッ!?…い、いやいや!…俺達は何も!!…」


「俺達じゃなくてシロちゃんを!…

あの見張り台に居る子に感謝してください!…

あの子が居なければ俺達も気付けたかどうか!…」


「「ッ!?…あ、ありがとうございます!…

ありがとうございます!!…」」×2


子供の両親は目に涙を浮かべては何度も何度も頭を下げ!…マサツグとレイヴンもその様子に恐縮するのだが、それ以上に見つけたのはシロと…シロに感謝するよう言葉を掛け見張り台を指差すと、その両親はレイヴンの指差す見張り台の方へ目を向けては、必死に感謝の言葉をシロに向けるのであった!…因みにシロはこの時マサツグに言われた通り!…見張りを継続してはやはりあの水たまりは何だったのか?と一人悩み!…感謝の言葉よりその水たまりの方が気になって仕方がなく!…その両親の感謝の声は後日、再度本人達の言葉より伝えられるのであった…



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