-第二章八十節 しつこいチャンピオンと突然の乱入と面倒な相手再び!…-
まさかのパリィが効かないと言う事にマサツグは驚き!…ダメージを与える手段が無い事にも同時に困惑を覚えて居ると、チャンピオンはその間にもマサツグへジリジリと迫って来る!…盾を構え、まるで圧を掛ける様に飛び出して来るのを待って居り、マサツグもそれを見越してとにかく大剣を構えながらも攻めずに留まって別の隙を伺うのだが!…今度は短気にならない様にチャンピオンが盾を構え続けて居る事に、マサツグは焦りを覚える!…
「……チッ!…ただの脳筋ってだけでも無いのか!!…
さすがに学習した様子で構えてやがる!!……」
{…だが実際の所如何する!?…
パリィも効かないとなると最終的には
魔法頼みになるんだが…
そうなるとヘイトはもしかすると
レイヴンの方に向くかもしれない!!…
そうなると更にこの戦闘は長引くし!…最悪!…}
「……よし!!…マサツグ避けろ!!
《金色の針よ具現化し!…
かの者の動きを鈍らせん!!…
それは永久なる苦痛を伴い!…
自由を略奪する冥府の針!!…
パラライズニードル!!!》」
他のゴブリン達とは違いさすがチャンピオンと行った所か、しっかりと学習した様子で守りを固めており!…マサツグもそれを見て改めて打ち込む隙が無いと認識して、今後の展開について考え出す!…今目の前に居るこの敵は間違い無くマサツグとシロにとっては天敵であり、真面にダメージを与える事が出来るとするなら!…レイヴンだけと考える!…だがそのレイヴンも無尽蔵にTPが有る訳では無いので…何ならヘイトを向けられたら最期!…勝てるかどうかすらも一気に怪しくなる!…そうなるとマサツグが壁役として如何動くかでこの状況が変わって来るのだが、ここでレイヴンが魔法を唱え終え!…マサツグに避けるよう指示を出すと、マサツグも考えるのが面倒になったのか…その場の展開を見てから動き出すよう一旦呼び退く!…
「ッ!?…とにかく出たとこ勝負ってとこか!!…」
__バッ!!…ヒュヒュヒュヒュッ!!!…
ッ!?…バババババ!!!…
マサツグが被弾しないよう射線を開ける様に跳び退くと、レイヴンはすかさず金色の針をチャンピオン目掛けて飛ばし始め!…チャンピオンはその針に対して抵抗せず、寧ろノーマークだった所から針が飛んで来た事で驚きを露わにして居ると、全身にその金色の針を浴びる事になる!…そして脛当てや籠手…はたまた兜や鎧に当たった所は刺さらずそのまま弾かれるのだが、カバー出来ていない所にはガンガンに刺さっており!…耐性が無いせいかそのまま具合を悪そうに突如全身を痙攣させ始めると、その場で片膝を着いてその動きを鈍くさせる!…
__グオオオォォォ!!!…ズズズ…ダァン!!……
「…ッ!!…うっし、動きを止めた!!…
これで極大魔法を浴びせれば!!!」
__ググググ!!!…
グオオオアアアアアアアアアアア!!!!
「ッ!?…ちょ!?…は!?…」
苦痛の悲鳴を上げながら崩れたチャンピオンは間違い無く麻痺した様子で固まっており、レイヴンも動きを止める事に成功したと喜びを露わにすると、次の魔法を唱える体勢に入り出すのだが!…チャンピオンは動かない体を無理矢理動かそうと!…気合で如何にかするよう吠えながら徐々にその巨体を立ち上がらせて見せ、その様子にマサツグとレイヴン…そしてシロの三人は度肝を抜かれる!…チャンピオンは今間違い無く麻痺して動けない筈なのに、立った事にレイヴンは目を疑うよう言葉を漏らし!…チャンピオンはチャンピオンで!…やはりマサツグに対してヘイトを向けると、今度は視野を広く取る様に身構えて見せ!…マサツグもヘイトがまだこちらに向いている事で安堵した様子を見せると、ある事を考え出す!…
{ッ!?…マジかよ!?…
麻痺って気合でどうにかなる様な
レベルのモノだっけか!?…
…てか、そろそろ本格的に覚悟を
決めないといけないって事か!?…
……だとすると一番確実性の有る攻撃は!!…}
{マジかよ!?…アレ喰らってまだ動ける!?…
…ッ!?…いやでもまだ完全には抜け切って居ない!!…
動きが鈍い!?…それでもあの様子を見る限り明らかに
こっちにも視野を向けて来ている!!…
…仕掛けるか!?…いやでもどうやってマサツグに
被害なく魔法を!?………てかこれ本当に倒せるの!?…}
まだ一度たりとも攻撃は受けてはいないが間違い無くマサツグ達は押されており!…徐々にマサツグもいつものヤケクソ癖が出て来たのか!…あらぬ事を考え出して居ると、レイヴンはレイヴンでただ信じられないと言った様子でチャンピオンの事を見詰めて居た!…そしてこの時その動きを見てまだ麻痺が少なからず効いている事に気が付くと、一応チャンスはあると受け取り!…だがその攻撃方法までは思い付かず、ただ押されるマサツグの様子を見て焦りを感じて居ると、シロも酷く心配した様子でマサツグの事を呟き出す!…
「ご、ご主人様!!…ッ~~~~!!!…」
__……ッ……ッ!?…バッ!!……
本当なら自分も飛び出して助けに入りたい所なのだが、今逆に飛び込むとマサツグの邪魔になると分かって居る為、シロは飛び出せず!…ただその様子を見詰めてはギュッと拳を握り!…自分には何も出来ないのか!?…と声無く悔しがっていると、更に事態は悪化する!…そしてその事に気が付いたのは他でも無い!…シロであった!…シロは突如何かを聞いた様子でハッとすると、在らぬ方向を向き出し!…そしてマサツグ達とは関係の無い藪をジッと見詰めて警戒をする様な姿勢を見せて居ると、レイヴンも気が付いた様子で声を掛け出す。
「……ッ!…シ、シロちゃん?…
如何してってんだい?…」
「……何か…」
「……え?…」
「…何か嫌なのが来ます!…こっちに!!…」
「ッ!?…マジで?…」
この時シロは耳と尻尾をピンと逆立てると異様なまでの警戒具合を見せており!…レイヴンもそれに驚いた様子で恐る恐る声を掛け出すと、シロは依然として警戒した態度を見せてはポツリと呟く!…しかし一回目の言葉はレイヴンには聞こえて居なかった様子で…もう一度聞き直す様にレイヴンが声を掛けると、シロは今度こそハッキリと聞こえる様に答えるのだが、そのシロの視線はと言うと藪の方に向けてられており!…徐々に警戒度が増して行っている様な様子を見せるシロにレイヴンが声を掛けようとして居ると、マサツグの方では特攻が始まる!…
{…こうなりゃトコトンやってやる!!…
もう自棄だ!!…一か八か!!…
殴り合って攻め勝つ!!}
__…チャキッ!!…バッ!!……ッ!?…バッ!!…
「ウオオオオオオォォォォォ!!!!!」
__グオオオアアアアアァァァァ!!!!!
「ッ!?…ちょ!!…」
もはや吹っ切れた様子で痺れを切らすとマサツグは大剣を構えるなりチャンピオン目掛けて駆け出し!…チャンピオンもチャンピオンでマサツグが飛び出した事に反応するよう迎え撃つ様に駆け出すと、その手に持つ斧を振り被って見せる!…こうして真っ向勝負をし始めたマサツグとチャンピオンに!…レイヴンも慌てた様子で声を掛け出すのだが、その二人の殴り合いに水を差すようシロが警戒していた物の何かを感じ取ると、その今まさに殴り合いを始めようとしていた二人の背筋に寒い物が襲い掛かる!…
__オオオオオォォォ!!!…
…ゾクゾクゾクッ!!…ッ!?…×2
「ッ!?…ご主人様下がって!!…」
__ッ!?…バッ!!……ブオン、ガキイィィン!!!…
突如背筋に寒い物を感じたマサツグとチャンピオンは戸惑った様な反応を見せるのだが構わず突っ込み!…だがシロはそれを良しとせず!…マサツグに下がるよう慌てて指示を出すと、その指示を聞いたマサツグは咄嗟に踏み止まっては寸での所でバックステップを取って見せる!…その際チャンピオンの斧がまたもやマサツグの目の前を掠めそうになるのだが、斧はそのまま振り下ろされては地面に刺さり!…マサツグもそれを見てヤバかった!…と言った様子で!…後ろに下がりつつも戸惑った反応を見せて居ると、シロが下がれと言った本当の意味が姿を現す!…
__ドドドドドド!!!…ガサァ!!!…
ゴケエエエエエエエエ!!!!
「ッ!?…な!?…」
「コ、コカトリス!?…何でここに!?…
てか色が!?…」
突如乱入して来たのはコカトリスに酷似したニワトリ型のモンスター!…だがその大きさは昨日倒したコカトリスよりも更に大きく!…軽く見ただけでも4mはあった!…オマケにその本来エメラルドグリーンの羽根の色も何処かで見覚えの有る薄紫色の羽根と、マスターオーダークエストで聞いていた特徴と酷似しており!…当然目の前にコカトリスらしきモンスターが現れた事でマサツグとレイヴンが驚いて居ると、そのコカトリスらしきモンスターは目の前に居たチャンピオンを跳ね飛ばしてしまう!…そして跳ね飛ばされたチャンピオンもダメージを受けた様子で宙を舞うと、受け身も取れない様子でそのまま地面に叩き付けられ!…叩き付けられた際鈍い音を立ててその場に倒れ込み…そのままピクリとも動かなくなってしまうと、その光景を目にしたマサツグ達は戸惑いを隠せずに居た!…
__グゴ…ドッッシャアアアァァ!!!……
……グシャァ!!…
「ッ!?……お、おい?…嘘だろ?…」
__ゴケエエエエエエエエ!!!!
突然コカトリスモドキが乱入して来たかと思えばチャンピオンを跳ね飛ばし!…その跳ね飛ばされたチャンピオンはと言うと、まるで事が切れたかの様に地面に倒れてはピクリともしない!…そんな光景にただただ戸惑い信じられない思いでマサツグとレイヴンがコカトリスモドキに視線を向けて居ると、コカトリスモドキはそんな視線など御構い無しに倒れているチャンピオンを凝視しており!…まるで自分の住処を荒らしたのはコイツか!!…とばかりに何か怨嗟めいた視線を向けて居ると、さすがにチャンピオンも気絶して居ただけか…徐に地面に手を着いて見せると起き上がり始める。
__……ザッ!!…グウウゥゥゥ!…
…パンッ!…パンッ!……ッ!?…
「ッ!?…あっ!…」
__じぃ~!!…ッ!?…グゴガ!?…
グガアアアアアァァァ!!!!…
チャンピオンが起き上がろうとする際、意識が混濁して居るのか自身の頭を何度か叩き!…そして首を左右に振って何とかその場で立ち上って見せると、自分を轢いた物は何かと確認し始める。そしてコカトリスモドキと視線を合わせてしまうと、チャンピオンは突如としてビタっと固まった様に動かなくなり!…その様子を見て居たマサツグもあっ…と思わず言葉を漏らしてその様子の成り行きを見守って居ると、チャンピオンも困惑した様子で何度も体を動かそうと試みる!…だが何度吠えようが藻掻こうが体はビクともしない様子で動かず、ただ吠える声だけが辺りに木霊しており!…その間にもコカトリスモドキは歩き出し!…その動けずに居るチャンピオンに向かって視線を向け続けて居ると、マサツグ達に異様な光景を見せ始める!…
__ゴケェェェェェ!……ブクブク!!…じわぁ!…
「ッ!?…な、何だ…あれ!?…」
「む、紫色の液体?…まさか毒?…」
コカトリスモドキはあのニワトリ独特の一歩進む毎に頭を突き出しながらの歩き方で!…不気味な程ゆっくりとチャンピオンに近付き!…その嘴から滲み出る程見るからにヤバそうな紫色をした液体を分泌すると、動けないチャンピオンに狙いを定める!…その間チャンピオンも何とかして抵抗しようと藻掻き続けて居るのだが、やはり全く動けず!…マサツグとレイヴンもそのヤバそうな液体を見てアレは何か?…と言った様子で戸惑いを見せて居ると、コカトリスモドキはそのチャンピオン目掛けて嘴で思いっきり突いて見せる!…
__ゴケエエエエエエエエ!!!!…
ドスウゥ!!!…ッ!?…
「思いっきり行った!!…それも喉!!…」
__グガアアアアアァァァ!!!!………ッ!?…
けたたましく鳴いては首を後ろに下げ出し!…その際謎の分泌物も辺りに撒き散らして近くに生えている植物に掛けると、その分泌物の掛かった植物はみるみる枯れて行く!…そして本来ならマサツグの攻撃でも切り傷程度にしか刃が通らなかったチャンピオンの体に、コカトリスモドキが喉を狙うよう嘴で抉る様に突いて見せると、さすがのチャンピオンも効いたのか!…苦痛の表情を見せて後ろに大きく吹き飛ばされ!…そして硬直が解けた様子で突かれた喉を押さえ出すと、コカトリスを睨もうとする!…しかしそれだけでは終わらなかった!…
__ぜぇ!…ぜぇ!……ッ!?…グガァ!?…
ゴガガガガ!!…
「ッ!?…嘘だろ!?…あんなに苦戦してたのに!?…」
「……大体何と無く分かってたけど!…
コイツ毒持ちだ!!…
コイツの毒はかなりヤバいぞ!!…」
チャンピオンはまずその乱入して来たコカトリスモドキを倒そうと考えたのか…突かれた喉を押さえながらも立ち上がって見せようとすると、その表情は突如として青褪め!…白目を剥いて口から泡を吹き出すと、その場に倒れては自身の喉を掻き毟る様にして藻掻き苦しみ始める!…そしてチャンピオンの動きも次第に沈静化して行くと、その様子にマサツグが驚き戸惑い!…有り得ないと言った様子で零して居ると、次には今まで苦戦していたのが嘘だったかの様にチャンピオンはその場で痙攣したまま動かなくなる。そんな様子を間近で見てマサツグが慌て出して居ると、レイヴンは予想通りと言った様子で注意喚起し始め!…このままだと次は自分達がこのコカトリスモドキと戦う羽目になるのかと!?…マサツグが考え出すと、レイヴンに問い掛けるよう現実逃避をし始める…
「……なぁ、これって不味いんじゃないのかな?…
レイヴンさん?……」
「…俺に聞くまでも無く不味いっしょ?……
マサツグさん?……」
二日続けてコカトリス?…と戦う事に!…オマケに今回はかなりヤバい毒持ちと戦う事にマサツグは嫌気を示しながらも問い掛けると、レイヴンも同じ様に嫌気を見せており!…マサツグの問い掛けに対して当たり前と言った様子で返事をすると、そのコカトリスモドキの動向に視線を向け続ける。そして肝心のコカトリスモドキはと言うと、動かなくなったチャンピオンに興味を無くした様子で視線を動かし出すと、今度はマサツグ達の方に振り向き!…明らかに敵意を向けるよう翼を広げて自身を大きく見せると、やはりけたたましく鳴き声を上げ始める!…
__バサァッ!…バサァッ!!…
…ゴケエエエエエエエエ!!!!…
「ッ!?…うるっさ!!…
コイツ鑑定しなくても分かる!!…
絶対にコカトリスだろ!?…
って事は亜種か何かか!?…」
「ッ~~~!!!……ッ!?……はあぁ~…
マサツグさん?…少し報告が有るんだが?…」
「……出来ればグッドニュースである事を
願うんだが?…」
「……それはある意味でかな?…
フィールドフェンスを見てくれ…」
またあのけたたましい鳴き声を聞く事とになってマサツグ達が耳を押さえて居ると、マサツグはもはやコカトリスモドキでは無く!…コカトリスだろ!?と決め付け、レイヴンもレイヴンで徐々に収まる鳴き声に気を休めつつ…ふとある事を目にすると、途端にハッとした様子で驚いては恐る恐るマサツグに声を掛け出す…その際レイヴンの声のテンションに!…マサツグも気付いた様子で反応しては嫌そうな顔で返事をするのだが、レイヴンはその期待を裏切る様にフィールドフェンスを指差して見るよう再度声を掛けると、マサツグはえ?…と言った様子で視線をフィールドフェンスに向け出す…すると…
「……ッ!?…え?…何これ?」
__ズウゥ~ン!!…
「……レ、レイヴンさん?…何か?…
フィールドフェンスが黒いんだが?…」
「……あれはユニークモンスターとの戦闘が始まった事を
知らせる為の云わば専用のフィールドフェンス!…
つまり!!…」
マサツグの目に映ったのは先程まで赤かった筈のフィールドフェンスが、いつの間にか黒く変色している様子で…その黒いフィールドフェンスに不気味さ!…と言うよりも不吉さを感じると、マサツグはレイヴンにこれは何か?と問い掛け出す!…するとレイヴンは知っている様子でその黒いフィールドフェンスについて説明をし始めるのだが、レイヴンはかなり警戒した様子を見せており!…その際実物を見るのもレイヴン自身初めてらしく!…マサツグに理解出来るよう最後に問い掛け出すと、マサツグも驚いた様子で声を荒げる!…
「ッ!?…ちょ!…ちょっと待て!!…
て事はコイツが!?…
コイツが今回のユニークモンスタァー!?…」
「……そう言う事になるな!…
まぁコカトリス自体がレア枠だったし!…
そのレアモンスターの亜種がユニーク!…
分からなくも無いが!…」
マサツグは驚き戸惑った様子のままそのコカトリスモドキを指差すと、改めてレイヴンに確認を取り出し!…レイヴンはレイヴンで警戒した様子でコカトリスモドキを見詰めると、そのマサツグの問い掛けに答えるよう可笑しくないと説明する!…この時コカトリスモドキはゆっくりとマサツグ達に対して歩いて来ては、やはりあの独特の歩き方で間合いを詰めて来ており!…だがマサツグにはまだ疑問が有るのか!…更にレイヴンに問い掛けるよう戸惑いようを露わにして居ると、その疑問を投げ掛ける!…
「い、いやいやそれよりもだ!!…
何でコイツがここに!?…
まだ目的地からここまで距離が有ると思うが!?…」
「……一番に考えられるのはあのチャンピオンを
追って来た!…現に最初俺達には目も暮れず
あのチャンピオンに襲い掛かって行った!…
…あのチャンピオンがコカトリスの巣で何かを
仕出かしたのなら説明はつく!!…」
「ッ!?…か、勘弁してくれよ…」
マサツグが感じた疑問と言うのは、まだ目的地に辿り着いていないと言う事で…この時マサツグ達は森の入口から数十mしか進んでおらず、目的の場所まではかなりの距離を残している状態にあった…なのにその件のユニークモンスターがここに居ると言うのが如何にも可笑しく!…マサツグは変!…と言った様子でレイヴンに問い掛け出すのだが、レイヴンは予想が出来ていたのかマサツグに有る仮説を口にして答え…それを聞いてマサツグも納得したのか落胆した様子で肩をガックリと落とすと、面倒臭がりながらも大剣を構える!…
__スゥ…ジャキン!!……スッ…
「…で、如何やって倒す?…
ハッキリ言って俺嫌なんだが?…」
「でもクエストだから仕方が無いだろ?…
…持って居ると言うのか持って居ないと言うのか…
今回ばかりは死を覚悟した方が良いかも知れん!……」
「……はああぁぁ~~…やっぱりかぁ~……」
そうしてマサツグが身構えて居ると、レイヴンもいつでも魔法を唱えれる体勢に入り出し!…シロはシロで警戒しながらも相手がコカトリスと言う事で興奮した様子を見せると、軽やかなステップを踏み始める!…その際シロは初めての気配に警戒をした様子を見せて居たのだが、もはや正体が分かったら怖くないと言った様子で戦闘態勢に入り出し!…全員が身構えて居ると、改めて近付いて来るコカトリスモドキの特徴を確認し始める!…
__ゴケェッ!…ココココ!……ジュッ!…
「…さっき見たチャンピオンとのやり取りを見る限り!…
あのコカトリス同様の魔眼を持っている!…」
「後はあの毒だな!…
あれは触れるだけでヤバいやつっぽい!!…
現にアレが掛かった草木はみんな枯れてるし!…
何よりジュッ!って音してる!…
酸も含まれているのか?…
とにかくあれは絶対に浴びない!!!…」
「……あと鳥さんです!!!」
ゆっくりと歩いて来るコカトリスモドキに視線を合わせる事無く特徴を捉えて居ると、向こうはマサツグ達に視線を合わせようと首を動かし!…その際嘴からあの分泌物を零し出すと、その分泌物は地面に落ちる度にジュッ!…と音を立てて地面を黒く変色させる!…それを見てレイヴンが改めて分泌物を毒だと判断すると、マサツグとシロに注意喚起をし…シロは鳥である事が重要なのか、堂々とコカトリスモドキが鳥であると口にすると、その言葉を聞いたマサツグとレイヴンは思わず噴き出してしまう!…
__……んぶふ!!…ッ!…クルッ…じぃ~!…
「…ッ!…そこが重要なんだな?…シロにとって?…」
「……ッ?」
シロの自信満々の発言にマサツグとレイヴンが噴き出すと、シロはピクっと反応してはマサツグ達の方に振り向き…そしてマサツグ達が噴出した事に対して如何して?と言った視線を向けて居ると、その視線にマサツグが気付いたのか…シロに笑い掛けながらさっきの言葉についてツッコミを入れると、シロはそのツッコミを受けた事に不思議そうな表情を見せては首を傾げる。シロにとっては至って真面目な言葉だったのだろうが、この言葉をシロが言った事でマサツグとレイヴンは違う風に受け取ってしまい!…思わず笑ってしまった事に反省しつつ…良い具合に緊張が抜けて居ると、コカトリスモドキは突如として突進をし始める!…
__……ゴケエエエエエエエエ!!!!
「ッ!?…来るぞ!!…」
「今度はニワトリに縁が有るってか!?…
こうなりゃやってやるよ!!!」
__ヴウン!!…ッ!?…
けたたましく鳴きながら駆け出して来るコカトリスモドキにレイヴンが注意を促すよう声を掛けると、マサツグとシロは一気に戦闘態勢に入り!…マサツグは吹っ切れた様子で大剣を構えると、まずは様子を伺う様にコカトリスモドキの動きに目を向けようとするのだが!…ここでタイミングが悪い事に刹那がクールタイムに入り始め!…マサツグがしまった!…と言った様子で戸惑って居ると、コカトリスモドキの最初の狙いはマサツグでは無くレイヴンに向けられる!…
__ドドドドドド!!!…ゴケエエエエエエエエ!!!!
「ッ!?…初っ端俺かよ!?…」
「ッ!?…刹那が切れようが!!!…」
__バシュンッ!!…ババッ!!…
この時一番コカトリスモドキの近くに居たマサツグを狙わず!…レイヴンの方にコカトリスモドキが駆け出して行くと、レイヴンは予想が外れたとばかりに慌て出し!…その際反応も遅れてモタついて居ると、回避が間に合わない窮地に追い込まれる!…しかしマサツグはそれを直ぐに察知した様子で飛び出すと、何とか気合でコカトリスモドキの脚に追い付いて見せ!…そこから大剣の峰でガードするようタックルを繰り出し、コカトリスモドキの横っ腹にクリティカルヒットを入れると、コカトリスモドキを横倒しに吹き飛ばしてしまう!…
「うおりゃああああ!!!」
__ドゴォ!!…ッ!?…ゴケエエエエ!?…
…ズズゥゥゥゥゥンンン!!…
「……どんなモンじゃい!!
伊達にシロと鬼ごっこはしてねっぞコラァ!?」
「ッ!!…きゃああぁぁぁ!!!」
「ど、どんなモンじゃ!…って言われても!!…
とにかく助かった!…感謝する!…」
コカトリスモドキも驚いたであろう!…まさか自分が吹き飛ばされたのだから!…それも自分より小さな生物に吹き飛ばされた事で若干戸惑った反応を見せて居ると、その小さな生物は自分に対して何か叫んでおり!…その周りの連中は戸惑ったり、喜んだりと…とにかく奇妙な様子を見せながらも自身に敵意を向けて居たのだから!…その際コカトリスモドキに追い付く事が出来たのはシロのお陰と言った様子でマサツグが叫んでいると、レイヴンは戸惑い!…とにかくマサツグにお礼を言いつつ、改めて冷静になりマサツグの言葉に疑問を持つと、心の中でツッコミを入れる!…
{……ん?…いやその前にどんな足腰してんだよ!?…
ニワトリに追い付くとか!?…
それも吹っ飛ばすとか!?…
普段からどんな事をやってるんだって話なんだが!?…
…って、よくよく考えれば何と無く理解出来た様な?…}
「さすがですご主人様!!……」
まずニワトリ!…もといコカトリスの脚力に付いて行ける人間が居る訳が無い!…と言った様子で疑問を持つと、更に吹き飛ばす程の腕力を持って居る事にもツッコミ!…オマケにマサツグがとにかくシロのお陰と言った事に!…一体どんな遊びをして居ればそんな事が出来る様になるんだ!?…と考えると、今までの事をふと思い出し始める!…そしていざ思い返してみると期間としては短いモノの、思い当たる節がチラホラと見られ…シロはシロでマサツグの言葉に歓喜した様子で喜び!…レイヴンは更に普段のシロとのやり取りを!…今までのシロの情熱的なタックルの数々を思い返すと、思わずそのまま納得してしまう!…
{……そりゃ普段からあんなタックルを
喰らってたら脚力も付くか…あと腕力も?…
…てか俺も俺で何で納得してるんだ?……あぁ~……
何か普通の意味が分からなくなって来たぞ?…}
そうして今までの某大学アメフト部も真っ青のタックルを操出して来たマサツグの体力に!…レイヴンが疑問を持つ事無く流してしまう様になると、完全にレイヴンの感覚は破壊され!…シロちゃんズブートキャンプの成果か?…と一人納得して居ると、自分でも何を考えて居るのかが分からなくなって来る!…そしてまだ戦闘中だと言うのにレイヴンが一人ゲシュタルト崩壊をして居ると、コカトリスモドキは重々しく起き上がり!…態勢を整える様に身震いし!…改めてマサツグ達の事を見詰めると、怒った様子で翼を広げてけたたましく鳴き声を挙げる!…
__…バッサ!!…バッサァ!!…
…ゴケエエエエエエエエ!!!!
「ッ!?…また吠えやがって!!…うるせぇっての!!…
それで他のモンスターが寄って来たらどうすんだ!!!」
「ッ~~~!!!……いやそれは無いから安心…
…ッ!…いや、モンスターじゃなくて冒険者が
寄って来るかもしれん?…」
コカトリスモドキのけたたましい鳴き声に耳を押さえてマサツグが文句を言い!…レイヴンも五月蠅いとばかりに耳を押さえてそれに答えるよう有り得ないと口にすると、逆に冒険者達が寄って来ると予見する!…そうしてとにかく五月蠅いと言った様子でマサツグ達がコカトリスモドキにイライラを積もらせていると、レイヴンの予見は当たっていたのか…三人の居る場所に向けて誰かが走って来る!…そんな足音をこの時シロは耳にするのであった!…




