-第二章八十七節 二度目のコカトリス三昧とカオスな食卓とクランチーム-
__スゥ…パンッ!!…いただきまぁ~す!!!×6
「……とは言ったモノノ…」
{これ大丈夫なのか!?……}×3
ゲーム時間にして丁度正午…こうしてコカトリス料理が昨日に続いて出されたのだが…レイヴン・エルメダ・テレアの三人はそのコカトリス料理を目の前にしては固まり困惑して居た…何故なら…最初のその料理を目の前にした時のマサツグと同様、本当に食べれるのか?…と言った疑問が出て来ると同時に…毒の心配は無いのか?…と言う二つの疑問が出ているからである。そうして三人が不安を覚え固まって居る一方で、マサツグとシロとガイアスの三人は疑う事無く料理を皿に取っており…一切怯む様子を見せる事無く、ただ目の前に出された御馳走に齧り付き始めると、マサツグとシロは舌鼓を打って居た。
__ガブッ!!…じゅわあぁ!!…ッ!!…
「うんめ!!…」
「ッ~~~!!…ひあわへでふぅ~!…」
「……遠慮無しに食ってるけど
これって毒の心配は無いのか?…
だってゴブリンチャンピオンですら
ノックアウトした毒だぞ?…」
「そ、そうよね…
…それにモンスターの肉って
確か物によっては能力異常を
起こさなかったかしら?……」
「幾ら調理されていても抵抗が…
…一級品の料理ですが…」
昨日も食べたのだが改めて衝撃を受ける様にマサツグは驚き!…シロもフライドチキンに勢い良く齧り付くなり至福の表情を浮かべると、そんな二人の表情を見たレイヴンは戸惑いを見せる!…そして改めて掘り返すよう毒の心配をすると、思わず呟き…それに同意するようエルメダも心配の声を漏らすと、続けてテレアも抵抗が有るとばかりに顔をピクピクと痙攣させる。やはり元々はモンスターの肉なので抵抗が有るのは仕方が無いのだが…そんな警戒をしている三人を余所に強者在りとばかりに!…ガイアスは一向にフォークを着けようとしないエルメダとテレアへ徐に声を掛ける。
「…ん?…何だ?…エルメダとテレアは食わないのか?」
「ッ!?…ちょ!…ちょっとガイアス!!…
貴方抵抗は無いの!?…」
「そ、そうですよ!!…
確かに目の前にあるのは一流の料理だけど!!…
元はあの毒々しい見た目のコカトリスの肉
なんですよ!?…少しは警戒!…」
「…ッ?…何を言っているんだ?…
まず食えない物を人に…アグッ!!…
ふふめふはけ……ッ!?…」
警戒をするエルメダとテレアを余所に…まるで子供の様にフライドチキンを両手に持って見せると、キョトンとした表情で尋ね…その問い掛けに対してエルメダがガイアスの神経を疑う様に戸惑い出すと、同じ様に警戒をするようテレアが注意をする!…その際その会話をマサツグやレイヴンに聞かれないよう小声で喋るのだが…ガイアスは出された物に対して全くの無警戒なのか、寧ろ失礼!…と言った様子で二人に言い聞かせると、自身が手本を見せる様にフライドチキンを一口齧って見せる!…当然その様子を見てエルメダとテレアは驚いた表情を見せるのだが、ガイアスは構わず食事を続け!…そして口に物を入れながら話も続け!…マサツグの良心について二人に叱咤しようすると、ガイアスの様子が突如急変する!…
「ンッ!…グッ!!…ッ~~~~!!!…」
「ガ、ガイアス!?…」
「ちょ!…ちょっと、ガイアスさん!!…
やっぱり不味いものが!?…」
__ッ~~~~!!!…カッ!!!…
ガブウウゥゥ!!!…ッ!?!?!?…
まるで体が跳ねる様な挙動を見せると突如俯き痙攣し始め!…話の途中で様子が急変した事に!…エルメダが慌てた様子で席から立ち上ると、ガイアスに駆け寄って心配する!…そしてその様子を同じ様に見ていたテレアも席から立ち上ると、治療をする為に魔法を唱え出そうとするのだが…ガイアスは俯き痙攣した後…突如顔を上げて目を見開き出すと、また両手に持っているフライドチキンに齧り付く!…そんなガイアスの様子を見て更にエルメダとテレアが酷く驚いた表情を見せて居ると、ガイアスは更に奇妙な反応を見せ始める!…
__ガツガツ!!ムシャムシャ!!…
…ぷるぷる…ぷるぷる…
「ッ!?…ガ、ガイアス!?…可笑しい!!…
様子が変なのにまだ食べてる!!…」
「……ッ!?…まさか中毒を起こしたとかじゃ!?…
…やっぱりマサツグさん達にはそういった
スキルがあるから!…」
__ぷるぷる…ぷるぷる……ピタッ!…ゴックン!!…
一心不乱に周りの声も聞こえないとばかり!…何かタガが外れたようにフライドチキンに食らい付き!…そんな様子に軽い恐怖をエルメダが感じて居ると、テレアも恐怖した様子で考えられる症状を口にする!…その際マサツグ達は耐性が有る様な言い方をするのだが…ガイアスは体を小刻みに振るわせながらも今だ齧り付いて居り!…一度休憩を挟む様に突如その手をピタッと止めて見せると、頬張った物を飲み込んでは次にこう言葉を漏らす!…
「……うんめえええええええええええ!!!!」
「ッ!?…えぇ!?…」
「何だこれ!?…
今まで食べたフライドチキンとはダンチだ!!
手羽元なのに肉汁が溢れて!!…
皮はパリパリで噛めば噛む程!!…
食感も美味しい!!…
更にこのフライドチキンを揚げた油は何だ!?…
本来揚げたてでもしっかり油を切らないと
油っこくて中々に食べ難くなるのに!!…
このフライドチキンはその油がサラサラしている!!
まるで水蒸気オーブンで焼いたかのような
アッサリ感!!!…美味い!!…
うぅーまぁーいぃーぞぉぉぉおおおおおお!!!!」
飲み込んだ後のガイアスの表情は実に活き活きとしており!…更に予想外の言葉が呼び出して来た事にエルメダとテレアが固まって居ると、ガイアスによるフライドチキンの食レポが突如始まる!…その際また一口齧っては驚きを噛み締める様に感想を口にすると、オーバーアクションを取り始め!…そんなガイアスの反応に驚いた表情のままエルメダ達は固まり!…一体彼の身に何が起きて居るのか!?…と絶句した状態で立ち尽くして居ると、その間にもガイアスはまるでミスター味〇子に出て来る審査委員の様な反応を見せる!…そうしてガイアスの様子を見る限り!…別にプッツンしたとか中毒を起こしたとかそう言うのではないと言う事に気が付くと、エルメダとテレアも徐々に冷静さを取り戻し…互いに席へ着いては顔を見合わせ、ガイアスの様子から興味を持ったのか恐る恐るフォークを付け出すと、ただ何も言わずに一口食べる。
__……スッ……ゴクリ……サクッ!!…
「ッ~~~~!!!!……はぁん!!♥」
「ッ!?…ちょ!?…エルメダさん!?…
…うわぁ!…今までに見た事の無い蕩け顔!…
と言うより初めて見た!…」
エルメダはフォークで刺したコカトリスの唐揚げを警戒した様子で見詰めては、生唾を飲み…そして意を決した様子で口へと運び…その第一口目を噛み締めるようゆっくり唐揚げに歯を通すと、次にはガイアス同様自身の身に何かが走った様な衝撃を受ける!…その際ガイアスみたいにオーバーリアクションをすると言った事はしないのだが、明らかに官能的な!…何か別のモノを感じている様な反応を見せては蕩けた表情を浮かべ!…テレアもまだ食べてはいないものの隣で食戟の様な事になっている自身の仲間を目撃すると、更に戸惑いを受ける!…そうしてガイアス・エルメダと篭絡された様な状態になって居ると、更にテレアの警戒は強まり!…自分は平静さを保てるのか!?…と言った別の不安感に襲われ!…違った何か恐怖を感じて居ると、そんなテレアの様子に気が付いたのかマサツグが唆す!…
「フフフ……如何した?…怖いのか?…」
「ッ!…何ですって?…」
「ガイアスもエルメダももう帰って来ないのか…
コカトリスの料理に夢中の様だぞ?…如何して?…
理性なんか捨てて掛かって来いよ?…怖いのか?…」
「ッ!?…た、たかが!!…
たかが調理されたニワトリ如きで怖いかですって!…
ッ~~~!!!…ふざけないで下さい!!…
唐揚げなんか怖くない!!!…えぇ良いでしょう!!
食べますとも!!…食べてやりますとも!!…」
まるで某・コマ〇ドーに出て来る主人公の様な煽りでマサツグがテレアに話し掛けると、テレアはそのネタに食い付いた様子で反応し!…マサツグもその反応を見て更に唆すよう声を掛けると、もはやテレアはそのキャラになり切って居るのか!…完全にとは行かなくとも自分のキャラを護った様子でノリ出し!…勢い良く席から立ち上りフォークを握って見せると、目の前のチキンステーキを興奮した様子で見下ろす!…そして!…
「ッ~~~!!!…野郎オブクラッシャー!!!……」
__ガスッ!!…ハグッ!!…
バタッ!!…ちぃ~~ん!!!…
「お、おいしいです!……」
「…これが本当の即落ち二コマ!」
「何だこのノリ?…」
この時ガイアスはシロと張り合う様にフライドチキンを頬張っており、エルメダもトリップから帰って来れない様子で唐揚げを食べては蕩けた表情を見せて居た…そんな中テレアもノリノリで切り分けられたチキンステーキにフォークを指すと、勢い良く口に入れ頬張るのだが!…直ぐに落ちた様子で机に突っ伏してはおいしい!…と感動した様子で零し出し!…そんな様子にマサツグが愉快と言った
様子で笑って居ると、レイヴンはその一連の様子を見て冷静にツッコミを入れるのであった。そうしてガイアス達が陥落した所でレイヴンも食べ始めるのだが、レイヴンは意外と普通なのか…
「…ッ!!…おぉ!!…これは確かに上手い!!…
なるほどシロちゃんが夢中になる訳だ!…」
「ッ!?…なん…だと!…」
「えぇ?…」
覚醒した様にフライドチキンへ齧り付くゴリスに、一口食べる毎に官能的快感を感じている魔女…極め付けが涙を流しながらこの世の幸福を感じ取る様な表情で無言のまま食べ続ける修道女と…中々にカオスな反応を見せて居る中!…レイヴンだけは落ち着いて食事をしており、その反応にマサツグが地味なショックを受けて居ると、逆にそのマサツグの反応にレイヴンは戸惑う…そうして全員が漸く安心してコカトリスを食べる事が出来ると理解した所で食事は続き…レイヴンがふと感じた様な反応でマサツグに声を掛け出すと、現状の様子について質問をする。
「……なぁ?…マサツグさん?…」
「ッ!…んん~?…」
「…この人達ってそんなに何と言うか…
…困っていたのかな?……
この人達って俺達と同じプレイヤーで…
実際に食べている訳じゃないのにこの荒れ様……」
__ガオオオォォォ!!!…
うっとり♥…ぽろぽろぽろぽろ…
突如レイヴンから声を掛けられた事でマサツグは戸惑うのだが…いつもの様に気の抜けた返事をすると、レイヴンは今の食卓の状態について疑問の声を挙げる。それは彼らがNPCでは無いと言う事を確認しての質問なのだが、この時今だ各々がそれぞれ個性的な反応を見せてある意味騒がしい状態で…その食べている反応こそNPCに近く、思わず人だよな?…と言った様子でレイヴンがマサツグに質問をすると、マサツグはそのレイヴンからの問い掛けに戸惑ってしまう…
「…あぁ~…気にしちゃ負けなんじゃないかな?…
ほら!…皆違って皆良いって言うしさ!…
こう言う事も有ると思うぞ?…
とにかく今は食べようぞ!!…友よ!!…」
「……何かマサツグも変なテンションになってるし……
やっぱコカトリスって危険なんじゃ?…」
もはやマサツグも考える事を放棄して居るのか、レイヴンの問い掛けに対して流す様に答え!…そして一緒に食事をするようレイヴンに勧めると、何故かそのマサツグの口調も古風なモノ?…とにかくジジィ臭くなる。そんなマサツグの反応を見てやっぱりヤバいんじゃないか?…とレイヴンは考えてしまうのだが、美味しい事には変わりなく…何だかんだと言いつつも食べてしまい、結局全員が余韻に浸るよう空になった皿を見詰めて居ると、ふと思い立った様にガイアスが声を掛け出す。
「…ふぅ~食った食った!!…
こんな美味い鶏肉を食ったのは初めてだ!!…
…まぁ…こっちの世界である事が残念ではあるが…
…っと、そう言えばマサツグは何処かのクランに
所属して居ないのか?…」
「ッ!…え?…」
「いやちょっと考えていたんだが…
こんな有名なのに何処にも引っ張れてないのは
少し変に思えてさ?…実は何処かに所属してたり…
って、考えて…」
「ッ!?…ちょっとガイアス!!…」
ガイアスが声を掛けたのはマサツグで…コカトリスの余韻に浸りながらもふと疑問の表情を浮かべると、徐にクランチームの話をし始め…その急な話にマサツグも戸惑いの色を見せて言葉を漏らして居ると、ガイアスは続けて自身が思って居る疑問を口にし始める…その疑問と言うのもマサツグは有名人にも関わらずどのクランチームにも所属して居ないと言う事で、実は何処かに所属して居るのでは?…と探りを入れる様な聞き方をするのだが…そのガイアスの聞き方にエルメダがすかさずツッコミを入れ!…ガイアスもハッと気付いた様子で表情を変えると、マサツグは何も考えていない様子でその質問に答える。
「へ?…いや何処にも入ってないが?……
てかまず誘い自体受けて無いからな?」
「ッ!…え?…」
「いや!…本来入って欲しいとかってさ?…
本人に言いに来るもんじゃん?
今の所そう言った話を持ち掛けられた事が無いし…
何なら俺みたいなのが入っても大丈夫なのか?
ってのも有るし…」
「ッ!…じゃ、じゃあ誘われたらクランに入るのか?…」
ガイアスの問い掛けに対してキョトンとした表情でマサツグが答え出すと、まず前提として誘いを受けて居ない事を話し!…その回答にガイアス達は驚いた反応を見せ!…マサツグはそんなガイアス達の反応を見つつもメールだけでの誘いは受けるつもりは無いと話すと、その話に興味を持ったのかレイヴンがマサツグに問い掛け出す。そんな予想外の所から飛んで来た問い掛けに対してマサツグは戸惑った反応を見せるのだが、直ぐに相槌を打つ様にレイヴンに頷いて見せるとその返事をする。
「え?…あ、あぁ…そうだな…
急に言われたら戸惑うけど…考えるのは考えるぞ?…」
「ッ!…じゃ、じゃあ!!…」
「じゃあ私達のクランに入りませんか!?」
「うぇええッ!?…」
誘われたら考える…そう答えるマサツグに対してガイアス達がピクっと何か明るくなる様な反応を見せると、直ぐにガイアスがマサツグへ何かを言い出そうとするのだが!…それを遮る様にテレアが慌ただしく席から立ち上って見せると、興奮した様子でマサツグを勧誘し始める!…そんなテレアからのアピールにマサツグはビクッとした様子で驚くのだが…当の勧誘して来たテレアはと言うと、冗談抜きと言った表情でマサツグの事を見詰めており!…そんな真っ直ぐな視線を感じてマサツグも徐々に冷静さを取り戻すと、席に座ったまま腕を組み始める。
__じぃ~~!!!……ッ!……
「マサツグさんの実力なら
十分にウチでも通用します!!…
それにまだマサツグさんは成長途中!…
もしかすると幹部クラスに!!…」
「徐々に勧誘が胡散臭くなってるわよ?…」
__ッ!?…シュン……
「……全く!…勿論無理強いはしないわ…
だってその人にもやりたい事が有るから!…
でもやっぱり貴方みたいな有名人が入ってくれると
皆が喜ぶって言うのもまた事実なの…
…まぁこの言い方だと貴方の知名度を当てにして
居る様に聞こえるかもしれないけど…
別にそう言う意図は無いから誤解はしないでね?…」
テレアがテーブルに両手を着くと身を乗り出す様にして更にマサツグを勧誘し!…そのテレアの勧誘の言葉にエルメダが胡散臭い宗教の様に聞こえるとツッコミを入れると、テレアはそのエルメダの言葉でハッとする!…この時興奮した事に反省するようしょぼんとした様子を見せると、テレアはおずおずと下がり…その様子にエルメダは呆れつつも、ガイアスも勧誘しようとして居た事を悟りその手伝いをするよう口を挟むと、無理強いはしないと最初に断りを入れる。そうして改めて如何言う意図でマサツグを誘い出したのかを話し出すと、単純に仲間として迎え入れたいと言い!…その際誤解を招きそうな言葉を予め訂正し、まるで世話焼き先輩の様な柔らかい口調でマサツグに話し掛けて居ると、今度はガイアスが声を掛け出す。
「そ、それにさ!!…俺!…
いや多分俺達はマサツグ達と共闘した際!…
スゲェワクワクしたんだ!!」
「ッ!…」
「確かに最初から最後までハチャメチャだったけど!…
マサツグと一緒にヴェノムコカトリスを倒した時…
…えぇっと……何て言うか!!…
…とにかくスゲェ楽しかったんだよ!!…
今までもこいつ等と一緒にこのゲームをやって来て
楽しかったのは楽しかったけど!…
マサツグと一緒に戦っている時は何かが違ったんだ!!…
いつもならセオリー通りに戦う筈がそうじゃない!!…
そんな戦闘に!!…
確かに野良のパーティでそのセオリーを押し付けるのは
可笑しいと思うけど!…けど何て言うか…
達成感?って言うのかな…とにかく楽しかったんだ!!」
ガイアスはまるで子供の様に目を輝かせると、テレア同様にテーブルへ手を着いては身を乗り出し!…とにかく楽しかったのであろう他の言葉が出て来ない様子でマサツグを口説き落としに掛かると、そのガイアスの様子にマサツグは更に驚く!…テレアと続いて今度はガイアス!…この時レイヴンは気を利かしてか、そこに座りながらも無言を貫いては話しを聞かない素振りをし…シロはシロで自身の口の周りに付いた食べカスを以前マサツグにやって貰った様にナプキンで拭くと、ふぅ…と一息吐く。そうして二人が静かにしている中…ガイアスの力説はマサツグに向けて熱く語られ!…マサツグはマサツグでその話を黙って聞き続け、エルメダもそんなガイアスの様子に思わず驚いた反応を見せて居ると、ガイアスの力説が終わるなりこう零す…
「ッ!!……ガイアス!!……
…言いたい事は分かるけど今貴方物凄く
頭が悪い子供の様に聞こえてるわよ?…」
「ッ!?…なっ!?…」
「……でも、そうね…
…確かに久しぶりに熱くなれたわ!…
危なっかしくて見ていられなかったのは事実だけど、
一緒に戦っていて楽しかったのは私達も一緒!…
戦っていた相手が二つ名でユニークって言うのが
理由だと思っていたけど…
倒した時の達成感とあの高揚感はマサツグ達が
居なかったら味わえなかったと思う…」
「……そうですね!……でも何故でしょう?…
何故かマサツグさんの動きを見ると
ワクワクするんですよねぇ?…
…マサツグさんが相手の攻撃を回避する際の動作…
攻撃に入るモーション…その一つ一つが目に入ると
妙に気分が高揚するんですよねぇ?…
…やっぱり詳しく調べ…」
一度は胸に響いた様な表情を見せるエルメダであったが、次に出て来た言葉は辛辣で!…その際表情も冷めたモノに直ぐ変わり!…その言葉を受けてガイアスがショックを隠せない様子で居ると、やはりガイアスの言葉には賛同するのか直ぐにエルメダがフォローを入れる。その際不思議と言った様子で語って居ると、テレアもそれに乗っかるよう賛同し!…徐々に雲行きを怪しくして行き…また何か悪い癖が出そうになって居ると、ガイアスは二人の言葉を拾う様にマサツグへ問い掛ける。
「だよな、だよな!!…
俺達はそんなマサツグと一緒に冒険がしたいんだよ!!
考えてみてくれないか!!…」
「……うぅ~ん…」
「……ッ?…」
先程子供みたいとエルメダに笑われたにも関わらず…ガイアスは再度その顔に似合わない無邪気な笑みを浮かべると、最後の一押しとばかりにマサツグを勧誘する!…その際テレアもマサツグの事をジッと見詰めては熱烈な視線を送り続けており、マサツグもそんなガイアス達の勧誘を受けて腕を組み…ただ唸りながら考える様な素振りを見せて居ると、シロはそんなマサツグの様子に首を傾げる。そうして時間にして約五分!…マサツグが徐に顔を上げ出すと、ガイアスの居る方に振り向き…そのマサツグの反応にガイアス達も息を呑み始めると、マサツグは結論を口にする。
「……ガイアスの誘いは嬉しいけど……止めておくよ…」
「ッ!?…え?……」
__ッ!?……ふぅ…
マサツグが答えを口にするとその答えにガイアスは驚き!…同時にスッと自身の席に戻りるよう力無く腰掛けると、テレアもマサツグの答えに驚いた表情を見せて固まってしまう!…ただ一人エルメダだけは分かって居た様子で一息零すと、マサツグに微笑み掛け…マサツグはマサツグで申し訳なさそうな表情をしつつガイアスに視線を向けて、その理由を語り始める。
「…今はどこにも所属する事無く
一人で冒険を楽しみたいんだ…
確かにガイアスの誘いは普通に嬉しいし…
エルメダとテレアの話も聞いて居て嬉しかった!…
けど一緒に冒険をする位なら
別にクランへ入らなくても出来るし…
一緒に何か強敵と戦うのにも入る必要はない!…
だからクランには入らない!…
「Nightmare」に限らず!…
何処だろうと今は入るつもりは無いんだ…
…スマン!!……」
今は何処にも縛られる事なくこのゲームを楽しみたい!…それを理由にマサツグが勧誘を断ると、ガイアス達はただマサツグの姿を見詰め…マサツグは続けてガイアスやエルメダにテレアと…各々が思って居た事が嬉しかったと話すと、別にクランへ入らなくても冒険は一緒に出来ると笑顔で話し出す!…その際「Nightmare」に限らず他のクランにも所属しない事を明らかにすると、マサツグは徐に席から立ち上り…その様子にガイアス達は何事?と言った表情で戸惑い、何も語らずその様子を見守って居ると、マサツグは徐にガイアス達へ謝罪をしながら頭を下げる!…
__ガタッ!!…スッ……ッ!?…
「お…おいおい!!…そんな畏まらないでくれ!!…
こっちが勝手に誘っただけで!…
マサツグは悪くない!!…
だからそんな改まって頭を下げないでくれ!!」
「そ、そうよ!!…最初にも言った通り!!…
無理強いはしないわよ!!…」
「……何かこれいつもと逆の様な?…
…まぁこんな日も有るか…」
__……ッ?…
当然これにはガイアス達も驚き戸惑った表情を露にすると、すかさず席から立ち上り!…慌てた様子でマサツグに頭を上げるよう声を掛ける!…そんないつもとは逆の様子を見せて居る事にレイヴンも思わず呟いて居ると、シロは何でこんな事になって居るのか分かって居ない様子でただ首を傾げる。こうしてマサツグの勧誘が失敗に終わると、テレアは残念そうにし…ガイアスもマサツグが頭を上げた事で落ち着きようを見せて居ると、エルメダはその様子を見ては徐に笑い出す…
「……ぷっ!…うふふ!…」
「ッ!…え?…如何したんだ?…」
「ッ!…いえ…たださすがの人たらしのガイアスも
有名人のマサツグまでは勧誘出来なかったのかと
思って!…」
__ッ!!…ぷっ!!…クククク!…
「ッ!…え?…な、何だ二人とも!?…
急に笑い始めて!?…」
突如思い出した様に笑い出したエルメダに…ガイアスが戸惑った様子で反応し声を掛けると、エルメダはガイアスの二つ名か?ある事を口にし…そのエルメダの話を聞いてテレアも思わず吹き出すと、更にそのテレアが噴き出した事でガイアスは困惑する!…一体何の事か分かって居ない様子でガイアスはただオロオロとして居ると、エルメダは思い出すよう徐に過去の話をし始め!…その話に乗っかるようテレアも話に参加をすると、話はガイアス達がパーティを組むきっかけとなった話へ変わり出す。
「いえ!…ふふっ!…ただ…
さっきの誘っている様子を
見て居たら自分達の時の事を思い出して!…」
「ッ!…え?…」
「クククッ!…そうですよねぇ?…
元々私達ってソロプレイヤーだったのに!…
マサツグさんの時みたいに勧誘されて!!…
一番最初勧誘された時は出会い厨かと
思って警戒しましたもん!…」
「ッ!?…なっ!?…」
エルメダは自分達も勧誘されてガイアスとパーティを組んで居ると笑いながら話し出すと、その突然の話にガイアスは付いて行けず…テレアも笑いながら参加し始め!…自分達も元々マサツグ達同様ソロプレイヤーであった事を明かすと、ガイアスの事を最初は出会い厨だと誤解して居た様子で続けて話す。因みに出会い厨と言うのは、オンラインゲームをその手の出会いの場として利用する連中の事で…そんな連中と一緒にされて居たのか!?とガイアスがショックを受けた反応を見せて居ると、更にエルメダは追い打ちを掛けるよう出会った時の事を話し続ける!…
「…そうね…
最初私がガイアスと出会った頃ってこのゲームの世界で
私が氷の魔女って呼ばれ始めた頃で…
日々強くなる自分に絶対的自信を持って居て…
誰の意見も聞く耳を持たなかった頃なのよ…
…そして…そんな私に初めて会ったガイアスの
開口一番の台詞はこうだったわ!…
…{アンタ!!慢心してると痛い目見るぞ!!}
…って!…いきなり説教をして来たんですもの!…
それもまるで子供の様な目で私をジッと見詰めて!…
それを言われた時!!…
私本当に笑いそうになったんだから!!……」
「ッ!?…あ!…あれは!!…
その当時本当にお前が見ていて
危なっかしい感じだったから!!…」
エルメダはガイアスとの出会いの話をする際…まるでその当時の自分の事を愚かと反省するよう語り出すと、ガイアスと出会った時の言葉は今でも覚えて居るとばかりに笑いながら話し!…その言葉を受けた際エルメダも思わず笑ってしまいそうになった事を続けて話すと、その話をし始めたエルメダに対してガイアスがツッコミを入れる!…その際ワタワタと慌てた様子で言い訳をするのだが、エルメダはそんなガイアスに向かって不敵に笑うと、容赦の無い追撃を放つ!…
「えぇそうね!…
だから実際に危ない場面に出くわしてその危ない場面で
アンタに助けられた!…
自分が馬鹿にしていたアンタに助けられた事が
悔しくてその場で自信を失くしていたら……
{…はぁ~……アンタ、俺とパーティを組まないか?}
{…え?……}
{この先魔術師一人ではキツイだろ?…
実際に危なかったし……}
{う…うるさ!!……}
{だから、一緒にパーティを組もう!!それに…
一人でゲームをやるより組んだ方がずっと楽しいぞ!!}
{っ!!……}
……それ以降私は気が付けばガイアスと一緒に
ゲームをして今現在に到る…
リアルでもこの態度だから一人ぼっちだった
私に出来た唯一の友達……
こんな私でも理解してくれたから
今も一緒に居るのよ?…」
「グッ!!……」
そのかつての傲慢さが自身の身の危険を招いた事から話し出すと、まるで回想が有るかのようガイアスに助けて貰った事を話し!…そこから馴れ初めと言うか…とにかくそこで和解したと言う事をエルメダから聞かされていると、その傍らでは顔を真っ赤にしたガイアスが歯を食い縛っていた…まるで自分も思い出したかのよう羞恥に震える表情を見せてただ何も言わずに固まっており!…そうしてエルメダの出会いの話が終わると、次はテレアの番!と言った様子で出会った時の事を語り出す!…
「…私は少し違って…私って今でこそこんな感じですが…
ゲームの中では最初引っ込み思案で…
パーティを組んで挑むクエストなんかは行きたくても
行けない…そんな人間だったんです!…
そんなある時マスターオーダークエストで
全員参加のモンスター討伐のイベントが有った時…
私はやっぱり誰ともパーティを組む事出来なくて…
一人悩んで居たら……
{アンタ…一人か?…}
{え?……}
{もし良かったら俺達と一緒にやらないか?
一人でやるよりずっと楽だし、楽しいぞ?}
{え?…え?……}
{さぁさぁ!…連れも向こうで待っているからな!!}
{えぇ~~~~~!!!……}
……そんなこんなでエルメダさんと出会って…
同じ様にゲームをする様になって…
それと同時にゲーム内での人見知りは卒業…
リアルはまぁ…まだまだですけど!…
それでもガイアスに無理やり連れて来られた
お陰で今の私があるんです!…
ガイアスが居なければ私はあの時のままだった
かもしれません!…」
「ホグォッ!!……」
テレアもエルメダ同様自身の過去を語る様に話し始めると、これまた同じ様に回想があるよう誘われた事を話し…しかし話を聞く限りほぼ拉致された様に聞こえ!…マサツグ達が思わず戸惑った様な反応を見せて居ると、同じ様にガイアスも戸惑う!…そして改めて自分でも確かめるよう必死に思い出そうとして居ると、それでも話の最後はガイアスに感謝をするようまとめており!…その話を聞いてかガイアスは更に耳まで真っ赤にして羞恥に耐え!…遂には吹き出し謎のダメージまで負い始めると、その様子が楽しいのかエルメダとテレアはニヤニヤしながらガイアスを見詰める!…
__ニヨニヨ!…ニヨニヨ!…
{…何だかんだで慕われてんじゃねぇか!…
…ある意味羨ましい…}
__ッ!…ガタッ!!…テテテテ!!…ガバッ!!…
「ッ!…シ、シロ?…」
そうして二人の馴れ初めを聞いた所で…マサツグも思わずガイアスの事を微笑ましく見て居ると、シロは何かに気が付いた様子でマサツグの所へ駆け寄り!…そして何に怒って居るのかは分からないものの…頬膨らませながらマサツグの両頬を突如摘まんで見せると、何故か文句を言い出す!…
__むい~~!!!…ッ!?…
「……ご主人様にはシロが居るのです!…
レイヴンさんも居るのです!…
……一人じゃないのです!…三人なのです!!…」
「ッ!?……わ…
わはっははら
ふひほひっはらなひほ!!…」
恐らくヤキモチ?…とにかくシロに謎のヤキモチを焼かれて頬を引っ張られ…そのヤキモチを焼かれて居る事にマサツグは困惑しつつも、とにかく宥める様に声を掛ける!…その際両頬を引っ張られて居るので思う様に喋れず…ガイアスはガイアスでエルメダとテレアの二人にジッと見詰められて、居た堪れない状態になって居た!…そうしてそんな状況対してこの時レイヴンはと言うと、ただ我関せずを貫いて居り!…その光景を交互に見ては呆れた表情を浮かべ!…そのまま放置するよう流してしまうと、午後のティータイムと洒落込んで居るのであった。




