-第二章七十四節 生々しい止めと歓喜の生肉とコカトリスの爪痕-
__……ゴケェェ……ピクッ!…ピクピクッ!…
「ッ!?…コイツ!…まだ生きてる!……ッ!…
うわぁ…見せられないよ!…になってる…」
「ごしゅじんさまああぁぁぁ!!…」
__ガバアァ!!…ッ!?…
予想外の展開を見せた事でロディに衛兵長・ギャラリー達は静まり返っており…頭をカチ割られたコカトリスはと言うと、マサツグの振り下ろした巨石の残骸の下敷きになって瀕死の状態になっていた…だがそれでもまだ完全には息は消えていないのか、コカトリスは苦しそうに鳴き声を上げると体をピクピクと痙攣させており!…その様子にマサツグが驚き視線をコカトリスの方に向けると、そこには見事なグロ画像が有るのか黒い影でコカトリスの頭が隠されていた。そしてそんな光景を見てマサツグが戸惑いを覚えて居ると、後ろから叫ばれながらシロに飛び付かれ!…吹き飛びはしないものの若干よろけてシロを受け止めて見せると、シロもマサツグが見て居る物が気になったのか…そのコカトリスの様子を覗き込もうとする。
「良かったです!!…
シロのご主人様はつおいのです!!…
…ッ!…何を見てたですかぁ?…」
「ッ!?…シロは見ちゃ駄目!!…
刺激が強すぎるから!!」
「ッ!?…え?…えぇ?…ご主人様ぁ?…」
「絶対に見ちゃ駄目!!…
…てか、ちゃんとけりを付けないとな…」
マサツグが無事である事を確認しつつ…その眼下に有るグロ画像を見ようとシロはマサツグの背中を攀じ登り!…肩の上から顔を覗かせようとすると、マサツグは慌ててシロの顔に手を当てて見せない様にする!…そしてシロに見ないよう慌てて声を掛けると、そのマサツグの言葉にシロは戸惑い!…不服そうにマサツグの事を呼ぶのだがマサツグは断固として見せず!…シロを自身の背中に隠すよう背負いコカトリスと向き合うと、その手に大剣を握り直してはコカトリスの首元へと移動する!…
__……ギュッ!!…ザッ!…ザッ!…
ザッ!…ザッ!……スゥ…
「…悪いな……」
__ブオン!!ドシュン!!!…
…ドサッ!…ゴロゴロゴロゴロ……パシュン!…
コカトリスの首元に移動しマサツグが大剣を振り上げて見せると、その息をする事も辛そうなコカトリスに視線を向ける。その際狙いを定める様に首を一点に見詰めると、コカトリスに一言謝って見せ…一思いに楽にするよう大剣を思いっきり振り下ろすと、コカトリスの首を跳ね飛ばしてしまう!…その反動でかコカトリスの頭は若干宙を舞うと地面にボトンと落ちて悲しく転がり…先に頭が消滅するよう光になって消え出すと、続けて体が光に包まれアイテムをドロップし始める…こうして初めてのコカトリス戦は案外呆気なく終わってしまうと、何処と無く後味の悪さを覚えてしまい…何も言う事無くマサツグはその大剣を振り下ろした状態で固まってしまうと、遅れながらもコカトリスを倒した事による称賛の声を浴び始める!…
__……ワアアアアアァァァァァ!!!!…
{……まさか…
あのコカトリスの魔眼を打ち破る子が出て来るなんて!…
確かに今までにも魔眼を打ち破った人間は数居るけど…
あの短時間で克服するなんて…
普通じゃありえないわ!!…それにあの技!!…
あんな土壇場でやれる芸当の技じゃ無いわよアレ!?…
…確かにフリードちゃんから聞いて居たけど!…
マサツグちゃん!!…あなた本当に何者なの!?……
今後の動きにますます期待を掛けちゃうじゃない!!…}
__ニンマリ!……ゾクゥッ!!…ッ!?…ッ!?…
玄関口からは大盾を構えていた衛兵達!…そのコカトリスとの戦闘の一部始終を見ていたギャラリー達からも称賛の声を受け、バリスタを構えていた衛兵達からはつい先程のマサツグの真似をするよう!…拳を空に突き上げて見せるポーズをして見せると、マサツグとレイヴンにお礼を言うよう言葉を叫び出す!…そうして玄関口辺り一帯からその称賛の声が聞こえて来る中、ロディもマサツグを見詰めて驚いた表情で固まっており!…改めてその意外性の高さについて考えさせられる物が有ると言った様子で興味を持つと、ニンマリと笑みを浮かべて何かに期待する!…当然そんなロディの考えなど知る由も無いマサツグは、お約束と言った様子で背筋に冷たいモノを感じ!…ハッと気が付いた様子で徐々に体を起こすと、次には突如緊張の糸が切れた様に座り込んでしまう!…
__……ガクゥン!!…ドサァッ!!…
「ッ!?…ご、ご主人様!?…」
「え?…あ、あぁ…す、すまん…急に脱力感が……ッ!…
レイヴンも相当緊張して居たみたいだ…って、シロ?…」
マサツグが突如座り込んでしまった事に驚き!…背中にしがみ付きながら慌ててマサツグの心配をシロがし始めると、そのシロの言葉にマサツグは大丈夫と答える…その際自分でも力が抜けた事に驚いた様子でシロに返事をして居ると、同時にレイヴンもへたり込んでいる様子を目にし…マサツグは思わず苦笑いし、そのレイヴンの様子をシロにも話そうとするのだが…この時シロはふとある物を目にした様子でマサツグから離れると、マサツグはそんなシロの様子に若干の戸惑いを覚える。そうしてシロが向かって行った方に視線を向けると、シロはそのアイテムをドロップし続けるコカトリスの前でしゃがみ込んでおり…マサツグも気になった様子で何とか立ち上がりシロも元へと移動すると、何を見て居るのかを尋ねる。
__グググ!!……ザッ…ザッ!…ザッ…ザッ!…
「……シロ?…如何したん…」
マサツグは突如ドロップ中のコカトリスの前でしゃがみ出したシロに若干の戸惑いを覚えつつ!…恐る恐る何を見て居るのか?と声を掛け出すと、シロはその言葉に反応するなりマサツグの方に振り返っては目を爛々と輝かせ!…当然の様に全力で尻尾を振ってその両手にコカトリスの肉らしき物を一杯に抱えて見せると、マサツグへ差し出し満面の笑みを浮かべながら答えて見せる!…
__クルッ!!…キラキラキラキラ!!…
ブンブンブンブン!!!…
「ご主人様!!…これ!!…お肉です!!!」
__ヴウン!…ッ!…ゴシゴシッ…
何かを期待した様子で満面の笑みを浮かべるシロからコカトリスの肉を
差し出されると、マサツグの眼前にはそのコカトリスの肉についての
説明欄が表示される…するとそこにはどれも極上の一品でレア度が
地味に高いと言った様子で高評価の説明が書かれて有り、その説明欄を
見てマサツグがえ!?…と言った様子で違和感を覚え出すと、何度も
その鶏肉の説明欄を見直しては目を擦り確認をする!…
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コカトリスの極上モモ肉
レア度 A
コカトリスから取れる新鮮な極上モモ肉。
主に唐揚げやチキンステーキにすると
とても美味しく、食べた者のTP上限を
一時的に大きく増幅させる。高級食材で
高値で取引されるほど希少で滅多に
取れない。
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コカトリスの極上胸肉
レア度 A
コカトリスから取れる新鮮な極上胸肉。
主にチキンカツや煮物にするととても
美味しく、食べた者のHP上限を一時的に
大きく増幅させる。高級食材で高値で
取引されるほど希少で滅多に取れない。
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コカトリスの極上手羽肉
レア度 A
コカトリスから取れる新鮮な極上手羽肉。
主にフライドチキンにするととても
美味しく、食べた者のHPとTP上限を
一時的に増幅させる。高級食材で高値で
取引されるほど希少で滅多に取れない。
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「……え?…」
__……チラッ?…
「……え?…」
説明文に違和感を覚えマサツグが何度見直してもその説明欄の文章は一言一句何も変わらず!…その事に戸惑いを覚えつつも今度はその鶏肉自体に目を向けると、目の前には良い具合に脂がのったモモ肉にキュッと引き締まった胸肉!…そして先程までマサツグ達に猛威を振るっていた手羽が精肉された状態で、シロの腕に抱えられて有る状態が目に映るだけであった!…因みにここで少しゲームの仕様の説明をば…このゲームで巨大なアイテム!…今回の場合だとコカトリスの肉なのだが、こう言ったアイテムを取得する場合そのアイテムの大きさは、回収し易いよう収縮される様になっている。故にシロでも両手一杯に抱えて見せると言った事が出来るのだが、そのアイテムの大きさも使用・加工する際に等倍の大きさに戻るよう設定されて有り、体感で言うと某・ど〇ぶつの森の家具と言った所か…当然これが出来るのは冒険者達だけなので、傍から見ているNPCからすれば手品をして居る様にしか見えず!…今だ解明されていない古代魔術の様な扱いを受けている!…そうしてとにかくどれも食材として書かれてある事に…滅多に取れない鶏肉と書かれてある事に!…何ならアレ食べれるのか!?…と言った様子で説明文と物の両方を見てマサツグが戸惑った表情を見せて居ると、シロは更に続けてマサツグにこう話す!…
「これでまた[ふらいどちきん]が食べられますね!?」
「え!?…あ、あぁ……うん…そう…だな?…」
__ッ~~~~!!!!きゃっほぉ~~~い♪
コカトリスの肉を腕一杯に抱えてフライドチキンの話!…本当に気に入ったのか期待に満ち溢れた表情でマサツグに確認を取り出すと、その話を振られた事にマサツグは戸惑い!…とにかく他に毒や何か危ない物が無いかを確認しつつ…シロの問い掛けに対して出来ると戸惑いながら返事をすると、シロはその返事が聞けて嬉しいのかコカトリスの肉を抱えながらその場で上機嫌に踊り出す!…そんなシロの様子にマサツグは思わずその鶏肉を何処で揚げて貰うつもりなんだ?…と考え出しまうのだが、シロは構わず踊っており!…マサツグが踊るシロに微笑ましそうな視線を向けて居ると、レイヴンがマサツグ達の居る方へやって来ては声を掛け出す。
「…お疲れ~…
…まさかあんな手に出るとは思わなかったぞ?…
…素材取って良いか?…」
「え!?…あ、あぁ全然いいぞ?…
…いや俺も咄嗟に思い付いた技だからなぁ?…
次同じ事出来るかって言われたら正直出来る気せん。」
「…あんなのポンポンやってる奴が居たら
それこそ有名になってるっての!!…
咄嗟とは言えよくやるわぁ!…
…俺も剣士始めようかな?…」
「影響されて居る様に聞こえるが?…」
レイヴンも疲れた様子でマサツグに挨拶をするとコカトリスの前へ移動し、マサツグのやった事について驚いた!…とばかりに話を続けると、確認するよう素材を指差しては集めていいか?と問い掛け出す。そんなレイヴンの問い掛けにマサツグも頷いて返事をすると、レイヴンの話に対して偶然出来たと今だ若干戸惑った様子で話し!…二度目は出来ないとレイヴンに苦笑いをしながら話すと、その話を聞いたレイヴンも呆れた様子で苦笑いをしては当たり前だと言う。だがあの光景を見せられたせいか、レイヴンは剣士に興味を持った様子でポソっと零し!…その一言をしっかり聞いた様子でマサツグがレイヴンにツッコミを入れて居ると、二人の元にロディが…オネエ走りで駆け寄って来る!…
__タッタッタッタッタッタ!!!…
「いやぁ~ごめんなさいねぇ!!♥…
三人に任せっきりにしちゃって!!…
本当は手伝ってあげれば良かったのだけどぉ…
私が直に動くと色々と面倒事になっちゃうから
下手に動けなくてぇん!♥……何でも魔人だとか!!…
破壊神だとか言い出すのよぉ!?
失礼しちゃうわ!!…」
{{…あっ!…納得…}}×2
「……今納得しなかったかしら!?…」
ロディはマサツグ達の所に駆けて来て合流をする際!…徐にコカトリスを任せっきりにした事を謝り出すと、その訳をクネクネとしながら話し出す。何でもロディが動くと面倒事になるとかで…まるで自分の事を封印されし魔人!…もしくは化け物の様に言い出すと、その説明にマサツグ達は思わず心の中で納得し…その感情が表に出ていたのかロディにツッコミを受けると、マサツグとレイヴンは思わず委縮し固まってしまう!…
「「ッ!?…」」×2
__…スッ…サワサワ…サワサワ…
「……ちょっと?…
どさくさに紛れて何処触ってんですか?…」
「失礼な事を考えた罰よ!!」
「だからって人の尻を撫で回さないで下さい!!…
小さい子供も居るんですよ!?…
止めれえぇぇぇぇ!!!!」
__バッ!!…ッ!……じぃ~~!!…ッ!?!?…
そうしてロディにツッコまれた事でマサツグ達が固まって居ると、ロディは徐にマサツグの後ろへ移動すると尻を撫で始め…そのナチュラルにセクハラをして来た事に勿論マサツグは困惑するのだが、それよりも何故このタイミングで!?…と言った様子で疑問の方が勝ってしまうと、とにかく辞めさせる様にロディへツッコミを入れる!…しかしロディはマサツグのツッコミを受けても諸ともせず、寧ろ罰と言っては止める気配を見せず!…それでもシロの事を挙げてマサツグがロディから逃げて見せると、そのマサツグの様子にロディもあっ!…と目を見開き戸惑った様な表情を見せ!…次に逃がしたとばかりに悔しそうな表情をすると、そんなロディの表情にマサツグは密かに恐怖を感じてしまう!…そうしてそんなこんなが有りつつもシロは以前として鶏肉を抱えて踊っており!…いつまでも踊らせる訳には行かないと言った様子でマサツグがシロの事を呼び出すと、その鶏肉を回収し始める。
__ルンタッタ♪~ルンタッタ♪~…
クルクルクルクル♪~
「……シロぉ?…
そろそろその肉仕舞いたいから
こっちに持って来てくれぇ?
あんまりべたべた触ってっと傷むぞぉ?」
「ッ!!…は、はいです!!」
マサツグが回収するよう声を掛ける際、踊るシロに若干の呆れを覚えつつ…シロにもしも抵抗された時の事も考えて肉が傷むと声を掛けると、シロはその言葉を聞くなりビクッと耳と尻尾を反応させては、慌てた様子でマサツグの元にそのコカトリスの肉を持って行く!…正直生肉を抱えて喜んでいる幼女の絵面にマサツグは若干の抵抗を覚えて呼んだのだが、シロは大事そうに抱えて駆けて来てマサツグに急かすようコカトリスの肉を突き出し!…そのコカトリスの肉を突き出して来た事にマサツグはどれだけ食べたいんだ?…と戸惑い考えてしまうと、シロの目の前でアイテムポーチを開いてはそのコカトリスの肉を仕舞い込む。
__…ザッ!…ゴソゴソ…じぃ~~!!…
「……そんなに見詰めなくても大丈夫だよ!…
ちゃんと食べれる!」
__じぃ~~!!…
アイテムポーチにコカトリスの肉を仕舞うとする際、シロは心配そうにジッとその鶏肉を見詰めており…その視線にマサツグも気付くのだが取り敢えず仕舞おうとすると、やはりその視線が気になった様子でマサツグはシロの方に振り向いてしまう…そうしてマサツグは苦笑いをしながらシロに心配ないと声を掛けるのだが、その当本人は気が気でないらしく…マサツグの言葉に無言で頷いて見せるがやはりその鶏肉を注視し続け!…マサツグもそのシロのフライドチキンへの執着心に驚いた様子で思わず戸惑って居ると、ふとある事に気が付く!…
「……本当に気に入ったんだな?…フライドチキン?…
…てか?…手羽肉が何で六つも有るんだ?…
何処をどう見ても翼は二つしか無い筈なのに?…
……またモン〇ン現象?…}
それは前々からこのゲームをプレイして居る上で気付いて居た事なのだが、シロが持って来たコカトリスの手羽肉は何故か六つ有り…それに気が付いたマサツグがあれ?…と言った様子で疑問を感じもう一度コカトリスの死骸を確認すると、やはりコカトリスには翼は二枚しか無い…当然後の四本は何処から出て来たのか?と思わず考えてしまうと、異次元から?…等と考えてしまい…最終的には某・一狩り行こうぜのゲームシステム的な物か?…と納得してしまうと、とにかくレイヴン同様コカトリスの戦利品をコカトリスの背後より息を切らした様子で誰かが掛けて来る…
__タッタッタッタッタ!…
「マ、マサツグ様ぁ~!!…はぁ!…はぁ!…」
「ッ!…え?…ッ!?…
ミ、ミスティー!?…何で…てか何処に?…」
「はぁ!…はぁ!…
コ、コカトリスが見つかったと言う事で
一緒に後を追って居たのですが…
あの人混みに揉まれて動けなくなってしまい!…
今漸くここに辿り着いたとこなのです!…
…はあぁ~…」
背後から聞き覚える有る声が聞こえ…マサツグ達がその声に反応するよう振り返ると、そこには身なりがグシャグシャ…まるで通勤ラッシュに揉まれて来ましたとばかりにボロボロの姿で手を振りながら駆けて来るミスティーの姿が有り、そのボロボロの姿を見てマサツグ達が驚いて居たが、心配した様子でマサツグが声を掛け出す。その際一緒に付いて来て居た事を思い出すと、その事についても尋ね…するとミスティーは自身に何が有ったのかを話し出し、今漸く辿り着いたと安堵しながら一息吐き出すと、その説明を聞いたマサツグ達は納得する。
「…あぁ~…通りでボロボロ…
…てか一国の姫様がここでこうして
付いて来ている事自体が可笑しい様な?…」
「何なら人混みに揉まれて居たって
話も大分可笑しい様な?…」
「はぁ…と、とにかくご苦労様でした!…
これでハーフリングスにまた平穏が…」
「ッ!…あっ!…
そうだ聞きたい事が有るんだが?…この辺りで…」
マサツグ達がミスティーの話を聞いて納得している一方で、ミスティーは自分で直せる部分は手で払い髪をとかして見せると、徐々に落ち着きを取り戻し始める。その間マサツグとレイヴンが色々と疑問を持った様子で思わず零し出すのだが…ミスティーは終わり良ければ総て良しと言った具合にお礼を言いつつ…話を纏めようとすると、ここでマサツグはハッと思い出した様子でミスティーにある事を尋ねようとする。それはコカトリスに追撃を放つ際に見掛けた薄紫色の羽根についての事なのだが!…いざマサツグがその事について尋ねようとした瞬間、突如腕を引っ張られ話を中断する。
__グイグイ!!…
「ッ!…え?…何?…ッ!?…」
__うるうるうるうる!……
マサツグは不意に腕を引っ張られた事でバランスを崩しそうになるのだが、踏ん張って耐えて見せ!…何とか耐えた所でその自身の腕を引っ張って来た物を確認する為視線を下に落とすと、そこでシロがマサツグの顔を見上げている姿を目にする。その際その時のシロの表情はと言うと、目をウルウルとさせては閉じた口から微かにだが涎を垂らしており!…目でご飯まだ?…時間掛かる?…と訴え掛けてマサツグを急かす様な視線を向けていた。当然そんな視線を向けられて居る事にマサツグも若干驚いた表情を見せると、次には呆れた表情を見せ…シロに負けた様子で話を後にして、先に食事を取る事にした。
「……わかった!…先にご飯にしような?…
…確かに時間的にも丁度良いか…悪い!…
話は後にする!……っで?…
レイヴンは如何すんだ?…それにギルマスも?…」
「ん?…俺はもうチョイ頑張る。
こうして倒した後も部位破壊をする事に
よって追加報酬が……あっ!…
ヤブの分は後で持ってくわ。」
「…ッ!…あっ!…私も残るわ!…
…ちょっと気になる事が有るから?…」
「ッ?…あぁ…分かった…
レイヴンは程々にな?…」
シロの眼力に負けた様子で食事を取る事を先決すると、マサツグは徐にメニュー画面を開いてはゲーム内時間を確認し…正午である事を踏まえてレイヴンとロディを食事に誘うよう声を掛け出すのだが、レイヴンは素材集めに夢中になっており…ロディは神妙な面持ちで調べる事が有ると言い出すと、マサツグからの食事の誘いを断る。その際レイヴンは追加素材は後で渡すと言うと、ウキウキした様子で解体を続け!…そのレイヴンの言葉を聞いてマサツグが苦笑いをすると、程々にと言っては一足先にシロとミスティーを連れて町に戻り出す。そうして漸くコカトリス騒動も終わった様子でハーフリングスに戻り出すのだが、その現場となった玄関口はと言うと…
__コッ…コッ…コッ…コッ……ッ!?…
「…うわぁ!…こりゃ派手だな?…」
「ほぉ~!……一杯刺さってるのです!…」
いざ玄関口に戻って来て分かる!…そのコカトリスの羽根のヤバさに!…玄関口城壁には羽根が幾本も深々と突き刺さっては項垂れており!…城壁の上のバリスタにも被害が有ったのか鋼鉄で出来た弦が斬られてはその機能を果たす事が出来ずにあった!…中には木製であった為か真っ二つに裂けた物まで見られ!…そして玄関口を大盾で守っていた衛兵達も!…怪我こそはして居なかったが構えていた大盾は見事に羽根で貫かれており!…ホッとした表情で構えを解き出す衛兵達からは汗の臭いが十分に感じられた!…そうしてそんな散々な状態の玄関口を目にすると、マサツグは戸惑った様子で言葉を漏らし!…シロも城壁に羽根が突き刺さっている光景が珍しいのか驚いた表情を見せて居ると、その光景を見て初めて危険な相手だったと認識出来たのか!…ミスティーは二人の心配をし始める。
「ッ!?…は、羽根が突き刺さって!?…
こ、これ程までに恐ろしいモンスターと!!…
マサツグ様!…シロちゃん!…
本当に怪我は有りませんか!?…」
「大丈夫!…被弾して無い!」
「シロもです!!」
「そ、そうですか?…ふぅ…」
ミスティーは酷く困惑した様子で玄関口城壁を見ては青褪めた表情を見せ!…慌ててマサツグとシロに心配の声を掛けると、その問い掛けにマサツグとシロはケロッとした様子で返事をする。シロに至っては余裕と言った様子で笑顔を見せると手を上げて返事をし、それを見てミスティーが改めて安堵するようホッと一息ついて居ると、マサツグ達は衛兵達及びギャラリー達から暖かい声援!…快く迎え入れられる!…
「……勇者殿とシロ殿に!……敬礼!!」
__バッ!!…わあああぁぁぁ!!!!…
…シロちゃ~ん!…愛してるぅ~!…
マサツグ達が玄関口を通る際、衛兵達は既にスタンバイした様子で両脇に整列して展開すると、衛兵長の合図で敬礼し!…その衛兵達の後ろからはマサツグとシロに対する声援でごった返して居た!…その声援の中からは何やらシロに対するラヴコールも聞こえて来るのだが、シロの耳には届いていないのかただキョロキョロと驚いた様子で見回しており!…逆にマサツグの耳には届いて居るのか!…ムッとした表情でその声の主を探し出すと、シロの父親とばかりに娘はやらん!!…と目で訴える!…
__ッ!?…チラッ?…チラッ?…
「……ッ!…ど、如何したのですか?…」
「……いや、何か不埒者の声が聞こえたからつい…」
「え?…」
この時のマサツグの反応に気が付いた様子でミスティーが戸惑った表情で声を掛けると、マサツグはまるで歌舞伎絵の様な表情で辺りを見渡しており…その際のマサツグからの返答を聞いて戸惑って居ると、シロも気になった様子でマサツグの顔を見上げており…とにかくそれも忘れるようその中を戸惑いながら歩いて居ると、マサツグは徐々にその声援を受ける光景にデジャブを感じ始める。
「……この迎え入れられよう二度目の様な気がする…」
「あはははは…
…い、一回目は満身創痍でしたからね?…」
__ピクッ!…しょぼ~ん…
「……ッ!?…シ、シロ!?……ッ!!…
あぁ!!…あの事か!?…気にしてない!!
気にして無いからそんな顔をするな!!…」
マサツグは色々と思い出すよう今の光景にデジャブを感じると言い出すと、その言葉にミスティーは苦笑いし…ミスティーもその時の事を思い出すようマサツグの状態について話し出すと、その話を聞いた途端にシロは耳をピクっと反応させる。そして突如として何故か暗く落ち込んだ様子を見せ始めると、その様子にマサツグとミスティーは気付くなり慌て出し!…恐らくシロはあの時の!…マサツグを頭突きでノックアウトした事を思い出したのか、マサツグも思い出した様子でハッとした表情を見せると、慌ててシロに気にして居ない!と声を掛ける!…そうしてシロの事を何とか元気付けようと頑張って居ると、ここで空気を読んで居るのか読んでいないのか?…シロに関するスキル報告の通知がマサツグの目の前に表示される。
__ピロリロリ~ン♪…ッ!…
[シロは「風読み 」を獲得しました。]
「……風読み?…
って、そんな事を言ってる場合じゃない!…
シロぉ~?今からご飯に行くぞぉ~?…
今日のお昼はシロの大好きなフライドチキンだぞぉ?」
__バッ!?…キョロッ!!…キョロッ!!…
マサツグの目の前に出て来たのはコカトリス戦で見せたシロの新しいスキル!…[風読み]と言う名のスキルを獲得したと言う通知で有り、突如目の前にそんな通知が出て来た事にマサツグは戸惑うのだが…それよりもシロが落ち込んで居る事の方が重要と言った様子でスルーをすると、フライドチキンで何とかシロの機嫌を直そうと頑張る。それと同時に折角手に入れた鶏肉を食べない訳にも行かないと、その鶏肉を料理して貰えそうな場所をマサツグは急に探し出すのだが見当たらず!…その挙動不審な動きを見せ始めたマサツグにミスティーも困惑の眼差しを向けると、ただただ何が有ったのかと悩み始める!…
{ッ!?…マサツグ様がシロちゃんを
慰めながら急に辺りを見渡し始めた!?…
一体如何なされたのですか!?…}
{……やっぱここ等辺に料理屋的な物は無いのか?…
如何する!!…
このままだと多分シロは暗いまんまだぞ!?…}
一体何が起きて居るのか分からず困惑するミスティーに、ただシロを宥めようと慌てるマサツグ!…このミスティーの疑問が晴れるのは数分後の事であるのだが…この時のマサツグのシロを宥めながらも急に辺りを見渡し始めた様子は、まるで迷子の子供を見つけて親を探して居る不審者の様にしか見えず!…知らず知らずのうちに他の冒険者達にその様子を撮影されては!…後日掲示板にUPされる羽目になるのであった。




