-第二章七十三節 羽根の嵐と風読みのシロと光る意外性!-
今までばら撒かれて居た羽根はコカトリスが起こす風圧によって飛ばされるとマサツグ達を襲い!…コカトリスは依然として発狂した様子を見せては翼を羽ばたかせて風と羽を送り続ける!…そんな風圧の中マサツグ達は大剣を盾に構えると防戦一方となり…束になるよう飛んで来る羽根に如何対処したものかと耐えながら悩んで居ると、マサツグ達は愚痴を零すようコカトリスに文句を言っていた!…
__ゴオオォォ!!!…キン!!…ギィン!!!…
「ッ!…えぇい!!…
アイツの羽根は如何なってんだ!?…
あんだけ飛ばして来たら
もう抜ける羽根も無いだろ普通!!…
それなのに!!!…レイヴン魔法は!!!…」
「ッ!!…駄目だ!!!
俺もそれを考えて色々試そうとは思ったが
リスクが大き過ぎる!!…
…今俺が覚えている魔法はほぼほぼ射出系!!…
それもこの風圧に諸影響を受ける物ばかりだ!!…
逆に放った所で自分達の方に帰って来る
危険性の方が高い!!…ってか!!…
詠唱しようにも風圧で詠唱中断させられるし!!…
モンスターの強さ設定間違えてんじゃないのか!?…」
__ゴケエエエエエエェェェェェェェェ!!!!
大剣を構えては今だ鳴り響く金属音にマサツグは戸惑い!…そしてまだ抜け落ちる羽根に有り得ない!…と言った様子で文句を零して居ると、レイヴンに魔法での打開策を求める!…だがそのマサツグの問い掛けに対してレイヴンも魔法を唱える事が出来ないと答え、唱えた際のリスクや中断させられる事等を理由に挙げ…マサツグ同様コカトリスに対して文句を言い出し、更に運営に対しての文句まで口にし始めて居ると、そんな二人を嘲笑うかの様にコカトリスは叫び出す!…この時大剣を構えるマサツグを先頭にレイヴン・シロと並んでおり!…その後ろでは玄関口を護る様に大盾を構える衛兵達が整列している!…そんな大盾にも刺さるようコカトリスの羽根が何本も食い込んでおり、被害は出ていないにしろその恐ろしい程の羽根の喰い込み具合に戦々恐々として居た!…それでもその場から逃げ出さない覚悟を見せる衛兵達の様子に…マサツグ達も何とか一矢報いようと考えるのだが…
__ゴオオォォ!!!…キン!!…
ギィン!!!…ッ~~~~!!!…
「だあああぁぁぁ!!!
この風の中でもあのニワトリの鳴き声が聞えるとか!…
どんだけ五月蝿いんだ!!!…
さすが嫌われモンなだけは有るって事か!?…
クソったれ!!!…いっそ突っ込んでやろうか?…」
「ッ!?…ちょ!?…
確かにこのままだとジリ貧!!…
何か方法は!?……って、あれ?…」
確かにこのコカトリスの羽根は厄介なのだが、防ぐ術さえ有ればその一撃は軽く防げない物ではないのだが…逆に言うと厄介なのはその羽根を飛ばす風圧の方に有り!…踏み止まれるだけのTPが無くなれば直ぐにマサツグ達は風圧で吹き飛ばされる!…そして今だ疲れを見せない様子でコカトリスは羽根をバタつかせて居ると、吹き止まぬ風圧にマサツグ達のイライラは積もり!…遂にはマサツグがブチ切れ口調を悪くし出すと、その後ろでレイヴンが焦り!…マサツグが飛び出して行く前に何か打開策は無いか!?とひたすらに考えて居ると、ふと後ろに居るシロの様子に気が付く。この時シロは何も言わずにただ空を見上げるよう有らぬ方向を見詰めては、ぼぉ~っと虚ろな様子を見せて居た。
__ぽけぇ~~…
「グッ!!……ッ!?…ん!?…如何したんだ!?…」
「い、いや!…何かシロちゃんの様子が?…」
シロの中では何かが見えるのかジィ~っと何かを見詰めており!…その様子にレイヴンが困惑した様子を見せて居ると、先頭で風圧に耐えているマサツグが声を掛け出す!…まるで緊急事態を悟った様子でレイヴンに問い掛け出すのだが、レイヴンもその問い掛けに戸惑うと如何答えたものか?と困惑し…ただシロの様子が可笑しいとだけ答えるようマサツグに返事をしようとすると、次にシロの視線はコカトリスの方へ向けられ…何を思ったのか突如妙な事を口にし始める。
「……見えるのです…」
「ッ!…え?…」
「…ご主人様……シロ…何だか風の動き?…
流れが見える様な気がします!…」
「ッ!?……え?…」
シロはマサツグの陰からスッと頭を覗かせると、まるでコカトリスの羽ばたく動きを観察するようジッと見詰め!…そして何かが映ったのか徐に見えるとだけ一言口にし出す。そのシロの一言にマサツグとレイヴンは困惑する!…当然何が?…と言いたくなった様子でマサツグとレイヴンは戸惑った表情を見せるのだが、シロはそれに答えるよう不思議そうな表情で風の流れが見えると突如電波的な事を言い出し、その言葉を聞いたマサツグとレイヴンは更に戸惑いの様相を露にする!…そうして風圧に耐えながらも一体如何言う事か?…と二人は悩み出すのだが、シロはその意味を教えるようマサツグの陰から飛び出して見せると、マサツグ達を驚かせる!…
__……ピョインッ!…ッ!?…
「ちょ!?…シロ!?…危な!!…い?…」
__ビュウウウゥゥゥゥ!!!!…
キン!!…ギィン!!……ムフゥ~!…
「え?…何で?…」
突如シロが陰から飛び出して行った事にマサツグとレイヴンは驚き!…慌てて手を伸ばしてシロを捕まえようとするが、風圧と羽根が邪魔をしてシロを捕まえる事が出来ずに空振りに終わってしまう!…そうしてシロはその恐ろしい羽根の舞う風圧の中へと飛び出して行ってしまうのだが、驚く事に!…シロはその羽根を全く寄せ付けて居ない!…それどころか羽根自体がシロを避けて居る様な…何なら風圧の影響も受けていないトンデモナイ光景をマサツグ達に見せると、シロはマサツグ達の居る方に振り向いて腰に手を当て胸を張りドヤ顔をして見せる!…その間当然風圧及び羽根はマサツグ達を襲い続けるのだが、幾ら見直してもシロの耳や髪はやはり何の影響も受けて居らず!…そんなシロの様子にマサツグ達は戸惑い!…シロはマサツグ達にドヤ顔をし続けて見せると、徐に納得した様子でこう言い出す!…
「やっぱりです!!
やっぱり風の動きが見えます、ご主人様!!!」
「……はい?」
シロの中では何かが分かったのだろう!…ただニュー〇イプに目覚めた様な事をマサツグ達に言い出すとキャッキャと喜び!…そのシロの一言を聞いても全く理解出来なかったマサツグ達はひたすらに困惑させられる!…一体今のシロには何が見えて居るのか?…そんな事を考えながらマサツグは戸惑いつつシロに返事をして居ると、レイヴンは先程の言葉の意味について理解出来たかをマサツグに尋ね出す…
「……な、なぁ?…ヤブ?…
今の如何言う意味か理解出来たか?…
何なら今目の前で起きている事が
バグの様に思えるんだが?…」
「……分からん!…
ただシロが突然シック○センスの
子供の様な事を言い始めたと
思ったらこの状態で……覚醒した?…」
「シ…シック○センス?…え?…
…ま…まぁ、ええわ…
そんな事よりこれはチャンスじゃないか!?」
レイヴンも目の前の光景が信じられない様子でただ困惑して居ると、バグか何かでは!?…と疑った様子で尋ね出し!…そのレイヴンの問い掛けに対してマサツグも素直に分からないと戸惑いながら答えると、シロの事をとある映画に例えては覚醒した様に言い出す…その際その例えがピンと来なかった様子でレイヴンは若干戸惑った反応を見せるのだが、それよりもこの状況を利用すべきと言った様子でマサツグに提案し出すと、それを聞いたマサツグもハッとした様子でシロに呼び掛け始める!…
「ッ!…そうだ!…シロ!!」
「ッ!…任せて下さい!!」
__ザッ!!…
「えぇ~い!!!」
状況を打開する為にマサツグは慌てた様子でシロの名前を呼ぶと、シロも事の状況を分かって居るのか…マサツグ達にやる気のある表情を見せて頷き返事をすると、大きく右脚を後ろに下げて構え出し!…コカトリスに対して真っ直ぐ蹴り上げると、いつもの様にカマイタチを繰り出して見せる!この時その蹴りのフォームはさながらサッカーのシュートを彷彿とさせる様な蹴り上げなのだが…
__バシュン!!…へろへろぉ~…
「ッ!?…え?…」
「ミ!…ミミミ…ミスった!?…」
__あああぁぁ~~……
シロが放った起死回生のカマイタチは威力が無く!…コカトリスの居る方向とは別の方向に向かって飛んで行くと、ヘロヘロと蛇行しながら前へと進んで行く…その初めて見たシロの力の無いカマイタチを見てマサツグは思わず戸惑いの言葉を漏らして居ると、レイヴンも釣られるよう初めてシロが失敗したと言った具合に戸惑い!…その様子を後ろから見ていたギャラリー達も!…風圧に耐えながら駄目だ!…と言った様子で残念感に満ちた声を思わず漏らして居ると、それは更に奇跡を呼ぶ!…
「…し、仕方が無いだろ!…
…寧ろあの風圧の中でまだカマイタチを
撃てただけでも凄いんだ!…
そんな残念そうな声を出してんじゃねぇ!!…」
「…けど…万事休すには変わりは無い!…
さて如何する!?…このままだと本当にジリ貧!!…」
「……ッ!…あら?…様子が?……ッ!?…」
その残念そうな声が背後から聞こえて来る事に!…マサツグは怒りを覚えた様子で呟いては寧ろシロを褒めるよう言葉を口にするのだが!…その怒りの言葉はコカトリスの風圧によって消し飛ばされると、誰にも届く事無く霧散する…この時レイヴンだけはマサツグの怒りの言葉を聞いた様子で重々理解するのだが…改めて状況を冷静に考え!…如何打って出るかで一人悩み出して居ると、ただコカトリスを睨み付ける!…そうしてシロが放ったカマイタチは誰にも見られる事無く放置されると、そのまま消えると言った具合に注目が薄れて行くのだが…ロディだけはそのカマイタチを妙に気にし!…そのシロが放ったカマイタチの様子を見詰めて居ると、シロが起こした奇跡を目の当たりにする!…
「ッ!?…嘘!?…でしょ!?…」
「……ッ!?…え!?…な、何だあれ?…」
「ッ!…何?…如何し…ッ!?…」
__ガアアアアアアァァァァ!!!!…
シロのカマイタチはコカトリスの放つ風圧の中を彷徨う様に進行すると、徐々に切れ味が増して行くようその飛ぶ速度を加速させ!…それに比例する様に威力も取り戻しカマイタチ自体が大きく存在を露わにし始めると、いつの間にかそのカマイタチはコカトリスに向かって一直線に飛んでいた!…当然そんな光景を目にしたロディは信じられないと言った様子で驚きを露わにして居ると、同じ様にその光景を見たマサツグも驚き戸惑い!…そしてマサツグが驚いて居る事にレイヴンも気付き…一体何が起きて居るのかと確認し始めて居ると、そのシロの放ったカマイタチは遂にコカトリスの放つ風圧に対抗出来る程の威力と!…大きさを手に入れて真正面からのぶつかり合いを始めていた!…当然これには先程の残念感を漏らして居たギャラリー達も気が付くと、驚きと動揺の声を挙げ!…先程までのは何だったのか?と言った具合に言葉を漏らしては、その均衡に目を向けていた!…
「ッ!?…な、何だあれ!?…」
「ッ!?…まさかさっきのソニックブームか!?…」
「え!?…嘘だろ!!…何であんな安定感を!…
…っと言うか威力も増してないか!?」
「どぉですか!!!…
シロはやれば出来る子なのです!!」
ただただ目の前の光景が信じられないと言った様子で思い思いに言葉を口にすると、一体如何やってこの状況を作り出したのかと騒ぎになり始め!…その騒ぎを聞き付けてか更にギャラリーが集まり出すと、それを制止する為に衛兵達は大忙しになる!…そうしてそのカマイタチを作り出した張本人はと言うと、やはり風圧の影響を受けずにマサツグ達の前まで歩いて来ては、両手を腰に当て!…胸を張ってドヤ顔をコカトリスにして見せると、アピールをする様に出来る子と自分で言い出す!…その際マサツグもシロが目の前にやって来た事で徐にガードを解くが、シロと同じ様に風圧の影響を受けなくなり!…二人揃って溜まったフラストレーションを爆発させるよう武器を構えると、シロを褒め始める!…
__スゥ…ワシ!!…ワシワシワシワシ!!…
「よくやったシロ!!!…
さすが俺の自慢の娘だ!!!」
「ナイスだ!!…本当にナイスだ!!…
…これで!!!」
「「これであのクソったれニワトリを
思う存分料理できる!!!!」」×2
マサツグはシロの頭に向かって手を伸ばすと感情を爆発させる様にその頭を撫で出し!…先程の言葉を撤回させるよう大きな声でシロを褒め始めると、シロの事を自慢の娘と言って見せる!…当然この言葉にシロも嬉しかったのか耳と尻尾をピクっと反応させると、若干驚いた表情を見せ…頬を赤く染めて全力で尻尾を振って見せると、マサツグに抱き着き甘え出す!…レイヴンもレイヴンでシロのカマイタチに感動した様子で褒めると、突如マサツグと揃って邪悪なオーラを放ち出し!…まるで積もり積もった物を纏めて返そうか!…と言った具合に悪い笑みを浮かべ始めると、コカトリスに対して反撃戦を企てる!…そして!!…
__ガガガガガガ!!!…
スバアアァァァァァンン!!…ッ!?!?!?……
目の前から巨大なカマイタチが迫って来る事に!…コカトリスもそのカマイタチに不味いと感じたのか必死に羽ばたき吹き飛ばそうとするが、結局吹き飛ばせず!…コカトリスの風圧を切り裂くようシロのカマイタチは真っ直ぐ突き進むと、コカトリスの鳩胸に直撃…炸裂するなり悲鳴無くその巨躯を吹き飛ばしてしまう!…この時凄まじい斬撃音が辺りに響くと同時に今までのお返しとばかりに風圧を巻き起こし!…その凄まじい一撃にギャラリー達が驚く中、マサツグがすぐさま動き出すとレイヴンに指示を飛ばす!…
「レイヴン!!…
もう一回あのフライドチキンの原材料に
ガイアスマッシュをぶち込んでくれ!!…
ここで一気に決める!!」
__バッ!!!…
「ッ!?…別に良いけどおまえは如何するんだ!?…
もし唱えたとして!…
あれ範囲がデカいから確実に巻き込んじまうぞ!?」
「構わずやってくれ!!…
…タイミングはそっちに合わせる!!」
マサツグは追撃を放つようレイヴンに魔法を唱える指示を出すと、そのシロのカマイタチで吹き飛んだコカトリスを追い駆け出し!…そんなマサツグの指示にレイヴンは慌てた様子で巻き込む可能性がある事を忠告するのだが、マサツグは構わず大丈夫とだけ返事をすると、その倒れているコカトリスに対して大剣を振り被って見せる!…その際その倒れているコカトリスの胸元に目をやると、そのカマイタチを受けた部位には大きくバッテンを描く様に羽が毟り取られて有り!…更に鋭い刃で斬ったかの様な切り口がポッカリと開いていた!…
「ッ!?…相変わらずの鋭さてか!?…
我が娘ながら末恐ろしい!!…まさか本当に?…
んなこと考えてる場合じゃないか!!…」
__チャキッ!!…グオオォォ!!…
「どぉぉ………せぇええええええいいい!!!!」
__ドゴオオオオオォォォォ!!!!…
どよどよッ!?!?
その鋭い傷口からは出血が見られず!…シロの相変わらずの切れ味にゾッとしつつもマサツグは大剣を後ろに流すよう構え出すと、まるで野球をしているかの様に大剣をバットに見立てては力を込めて振り上げる!…そしてこの時コカトリスはシロのカマイタチが強力だった事を物語る様に、ピクピクと痙攣してその場から動けずにおり!…マサツグはそんなコカトリスに構わず今まで鬱憤を晴らすよう思いっきりその巨躯を芯で捉えて一撃を繰り出すと、その体格差など物ともせずシロに負けない位の勢いで更にコカトリスを吹き飛ばして見せる!…そんなマサツグの剛腕ぶりに周りのギャラリーが驚いて居ると、マサツグはまだまだ!と言った様子で追い掛けるのだが!…
「まだ怒り足りねぇぜ!!!……って…ッ!…」
__チラッ!……
{……コカトリスの羽根?…いや、でも色が何か?…
…って!!…ンなモン如何でも良い!!…
今は目の前のニワトリを掻っ捌いてやらぁ!!!}
自分で吹き飛ばしたコカトリスを追い駆ける際!…その街道の直ぐ隣の森にて不自然な色をした物を目にすると、マサツグは一瞬そちらに意識を移してしまう…そこに有ったのはコカトリスの羽根に良く似た薄紫色の羽根であり、見た感じ尾羽にも見えるのだが…とにかく不自然にその羽根が落ちて居る事が気になると、同時に嫌な予感を覚え…悪寒を感じつつもとにかく今は目の前のニワトリ!!…と言った様子でその宙を舞うコカトリスを追い駆けて居ると、その宙を舞うコカトリスは意識を取り戻したのか…地面に足が着くなり受け身を取って見せてはマサツグを睨み付ける!…
__ヒュウウウゥゥ…カッ!!…
ザザザアアァァァ!!!……ギンッ!!…
「ッ!?…コイツ受け身!!…って、しまっ!!…」
__カチィン!!!…
「ッ!?…ヤブゥ!!!…クソッ!!…
このタイミングでそれに掛かるのかよ!!…」
まさかバッテンに胸を裂かれて更に吹き飛ばされたにも関わらず!…まだ動けるどころか受け身を取って見せたコカトリスにマサツグが驚いて居ると、そのコカトリスに睨まれた事で拘束の魔眼が発動したのか動けなくなる!…そしてマサツグが固まって動かなくなった事にレイヴンも気付いた様子で慌て出すと、マサツグの言っていた魔法のタイミングが無くなった事で戸惑い始め!…それと同時にマサツグが危険な状態である事を認識し!…その魔法を中断して別の魔法で援護する事を考え出して居ると、口は動くのかマサツグの叫ぶ声が聞こえ出す!…
「ッ~~~!!!…やれええぇぇぇ!!!…
レイヴゥゥゥゥゥン!!!!」
__どよッ!?!?…
「俺に構わずやれええぇぇぇぇぇ!!!!」
「シロちゃん駄目!!…今行っちゃ駄目よ!!
貴方まで同じ目に遭っちゃう!!!」
「放してください!!!…
このままだと!!…このままだとご主人様が!!!…」
まるでレイヴンの準備が整って居る事を把握した様子でマサツグが叫ぶと、その叫ぶ声にレイヴンは戸惑い!…如何にマサツグがやれ!!…と言った様子で叫んでもやはり判断に苦しんで居る様子を見せて居ると、そのマサツグの叫び声を聞いたギャラリー達はどよめき出す!…それと同時にマサツグの危機を知ったシロは助けに行こうと飛び出すのだが、ロディが慌てた様子で一緒に飛び出すとシロを捕まえては抱えて止めに入り!…シロは止められた事でパニックになり!…ロディから必死に藻掻き逃れようとして居ると、レイヴンはマサツグの意思を汲んだのか…苦悶した様子ながらも魔法をマサツグ諸共吹き飛ばすつもりで発動して見せると、巨岩をコカトリス目掛けて撃ち放つ!…
「ッ~~~!!!!…如何なっても知らんからな!?…
《頑強なる岩石よ!!…我が目前の敵を押し潰し!!…
その偉大なる力を証明せよ!!…
分け隔てなく見せるその力に!!…我は思う!!…
敵は無し!!…ガイアスマッッッシュ!!!!》」
__ドゴオオォォォ!!!…
「ッ!?…レイヴンさん!?…ッ~~~!!!…
ごしゅじんさまああぁぁ!!!…」
レイヴンが放った巨岩は真っ直ぐマサツグの背後を狙う様にノーマークのコカトリスへ向かって飛んで行く!…レイヴンにとってもこの魔法はトンデモナイ賭けなのだが、他に方法が無い分マサツグの事を信じるしか無く!…その魔法が放たれた事にシロも酷く驚いた様子で目撃すると、ロディから必死に逃れようとしてはマサツグの事を泣きながら叫ぶ!…そしてこの一種のドラマの様な展開になりつつある中肝心のマサツグはと言うと、今だ動けない状態で固まって居ては徐々にコカトリスに迫られており!…幸い次の攻撃を放つ体勢で固まって居ると、こんな事を考えていた!…
{やっちまったあぁ~~!!!…
まさか受け身取って睨まれるとは
思っても居なかった!!…
でもこれで何とかコイツに
重い一撃を放つ準備は出来た!!…
後はこの硬直が解け次第仕掛けてやる!!…
ここまで来たらもう引き返せねぇ!!…
一か八か!!!…}
__ドッ!……ドッ!……ドッ!……ドッ!……
徐々に迫って来るコカトリスに対して睨み返すよう視線を動かして居ると、心の中では自身の予測や動きに反省しており…それでも倒す算段は付いたとばかりにその時が来るのを待って居ると、仕掛ける気満々で早く硬直が解けるのを願っていた!…この時マサツグの背後からはレイヴンが放った巨岩が一切止まる事無く突っ込んで来ており!…目の前からもコカトリスが徐々に迫って来るのだが、やはり今までのダメージが祟って居るのかその足取りは重く!…足を引き摺る様にして歩いて来ては、マサツグの事を恨めしそうに見詰めて居た!…そしてこの時気付くのだがコカトリスの胸元の傷からは遅いタイミングで出血が見られ!…赤い線を描くよう流れ出しては息を荒げていた…
__ゴケェ!!…ゴケエェェェ!!!…
「ッ!?…そんなになってもまだ戦うのかよ!?…
縄張り意識が高いってか!…
軍鶏みたいなファイティングスピリット
持ちやがって!!…クソッ!!…
まだ動けねぇのか!?…」
__ドッド!!……スウゥ!!…
息を切らし出血しながらも確実に前へと歩いて来るコカトリスに!…マサツグが思わず畏怖の念を持ってしまうと同時にそのコカトリスの闘志に驚愕する!…そして相手も生きる為に必死だと言う事を理解させられると、初めてつのウサギと戦った時の後味の悪さを思い出し!…そんな感傷に浸りつつそろそろヤバイ!…と言った様子で慌て始めて居ると、コカトリスは遂にマサツグを自身の攻撃間合いに入れてしまう!…そうしてマサツグを見下ろす様にして首を後ろに引き出すと、その固まって動けないマサツグに狙いを付け!…意識が朦朧として居るのか中々狙いが定まらないで居ると、その間にもマサツグは早く動ける様に抵抗し続ける!…
{クソッ!!…動け!…動け!…動け!…
動け!…動け!…動け!…}
__グググ!!…グググ!!!…
「ヤブッ!!…ッ~~~!!!…」
__あああああぁぁ!!!…
歯を食い縛り何度体を動かそうとしてもマサツグの体はピクリとも動かない!…それでもマサツグは諦めずに抵抗し続けると頭の中で何度も念じるよう動け!と自身に命令し!…その様子を後方で見ているレイヴンも心配した具合で見詰めて居ると、ハッと思い付いた様子でもしマサツグが動けなかった時様に、苦悶の様相で別の魔法を唱え出す!…ハッキリ言ってレイヴン自身もしたくは無いし考えたくも無いのだが…万が一を考えるとやらずには居れず!…その様子はギャラリー達にも見て居るのか?…ヤバい!…と言った鬼気迫る声が響き聞こえ出すと、更にシロが叫ぶ!…
「ッ~~~!!!!…
ごしゅじんさまああぁぁぁぁぁ!!!!」
「ッ!?…クソがアアァァ!!!…」
{動け!!…
動けっつってんだろこのポンコツが!!!…
娘の頑張りを無駄にすんじゃねぇ!!!…
動け!!…動け!!…動け!!!…動け!!!…
動け!!!!…動け!!!!…}
__……グッ!…グググ!!…
…ゴケエエェェェ!!!…ドゴゴゴゴゴ!!!…
シロの必死に泣き叫ぶ声に反応するよう!…マサツグもピクっと反応して見せると、自身の不甲斐なさを呪う様に吠え出し!…心の中でも怒るよう動く様に命令し続けると、徐々に変化が出て来る!…まずは指一本を微かにだが動かす事に成功すると、そこを皮切りに体が徐々に動き出し!…それに合わせてマサツグも心の中で強く命令をし続けて居ると、その間にもコカトリスは時間を掛けながらも徐々にマサツグに狙いを済ませ、嘴を閉じてはマサツグを見詰め出し!…更に背後からは巨岩も迫って来ている事を肌に感じて居ると、遂にマサツグは覚醒した様に克服して見せる!…
「ッ~~~~!!!!…
うぅぅごぉぉぉけえええぇぇぇぇぇ!!!!!」
__グググ!!!…バキィィィン!!!…ンバッ!!…
「天昇剣!!!!」
__グワアァ!!…ズバアァン!!!…どよッ!?!?!?…
拘束の魔眼を打ち破るようマサツグは叫んで見せると突如として動き出し!…その場で大きく踏み込みコカトリスの目の前で真っ直ぐ真上に飛んで見せると、剣戟を放つ!…ジャンプする際相手の体ごと打ち上げる様に斬り上げる斬撃!…当然その斬撃はシロのカマイタチの傷跡にも更なる深手を与え!…マサツグが動き飛んで見せた事でレイヴン及びギャラリー達は驚き戸惑って居ると、更にコカトリスに巨岩が襲い掛かる!…
__ドガガガガ!!!…ドゴオオォォォ!!!…
ゴケエエエェェェ!!!…
「ッ!!…まだ終わってない!!!……刹那!!!」
__ヴウン!!…スッ!…
ガインッ!!…グオオォ!!…
「ッ!?…そ、そんなまさか!?…」
マサツグが天昇剣で避けた事により後ろから迫って来た巨岩はコカトリスに命中!…その際巨岩は砕ける事無くコカトリスの傷跡を抉ると、バウンドして空中に浮遊し!…それを見たマサツグがすかさず追撃に打って出ると、何を思ったのか刹那を発動してはその巨岩に大剣を突き刺す!…そして縦に回転するようその巨岩ごと大剣を持ち上げると、そのまま技を繰り出す体勢に入り出し!…さすがのロディも酷く驚いた様子でその光景を見詰めて声を漏らして居ると、マサツグはコカトリスの頭目掛けてその巨岩付き大剣を振り下ろす!…
「秘剣!!!…巨岩んんん!!!…
兜割りいいぃぃぃぃ!!!!!」
__ゴアアアァァァ!!!…
ドゴオオオォォォォォ!!!!…
「ッ!?…ご、ご主人様!?…
ごしゅじんさまああぁぁぁぁぁ!!!!」
マサツグが巨岩付きの大剣を振り下ろす際、マサツグの背中からはあのモツのと連携技発生時に出て来る赤いオーラが出ており!…その事に気が付いたレイヴンが戸惑い呆然とした様子でマサツグの事を見つけて居ると、マサツグはその巨岩付き大剣でコカトリスの頭を巨岩ごと粉砕して見せる!…当然そんな逆転劇を誰も予想して居ない様子で…唖然とした反応で見て居ると、何も言えない具合に沈黙しており…シロはシロで驚いた様子でマサツグが無事である事を確認すると、歓喜した表情で叫び!…マサツグもそれに答えるよう地面に着地した後、拳を空に向かって突き上げて見せるとシロに声を掛け出す!…
「応ともよ!!!…
こんな所で負けてられるかぁ!!!!…
…って、あれ?…
何このシ~ンとした空間は?…
何か変な事でも有った?…」
__………。
「え?…えぇ?…」
「ッ~~~!!!……ッ!…
ごしゅじんさまあああぁぁぁぁぁ!!!!」
そんなトンデモ劇場をやって見せたマサツグは当然自分がやった事の大きさ等全く理解等して居らず!…ただ沈黙に包まれて居る事に戸惑いを覚え出すと、自身でも不安を感じては狼狽え…シロも漸くロディの拘束から抜け出し飛び出すと、マサツグの無事を確認する様に駆け出して行くのであった。




