-第二章八十三節 黒い専用フィールドと怒涛の連携とまさかの両断方-
ヴェノムコカトリスが本気を出した事により戦闘エリア一帯の草木は枯れ…黒く変色した不毛な土地へと変わると、マサツグ達のTPは徐々に消耗され始める!…ただヴェノムコカトリス自身も相当なダメージを負っている様子で、軽く滞空しては負傷した箇所より出血させながらマサツグ達の事を見ており!…マサツグ達もその様子から不気味さを覚えつつも身構える!…あと少しで倒せそうな予感を感じつつもヴェノムコカトリスに視線を向けると、その場の空気は途轍もない緊張感に包まれるのであった!…
「……で、如何する?…
あぁも飛ばれてちゃ攻撃が迂闊に出来ないんだが?…
幸いそんな高くは飛べないみたいだな?…
翼も負傷してるし!…」
「クッ!!…せめて地面にさえ降りてくれば!!…」
「ッ!…ここはシロに任せて下さい!!」
__バッ!!…スッ!!…
こうしていざヴェノムコカトリスとの最終ラウンドが始まった訳なのだが、上空で滞空するヴェノムコカトリスにマサツグとガイアスが手を焼いて居ると、互いに攻撃手段が無いと悩み出し!…ガイアスはせめて降りてくればと!…盾を構えて風圧に耐える様な体勢で嘆いて居ると、それを聞いたシロは返事をするなりある行動に移し始める!…その際昨日のコカトリス戦で見せた風の影響を受けていない様子でシロが歩き出すと、マサツグから少し離れては腰を落とし…そこから某・エリンギ頭のアメリカ空軍少佐ばりのサマーソルトを決めて見せると、ヴェノムコカトリスに向けてカマイタチを放って見せる!…
「う~~~サマソー!!!」
__バシュン!!!…
「ッ!?…サ、サマソー!?…」
__ッ!?…バサァ!!…ゴケエエェェェ!!!…
カマイタチを放つ際シロは溜める様に掛け声まで付け出すと、まるで手慣れているかのよう綺麗に弧を描いてはサマーソルトを決め!…マサツグも直ぐにシロがその某・エリンギ頭の真似をして居る事に気が付いたのか、戸惑った様子で思わず言葉を漏らして居ると、そのシロの放ったカマイタチは真っ直ぐヴェノムコカトリス目掛けて飛んで行く!…しかしヴェノムコカトリスも勿論喰らう気は無いので、横に避ける様にして羽ばたきで回避するとまるで危なかった!…と言わんばかりに鳴き!…その回避された事にガイアス、外野の冒険者達共々も残念!…と言った様子で落胆して居ると、シロはサマーソルトからの受け身を取る!…
__…シュタッ!!…
「ッ!…避けられちゃいました!?…」
「いや、良い挑戦だった!!…とにかく牽制は!…」
シロが放ったカマイタチはそのまま空の彼方へ向けて飛んで行くと姿を消し!…自身のカマイタチが外れた事に!…シロが若干ショックを受けた様な反応を見せて居ると、ガイアスはフォローを入れる様にシロへ声を掛ける!…そしてこれで少しでも牽制になったとガイアスは考えて居る様なのだが、ヴェノムコカトリスは今の攻撃で逆に本気になったのか!…昨日のコカトリス同様に自身の風切り羽をばら撒き始め、それを見てマサツグが慌てて全員に注意を促す!…
__ゴケエエエェェェ!!!…
バババッ!!…バババッ!!…
「ッ!!…いやまだだ!!…防御の体勢を整えろ!!…
俺かガイアスの後ろに隠れろ!!!」
「ッ!?…え?…」
__ゴケエエエェェェ!!!…
ヴワッサァ!!…ヴワッサァ!!…
突然のマサツグの忠告に対してテレアやエルメダが戸惑った声を挙げて居ると、辺りにはヴェノムコカトリスの羽根がばら撒かれては宙に舞い!…準備完了と言った所で次にヴェノムコカトリスが鳴いて大きく翼を羽ばたかせ!…羽根と一緒に自分の汗まで飛ばし始めると、昨日より強力な風圧攻撃をマサツグ達に向けて放ち出す!…この時勿論強力なのは風圧と共に襲って来る羽根なのだが、それと同時に汗も嫌な能力を有しており!…その様子が謙虚に見られたのは後衛組で、その事が分かったのも浴びてから少し時間が経ってからの事であった!…
「ぐおぉ!!…強烈な風圧だ!!…
まるで台風の中を歩いて居る様な!!…」
「ッ!!…こ、これじゃあ真面に詠唱なんて!!…
…ッ!?…」
__じわああぁぁ!!…
「き、きゃあああ!!!…ふ、服があああぁぁ!!……」
「ッ!?…エ、エルメダさ!…
…ッ!?…いやあああ!!!」
ただでさえ風圧が強烈で更に羽根も刃物と化している中!…そのヴェノムコカトリスの汗が何故脅威なのかと言うと、その答えは簡単である!…如何やらその汗には酸が含まれて居るのか、浴びれば浴びる程に着ている服が溶け出し!…まるで焼け焦げたかの様に穴が開き始める様になっているからである!…確かに一滴二滴程度なら如何って事は無いのだが、もはやその汗は風に乗って酸の雨と化しており!…それを浴び続ける事で徐々に服だけが溶け行き!…遂には何処かのアダルト漫画の様な展開になって、エルメダとテレアが被害に遭って悲鳴を上げ出したのである!…当然これには酷く動揺した様子でエルメダがしゃがむと、動けなくなり!…テレアも慌てた様子でマサツグの後ろに隠れ!…シロもそれに気付いた様子で同じくマサツグの後ろに隠れると、自身が溶けて居ないかを確認し始める!…
__クルッ!…クルッ!……ほッ…
「クソ!!…何てモンスターだ!!…
これはあれか?…狙ってやって居るのか!?…
だとしたら相当な嫌われ者だぞ!!……グッ!!…
とにかくエルメダは俺の後ろに隠れろ!!…
さすがに金属は溶かせまい!!…」
「ッ~~~!!!!……」
シロは自分の身形を気にするよう見回すと、被害が無い事に安堵し…テレアはマサツグの後ろで顔を赤くして縮こまってしまうと、動けなくなる!…そしてガイアスも異変に気が付いた様子で慌て出すと、とにかくエルメダの居る場所まで下がっては被害を軽減し!…エルメダはエルメダで立てないと言った様子で顔を赤らめてはただその場に蹲っていた!…こうして完全に攻撃の手段がなくなったかの様に思われる中、その様子を見ていた外野達は思わずヴェノムコカトリスに感謝をすると同時に罪悪感に苛まれ…誰かが忘れ去れて居る様な?…とにかくマサツグ達が何とか逆転の機会は無いか!?とを伺って居ると、それは突如として起きる!…
__……スゥ!!…カァン!!!……
「ッ!?…え!?…嘘!?…
こ、こんな中で魔法を詠唱し切ったって言うの!?…」
「それにさっき唱えていた時よりも圧倒的に早い!…
確かに不慣れな魔法と唱えて居た様子が見れましたが!…
一体何を唱え!?…」
ヴェノムコカトリスの風圧音に負けない位の杖を突く音が聞こえて来ると、全員の視線はその杖の音が聞こえた方に向き!…そこで自身の足元に魔法陣!…魔法を詠唱し切った様子でその風圧の中立ち尽くして居るレイヴンの姿を見つけると、そのレイヴンの姿を見つけた者達は驚きの表情を見せ始める!…エルメダは蹲ったままのポーズでレイヴンの姿を見ては、有り得ない!…と言った様子で驚きの声を挙げ!…テレアはその詠唱速度に!…どれだけ集中していたんだ!?…と風圧の事も考慮に入れた様子で同じ様に戸惑いようを見せて居ると、レイヴンは徐にマサツグへ声を掛け出す!…
「…ヤブウゥゥ!!!…
今出来る俺の攻撃はこの一発限りで!…
後はヤブ達任せになる!!…
…後は頼んで良いか!?」
「ここまでやっといて引き下がれる
状況じゃないだろ!?…任せろ!!…
骨は拾ってやるぅ!!」
「……元から骨なんだがな?…
…とりま任せるぞ!!!」
この時レイヴンはマサツグに話し掛けながらもまだ魔法を更に詠唱をして居るのか!…その足元に出来た魔法陣は二重になり!…そして最後を任せる様に声を掛けると、更に三重へと大きく広げていき!…その様子に更なる驚きを覚えた様子でエルメダとテレアが驚いて居ると、レイヴンの言葉をマサツグは快く承諾する!…その際ギャグで言ったつもりか骨は拾うと返事をすると、レイヴンはその台詞に苦笑いをし…マサツグの言葉を聞いた所で滞空ヴェノムコカトリスに狙いを付けると、その魔法を炸裂させる!…
「…《起きよ雷雲!!…
かの者に裁きを与える為我は願う!…
全てを灰燼へと還さん雷槌を今ここに!!…
我が咆哮は雷鳴!!…我が怒りは暗雲に!!…
今こそ一つになりてここに晴らさん!!!
サンダアアァァァ!!!…
ボルトオオオオオォォォ!!!!》
__カッ!!!…ッ!!!!!!!……
…ッ~~~~~!!!!!!……
「うおッ!!…眩し!!…」
「……ただのサンダーボルトでも
唱え方一つで凶悪になる!…
…その分TPの消費も激しいけどな…」
レイヴンが最後の祝詞を口にし始めると杖を掲げ!…その祝詞に合わせて戦闘フィールド全域に暗雲が立ち込めると、明らかにヤバい位の雷鳴が轟き出す!…そして黒く曇る雲に稲光が走ると、落とす準備が整ったのか!…レイヴンは掲げていた自身の杖を一気に振り下ろし!…それに合わせてヴェノムコカトリス目掛けて特大の雷を落として見せると、辺りを一瞬だけホワイトアウトさせる!…その際落ちた時に雷の音が聞こえる筈なのだが、もはや余りにも協力過ぎてか音が聞こえず!…その眩しさにマサツグ達は目を閉じ、レイヴンはレイヴンで満足した様に呟き出すと、その場に片膝を着く!…最後と言っただけは有るのかその体は微動だにせず!…まるで事切れたかの様にTP切れで気絶すると、その滞空していたヴェノムコカトリスも地面に落ちて来る!…
__ヒュウウウウウ……ドシャアア!!!…
「ッ!?……なッ!?…」
「あ、あれだけの雷を受けてまだ!?…」
「……完全に火は通っていないみたいだな?…
生焼けだ…」
余り高く飛んで居なかったにも関わらず、ヴェノムコカトリスが地面に落下して来ると辺りに激しい激突音を響かせ!…その音に驚いてガイアスが大盾から顔を覗かせると、そこにはまるで茹だったかの様に!…湯気を立ち昇らせては地面に突っ伏し倒れたまま鎮座するヴェノムコカトリスの姿を目撃する!…この時アレだけの雷を受けたにも関わらず完全に黒焦げとはなってなく!…ガイアスと同じ様に大盾から顔を覗かせその姿を確認すると、エルメダは驚き!…マサツグは察した様子で火が通って居ないと言い出すと、ガードを解いては攻撃の体勢に入る!…そうしてマサツグが動き出すと、ヴェノムコカトリスもまだ息が有る様子で!…ゆっくりとしながらも立ち上がり!…マサツグ達の事を恨めしそうに睨み出すと、その姿を見たガイアス達は絶望する!…
__……ゴゴゴゴ!!…ズン!!…ズン!!…
…ギロォ!!!…
「…ッ!?…おいおい!…
ほ、本当にこんな化け物相手に…
俺達は勝てるのか!?…」
「…正直あれ以上の魔法を唱えれる気はしないわよ?…
あれは多分…スキル構成が良い具合に噛み合ってて!…
…更に良い師匠に付いて居たから出来た魔法よ!…
…今の私じゃ半分!…
いえ、もしかするとそこまでの火力も出せない!…」
「…それ以前に倒せないんじゃこのままだと!!…
…逃げる事は出来ませんし…最悪!…」
睨み返して来るヴェノムコカトリスのしぶとさに戦慄すると同時に、本当に倒せるのか?…と言う疑問を持ち出し…ガイアスはただ有り得ないと言った様子で固まっては動かず!…エルメダもガイアスの陰に隠れるよう自信が無いと言っては俯き!…更にはテレアも死を覚悟し始めると、パーティは一気に暗い雰囲気に包まれるのだが…そんな事など御構い無しにマサツグが深呼吸をして呟き出すと、シロと一緒にやる気を滲ませる!…
「……スゥ~…ハァ~…
…よし!!…行くぞ?…シロ!…」
__スッ…ジャコンッ!!…
…チャキッ!!…スラァ!!…
「ッ!!…はいです!!」
「ッ!?…なっ!?…お、おい!!アンタ!!…
まだ戦うのか!?…本当に勝てるかどうかも!!…」
意気込み始めると一緒にシロへ動けるかどうかを確認すると、マサツグは徐に大剣を仕舞い!…刀へスイッチするようアイテムポーチからもう一本刀を取り出すと、腰に佩いている春風刀と一緒に抜いては二刀流に構える!…そしてシロはシロでマサツグの問い掛けに対して耳をピクっと反応させると、何処までも付いて行く!!と言わんばかりにマサツグへ返事をし!…その二人の様子を見てガイアスは戸惑い!…まだ諦めていないのか!?と声を掛けると、マサツグはガイアス達の方に振り返るなりこう答える!…
「…モチ!!!…当たり前じゃん!!」
「ッ!?…」
マサツグはガイアス達へ不敵に笑って見せるとやる気満々と答え!…その答えを聞いてガイアス達が驚き戸惑って居ると、マサツグは続けてその理由を何事も無いかの様に話し出す。その際マサツグはレイヴンの状態を確認する様にチラッとステータスを見ると、そのレイヴンのステータスのTPはマイナス状態を指し示しており!…HPも激しく消費!…まるでTPを最大まで搾り出し、更に足りないTPをHPから捻出した様な状態である事を確認すると、マサツグはその事も伝える様に逃げないと答える!…
「まだ完全に動けない訳じゃ無いし!…
それどころかあと少しで勝てそうだし!…
…ってかここまで来て諦めるとか!…
お膳立てしてくれたレイヴンにも悪いし!…
…腕が吹っ飛ぼうが毒に侵されようが!!…
俺はコイツを仕留める気で居るぞ?…
でなきゃ信じてくれたレイヴンに
顔向け出来ねぇ!!!…」
__ウンウン!!……チラッ?…ザシッ!…ザシッ!…
「……勝手に!……殺すなぁ!!……」
まるでレイヴンが死んだかの様に話すマサツグの隣で、話を聞いているシロも頷いて同意し!…ヴェノムコカトリスの目を直視しないよう動向にもチラチラと気を配って居ると、脚で地面を掻いてはウズウズした様子を見せる!…それはまるで威嚇をする様に!…いきなり襲って来ないよう牽制しつつ、やる気を漲らせて居る様に見せると、そのシロの様子に気付いたのかヴェノムコカトリスは動かなくなり!…レイヴンはレイヴンで!…マサツグの言葉に引っ掛かりを覚えたのか気絶状態ながらもツッコミを入れると、今度こそ駄目なのかガックリと崩れる!…そうして戸惑うガイアス達をそのままにマサツグが改めてヴェノムコカトリスの居る方に振り向き始めると、刀を構え!…準備が出来たとばかりに表情を険しくし、その表情に反応するようヴェノムコカトリスも再度激怒し始めると、ゴングの代わりにヴェノムコカトリスが鳴く!…
__……ゴケエエエエエエ!!!!!!
「…行くぜ、おい!!」
__バッ!!!…
「おおおおおおお!!!」
ヴェノムコカトリスの鳴き声を合図にマサツグとシロが駆け出して行くと、ヴェノムコカトリスもマサツグ目掛けて駆け出し!…もはや即死攻撃なんて怖くないとばかりに!…無鉄砲な様子で吠えながらヴェノムコカトリスに斬り掛かって行くと、ヴェノムコカトリスも迎え撃つ様に首を後ろに下げる!…そしてマサツグの胴体目掛けて首を射出すると、マサツグの攻撃とヴェノムコカトリスの嘴が激しく衝突し!…辺り一帯にまるで刃物同士がぶつかった様な音が響くと、世にも珍しいニワトリとの鍔迫り合いが始める!…
__グオオォ!!…ガキィィィンンン!!…
「ッ!!…まだこれだけの力が有んのか!!…
けどよぉ!!…」
「ご主人様!!…ごめんなさい!!」
__ぴょん!…ムギュッ!!…バッ!!…
もはやヴェノムコカトリスは満身創痍の筈なのだが、今だマサツグに対抗するだけの体力を保持しており!…その体力お化け具合にマサツグは驚きつつ!…ヴェノムコカトリスとの鍔迫り合いをして居ると、後方より追撃の体勢を整えていたシロが合流してはマサツグに突如謝り出す。この時シロはマサツグの背中目掛けて跳ぶと、そのままマサツグを踏み台にして更に跳び!…マサツグを跳び越えヴェノムコカトリスに向かって行くと、その厄介な目を先に封じるようカマイタチを打ち下ろす!…
「いっけぇ~!!!」
__バシュン!!…バシュン!!…
…ザシュン!!…バシュ!!…ッ!?…
「ッ!?…お、俺を踏み台にした!?…
…って、んな事言ってる場合じゃないよな!!…
斬!!!」
__ッズバシュン!!!…
この時シロはヴェノムコカトリスの両眼に向かってカマイタチを放ち、ヴェノムコカトリスはマサツグと鍔迫り合いをして居る事で避ける事も出来ない筈だったのだが!…当たったのは右目の一発だけでもう一発は怯んだ際に狙いが外れ、首周りの羽根を落とした程度で終わってしまい、マサツグはシロに踏み台にされた事でショックを受ける。その際某・黒い三〇星の様な反応を見せるのだが、直ぐに切り替えるよう刀を構え直すと、マサツグは追撃を放ち!…ヴェノムコカトリスの胸部を鋭く斬り刻み!…羽根ごと削ぎ落す様にバッテン状に切り傷を与えると、更に怯ませる!…
__ゴケエエエェェェ!!!……グオオォ!!…
「ッ!?…マジか!?…」
「ッ!?…ご主人様!!…」
ヴェノムコカトリスはマサツグに斬られた際首を後ろに反らせて怯むのだが、その怯みを利用する様に首を打ち出し!…攻撃直後で動けないマサツグに狙いを定め、マサツグも動けない事でその予想外の攻撃が飛んで来た事に焦りの表情を見せて居ると、腹筋に力を入れては被弾を覚悟する!…その際マサツグの様子にシロも慌てた表情でその攻撃を阻止しようとするのだが!…気が付いたのが遅くこの時既にシロは着地態勢の入っており!…攻撃したくとも出来る状態にあらず!…ただ慌てた様子でマサツグの事を呼んでいると、マサツグも覚悟した様子で顔を険しくする!…
{…チッ!!…攻撃が浅かったか!?…
まぁそれなりに多少の被弾は致し方無しと
思っていたけど…不味い!!…
せめてバックステップで威力軽減!…ッ!?…}
「ウオオオオオオオォォォォ!!!!!」
__バキイィィ!!!…フォン!!!…
「ッ!!…間に合ったアアァァァ!!!」
この時マサツグの視点には迫って来るヴェノムコカトリスの首が刹那を発動して居ないにも関わらずスローモーションに見えており!…その徐々に迫って来るニワトリの頭に対して被弾を覚悟した様子で対策を講じようとして居ると、それは突如マサツグの視界に入って来る!…視界の外から鉄の塊が叫びながらフェードインして来ると、ヴェノムコカトリスの首にぶつかって行き!…その際ヴェノムコカトリスは驚いた様子で絶句し、そのマサツグに向かって飛んで来ていた首も横に逸れる様にして掠めると、ほぼノーダメージでやり過ごす事に成功する!…当然何が突っ込んで来たのか?…とマサツグが確認をすると、そこにはガイアスが歓喜した様子で盾を突き出しており!…ガイアスはそのままヴェノムコカトリスの頭を横薙ぎに!…シールドバッシュで押してしまうと、薙ぎ倒す様にヴェノムコカトリスを怯ませる!…
__ガイイィィン!!!!……ドサアアァァァ!!…
「ッ!!…ガイアス!!」
「…お陰で目が覚めたよ!!…」
「ッ!…え?…」
「そうだよな!!まだ終わってないもんな!!!…
目の前でまだ戦っている仲間が居るんだ!!!
タンカーが心折れて如何する!!…
俺の生きがいは仲間を支える事!!!…
こっからは絶対に!!!…折れはしない!!!!」
マサツグも自分を助けてくれたのがガイアスだと言う事に気が付いた様子で名前を呼ぶと、逆にガイアスは目が覚めた!…と言ってはマサツグにお礼を言い出し!…マサツグはマサツグで何の事か分からず戸惑い、一体如何言う事かと言った様子で言葉を漏らして居ると、ガイアスは闘志に火が点いた様子で大盾をヴェノムコカトリスに構えて見せる!…その際鉄の意思を持った様に吠え出すと、タックルを貰って首を振っているヴェノムコカトリスを睨み付け!…ヴェノムコカトリスはコカトリスで、大盾を構えているガイアスに対して反撃を繰り出そうとして居ると、自身の異変に気が付く!…
__プルプル!!…ゴケエェ!!…ッ!?…
「……ふぅ!…やっと…拘束出来たわ!…全く!!…
氷の魔女様なのに熱くなっちゃったじゃないの!…
キャラが崩壊しちゃうじゃない!…
…でも、久々に悪くないスリルだったわ!…」
__ゴゴゴゴ!!…バスン!!…バスン!!…
それは大盾を構えているガイアスに向かい駆け出そうとした瞬間であった!…ヴェノムコカトリスは身震いし足を動かそうとするのだが、その足は上がらず…寧ろ何かにくっ付いた様な感覚を覚えると、ヴェノムコカトリス自身理解して居るのかふと自身の足元を確認する…するとそこには氷が!…足裏はその氷にくっ付いた様に剥がれず凍っており、そこから徐々に侵食するよう足を伝って体を凍てつかせ!…遂にはその場から動けないよう固定してしまうと、更に追撃の氷柱が地面から生え始める!…その氷柱はそれぞれ胴体・翼・腿と刺さっては更に強固な拘束具と化し!…それをやった張本人のエルメダは安堵した様子で溜息を吐くと、後の事をマサツグ達に任せ始める!…
__パッキイイィィィン!!!…
「…はあぁ~!…後は任せたわよ?…
私のTPも限界だから!……
…もう二度とゴメンね?…こんなしぶといの!!」
「ッ!!…ナイスだエルメダ!!!」
この時エルメダはもはや身なりを気にしていない様子で立っており、下着姿ながらも最後の魔法を唱え終えると、ガイアス達に背を向ける…そしてゆっくりとレイヴンの居る方に向かい歩き出すと、戦闘の邪魔にならないようその場を離れ!…そんなエルメダにガイアスは感謝し、改めて動けないヴェノムコカトリスに視線を向けて居ると、更に援護が飛んで来る!…
「ッ~~!!!…
《弱き者に戦う力を!!…
決意を持つ者に反撃の狼煙を!!…
シャープアップ!!!》」
「ッ!?…この魔法は!?…テレア!!!」
「もうこの戦闘を終わらせて下さい!!…
いい加減私達のTPも限界です!!…
これ以上長引くと本当に勝てませんよ!!」
「分かって居る!!…一気に片を付ける!!!」
テレアも最後の援護と言った様子でマサツグ・ガイアス・シロに攻撃UP#バフ__付与__#を掛けると、TP切れでその場にへたり!…バフを掛けて貰った事にガイアスが気付いた様子で視線をテレアの方へ向けると、テレアはそのガイアスの視線に気付くなり早くケリを付ける様に腕を振り上げ忠告をする!…その際テレアはやはり服が溶けて恥ずかしいのか、顔を赤らめては女の子座りで前屈みになって動けずにおり!…それを察してかガイアスも直ぐにヴェノムコカトリスの方へ三度向き直すと、槍と大盾を構え直す!…
__…バッ!!…
オオオオオオオオォォォォ!!!!×3…ッ!?…
「行くぞガイアス!!」
「あぁ!!…
攻撃はあんまり得意では無いが合わせよう!!…
止めは任せた!!!」
「任されたです!!!」
そうして今だ動けずにテンパって居るヴェノムコカトリスを前に身構える三人!…一気に勝負を着けるつもりで三人が駆け出すと、ガイアスは止めをマサツグ達に任せ!…そのガイアスの言葉にシロが元気にサムズアップをしながら返事をして居ると、ヴェノムコカトリスも向かって来る三人に対して藻掻きながらも威嚇をするのだが!…三人は怯むどころか更に勢い付き!…その三人が叫びながら走る姿にその場に居た冒険者達が息を飲んで見守って居ると、まずはガイアスが前に出て大盾を構える!…その一方でエルメダと何とか移動したテレアは今回の最大の功労者!…レイヴンの回復を図るのだが、残り僅かなTPをレイヴンに譲渡するだけしか今は出来ず…とにかくマイナスまで行ったレイヴンのTPバーを少しながら回復させるが、やはりその残量は雀の涙程度でしかなかった…HPをもTPに変換して唱えた代償は大きく!…レイヴンが静かにリッチ化していると、その余りの代償の払い具合に驚いたエルメダがレイヴンに注意をし始める!…
「……本当にギリギリ!…
ちょっと貴方無茶し過ぎよ!?…」
{…リッチ化しても動けないとか…
…これはやり過ぎたかな?……}
「…ッ……後はガイアス達次第ですが……」
エルメダに注意を受けつつ自分でもやり過ぎたとレイヴンが反省をして居ると、エルメダは徐にレイヴンを膝枕し始め…だがこの時レイヴンは何をされて居るか分かって居らず!…ただ何も話せない気絶状態で抱えられて居ると、テレアはレイヴンの手を握ったまま心配そうにマサツグ達の方に視線を向ける…そうしてヴェノムコカトリスに向かって行くマサツグ達はと言うと、先頭のガイアスが愚直に向かって行っては大盾を地面に平行!…低く構え出し!…自身の間合いにヴェノムコカトリスを捉えると、その重い一撃を繰り出そうとしていた!…
「行くぞ!!!…マサツグ!!!
シイィルドオォォ!!!…
アァッパアアアアアァァァァァ!!!!!」
__グオォォ!!!…ドッガアァァァァァン!!!…
「ッ!?…ちょ!?…」
__うええぇぇぇぇぇぇ~~~!?!?!?!?……
ガイアスが勢いを付けたままヴェノムコカトリスの頭目掛けて!…さながら昇〇拳の様に大盾のアッパーカットを繰り出して見せると、その固定していた氷の棘ごと吹き飛ばしてはその巨体を宙に舞わせる!…当然そんな事をやって見せたガイアスにマサツグが声を出して驚いて居ると、エリア外の冒険者達も有り得ない!…と言った様子で驚き!…とにかくそのまま驚いて居る暇も無いので!…マサツグは無理やり納得した様子で追い掛ける様に跳んで見せると、追撃の連撃を放って見せる!…
__ンバッ!!!…チャキッ!!…
「まさかこの巨体を殴り飛ばすとは!!…
とにかく!!…あ~らよっとおおぉぉ!!!」
__クルンッ!…ズバババババババババ!!!!…
余程先程の一撃が強烈だったのか!…ヴェノムコカトリスは気絶しており、反撃の様子も無いままマサツグが左手の刀を逆手に持ち出すと、ヴェノムコカトリスの頭からお尻まで!…まるで駆け抜けるよう縦に回転しては一直線に斬ってしまう!…さながらその様子は某・一狩り行こうぜのゲームで出来る双剣の滞空技の様で、マサツグが斬り終えた後背中からは血飛沫が飛び散り!…マサツグ共々ヴェノムコカトリスが落下して来ると、シロが構えた様子でヴェノムコカトリスに狙いを付けていた!…
__ザッ!!…グググッ!!…
「……ご主人様を狙わない様に!…
あの鶏肉さんを刻む様に!!…」
__ヒュウウゥゥ!!…ッ!!…
「ここです!!!」
シロは一緒に落下して来るマサツグを狙わない様にタイミングを伺い!…そしてヴェノムコカトリスを自分で仕留めるよう大きく踏み込み!…マサツグが丁度ヴェノムコカトリスから離れる様な体勢を見せると、すかさずシロは渾身のカマイタチをヴェノムコカトリス目掛けて放って見せる!…その際掛け声付きで放たれたカマイタチは偶然なのか?…まるでドリルの様な回転軌道を描いてはヴェノムコカトリスに刺さり、更に羽根を削ぎ落すよう貫いてはその身を削る!…
__ガガガガガガガ!!!…ッ!?…
グオオォゲエエエエェェェェ!!!…
「ッ!?…うわぁ!…えっぐ!!…」
「…さすがにこれを喰らえば死ん…
いや相手はユニーク!…
最後まで油断は出来ない!…」
__スッ…ガイン!!…ガラガラ!!…
…ッ!…どよどよ!!…
地面へと落下しながらカマイタチで抉られ!…ヴェノムコカトリスが断末魔を上げて居ると、そのシロの容赦の無さに親としてマサツグが戸惑う!…そして同じ様にその光景を見ていたガイアスも、これで終わったと言った様子で安堵しようとするのだが…思い出した様に相手がユニークモンスターである事を口にし!…まだ油断は出来ないと言った様子で身構え出すと、何故か槍と大盾を手放してはポキポキと手の関節を鳴らし始める!…当然これには外野で見守って居た冒険者達も意味不明と言った様子で騒ぎ出し!…何か警戒した様子で身構えると、威嚇をして居る熊の様なポージングで仁王立ちする!…
__ザッ!…ザッ!…ズドオオォォン!!!…
…パラパラッ……バシュン!!…
「ッ!?…え!?…」
__グゥオオオケエエエエエエエエエエ!!!!!…
…ッ!?!?!?!?…
何を考えてガイアスは仁王立ちし始めたのか?…周りの者達は全く理解出来ないで居ると、丁度ガイアスの目の前にその巨体が降って来ては地面に叩き付けられて砂埃が立ち昇り!…辺りが何も見えなくなるのだが、次の瞬間その土埃の中からけたたましい声で鳴くあのヴェノムコカトリスが姿を現し!…まだ生きて居る事にその傍観している冒険者達が驚き戸惑い出して居ると、そのヴェノムコカトリスは構えているガイアスに向かい腹這いで迫って行き!…ガイアスは迫って来ているヴェノムコカトリスを見ても一歩も退かず!…寧ろ向かって行く様子で一歩踏み出して見せると、その冒険者達を絶句させる!…トンデモナイ行動に出始める!…
「すぅ~~!!!…憤怒ゥゥゥゥゥゥウウウウ!!!…」
__ガッシイィィ!!!…ザザザザザザザ!!!…
…ッ!?!?!?!?…
「よっと!……ッ!?…ガ、ガイアス!?…」
ガイアスがやって見せたのはその腹這いで迫って来るヴェノムコカトリスの嘴を抱えると言う芸当で!…それだけでも恐ろしいのだが、更にガイアスは踏んばってその腹這いを止めて見せ!…満身創痍のヴェノムコカトリスをたった一人で拘束し始めたのである!…勿論止めるまでにラッセル痕を作る等衝撃は計り知れない様子を見せているのだが、それでも止めてしまい!…少し遅れてマサツグも地面に着地し、そのガイアスが止めている光景を見て戸惑いの声を挙げて居ると、ガイアスは大丈夫とマサツグに答える!…
「安心しろ!!……ッ!…
さすがウォーダインクラブ製の重装甲!!!…
何とも無いぜ!!!……やれ!!…
これで終いだ!!!!」
「ッ!?…い、いやいや仕舞って!!…
…確かに終わらせるけど!…」
「ご主人様!!…」
「シロちゃんはノーホイッスル!?…
…とにかくもう!!…ツッコミは後だ!!」
まるで何処かのモビル〇ーツを褒める様に自身の着ている鎧を褒めると、マサツグに止めを刺す様に声を掛け出し!…そのガイアスの言葉にマサツグは引きつつツッコミを入れ!…慌てた表情でそのヘッドロックを決めているガイアスの光景を見詰めて居ると、シロはマサツグを急かす様に声を掛ける!…この時シロはその光景を見て何とも思わないのか!…マサツグはそのシロの言葉にも戸惑い!…だがシロの言う通り戸惑っている暇など無く!…後で纏めてツッコミを入れると言葉を口にして居ると、とにかくそのヘッドロックを決めているガイアスの元へと駆けて行く!…そして!…
「……さすがに刀だと厳しいか…
俺の腕的にも耐久度的にも…」
__スッ…チャキン!…ゴソゴソ…ガランッ!!……
「……ガイアス?…しっかり押さえてろよ?…」
__ッ!……コクリッ!…ザッ!!…
「…ッ!!…フン!!」
ガイアスの元へシロと一緒に合流すると、マサツグはマジマジとヴェノムコカトリスの首を観察し…自身の持っている刀では両断出来ないと判断し、刀から大剣へスイッチすると…まるで処刑人の様に長く柄を持っては大きく振り被り始める!…その際大剣を振り下ろす前にガイアスへ忠告をすると、ガイアスは真剣な眼差しでマサツグに頷いては、斬り易く更に踏ん張り易い様に片膝を着いてしゃがみ!…そのガイアスの準備万端の姿を見てマサツグも頷くと、大剣を握る手に力を入れては首を見据え!…そして掛け声と共に大剣を振り下ろして見せるのだが、大剣はヴェノムコカトリスの首を両断せず!…半ばの所で止まってしまう!…
__ザクンッ!!…ッ!?…ッ~~~~~!!!!
「ッ!?…グッ!!!…この!!!…
は、早く止めを!!!…二振り目を!!!」
「もう振ってるよ!」
「ッ!?…お、おい!それは一体如何言う!!…」
当然半ばの所で止まっている訳なのだから今だヴェノムコカトリスは生きており!…更に生きて居る事から激しく抵抗し始め!…ガイアスも押さえつけるのに必死の様相を見せ始めると、慌ててマサツグに再度止めを刺すよう声を掛ける!…しかしマサツグは仕留め損ねたと言うにも関わらず、大剣から片手を放しては特段慌てた様子は見せてなく…寧ろ安心するようガイアスに声を掛け出すと、その言葉を口にしたマサツグにガイアスは困惑する!…勿論マサツグは今になって可哀そうになったとかそう言った感情を持ち出した訳では無く、ただ大丈夫と笑って居り!…何が大丈夫なのか分からいガイアスは戸惑い!…一体何が大丈夫なのかと慌てた様相のまま尋ねようとすると、マサツグは徐にシロへ声を掛け出す!…
「すうぅ~!…シロ!!…
思いっきりやって良いぞ!!!」
「は~いです!!!」
__…ピッ!…テテテテ!!…ンバ!!…
「フンッ!!…」
__ドシュッ!!…ンバ!!…フォン!!…
ガイィィィンンン!!…
マサツグが大声でシロを呼ぶと、シロは新体操をする様に手を上げては元気良く返事をし!…勢い良くマサツグの後ろから飛び出すと、振り下ろした大剣の鍔部分に目掛けて体重を掛けるよう着地をする!…その際マサツグもこうなる事を分かって居た様子で踏ん張って、大剣を1mmとも傾かせず!…更に踏み込む様にしてシロが高く飛んで見せると、今度は大剣の先端目掛けてカマイタチを繰り出し!…そのシロが放ったカマイタチは大剣の先端にぶつかり、その威力で更にヴェノムコカトリスの首に食い込むよう刃が刺さると、シロが再度大剣の鍔に着地した勢いで大剣は更にヴェノムコカトリスの首に深く入る!…すると後はシロが乗った大剣の重みでか、そのまま首と胴体が両断されると、ヴェノムコカトリスは絶命する…
__ググググ!!……ドサァ!!!…
「ッ!?…え?…えぇ?…」
「……ふうぅ~……討伐完了…だな!!」
__………ワアアアアアアアァァァァァァァァ!!!!…
当然これには何とも言えない様子でガイアスが固まっては後生大事にヴェノムコカトリスの嘴を抱えており!…シロが凄いのかマサツグが凄いのか?…とにかく現状何が起きたのか理解出来ないで居ると、マサツグは終わったと安堵した様子で言葉を漏らし!…外野の冒険者達も今ユニークモンスターが討伐されたと理解すると、その目の前の光景が信じられない様子で…とにかく終わった事に称賛の声を挙げるのであった!…




