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どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-  作者: すずめさん
-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-
207/611

-第三章十二節 唐突な森の罠と警戒するオークとオークの集落-



食事を終えたマサツグ達は宿屋を後にするのだが、ここで外へ出る時に注意を払う!…誰もいない事確認してから道に出るのだが、勿論宿屋の裏口から外に出ては裏通りに…そこから表通りへの順番で出て行く…何故なら最初宿屋に泊った際は人目が有るから断られたので、当然宿屋に泊って居ないと言う事になっており…そのまま宿屋の出入り口から出ると、色々と面倒事になり…宿屋の女将さんに迷惑を掛かない為にもこのややこしいルートで外に出たのである。さて相変わらず外に出た所で他のエルフ達からの視線が刺さるのだが、それとは別に…レイヴンが先頭になって歩いては溜息を吐いていた。


__コッ…コッ…コッ…コッ……


「……ハアァ~…昨日…

夜中に窓から飛び出して宮殿に行ったのに?…

まだ慣れないんですか?…えぇ?……英雄さんよぉ?…」


「バ!!…馬鹿野郎!!!…

恐怖症に慣れを求めるな!!…

シロを顔に張り付けっぞ!!!…」


「ッ!?……ハアァ~…どんな文句だよ…」


レイヴンが溜息を吐いている理由…それはマサツグが今だシロを抱えて歩いて居ると言う事であり、更に今だ世界樹の高さに慣れて居ないのかビビりながら歩いて居たからである。と言う事は当然マサツグは昨日と同様シロを抱える事で恐怖心を紛らわしており、シロはシロでやはり満更でもない様子でマサツグをあやし…エルフ達もそれを見る事で不審な目をマサツグ達に向け、一緒に歩いているレイヴンも同様の不審な目を向けられる事でウンザリして居た!…これにはレイヴンも当然文句を言うようマサツグへシャキッとする様に言うのだが、マサツグはそれに反論するようレイヴンへ馬鹿野郎と言い!…更にシロを武器にレイヴンへ続けて文句を言い!…レイヴンもそれを聞いて思わず反応してしまうと、呆れた様子で溜息を吐いては諦める…さてそんな視線にやり取りをしながらもマサツグ達は地上に向かう為のシャボン玉エレベーターに乗り込むのだが、ここである事に気が付いてはマサツグがその疑問を口にする。


__…スッ…ぽよんっ!…


「……ッ!…そう言えば……ホムラは如何すんだ?…

何も言わずに宿屋に置いて来たけど?…

それにまだ礼も…」


「ッ!…あぁ、その事なんだがな?…

あの女将さんから聞いた話なんだが…

…俺達よりも先に起きて宿屋を出て行ったとか…

…それもカウンターには自分の分の宿代を

置いて有って…二人の分は免除して欲しいって置手紙と…

後何やら首飾りも置いて行ったらしい…」


「ッ!?…おいおいマジかよ!…

別に気にしなくても良いのに!…

って言うかそこまでして貰う義理はねぇのに!…

…こりゃあ!…しっかり仕事しないといけないな!…」


マサツグが疑問を持った事とは宿屋に置いて来たであろうホムラの事で、そのままにして来て良かったのか?と疑問を口にして居ると、レイヴンはその疑問を耳にするなりマサツグに答え出す。何でも女将さんから聞いた話との事で、早朝に出て行ったと語り…その際自分の分とマサツグ達の分…宿代を置いて行った話まで聞かされると、その話を聞いたマサツグは驚いた反応を見せる!…そして自分達も同じ事をしようとしていたのに先を越された様な感覚になっては、更にホムラへ対して恩を感じ!…意地からでも女王様の仕事を熟そうと!…やる気を滲ませ目に輝きを見せるのだが、今だシロを抱えては震えており!…レイヴンもその様子を見て締まらない…と言った具合に苦笑いをするよう言葉を漏らして居ると、マサツグ達は地上に辿り着く。


__スウゥゥゥ……ぽよん!…ぽよぽよん!…


「……ッ!…んん~~!!…久々の大地!!…

もう何も怖くない!!…」


「ッ!…その言葉を聞くと途端に不安になるんだが?…」


「……もう少しご主人様を甘やかしたかったです…」


シャボン玉エレベーターが地面に着いた途端、マサツグはシロを降ろすなり息を吹き返すよう大きく伸びをし!…まるでフラグを立てるよう有る言葉を口にすると、その言葉を聞いたレイヴンは一抹の不安を覚える…そしてその事をツッコム様にマサツグへ声を掛けて居ると、マサツグに降ろされたシロはシロで寂しそうにしており…もう少し堪能したかった様子で言葉を漏らしては若干ショボ~ンとした表情を浮かべていた。そうして今度はユグドラドからそのオーク族の集落に向けて歩き出して行くと、その途中昨日マサツグ達を止めて来た門番達と再会するのだが…その際何故かこちらの事を見つけるなり警戒をしており…警戒と言っても威嚇では無く、寧ろ何かに怯えている様子で…その様子に何か引っ掛かりを覚えて居ると、レイヴンが何やらその門番達の方へ振り向くなりアクションをする。


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……チラッ?…ッ!?……


「………。」


__ゴゴゴゴゴ!!!……ッ~~!!!!……


歩きながらもレイヴンは門番達の方へ振り向くなりジッと凝視し!…そして凝視された事で門番達もビクッと反応し…レイヴンはその様子に何も言わずただジィ~っとハシビロコウの様にガンを飛ばし続けて居ると、何やら怪しいオーラを纏い出す!…まるで怨念に包まれて居る様な!…それと同時に門番達も何やらレイヴンに恐怖している様子を見せており、マサツグも気が付いた様子でレイヴンの肩を叩くと、若干呆れ気味に声を掛ける…


「ッ!…何してんの?…」


「…いや?…ただアンデットらしいチョッカイを…」


「アンデットらしいチョッカイって何よ?…」


マサツグがレイヴンに声を掛けると、レイヴンはスッと元の状態に戻り…そして何喰わぬ様子でマサツグに返事をし、質問に対して奇妙な返事をすると、マサツグはツッコミを入れる!…その際レイヴンが言うにはアンデットらしいチョッカイを出したと言い…その言葉にマサツグは全く予想が出来ず、ただ先程のレイヴンの様子から昨日の仕返し具合が伺えると、呆れた表情を滲ませる…


「え?…いや目を光らせたり…」


__…スウゥ…ボッ!!…


「……なるほど分からん!…」


そうしてレイヴンはマサツグの問い掛けに対して続けて答え、まるで実演するよう自身の目に青い炎を灯して見せると、マサツグは更にツッコむよう分からんと言っては流してしまう…そんなマサツグの流し様にレイヴンは若干ショックを受ける様な反応を見せるのだが、今だ門番達には効果抜群で!…マサツグ達がユグドラドを後にする際、今だ警戒した様子でその後ろ姿を見詰めては、心の中でもう来ないでくれ!…と願うのであった。さてそこからはオークの集落を目指してミニマップの案内通りに近くの森の中へと進み…けもの道の様な道を進んで居るのだが、今だ信じられないと言った様子でエルフとオークの仲について話し…ただ無警戒にドンドン森の中を歩いて居ると、突如シロが何かに反応する!…


「……にしてもあれだな?…

エルフとオークって聞くと

如何しても不仲のイメージがあるよな?…」


「……ッ!?…ご主人様、止まって下さい!!」


「ッ!?…な、何!?…如何したんだ!?…」


__スッ……


「……え?……ッ!…」


突然シロの止まる様に言う言葉にマサツグ達は戸惑い!…一体何が有ったのか?…とマサツグが困惑気味にシロへ声を掛けると、シロは無言である方向を指差す!…その指差すシロの様子にマサツグも釣られて視線をその方向に向けるのだが、そこで見つけたのは何やら他とは違う円形状の地面の色で…マサツグとレイヴンはその地面の色が違う事で疑問を持ち…更にシロが呼び止めた事もあってか警戒しつつ恐る恐る近付いて行くと、その色の違う地面を剣で突き出す…


__ジャコンッ!!……スゥ~…ドスッ!…ドシャアアァァァン!!……


「ッ!?…こ、これは!!…」


「お、落とし穴!?……まるで近付くなって!…

…良く分かったね?…シロちゃん!…」


マサツグが徐に大剣を抜くとその色の違う地面と何ともない地面の境目を突き…そしてそれがきっかけか突如目の前の地面が崩落し!…まるで何か獣でも捕まえようとしていたのか大きな円形状の穴が姿を現すと、マサツグとレイヴンは揃って驚く!…言わずもがな目に前に現れたその穴は落とし穴で、シロが指摘しなければわからない程精巧に作られて有り…レイヴンが驚いた様子で声を上げ、続けて褒めるようシロに声を掛けて居ると、まだ何か有るのかシロの警戒は解けない!…


「……ッ!…まだ駄目です!!…

まだ他にも有るのです!!…

あそことこっちと…ッ!…後あっちも!!…」


「えッ!?…じゃ、じゃあ今度は俺が……

《頑強なる岩石よ!…我が目前の敵を押し潰し!…

その偉大なる力を証明せよ!…

分け隔てなく見せるその力に!…

我は思う!…敵は無し!…ガイアスマッシュ!!》」


__ドゴゴゴゴ!……ゴオォォ!!…

ドシャアアァァァン!!……


「ッ!?…ほ、本当に有った!……」


シロの目には一体何が見えているのか?…まだ罠が有ると言った様子でマサツグ達に注意喚起をすると、その落とし穴の有る場所を次々指差し!…それに合わせてレイヴンも動き出し!…シロの指定した場所に岩を作り出して落とし込むと、シロの言っていた通りに落とし穴が姿を現す!…その際最初の落とし穴はまだ最近作られた物なのか、地面の色が違っていたのだが…レイヴンが落とした場所の地面は色が同化しており!…パッと見では本当に分からない状態となっては更にマサツグ達を驚かせるのであった。その後シロの言う通りに落とし穴を避けて先へと進んで行くのだが、まだ罠は有るのか!…再びシロがマサツグ達を止めると、またもや注意喚起をし始める!…


「……ッ!?…スト~~~っプ!!…」


「ッ!?…こ、今度は何!?…」


「……あそこの樹!……変です!…

樹から樹に蔦が!…」


「……ッ!?…よ、よし!…じゃあ……」


もはやシロが先行してマサツグ達の安全を確保して居り!…シロが待てと言うと、素直にマサツグ達も足を止める!…これではどちらが飼い主なのか分からない状態なのだが、今はそんな事を言ってる場合では無く…マサツグがシロに如何した!?…と困惑しながら声を掛けると、シロは樹から樹へ蔦が張ってある光景を見ては可笑しいと言い出す!…その際シロの言う蔦が張ってある光景と言うのは、丁度人間がその間を歩けば足首に引っ掛かりを覚える位置に張ってあり!…これまた周りの自然と同化しており!…見つけ難い物をまた見つけたな?…と言った様子でマサツグが驚くと、近くに落ちていた枝を拾い…そしてその罠目掛けて投げ付けショックを与えた所で反応を見ると、何処かで見覚えのある罠の様子が見られる!…


__スッ…フォンッ!…ガッガサ!!…

…フォフォン!!…プラァ~ン!……


「ッ!?…こ、この罠は!?…」


「明らかに逆さ吊りだな?…

…何か俺今…メタル○ア3を思い出したんだけど…」


「……奇遇だな?…俺もだ…」


マサツグが投げた木の棒は見事にその張ってある蔦に当たると、その勢いでか蔦は外れて宙を舞い!…それと同時に突如地面からもう一つの蔦が現れ!…まるで輪っかになるよう投げ付けた木の棒を巻き取ると、そのまま宙に垂れ下がるようブラブラと揺れ動く…それは明らかな逆さ吊りの罠で、それを見たレイヴンは戸惑いの声を上げ!…マサツグもマサツグで驚いた様子で言葉を漏らし、まるで某・鋼鉄の歯車三作目に出てくる罠の様だと青褪めながら口にすると、それに同意するようレイヴンも零す!…そうしてそんな罠をシロに見つけて貰いながら…ドンドン森の中を進んで居ると、徐々に何か集落らしき建物が見え始め!…マサツグ達もその影を見ては安堵し…若干警戒を解いた様子で脚を進めて居ると、それは最後の試練の如く聞こえて来る!…


__ザッ!…ザッ!…ザッ!…ザッ!……ッ!…


「…あの建物!…アレがそうじゃないか?…」


「……あぁそうだな…

あの太っとい丸太を地面に何本も突き刺して作った壁!…

オマケに人が居るのか煙も昇ってるし!…

何よりこのザシザシって聞こえて来てる足音…」


「…ッ!…足音?…」


マサツグ達の目の前に見えて来たのはまるで樹で出来た砦の様で!…一番分かりやすく言うと、まるで某・ジ〇リ作品のもの〇け姫!…そこに出て来るたたら場の様で!…煙も立ち昇っている様子から人が居る事も分かり!…安堵した様子でマサツグ達が会話をして居ると、その途中でレイヴンが気になる事を口にする!…その気になる事と言うのは足音らしき音の事で、レイヴンはその事に対して何事も無く口にすると、マサツグが引っ掛かりを覚え!…更にその足音はマサツグにも聞こえて来始め!…何かが近付いて来る様なその足音にマサツグが不安を覚えて居ると、その足音の主はマサツグ達の頭上より降って来る!…


__ザシザシザシザシ!!!…ブオンッ!!……ッ!?…


「おんどりゃああああぁぁぁぁ!!!!」


「な、何なんだ!?…とにかく回避!!!…」


その先程から聞こえている足音は如何やら集落の中の方から聞こえており!…そしてその足音の主の姿は見えないまま!…一体何事か!?…と言った様子でマサツグ達が戸惑って居ると、何やら大きく踏み込む足音が更に聞こえて来る!…すると目の前の丸太の壁を飛び越えてその足音の正体が姿を現すのだが、その姿は丁度日の光と重なってはただの巨大な影にしか見えず!…一体何が現れたのか!?とマサツグ達が更に困惑して居ると、その正体不明の何かは掛け声を上げる!…その際正体不明の影は明らかに何か武器の様な物を掲げており、シルエットだけでも危険だ!!と言う事をマサツグ達は悟り!…慌てながらもその攻撃間合いから逃げるよう退避をすると、次の瞬間には地面が激しく揺れて同時に割れる!…


__ブオンッ!!…ドゴオオオォォォォォォ!!!!…


「っ~~~~!!!……なっ!?…なぁ!?…」


「……はあぁ~~…避けられただか…」


「おいおい!…随分なご挨拶じゃねぇか!…」


__パラパラ……………ッ!?…


その巨大な影が降って来た辺り一帯には土煙が立ち昇り!…マサツグ達も間一髪の所で回避すると、その惨状に言葉を失う!…何故ならその巨大な影が降って来たであろう場所を見ると、地面が縦に割れてはマサツグ達の居る所まで亀裂が伸びており!…その土煙に隠れるよう何かは地面から斧を抜いて居て、マサツグ達に攻撃を避けられたと若干ショックを受けた様子で呟くと、土煙に紛れたままその抜いた斧を構え直す!…当然これにはレイヴンも驚いた様子で戦う意思を見せようとするのだが、徐々に土埃が晴れて来た所で…その降って来た者の正体が明るみになり!…その姿を見たマサツグ達が慌て出して居ると、更に続けてその降って来た者はマサツグ達に敵対し始める!…


「…おい、余所者共!!…

オラ達の村さ何か用だべか!!…」


「い!…イノシシ!?…見事なまでにイノシシ!!…

…でも何処か愛嬌が有る様な?…」


見事なまでの田舎訛りで斧を構えて警戒し!…マサツグ達を見下ろすよう徐々にその巨躯を近付けると、威圧感を放つ!…その間マサツグ達の目に映った者は、何処をどう見ても「猪の獣人」であり!…ただハーフリングスの獣人達は人の方に近かったのだが、オーク族はまんま二足歩行のイノシシで何処か愛嬌が有る様に見られる…だが今は絶賛敵として見られては明らかに敵意を向けており!…敵意を向けられているにも関わらず!…マサツグがオーク族が猪である事に驚きの言葉を漏らして居ると、それに同意するようレイヴンももう一方のオーク族を上げては言葉を漏らす……因みに今目の前に立っているオークは歴戦の猛者か、片眼に傷を負った独眼に金属の重装備と!…更に先程から振り回して居る巨大な斧を持っており、体長も約二m強は有るかとにかくデカい!…


「……こっちのゲームに出て来る

オークって豚の方だったのか…

俺はてっきりあの緑色の方かと…」


「……ッ?…何をごちゃごちゃと言っとるだか?…

用がねぇなら悪い事は言わね!!…

ここから立ち去れ!!…オラ達は機嫌が悪いだ!…

…如何しても居座るって言うんなら!…」


「ッ!?…わあああぁぁぁ~~~!!!…

待った待った!!…俺達はここへは仕事で来たんだ!!…

ほら!…このメダル!!…」


「ッ!?…そ、そのメダルは!!…」


__……スゥ~……ジィ~~…


ただ目の前に現れた一体のオークを目の前に目を丸くしてはマサツグとレイヴンが各々思った事を口にし…そのオークも疑問を持った様子で首を傾げるのだが、今は厳戒態勢中と言った様子でマサツグ達に忠告をすると、立ち去る様に言って聞かせる!…その際無理に居座った場合の事も口にすると、自身の持っている斧を再度掲げ!…その様子を見てマサツグは慌て出し、待ったの声を掛けると同時にアイテムポーチからあのメダルを取り出すと、仕事で来たと訴える!…すると如何だろう?…そのメダルを見た途端オークは若干驚いた反応を見せると、動きをピタッと止め…徐々にその振り被った斧を降ろし出し…ジィ~っとマサツグの持っているメダルを見詰めると、今度はその臭いを嗅ぎ出す…


__……フゴフゴ…フゴフゴ…ッ!…


「…こ、これはホンモンだで!!…

アンタ達!…じゃあ!…」


「……はあぁ…

俺達はエルフの国の女王様からの依頼で来た冒険者だ…

ここへはアンタ達が今被害を受けている神隠しの

調査で来た!…」


マサツグの差し出すメダルに恐る恐る首を伸ばすと、鼻をヒクヒクとさせ…そして女王様の臭いを嗅ぎ取ったのか、目を見開き驚いた様子で一歩後ろに跳び退くと、慌ててマサツグとレイヴンの二人を交互に見る!…この時シロはマサツグの後ろに隠れており…相手が敵意を無くした事でマサツグは溜息を吐き…自分達がここに来た理由について落ち着いた様子で話し出すと、更にその目の前のオークはオロオロとする。


「ッ!?…あ、あんだば!…

あんだばだってん、冒険者?…

今までエルフの衛兵さ寄こして来たのに?…」


「……訛りに訛って聞き取り辛いが…まぁあれだ…

何かユグドラドの方でも問題が出たらしくてな?…

それで…後俺達がここに来たのは女王様の密命…

今だエルフ達は冒険者嫌いらしくて…」


「ば…ばってん……」


ユグドラドとの友好関係からか、明らかに動揺の色が見て取れ!…その上で何故冒険者?…と、マサツグ達にエルフじゃない事について尋ねると、レイヴンがその疑問に答える…その際やはり訛っている言葉が聞き辛いのか、レイヴンは思わず漏らし…それでも意味は聞き取れたのか、今ユグドラドでも問題が起きて居て来れない事を説明すると、同時に冒険者(自分達)が来た理由についても説明する。するとその話を聞いて漸く納得が行ったのか、そのオークは戸惑いながらも頷き…そして持って居た斧をスッと置き、徐にマサツグ達へ頭を下げ出すと、慌てて謝り始める!…


__スゥ…ペコッ!…ッ!?…


「あんだばさっきはスマンこって!!…

まさか人間の冒険者が来るとは思っとらんかったぁ~!…

いきなり襲い掛かった事!!…

本当に申し訳ねぇだぁ~!!!…」


「ちょちょちょ!!…分かった!!…

分かったから頭を上げて!!…

別にこれ位慣れっこだから!!…」


「ッ!…あんだで?…

そりゃさすが冒険者さんだでな~!…

…ちょっとめっててぐれ?…」


マサツグ達が味方だと分かるなりもう反省で頭を下げ!…田舎訛り全開で謝罪の言葉緒並べると、先程までの王者の風格は何処へやら…まるで農家のおじさんと話して居る様なフレンドリーさを感じる…そして安定の頭を下げての謝罪に対してマサツグが慌てると、これまたいつもの様に頭を上げるよう声を掛け!…先程の事に関しても慣れて居ると言い、その言葉を聞いてオークの戦士も顔を上げるとマサツグ達をヨイショする。そして数秒会話に間が空いたかと思えば、オークは徐に待つようマサツグ達に声を掛け…そのオークの言葉にマサツグ達が戸惑い…同意した様子で無言で頷いて見せると、そのオークは軽くマサツグ達に謝る…


__……ッ?…コクリッ…


「……へへへ!…スマンこって!…

…ン゛ン゛!!…すぅ~~!!!…おぉ~~い!!!!…

この人達はオラ達の味方だああぁぁ!!!!…

警戒を解くべぇぇぇ!!!…

皆さ出迎えでけれぇぇぇぇ!!!!」


__ゴウッ!!…ッ!?!?!?…

…ガコンッ!!…ガラガラガラガラ!!…


「……さぁ!!…中に入っでけれ!!…

って、あんだ如何したべか?…」


マサツグ達に謝った後、徐に咳払いをすると息を吸い込み!…自身の集落のある方へ振り向き目をカッと見開くと、次にはバインドボイスばりの号令を掛ける!…集落に居る全員にマサツグ達は味方だと言う事を伝えると、同時に警戒を解く様に叫び!…全員で出迎えるよう続けて叫ぶと、ほぼゼロ距離の位置に立っているマサツグ達は、思わず吹き飛ばされそうになる!…そしてその号令を発してから数秒後…号令の通りに集落の扉が開き出すと、オークは振り返ってマサツグ達を案内しようとするのだが…そこに居たのは耳を押さえて痙攣をするマサツグ達の姿で、オーク自身も何が起きたのか分かっていない様子で固まって居ると、マサツグ達は心の中で反省をするのであった…


{……咳払いに息を吸い込む…

完全な大声フラグじゃねぇか!…}


{…何ならあのグレーターデーモンより

馬力あったぞ!?…}


「うぅ~~!!…耳がキンキンするのですぅ~!……」


「ッ!…あぁ!!…

スマンこって!!…スマンこって!!…」


マサツグとレイヴンは二人揃って自身の耳を押さえてはその場にしゃがみ込んでおり、反省すると同時に今までで一番五月蠅かったものと比べる…そして今だ動けない様子でその場に固まって居ると、声を張り上げたオークはその様子を不思議そうに首を傾げつつ見詰めており、まるで何が原因なのか分かっていない様子で顎の下を人差し指で掻いて居ると、一方でシロは五月蠅かったと素直に口にする。するとその言葉を聞いてオークはハッとした様子で反応を見せると、またやっちまった!…とばかりに謝り出し!…集落からもチラチラと他のオーク達が顔を覗かせ、一体何事?…と言った様子で集まり出すと、その場はもはやある意味事故現場と化す…さて、マサツグ達が動ける様になった所で集落に案内されると、やはりたたら場が有り!…中からは轟々と燃える炎の音と光が漏れており!…何やら一緒に歌の様な物も聞こえて居ると、シロはそれが気に入ったのか口遊む。


__…はぁ~♪…家族の為ならえんやこらさぁ~♪…


「ッ~…♪…えんやこらさぁ~♪…

えんやこらさぁ~♪…」


「ッ!…はははは!!…

気に入ったかい?…お嬢ちゃん!」


「ッ!…はいです!!…」


まるで畑仕事でもして居るかの様な歌が聞こえて来ると、シロは一部分をリピートして歌って居り…それを聞いたオークも笑いながら問い掛けると、シロは元気に手を上げて返事をする。そんな様子を目にするとマサツグとレイヴンも微笑ましそうに笑うのだが、同時に集落の中を軽く見回し…怪しい所が無いかを確認しつつ!…まるでタイムスリップでもしたかの様な気分になって居ると、辺りの建物に目を向ける。辺りは茅葺屋根と漆喰…まるで鎌倉時代の様な建物が立っており、暮らしも何処と無く古風…畑仕事に子供達はチャンバラと、何やら時代を感じる様な風景を見せていた。


{……何か豪く古風な?…}


{…と言うよりは、何か和風?…

何処からか伝わって来たとか?…

…確かにこの隣はオータムクラウド…

伝わって来ても可笑しくはないが…}


__キャッキャ!…キャッキャ!!……


{…違和感しか沸いて来ねぇ!…}×2


その古風な光景を目にするとマサツグは疑問を感じ、レイヴンはレイヴンで推測するよう隣の国の事も交えて考えると、可笑しくないと考えるのだが…そのオーク達が着ている服も何処か和風で…猪が服を着ている…鳥獣戯画?…と言った感じに受け取ってしまうと、もはや怪しい所を探す前に違和感しか感じなくなってしまう…そうしてマサツグ達が違和感を感じている一方で、マサツグ達はそのオークの家に案内され…オークの家に入って座敷に移動し、そこで一旦落ち着きを見せると、改めて自己紹介が始まる。


「……さて!…っと、自己紹介が遅れで申し訳ねぇ!!…

オラここで族長をやって居るモンで名前は

「オーディック」!…「オーディック・ボア・ドスタン」

って言うだ!…宜しぐ!!…」


「ッ!…あ、あぁ!…宜しく!…えぇ~っと…

俺はマサツグ!…で、こっちが娘のシロで…

そのローブ姿が仲間のレイヴン!…」


「シロです!!」


「レイヴンと言う…宜しく!…」


まず最初にそのマサツグ達に襲い掛かって来たオーク…族長のオーディックが自己紹介をすると、マサツグ達に笑顔で握手を求め…マサツグもその突然の握手に戸惑いながらも応じ、自身の自己紹介をし始めると、続けてシロ・レイヴンの紹介をする。そのマサツグの紹介を受けてシロは元気に手を上げて答えると、続けてレイヴンも簡単に自己紹介をし!…二人もオーディックと握手を交わし、互いに挨拶を交わした所で本題に入り始めると、オーディックは悩んだ表情でマサツグ達に事件の内容を説明する。


「……事の発端は良く分からんでよ…

ただ一番最初は子供じゃ無くで大人が攫われて…

帰って来る事無くそのまま次々!…

気が付けばその数は約十人を超えだして…

最初は狩りに出てて戻って来てねぇだけだと

思ってだんだが…大人だけでなく子供までも!…

このままだと不味いと感じたオラ達は女王様に

お願いをしだども…

その助けに来てくれたエルフ達も消えちまって!…

…もう本当に如何したら良いのか

わがんなぐでよぉ~お!?…」


「……因みに何か痕跡は?…

例えば足跡が有ったとか?…匂いとか?…」


「んんだ!…何ものごっでね!…

毎回足音も無くやられてるみたいで誰も見ちゃいねぇし…

匂いも足跡も隈なく探したが何処にもねぇ!…

集落だけじゃなくて周りの森とかにも探しに行ったが…

それらしき物は今の所…」


「……本格的に面倒臭そうな依頼だな…」


オーディックは今までの経緯を説明すると、その被害人数から危機感を覚えたと言い!…そしてここまでに発展するのに、色々と訳を考えて居た様子で話すが遂には子供まで狙われ始めたと!…女王様に慌てて助けを求め、それでそのエルフ達までもが失踪し始めた事を口にすると、嘆く様に分からないと言い出す!…そんな嘆くオーディックにレイヴンは冷静に顎に手を当て考えるよう腕を組み出すと、オーディックに痕跡について質問をし!…だがオーディックは何も無かったと返事を返し、その際集落だけでなく森にまで捜索の範囲を広げた事を口にするが、やはり何も見つからなかったと悩んだ様子でレイヴンに答える!…そうしてその話を聞いた所でマサツグは思わず本音を漏らし、レイヴンと一緒に悩んだ様子を見せるのだが…悩んだ所で何も浮かばず!…とにかく現場百閒と言った様子で動き出すと、集落の中を見て回る事を決めるのであった!…



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