表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-  作者: すずめさん
-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-
203/607

-第三章八節 揉める部屋割りと二度目の潜入作戦と影を行くマサツグ-



さて…ホムラのお陰で宿屋を見つけたマサツグ達はそこで宿を取り、夜に備えて色々と準備をして居るのだが?…ここまでまた別の問題が出て来る。…それは取った部屋が二部屋と言う事で、その部屋割りで頭を抱える破目になったと言う事である!…最初はホムラとシロ…マサツグとレイヴンの男女で分けるつもりだったのだが、シロはそれに猛反対!…マサツグと一緒が良いと言っては言う事を聞かず!…マサツグとレイヴンを困惑させるのであった…


__むっすぅ~~~!!!…


「ヤですぅ!!…

シロはご主人様と一緒が良いのですぅ!!!」


「…ハアァ~……とは言うがなシロ?…

そろそろ一人で寝れる様になってくれ!…

起こすつもりはないが何か問題が起きてからじゃ…」


「じゃあ問題が起きても良いのです!!!」


「いや良く無いから言ってるの!!…」


頬をパンパンに膨らませながらシロは頑なにマサツグと一緒に寝ると言っては聞かず!…マサツグも何とか宥めてホムラと寝る様に勧めるのだが、絶対に首を縦に振ろうとはしない!…マサツグもそろそろ年頃の娘と言う事で、独り立ちを促すよう色々と出て来る間違いを交えて話をするのだが、シロはそれを受け入れる姿勢をマサツグに見せ!…マサツグのそのシロの反応に慌ててツッコミを入れて居ると、ホムラとレイヴンも困惑した様子で見守って居た…


「……シロちゃん…普段は聞き分けの良い子なんだけど…

マサツグの事となると凄い頑固になるなぁ……

あそこまで反抗するシロちゃんは初めて見たかも…」


「あ、あの!…私は別に野宿でも!…」


「ッ!?…い、いやいや!!…そうは行かんでしょ!?…

女の子一人追い出して野宿させるとか!!…

どんな鬼畜なんだよ!!……とは言っても…

この調子じゃなぁ?…」


普段のシロからは想像出来ない拒否反応に、レイヴンも初めて見たと言った様子で驚きの声を漏らし…そんな揉めている様子にホムラも気を利かせようと、一度は自分一人だけ野宿をすると慌てた様子で言い出すのだが、今度はそのホムラの言葉にレイヴンが慌て!…常識的に有り得ないと言った様子で却下をすると、話は振出しに戻る!…仮にマサツグとシロが一緒の部屋で寝たとして、もう一部屋にはレイヴンとホムラが…だがこれをするとレイヴンが如何にも居た堪れなくなるらしく、レイヴンが出来れば止めてくれと物申し…だがこれを先程言った男女に分けると、シロが猛反発し!…更にマサツグとホムラが一緒に寝る事になれば、シロが暴れる可能性が出て来る!…さて一向に話の付かない平行線をマサツグとシロが繰り広げて居ると、徐々にホムラも居た堪れなくなり!…だがここでマサツグがハッと!…思い付いた様子でレイヴン達の方に振り向き出すと、ある提案をする。


「……ッ!…あっ!……いやでも…

…仕方ない…レイヴン!…ホムラ!…」


「ッ!…何?(何でしょうか?)…」


「俺とシロでベッド一つ…

ホムラは一部屋丸々で如何だ?…」


__ッ!……ッ??…


一度はその自身が思い付いた事で悩むのだが…このままで埒が明かないと感じると、二人を呼び!…突如マサツグに呼ばれた事でレイヴンとホムラは一瞬戸惑い!…一体何用かと言った様子で返事をすると、マサツグは端的に自身の考えた結論を口にする。その結論と言うのがマサツグとシロでベッド一つ…ホムラは一部屋丸々と言う事で、それを聞いたホムラとシロは困惑し…一体如何言う事?…と言った様子で戸惑い表情を浮かべて居ると、レイヴンだけは理解したのかマサツグに返事をする。


「ッ!……あぁ、なるほど!…

そう言う事ね!…俺は別に構わんが?…」


「……あ、あのぅ…すみません……少々話が?…」


「ん?…あぁ!…えぇ~っとだな……

マサツグとシロと俺で一部屋…

ホムラは一部屋丸々って事だな!…

まぁシロちゃん自体いつもマサツグの

腹の上で寝てるみたいだし…

ベッド一つでも大丈夫って

結論に至ったんだと思うぞ?…」


「ッ!?…そ、そんな!…わ、私が部屋一つ全部!…

そんな厚かましい真似を!!…」


レイヴンがマサツグの提案に乗るよう返事をすると、益々シロとホムラは困惑し…シロは先程の仏頂面も何処へやら…もはやただ如何言う意味かと悩み始めると、首を傾げており…ホムラはホムラでレイヴンに声を掛け、先程のマサツグの問い掛けに対して如何言う意味かと尋ね出すと、レイヴンは快く先程の問い掛けに対してホムラへ説明をする。マサツグが言いたかったのはマサツグ・レイヴン・シロの三人で一部屋を使うと言う事で、ホムラは文字通り丸々一部屋使い…その際理由についても簡単に説明をすると、そのレイヴンの話を聞いてホムラも納得すると同時に慌て出し!…勿体ないと言った様子で反対をしようとするのだが、今度はマサツグとレイヴンが二人掛りでホムラを説得する!…


__ガバァ!!…ッ!?…


「頼む!!…文句を言わずに受け入れてくれ!!…

もうこれしか方法はないんだ!!…」


「俺達はただ安寧を!!…

安寧を求めているだけなんだ!!!…」


「ッ!?…え?…えぇ??…」


反対しようとするホムラに二人が縋り付くと、縋り付かれたホムラは戸惑い!…レイヴンはこれしか他に方法は無い!…と言った様子で訴え出し!…マサツグもただ安らぐ場所が欲しいだけ!…と今にも泣きそうな表情でホムラに訴えると、そんな二人の様子にホムラもたじろぐ!…こうして二人の必死の説得はホムラに届いたのか、ホムラは恐縮した様子で受け入れ…マサツグ達もそれを聞いた所で安心し!…漸く休めると言った様子で自分達の部屋に入ると、一息吐き始める。


__バタンッ!………バフゥ!…


「ふぅ~!…一時は如何なる事かと思った!!…」


「いやまさか部屋割りでここまで揉めるとは

思いもしなかった!……

シロちゃんは本当にマサツグの事が好きなんだなぁ?…」


「ッ!…当たり前なのです!!…

ご主人様とシロは!……えぇ~っと……ッ!…

いっしんどうたいなのです!!」


「…めっちゃ胸張って言われても……

これは親として冥利に尽きますな?…」


__……チョイチョイ!…ッ!…テテテテ……ポンッ…


部屋に入るなり二人揃って疲れたと言った様子でそれぞれベッドに倒れ込み…このまま如何なる事かと言った様子でマサツグが言葉を漏らして居ると、レイヴンも予想外と言った様子で言葉を漏らす!…そして改めてシロのマサツグに対する愛情の深さに驚いた様子で言葉を口にして居ると、シロは当たり前と言っては自信満々に腰に手を当ててレイヴンへ胸を張り!…レイヴンはレイヴンでそれをベッドに倒れながらも目視し…シロに対してツッコミを入れて居ると、続けてマサツグに茶々を入れる!…そうしてマサツグもシロに対して手招きをすると、シロは素直にその手招きに誘われ…シロが近付いて来た所でマサツグは頭を撫で出し、シロもマサツグに頭を撫でられた事で尻尾を振り出すと、マサツグに甘える…


__ッ!…ブンブンブンブン!!…


「……で?…話は変わるが如何する?…

如何やってあの宮殿に忍び込む?…

…言っておくが俺には無理だぞ?…

この成りじゃ機敏に動けないし…

恐らくヤブ一人での潜入作戦(スニーキング)になると思うが?…」


「……だろうな?…

んでもってこうも都合よく幻影コートを持ってる訳だし…

まぁそうなるだろうな?…

…因みにシロとお留守番出来るか?…

最悪レイヴンの顔しゃぶってて良いからお留守番!…

って言おうと思って居るんだが?…」


甘えるシロをマサツグがあやしつつ…レイヴンもその光景を微笑ましいと言った様子で見て居ると、急に話は念話の話になり!…忍び込む際自分は無理と予め話し!…マサツグ一人で鋼鉄の歯車の様な事になると言うと、マサツグも分かっていると返事する…その際自身の体を起こすと、徐にアイテムポーチから幻影コートを取り出し…更にレイヴンへシロとお留守番を出来るかと尋ね!…その際最終手段を考えて居た事も話し始めると、その最終手段を聞いたレイヴンは慌てて飛び起き文句を言う!…


「サラッと親友を売るな!!…サラッと!!!…

……まぁ何とかなるでしょ?…

さすがに子持ちで潜入作戦(スニーキング)は出来ないし…

もっともシロちゃん自身既に分かってるみたいだし?…

…今の内に存分に甘えておきなよぉ~?…」


「ッ!…はいです!!…ご主人様ぁ~♥」


「……はぁ~…

まさか来て早々にこんな事になるとは!…」


慌てて飛び起きマサツグに文句を言うのだが、この時シロはマサツグの言葉をしっかりと聞いた様子でレイヴンに視線を向け!…その際やはりキラキラとした目で見ており!…レイヴンもそのシロの視線に気が付いた様子で戸惑うのだが、直ぐに落ち着きを見せる!…まるでまだ襲って来ない!…と自分に言い聞かせるよう平常心を保つと、話の続きを口にし…子持ちで任務は出来ないと!…マサツグに茶化すよう言葉を掛けると、シロの様子に視線を向け…そこでシロも理解して居るのか、マサツグが夜中に抜け出す話をして居るにも関わらず、先程の様な不服ぶりを見せて居ない事に気が付くと、シロも分かっていると言葉を掛ける。そしてシロに今の内に甘えておくよう言葉を掛けると、シロは素直に返事をしてはマサツグに甘え!…マサツグはマサツグでシロを甘やかしながら溜息を吐き…言葉を漏らし項垂れて居ると、更にレイヴンはエルフの能力に対して侮れないと!…マサツグに注意喚起をしては何やら闇が有る様な言い方をする。


「……気を付けろよ?…

こんな言い方は褒められたもんじゃないが…

相手はエルフだ!…

それこそ耳が良い上に気配の察知能力も高い!…

…オマケに人間嫌いと来たもんだ!…

…まぁ、それも人それぞれマチマチみたいだがな?…

ここの女将さんみたく…」


「……ハアァ~…」


そのレイヴンの言う闇の有る様な言い方とはエルフ間の中でも色々と有ると言う事で…その話を聞いてマサツグが大きく溜息を吐くと、考えたくないと言った様子でガクッと肩を落とす。そしてその闇と言うのはこの宿屋に宿泊する事が決まった際も見られ!…マサツグはそれを思い出すよう面倒臭いと言った様子で時間が来るのを待って居ると、頭の中ではその回想シーンが始まるのであった…


__宮殿を出た後・宿屋にて…


「……と言う訳で、この方達をここに泊めて欲しい!…

勿論代金は支払う!…

この人達ならあの様な事も起きない!…」


「うぅ~ん…まぁ…

ホムラ様が言うなら問題は無いのだろうけど…

本当に大丈夫なのかい?…

…ウチとしても厄介事は御免…って…ッ!?…

とっとと帰んな!?…

アンタ達を泊める部屋なんて無いよ!!」


「ッ!?…急に態度が変わっ!……ッ!…」


__ヒソヒソ…ヒソヒソ…


一応この宿屋の女将さんは中立なのか…マサツグ達を泊める事に対してはあまり抵抗はない様子を見せて居たのだが、誰かの視線が有ると直ぐに拒否反応を示し!…マサツグ達もその反応に驚いた様子で、その女将さんの視線を追うよう後ろを振り向くと、そこでヒソヒソと話をするエルフ達の姿を見つける!…やはり中立と言ってもそう言う目は浴びたくないのか、それ以降もマサツグ達を追い払うよう態度を強くし!…この後女将さんに目配せで裏口へ向かうよう指示を貰い、やっとの思いで宿屋に泊れたのだが…


__裏口から宿屋へ…


「……いやぁ!…さっきはごめんなさいねぇ!…

やっぱりあぁ言った目が有るとやり辛くてぇ!…」


「ッ!…い、いや…仕方が無いと思いますし…」


「…そう言って貰えると助かるよ!…

でも本当に不便になったねぇ…

確かにあの冒険者達がやった事は許されないけど…

こっちとしてもやっぱり商売がねぇ?…

それに全員が全員って訳でもないし…

今まで内に泊ってくれてた冒険者達は皆

イイ子だったのに…

何でこんな事になっちまったのかねぇ?…」


「………。」


裏口から宿屋に入れて貰うと女将さんはマサツグ達に謝り!…その理由を先程のヒソヒソ話と言って説明をすると、マサツグ達も理解を示して気にして居ないと返事をする…女将さんはその言葉を聞いてホッと胸を撫で下ろすと、理解が早くて助かると言い!…そしてこうなった事に対して不満を口にし…商売が上手く行っていない事を嘆くと同時に、全員が全員悪人で無いと言った様子で冒険者達の事もフォローし始めると、マサツグ達は何も言う事が出来ずに固まってしまう…そうして少なからずこう言うエルフも居ると言う事が分かった所で、改めて宮殿のエルフ達を思い出し!…あそこにもう一度行くのかと言った様子でマサツグが億劫になって居ると、シロが心配そうにマサツグの顔を覗き込む…


「……ご主人様ぁ?…」


「ッ!…え?…あ、あぁ…だ、大丈夫!…

ちゃんと帰って来るから!…

イイ子で待って居るんだぞ?…」


「ッ!…はいです…」


__おろ…おろ……


シロの心配した声にマサツグがハッと我に返ると、そこにはシロの顔がドアップで!…やはり心配そうな表情でマサツグの事を見ており…マサツグもそのシロの表情に戸惑った反応を見せるが、直ぐに大丈夫と返事をする。しかしそのマサツグの様子からはとても大丈夫そうには見えず、シロも釣られて更に心配した様に…力無くマサツグへ返事をし、そしてオロオロとする様な素振りをシロが見せて居ると、レイヴンはそんなマサツグにシャキッとして貰うようある事を話し出す。


「…もし見つかった場合は恐らく禁固!…

それはマサツグがフィロネウスに狙われているって事で

危険物扱いをされて居て…あの話に有った通り!…

滅亡を恐れているからだ!…」


__……ッ!……グッ!…


レイヴンが話し出したのはもしも見つかって捕まった場合の話!…レイヴン曰く国外追放をすると、あの謁見の間で話した通りフィロネウスが襲って来る事から…追放は無いモノの禁固刑になるとマサツグに緊張感を持たせ、更にシロとの再会も困難な物になると付け添えると、マサツグの意識をハッとさせる!…それと同時にマサツグもシロの心配そうな表情を見ると、自分が軽く弱気になって居た事にも気が付き!…改めて気合を入れるようグッと拳を握り!…レイヴンもマサツグがそんなヘマをする筈が無いと言った様子で声を掛けると、まるで鋼鉄の歯車なゲームに出て来る大佐の口調で気合を入れさせる!…


「……まぁ見つかって捕まる様な

ヘマをヤブがするとは思わんが?…

気を付ける事に越した事はない!…警戒は怠るな!…

……ちゃんとシロちゃんを迎えに来いよ?…」


__…ッ!……なでなで…ッ!…


「…フフッ!…当たり前だろ?…」


__……ッ~~!…ッ~~~♪…


ちゃんと潜入!…そして無事に帰って来るようレイヴンはシロを迎えに来いとマサツグに言葉を掛けると、そのレイヴンの言葉でマサツグも目を覚ました様に振り返り!…そこにはもはや迷いは消えた様子で先程の面倒臭そうな表情も何処へやら!…シロの頭を再度撫で出しレイヴンに笑って見せると、当たり前と言って返事をする!…その際マサツグに再度撫でられた事でシロもピクっと反応すると、もう一度マサツグの顔を覗き込み!…そこで元の調子に戻ったマサツグの表情を目にし…シロも徐々に落ち着きを取り戻す様子を見せ出すと、その作戦決行の時間までシロと一緒にゴロゴロするのであった!…


さて時間は直ぐに過ぎ去って、ゲーム時間内にして約深夜の11時!…そろそろ行こうかと言った所でマサツグはシロに有る事をお願いし…シロ一人で宿屋の中を探索して来て貰うと、シロはマサツグに言われた通りに宿屋の中を見て回り…そして一通り見て回って来た所でマサツグ達が居る部屋に戻って来ると、その頼まれて居た事についてを報告するようマサツグの元へ駆け寄る!…


__……ギイィィ…バタンッ…

カチャッ!…テテテテッ!…


「ただいまですご主人様ぁ!!」


「おっ?…おかえりぃ~!」


「ご主人様に言われた通り宿屋の中を見ましたが…

シロ達みたいに泊っている人は居ないようです!

あっ!…後、お外でスッゴイ美人のお姉さんが二人!…

何か怖い顔をして宿屋の事を見て居たのです!…」


自室の扉を閉めて更に鍵を掛け!…その上でマサツグへ向かい一直線に走って来ると、飛び込む様にしてマサツグに飛び付き!…マサツグも慣れた様子でシロを受け止め!…シロが帰って来た事に挨拶をして居ると、シロは早速マサツグの頼み事を聞いて来た様子で話し出す!…マサツグがお願いをしてシロに見て来て貰った事と言うのは、女王陛下と念話をしていた際に聞いた監視の事で…シロは宿屋内に怪しい者が居る所か他に客は居ないと言い、更に外の様子を見て来て宿屋の前にそれらしい人が居た事をマサツグに話すと、レイヴンが相槌を打つ。


「……女王様の言う通りって言った所か?…

間違いなく監視だろうな?…俺達の!…

…個人的には美人と言う所に興味があるが…」


「…右に同じ……ッ!?…」


__ジト~~~!……


「……大人しく準備します…」


まるで予定通りと言った様子で言葉を漏らすと、レイヴンは更に本音を漏らし!…マサツグもそれに同意しそうになるのだが、シロの視線がグッサリと刺さり!…出そうになった言葉を飲み込みつつ、用意した幻影コートを羽織り自室の窓へ向かい始めると、窓からの脱出を試みる!…その際窓の下に誰も居ない事を確認しつつ、窓枠に足を掛けると心を整え!…そして一度レイヴンとシロの居る方に振り向き、キザッタらしく挨拶をするよう額にピースサインを当ててアデュッ!…とやって見せると、レイヴンが頷く!…


__……ピッ!!……コクリッ!…ぴょんぴょん!!…


「……じゃ!!…」


__スッ……ッ!……


「……さすが幻影コート!…

本当に姿が消えちまった!…」


マサツグの挨拶にレイヴンが頷いて居ると、そのレイヴンの隣ではシロが跳ねて応援し!…マサツグもそれに答えるよう声を掛けて笑顔で飛び出し!…この時足音も何も音を立てる事無くマサツグが闇夜に姿を消すと、その後を追い駆ける様にレイヴンとシロが窓から顔を覗かせる。しかし幾ら目を凝らしその姿を探そうとも、マサツグの姿が見つからず!…レイヴンはさすが幻影コートと言葉を漏らし!…これなら大丈夫と言った様子で一人安堵して居ると、シロだけは何かを追うよう視線を動かしていた…そして飛び出したマサツグもそんな二人の事など露知らず…宿屋の前に出るよう移動すると、そこでシロが言っていたエルフの監視を見つけ!…監視のエルフはシロが言っていた通りに宿屋を睨み!…何か別の感情も混じった様な表情を見せて居ると、マサツグはその監視の様子を少し観察するなり言葉を漏らす…


__……ババッ!!……チラッ?…ッ!…


「……なるほど?…アレがシロの言っていた監視か…

……にしても…」


__ボンッ!…キュッ!!…ボォ~ン!!…

ふわぁ~お♥…


「……このゲームのエルフの男子比率は如何なってる?…

今の所男性エルフを見掛けたのは王宮の衛兵達の

中だけなんだが?…それにあの格好!…

…すっげぇ際どいし!!…この国の制服?…

鎧?…はビキニアーマー推奨なのか?…」


マサツグの眼前には二人のエルフ!…その監視している様子から深くは注視して居ないと言った印象を持つと同時に、その男性エルフの比率についても疑問を持ち!…更にその監視のエルフ達が着ているビキニアーマーにも疑問を持ち出し!…思わず何故ビキニアーマー!?…と言った様子で声に出してツッコんで居ると、監視のエルフ達は退屈なのか軽く伸びをし始める!…


__……ぐぃ~~!!……パッ!…ゆっさゆっさ!……


「ッ!…おぉ!!……ッ!?…

あっ!…いやいやそうじゃなくて!!…

幾ら余裕そうに見えててもちゃんとしないとな?…

意外とこの国インフラが整ってるし!…

まさか街灯がちゃんと設置されて有るとは

思わなかった!…

ずっとシロを抱えてたからよく見ては無かったが…

とにかく!…光は駄目絶対!の精神で行こう!…」


両手を組んで空に向かい腕を伸ばすと、限界の所でパッと手を放しては肩を回し…この時反動で監視のエルフの胸が揺れ!…マサツグが思わずその様子に視界を奪われると、少しの間視線は固定される!…だが直ぐにあのシロの視線を思い出した様子でハッと我に返ると、慌てて辺りの様子を確認し!…その際夜だと言うのに妙に明るいと言う事に気が付き…その原因に街灯が設置されてある事だと更に理解した様子で辺りを見渡すと、そのエルフ達の暮らしの水準の高さに気付かされる!…だが当然そんな事を言っている場合では無いので、マサツグは移動出来そうな影を探し!…影から影へと移動して行き、その監視のエルフ達の背後ですら気付かれる事無くスルーすると、そのまま監視のエルフ達を置いて駆けて行く!…


__バッ!!…ババッ!!…バババッ!!……チラッ?…


「……ふぅ!…追って無し!…無事抜けたみたいだな?…

……で?…町中に見張りを立てて居る様子は無いから?…

大手を振って歩ける訳なんだが…

…如何にも嫌な予感がするから依然慎重に!…

かつ急ぎながら宮殿へ向かうとしよう!…」


監視のエルフ達を置いて行った所で、マサツグは今だ影から影へと移動し!…その道中何度か追手が来て居ない事を確認すると、漸くホッと胸を撫で下ろす…そして改めて街中の様子を確認するよう辺りを見渡すのだが、町には人っ子一人誰も居ない状況で!…まぁそれも当然の時間帯なのだが、何か妙な胸騒ぎを覚えると、今だ自身を隠すよう影から影へと移動を続ける!…するとその予感は的中とばかりに、何やら進む道の方から慌ただしい物音が聞こえ出し!…マサツグもその物音が気になり!…警戒した様子でその物音の聞こえた方に足を進めると、そこである物を見つける!…それは!…


「い、いや!!…こ、来ないで!!…」


「へへへへへ!!…無駄だって!…

どんなに逃げようとも逃げ切れねぇよ!!…

…にしても馬鹿な連中だぜ!!…

転移魔法でここに飛べるよう設定すりゃ

幾らでも検問を突破出来るのに!…

その事に何も気付いちゃいやしねぇ!…

お陰でこっちは簡単に稼げて楽なんだけどなぁ!?…」


「ッ!?…冒険者!?…いやでも有れは?…

プレイヤーじゃない?…だとするとNPCなんだろうが?…」


「だ、誰かあぁ!!…誰か助けてぇぇぇ!!!…」


マサツグが見つけたモノとは逃げる若いエルフの女性と、それを追い駆ける冒険者の様子で…若いエルフは助けを求めながら逃げるも誰からも気付いて貰えず!…冒険者の方はまるで追い駆ける事を楽しむ様に!…何なら抜け穴が有ると言った様子で言葉を口にし笑い続けると、そのエルフを追い駆け続ける!…この時その場面に出くわしたマサツグは困惑するのだが、その冒険者がNPCである事に気が付き!…NPCがNPCを襲って居ると言う状況に!…特段妙な事は無いのだが何故か気になると言った違和感を覚えて居ると、更にエルフの娘は助けを求め!…だがやはり妙な事に誰も気付かず!…ただエルフの娘が如何して!?…と言った様子で半狂乱一歩手前の状況まで追い込まれて居ると、マサツグも不味いと感じては動き出す!…


「ッ!…っと、さすがに助けた方がいいよな?…

…ちぃっとばかし寄り道になっちまうが…仕方ない!…」


「はぁ!…はぁ!……ッ!?…ヒッ!?…」


「へへへへへへ!!…無駄だっての!!…

学習しねぇなぁ?…俺の魔法はちょっと特殊でなぁ?…

対象物の影を薄くする…

もっと言えば存在に気付けない様にする能力が

有るのさ!…その存在ってのはお前の声!…姿!…

文字通り影もあやふやにしちまって!…

よっぽで辺りに対して注意深く視線を向けて

居る様な奴で無い限り!…お前の姿を見つける奴は!…」


遠方よりその二人に気付かれて居ない所で、マサツグもその若いエルフを助ける為に動き出し!…その間若いエルフは逃げ続けるのだが、徐々に体力の限界が来たのか息を切らしてはその場にへたり!…その間にも奇妙な術を使う奴が間合いを詰め!…その若いエルフも恐怖し絶望した様な表情を浮かべると、ただその迫って来る術者を見詰め出す!…この時そのエルフの目には涙が溢れ!…それを見て術者は大喜びし!…その若いエルフに対して馬鹿にする様な言葉を掛け出すと、余裕とばかりに自身の魔法について語り出し!…今まで助けを求めて居たにも関わらず、誰も助けが来なかった原因についてマサツグも理解をすると、思わず言葉を漏らす!…


「…なるほど?…そう言う事だったのか…」


「そうそう!…だから誰も気が付かな…

…ッ!?…だ、誰だ!?…

存在を薄くして居る筈なのに!!…

何故気が付いた!?…それに何処に隠れて!?…」


__…フォン!!…バキイィ!!!…


「ぶはあぁ!!!…」


__ドサァ!!……ッ!?…ッ!?…


幻影コートのお陰かマサツグはその術者に悟られる事無く背後を取ると、納得した様子で言葉を掛け…そのマサツグの言葉に相槌を打つよう!…術者も呑気にマサツグの言葉に対して返事をするが、そこは気が付いた様子を見せる!…だがそのマサツグの声に気が付いた所で、その存在までは見つける事が出来ず!…必死に辺りを見渡すがやはりマサツグを見つけられず!…マサツグが刀を鞘ごと抜いた辺りでその術者の頭へ目掛けて振り下ろすと、その術者は悲鳴を上げてあっさり倒れる!…そんな光景を目にした若いエルフは当然何が起きたのかが分からず、ただ恐怖に引き攣った様子で辺りを見渡し!…マサツグはそんな若いエルフの娘に対して姿を現す事無く!…この後如何すればいいかについて話すと、再び先を急ごうとする。


「……もう大丈夫だと思うよ?…」


「ヒッ!?…た、助け!!…」


「……この後は君次第なんだけど…

もう魔法は解けてるから誰かに助けを求めるか?…

或いはそのまま宿屋の前に居る衛兵達に

コイツを突き出すか?…好きな方を選びな?…

じゃ!…俺は急いでっから!!…」


「ッ!?…え?…え!?…」


マサツグがもう大丈夫と言った様子で声を掛けると、その若いエルフはやはり怯え!…だがマサツグはそんな事お構いなしに!…この後の後処理を押し付けるよう端的にその若いエルフが出来る事を話すと、再び宮殿へと駆けて行く!…当然若いエルフはそんな事を言い残されたので、戸惑いに戸惑い…とにかくマサツグに言われたよう助けを求めると、今度は届き!…それに合わせてその冒険者も捕まり!…その冒険者がエルフの誘拐犯である事が判明すると、衛兵達にしょっ引かれては後日尋問と言う名の地獄を味わうのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ