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どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-  作者: すずめさん
-第ニ章-サマーオーシャン連合国-獣人の国編-
162/606

-第二章六十四節 オネエのぱうわーと本題と皇女への問い掛け-



ロディの自己紹介に先程まで賑やかだったギルド内は一気に静寂に包まれ!…マサツグとミスティーも身動きが取れない程その目の前の光景に戸惑い驚いて居ると、カウンターの向こうではルンがやっぱり…と言った様子で苦笑いをして居る。そのルンの様子からも分かる様に今までの冒険者達もロディを見ては、誰もがマサツグ達と同じ反応をして来た様子で…ロディは全く動じる事無くハッと気が付いた反応を見せると、徐にマサツグへ近付き出す。


__グッ!!……ッ!…

…ヒタッ…ヒタッ…ヒタッ…ヒタッ…


「あらぁ~?…貴方なかなかイイ体してるじゃない!…」


「ッ!?…ふぉッ!?…」


「かなり戦い込んで居るわねぇ?…柔軟で強靭!…

イイ感じに絞まったき・ん・に・く♥…私好みよぉ?♥…」


__ゾクウゥゥ!?!?…バババッ!!……ッ!?……


徐々に近づいて来るロディはマサツグに向かって手を伸ばすと、徐にボディタッチをし始める!…それは宛ら何かを確認する様に!…この時ロディが確認して居たのはマサツグの体つきであり、撫でる様にフェザータッチ!…コリを解す様に揉んだりと!…マサツグの筋肉の付き具合を確認しては頬を染め!…マサツグもロディに触られる事で身を強張らせ更に委縮して居ると、ロディは自分好みとマサツグの耳元で囁き出す!…当然これにはマサツグも何やら背筋に強烈な悪寒を感じては同時に身の危険を感じ!…直ぐに跳び退いてロディから一定距離を取ると思わず身構え出すのだが…ロディは全く動じる事無くマサツグに笑みを振り撒いて見せると、その笑みにマサツグはこのゲームで初めてとなる本当の恐怖を感じる!…そうしてマサツグが身構え出した事に!…周りの冒険者達は警戒するのではなく、マサツグが咄嗟に動けた事に驚いた様子を見せ!…マサツグもハッと我に返った様子でロディに警戒しつつ身構える事を解き始めると、自己紹介をする。


「………は、初めまして…

マ、マサツグ…です…ロディさん…」


__ッ!?!?…どよどよッ!?…


「ッ!…いやん!♥…

ロディーちゃん!…って呼んで♥」


「う!…ロ…ロディー…ちゃん…」


恐る恐る自己紹介をするマサツグに対して更に冒険者一同は驚きを露にする!…ただ動けただけでなく挨拶まで!?…と、ロディに対する扱いは化け物なのか…そんな空気が辺り一帯に漂い出す中…マサツグの頭の上ではシロが上機嫌に尻尾を振ってはロディを見詰めており!…ミスティーはやはりショックが大きいのかその場に固まってしまうと一歩も動く事が出来ず…ただ驚いた表情でロディの事を見詰めて居た。そしてマサツグがロディに対して挨拶をした際…当のロディ本人はと言うと、マサツグが挨拶をして来た事に若干驚きを覚えつつ…直ぐにキャラを取り戻した様にちゃん付けで呼ぶよう体をくねらせ訴えると、その様子にマサツグは引きながらもちゃん付けでロディを呼び直す…こうしてまさかのギルドマスターとのファーストコンタクトに場が完全に凍りつつある中、その様子を見てられないとばかりにルンが溜息を吐き出すと、助け船を出す様にロディへマサツグの紹介をし始める。


「…はあぁ~…何でいつもこうなるのかしら?…

…マスター!!…その方が()()()()()()()()で、

今日はマスターに用が有る…」


「ッ!?…んま!!…そ~なのぉ!?♥…

貴方が絶賛売り出し中の!!…

フリードちゃんが言っていた

マサツグちゃんなのねぇ!?♥

噂は色々聞いているわよぉ~!!!♥」


{……その噂が何なのかは知らないが

嫌な予感しかしない!…

あの人なら何か大事にして吹聴してそうだから!!…}


ルンもマサツグの紹介をする際、若干ウンザリして居るのか呆れた様子を


見せながら紹介をするのだが…ロディは()()()()()()と聞いた途端にぱぁっ!と目を見開き出すとテンションが爆上がりしたのか!…ルンの話を最後まで聞かずに興奮した様子でマサツグへ詰め寄ると、フリードから噂を聞いて居ると嬉々とした表情で語り出し!…徐々に迫って来るロディにマサツグは警戒しつつ!…フリードの言った言葉に対して何を言ったんだ!?…と心の中でツッコみを入れ戸惑いを露わにして居ると、ロディはマサツグの反応出来無い速度で行動を起こしてマサツグを捕まえる!…


__ヒュッ!!…ガッシ!!……ッ!?!?…



「まだ駆け出しなのに一国の騎士団長様に

一騎打ちの勝負を仕掛けて逆転勝利したり!♥…

妖精の国が危機に瀕して居るのを単独で

解決して見せたり!♥…

国を脅かすカルト教団の撲滅にも貢献!♥…

更に聞いた話だとそのカルト教団の最終兵器に

魔王も居たそうじゃない!♥…

なのに壊滅させたなんて!!♥…

もう!!♥…凄すぎ!!!♥…

そんな今期待の新人ホープが目の前に居るなんて!!♥…

ロディ感激!!!♥…」


{ッ!?…はっや!?…

全然反応出来なかった!!…

警戒していたのに見えない!!…

…てか捕まってッし!!…

誰か助けてぇ~~!!!…}


__ブンブンブンブン!!!…


かなり警戒を強めて居たにも関わらず、ロディにアッサリ捕まってしまった事にマサツグが驚いて居ると、ロディは顔を近付けては興奮したままマサツグの両肩を掴んで揺さぶり!…フリードから聞いたであろうマサツグの今までの活躍話を本人に聞かせ始める!…この時シロは引き剥がされまいとマサツグの頭にしがみ付くと、必死に抵抗して見せ!…マサツグは抵抗する事が出来ないまま…されるがままにガクガクと揺さぶられ続けて居ると、更にルンが慌てた様子でマサツグに助け舟を出し始める!…


「ちょ!…マスター!!…そこまでです!!…

ここに居るミスティーさんを含めて

今回マサツグさん達はマスターに話が有るそうです!…

そのまま揺さぶり続けてたら話が聞けないですよ!!」


「ッ!…あら、そ~なの?…

だったらそう早く言って頂戴よぅ~!♥…

危うくお持ち帰りしちゃうところだったわ♥…」


__いや話を聞かねえお(マスター)が悪いんだろ!?…

…ドサッ!!…


「ぜぇ!…ぜぇ!…

…な、何なんだ!?…あれ?……ッ!?…」


カウンター越しながらもロディを止める様に声を掛けると、改めてマサツグ達の要件を話し出し…そのままだとマサツグも戦闘不能になってしまう事を挙げると、ロディはピタッと揺さぶる事を止めてルンの制止を聞き入れる。その際その用件を早く言う様にぶりっ子しながらロディは文句を言うのだが、その言葉を聞いた途端にギルド内に居る全員が同じ言葉を思い浮かべては心の中でツッコみを入れ!…同時にロディから解放されるようマサツグはその場に崩れ、息を切らし何が起きたのかを確認し始めて居ると、自身のステータスに見慣れない!…バッドステータスが付いている事に気が付く!…


[マサツグ Lv.40 状態 悪酔い]


{わ…悪酔い!?…悪酔いって確か!…

酒場もしくはギルドで馬鹿みたいに

酒を飲むとかしない限り付かない

特殊な状態異常の筈だぞ!?…な、何でそれが!?…}


バッドステータス:悪酔い…これは文字通り最悪な酔い方をしたと言う特殊なモノで、マサツグの言う酒場の他に乗り物や空間…色々な酔うと言った事に関して起きるバッドステータスでも有り、このバッドステータスの悪い所はTPが回復しない!…何なら減り続けると言った点で有り、暫く何もせず休めば直ぐに直るのだが…まさか揺さぶられただけでこうなるとは思っても居なかったマサツグはとても驚き!…シロはシロで大丈夫だったのかその場に崩れたマサツグの顔を覗き込んでは、手を振ったりして若干心配した表情をしながらマサツグの事を見詰めて居た。


「……ッ?…ご主人様?…」


__パタパタパタパタ………


「……ッ!!…マ、マサツグさん大丈夫ですか!?…」


「ッ!…あら?……ッ!…な~るほどぉ?…」


そしてこの事態に先程まで動けなかったミスティーもハッと意識を取り戻すと、目の前で崩れているマサツグに気が付き!…慌てて駆け寄ってはロディを無視してマサツグの背中を摩る等介抱し始め、目の前へやって来たミスティーにロディもハッと気が付くと、何かを悟ったのかジッと見詰めては一人納得し始める。そんな一連の様子を周りで見ていた他の冒険者達は、やっぱり!…と言った具合にその様子を見ており…自分達も巻き込まれないよう気配を消し、空気と同化し始めマサツグに同情の視線を送って居ると、ミスティーの介抱も有ってかマサツグの悪酔いが解ける…


「……はあぁ~…ス、スマン…お陰で助かった…」


「い、いえ!…それよりも具合は?…」


「大丈夫ですか?…ご主人様?…」


「な、何とか……にしても驚いたぁ~!…」


悪酔いが解けた事で徐々にマサツグのTPが回復し始め、動ける様になるとマサツグは途切れ途切れながらもミスティーにお礼を言い出す。だがそんなマサツグのお礼にミスティーは大丈夫と言って首を左右に振ると、マサツグの心配をし続け…シロもミスティーの真似をする様に、マサツグの背中を摩り始めると労りの声を掛け続ける。先程の揺さぶり攻撃が強烈だったのか、マサツグのTPは一時底を突いてしまい…その事に驚きつつも息を整え…二人に改めて無事である事を返事して居ると、ロディは笑いながらぶりっ子をして見せる。


「おぉ~っほっほっほっほ!!♥

ごめんなさいねぇ!♥…

つい興奮して力が入っちゃった!♥…

うっかりうっかり!…」


「ッ!…あっ…あの!…」


__スッ…ッ!……


もはや反省の色など見えない勢いでロディがポージングを決めながらぶりっ子して見せると、周りの冒険者達はその態度と謝り様にドン引きする!…喰らった方は堪ったもんじゃねぇよ!!…そんな声が聞こえて来そうな位にギルド内が騒然として居ると、ミスティーはハッとした様子でロディの方に振り返り!…例の話を切り出そうとしたのか必死にロディへ話し掛けようとして居ると、ロディはいつの間にかミスティーの前に屈んでおり…ミスティーの口元に自身の人差し指を当てると、分かって居るとばかりに優しく微笑んでは返事をする。


「…貴方の言いたい事は大体分かってるわ♥

でもそう言ったお話はちゃんとした場所で話さないと!…

…マサツグちゃんが立てる様になり次第!…

案内するわ!」


__パチクリッ!……


「……ご心配は無用!……もう動けますよ!…

…まぁ…何かまだどぎついの一発貰った様な

フラ付きは有りますが…」


マサツグが立てる様になったら案内すると言い、ロディがミスティーにウィンクしながら立ち上がり出すと、このロディの対応にミスティーは驚いた様子で瞬きをする…確かにそのロディの行動にも驚かされたのだが、それと同時に気配も感じさせないまま自身の前にしゃがんで居た事にも驚き!…ミスティーがロディの事を本当に人間?…と言った様子で見詰めて居ると、そのロディの言葉に対してマサツグが徐にシロを肩車したまま立ち上がり!…ロディに動けると返事をしつつミスティーに手を貸し、そのまま引っ張り上げるようミスティーを立ち上がらせて一緒に付いて行く姿勢を見せると、そのマサツグの様子を見てロディが感激した言葉を口にし始める。


「んま!!♥…タフなのねぇ!!♥…

惚れてしまいそ♥…」


__ゾクウウゥゥ!?!?…スッ……


「ッ!……でも♥…この話はこれ位で止めて…

…ふふふ♥…付いてらっしゃい!!…

何分こっちにも積もるお話は有るからね?…」


「ッ!?……行くぞ!…

ただ何が有るか分からんからいつでも動けるようにな?…

襲われる様な事は無いと思うが……」


「ッ!?…え?…えぇ?……」


ロディは両手を自身の両頬に添えるよう頬を染め出すと、恍惚とした表情でマサツグを見詰め始め!…そのロディの表情にマサツグはまたもや強烈な悪寒!…セカンドインパクトを感じ!…思わずシロを庇う様な素振りを見せると、さすがのロディもやり過ぎたと感じたのかスッと元のテンションに戻り始める。だが心は全く折れて居ない様子でマサツグ達を案内するよう声を掛けると、ギルドの階段を上機嫌で上り出し…その様子に対してマサツグは青ざめた表情を見せつつ、ミスティーに注意するよう言葉を掛け出すと、その言葉を口にし始めたマサツグに戸惑いを感じてしまう!…そして否応無しに何が有るのか?とギルドの二階を見詰めて警戒をし始めると、ミスティーは戸惑いを通り越して困惑し…だがそんな事を言っている暇もない二人は恐る恐る階段を上ってロディの案内に付いて歩き出すと、ロディの部屋…ギルドマスターの部屋へと通されるのであった…


__ガチャッ!!…


「さぁさぁ、入って入ってぇ~!♥

えぇ~っと…適当にあの来客用のソファに

でも腰掛けてて頂戴!

直ぐにお茶を用意するからぁ~♥」


「ッ!…あっ!…お…御構い無く!…」


「……これがギルマスの部屋?…

もはやトレーニングルームにしか見えないんだが?…

てかさっきお茶って言ってたけど……

ここに置いて有るプロテインの事じゃないよな?…

てかこのゲームにプロテインあるのかよ!?…」


「ッ?……」


ロディにギルドマスターの部屋へと通されると、そこはもはや執務等を行う部屋では無く…スポーツジムの様にトレーニングマシーンが並べられて有る!…ボディビルダー専用の部屋と化していた…入って早々そんな光景を目にしたマサツグが戸惑いを覚えて居ると、ロディはお茶を入れて来ると言って一旦ギルドマスターの部屋にマサツグ・ミスティー・シロの三人を残して行き…その言葉にミスティーは慌てながらも返事をして居ると、マサツグは改めてそのギルドマスターの部屋を見回してツッコミを入れ出す。仕舞いには近くにあったプロテインを見つけてこれをお茶として出すつもりじゃ?…等と零して居ると、シロとミスティーは当然プロテインなど知らないので二人揃って首を傾げ出す始末で、とにかく一抹の不安を覚えつつ…五分位して部屋の扉が開くと、ロディと一緒に黒髪の少女…ミスティーより身長は低いか、春野原(スプリングフィールド)のクラリスと同じバリスタの様な格好をしたスレンダーな目隠れ女史が、おぼんに紅茶二つとジュースを乗せて部屋に入って来る。


__コッ…コッ…コッ…コッ……スッ……


「ッ!…あっ…どうも…」


「ありがとうございます…」


「ッ!…ありがとうで…」


__ペコッ…シュン!……ッ!?…


その目隠れ女史は何も語らずただ三人が座って居る前に粗相の無いよう、紅茶をマサツグとミスティーの前に置き、シロの前にジュースを置いて見せると、三人に一礼をする。その際マサツグとミスティーはその目隠れ女史にお礼を言うのだが、シロの時はお礼を言い切る前に逃げるよう素早く退室し…その様子にシロが目を点にして戸惑いを覚えて居ると、そんな目隠れ女史の事をロディは笑いながら釈明し出す。


「……ぷっ!!くくく!…」


「ッ!…へ?…」


「あぁ!…いや、ごめんなさいねぇ~♥

あの子とても人見知りで…

あんまりこの部屋や自分の部屋から

出ようとしない子なのよぉ!…

だから初めて見た人はあぁやって警戒して…

直ぐに逃げちゃう癖が有るのよぉ!…

……まぁ…そうなるのも無理は無いのだけどね?…」


「「「え?…」」」×3


シロの表情を見て噴き出すようロディが笑い出すと、そのロディの反応にシロが戸惑った様子で言葉を漏らし…そのシロの言葉にロディがハッと気が付いた様子で苦笑いながら謝ると、あの目隠れ女史が極度の人見知りである事を話し出す。まるで近所のおばちゃんの様に話し始めたその話に、戸惑って居たシロも納得した様子を見せるのだが、その最後の方ではもう一つ別の理由が有るのか、意味深な言葉を口にしつつも深くは語らず…そんな思わせ振りな様子を見せるロディにマサツグとミスティー…シロの三人は困惑の様子を見せて反応すると、ロディはこの話を切り上げるよう元々の本題に入り始める。


「…おっと!…いけないいけない!♥

お話がそれちゃったわね?♥……では改めて!…

そこの王女様は如何言った御用で私に会いに

来てくれたのかしら?…」


改まった様子でロディがマサツグ達の前に座ると先程までのお姉キャラは若干封印した様子で、元々の要件を聞く様にミスティーへ声を掛け出すのだが…その時タイミング悪くミスティーは出された紅茶を飲んでおり、急にロディの態度が急変した事・尋ねられた事でミスティーはハッ!と慌てた様子で反応すると、戸惑いつつも返事をして見せるのだが、返事をした際飲んでいた紅茶はあらぬ所に入って行ったのか…ミスティーは突如として咽始める。


「ッ!…あっ…は、はい!…ッ!!…

ゴッホゴッホ!!…」


「ッ!…あらあら!…大丈夫?…そんな慌てないで!…

…まぁ…今のはタイミング的に私の方が悪かったけど…

とにかく一度深呼吸!…大丈夫!…

そんなに焦って無いから!…」


「は、はい……すぅ~……はぁ~~……ッ!…」


突如咽始めたミスティーにマサツグ達とロディが慌てて心配をし出すと、この時ロディはミスティーに落ち着くよう声を掛けてはタイミングが悪かった事を謝罪し…ミスティーに落ち着いて深呼吸をするよう声を掛けると、ミスティーはロディに返事をしては深呼吸をする。そうして深呼吸をしてミスティーが落ち着きを取り戻すと、改めてロディの座って居る方に目を向けては相手の目を見詰め!…それでもやはり不安なのか、手探りにマサツグの手を探し始め…マサツグの手を見つけ次第手を握る等して心の安寧を手に入れると、意を決した様子でミスティーはロディに話を持ち出す!…


「……この日より一週間前!…私達の国…

ハーフリングスは我が国の宰相である

ゲルデウス率いるモンスターの軍勢に襲われました!…」


__ッ!……ジッ!…


「ッ!?……ッ!!…幸い!…ここに居るマサツグ様や…

今現在我が祖国に居るレイヴン様…

その他の冒険者達の手を借りる事によって

そのモンスターの軍勢を撃退!…

ゲルデウスも倒す事に成功しましたが…

…そのゲルデウスもただ利用されて居た様子で

裏にフィロネウスと言う者が隠れており!…

その者はまた来る様な事を言って居ました!…」


ミスティーがクーデターに遭った事を話し出すと、その話を聞いた途端にロディの表情からは優しさが消えて厳しい表情に!…ギルドマスターとしての真剣な表情をロディが見せ出すと、その真剣な表情を向けられた事にミスティーは思わずビクッと反応する!…だがそのロディの険しい表情にも負けないよう!…ミスティーはフィアナとのやり取りを思い出すと、ロディに向き合うよう奮い立たせては話を続け!…その際話の最後でミスティーがフィロネウスの名前を口にすると、その名前を聞いたロディは驚いた様子でフィロネウスの名前を復唱する!…


「ッ!?…フィロネウス!?…

まぁたトンデモナイのに

気に入られちゃったのねぇ?……」


「…それで…ご相談なのですが……

我々の…私達の国に!…

ギルドを置いては貰えないでしょうか!?…

…現在我々の国の防衛力では

もしまたあの様な事が起きてしまった場合…

悔しいですが如何しようも無く!…

マサツグ様やレイヴン様の様な方がいつも…

いつまでも居るとは限りません!…

これは国家を守る為のお願いで有り!…

私…ミスティアナ・レオ・レヴナントが

ここに来た理由でも有ります!!…

…お願いです!!…如何か!…

如何か私達の国にギルドを建てる許可を!!…」


「…あら?…そんな事で良いの?…

だったらそんなに堅苦しくお願いしなくても良いわよ?…

ギルドを建てる位?…」


「え?…」


やはりギルドマスターであるロディもその名前を知っている様子で、若干驚いた表情を見せると同時にミスティーへ同情するよう声を掛け出す!…その際ロディはそのフィロネウスが現れた事を重く受け止めた様子で、徐に目を閉じ腕を組んで悩み出す様な素振りを見せるのだが…ミスティーがお願いしに来たのはギルドの建設許可であり、ミスティーは自身の国の防衛力が今不安定である事を話しつつ…畏まった様子でロディに必死のお願いをすると、その話を聞いた途端にロディはミスティーにキョトンとした表情を見せては、そんな簡単な事?…と言った様子でアッサリ許可を出す。当然その簡単な返事が返って来た事にミスティーは戸惑った反応を見せるのだが、次にはロディの表情は元の真剣な表情に戻り!…気になった事が有ると言った様子でロディが口を開くと、ミスティーに質問をし始める!…


「……でもね?…

その前に一つ聞かせて欲しい事が有るの?…

このハーフリングスにギルドを建設するに当たって…

それで貴方達はお終いなのかしら?…」


「ッ!…え?…」


「国の防衛力が無いからその補填にギルドを使う!…

そこは良いとして…貴方達の方では何もしないの?…

別に対価を求める訳じゃ無い!…

まるで防衛力をこっちに丸投げする様に聞こえたのよ…」


「ッ!?…ち、違!…」


ロディは聞きたい事が有ると言った様子で自身の感じた事を口にし出すと、そのロディの言葉を受けたミスティーは戸惑い…如何言う事かと悩み出す一方で、ロディは更に続けて自身の感じた疑問を細かく話し出すと、漸く理解出来たのかミスティーはハッ!とした表情を見せ、更に戸惑う!…ロディの言う通り!…まるでギルドに国防をやらせて自分達は後ろに…まるでギルドを使い捨てにするようあらためて感じたミスティーは違うと言葉にしようとするのだが、ロディはそれを先読みするよう更に違うと言い出すと、ロディの考えて居る事を口にし出す!…


「いえ、この際ギルドの扱いは如何でも良いの…

…ただ…自分達で事を成そうとしない国に

守るだけの価値が有るかどうかを問いたいのよ!…」


「ッ!?…」


「もしこれでハーフリングスにギルドを建てたとして!…

モンスター達では無くて…私達が反逆を起こしたら?……

そうなると自分達が守らないといけない訳で?…

自分達はただそのままやられるのを見過ごす訳?…

…だったらハッキリ言って守る価値は無いわ!…

もしその国が欲しいのなら!…放っておいても勝手に

消えるんだもの!…」


「ッ!!……ッ…」


ロディが言いたいのはちゃんとギルド頼りにならずに自立する事が出来るかと言う問い掛けで有り、もしこのままギルドが国の防衛を司るのならそれはギルドが管理する国と変わらない…港町と変わらないと言ってミスティーを叱咤し、更に自分達が敵になった場合の厳しい言葉でミスティーを追い立てると、守る価値は無いとミスティーにハッキリと断言する!…その際隣でマサツグは驚いた表情でロディを見詰めて固まってしまうのだが、決して何も言わず!…ロディは続けてギルドの信念を口にし始める。


「…いい?…さっき厳しい事を言ったけれど…

これは貴方達の国を思って言った言葉なの!…

…基本ギルドの立ち位置はその国の繁栄・支援を

すると言う事で、その派遣要員として冒険者達が

居る訳!…当然その冒険者の中には素行の悪い

ヤンチャ坊やや依頼を受けない一匹狼も居る訳だけど…

一応皆そう言う要員で動いてるのよ!…

…でもってその国にそれだけの力が無いと言う事は

当然こっちにも負担が掛かる訳で…

ギルドマスターとしてもその国に成長が認められない

場合は、冒険者達の負担が増えると判断してギルドを

建てる事を許可しないのよ!…

…確かに建物を立てるのは簡単!…

でも貴方の国にそれだけの成長(価値)は有るのかしら?…

その事を今ここでハッキリして説明して頂戴!…

私を納得させてみて!!…

それが貴方がここに来た責任!…義務なのよ!!…」


ロディは先程の厳しい言葉を謝りつつ、改めて如何言う事かとミスティーに説明し出すと、ミスティーはそのロディの言葉を何も言わずに聞きいる。ギルドマスターとしての責務!…その言葉が淡々と熱く語られる中、再度ミスティーにその成長(価値)が有るかどうかを尋ねると、ミスティーはその言葉にピクっと反応し…ロディに言われた言葉にミスティーは悔しそうな表情を見せ、とにかく自分の国に価値が無い様に見られている事を理解すると、声を震わせながらロディに反論し始める!…


「……確かに今の我々には自分の国を守るだけの

力も有りません!…宰相にクーデターを起こされ!…

ドラゴンにも襲われ!…

その結果多くの兵士が無くなって行きました!…

…ですが!!……ギルドに頼りっきりになる気は

サラサラありません!!!…」


「ッ!…」


「これはあくまでも我が国の更なる繁栄の為!!…

その為にギルドが必要と判断した事で有り!!…

ギルドを傀儡にしようなど!!…

ましてや貴方達が裏切るなど!…

こちらは微塵も考えては居ません!!!…」


「ッ!?……」


ミスティーはロディに言われた事を認める様に言葉を口に出すと、徐に立ち上り出し…今までにあった事を口に出しては兵士が散って行った事を更に話す。その話を聞いているロディからすれば言い訳が始まった様にも感じられるのだが、ロディは決して馬鹿にする事無くミスティーを見詰め続け!…ミスティーがハッキリとギルド任せにならない!と宣言して見せると、その言葉にロディは関心を持ち出す!その際ミスティーはその色々な事を思い出して居るのか、表情は涙でボロボロになって居るのだが、決して言葉を止める事無く訴え続け!…更にロディが言った裏切る話を持ち出すと、ギルドを心から信頼して居る事と泣きながらに訴え!…その言葉を聞いたロディが驚いた表情を見せて居ると、ミスティーはラストスパートをかける様に更なる訴えをして見せる!…


「…我々は絶対に折れるつもりは有りません!!…

我々が守って来たこの土地を!!…

民の命を守る為にも!!!…

強く成長しなくてはならないと言う覚悟を!!!…

私達は絶対に捨てたりはしません!!!!…

…ですが!…今の私達には力が無い!!…

覚悟が有っても力が無ければ意味が無い!…

勇気と無謀は違うと言う事も重々承知しています!…

…お願いです!…如何か我々にギルドの力を!……

私達が強くなる為のきっかけを!!…下さい!!……」


「………。」


ミスティーがロディへ最後に訴え掛ける際…絶対に諦めないと言った様子で叫び切るのだが!…やはり自分達が無力だと言う事を理解して居るのか、泣き崩れる様にその場へ座り込み…改めてロディに助けを求めるよう声細くミスティーが泣き出すと、ギルドマスターの執務室はただミスティーの泣き声だけが聞こえる悲しい物となる…この時シロはミスティーの涙を見て、マサツグから手渡されていたハンカチを徐に取り出すとミスティーの涙を心配そうに拭い出し…マサツグはマサツグで駄目だった時ように身構えてはロディを納得させる算段を考え出すのだが、ロディはフッとあの険しい表情から元の優しい笑みを浮かべる表情へ戻り出すと、ミスティーに訴えられた結果を言い出す…


「……良いわね!…伝わったわ!!」


「ッ!…へぇ?…」


「これだけの思いをぶつけるのに色々と辛い事を

乗り越えて来た様ね!…身内が傷付くのを見たり!…

目の前で人が倒れるのを見たり!……

そして私達の事を!…

ギルドの事を信頼してくれている!!…

これは間近でその冒険者達の事を見て居ないと

分からない者の訴え方!…熱さは十分ね!…

…貴方の叫びからは嘘偽りの無い覚悟を

感じました!!…」


「ッ!…それって!!…」


優しい笑みを浮かべながら徐に前屈みに体を伸ばし出すと、ミスティーに向かい手を伸ばし…その伸ばした手をミスティーの頬に差し込み、優しく撫でてはただ褒める様に伝わったと言い出すと、その言葉にミスティーは目を見開き戸惑った様子を見せる。一体何の事か分かって居ない様子をミスティーが見せる一方で、この時マサツグは安心していたのかホッとした様子でソファにもたれ掛かって一息ついて居り、ロディは続けてそのミスティーの叫びから感じられた何かを語り出すと、ニッコリ笑ってはミスティーに熱い物を感じたと言う。それを聞いて漸く納得したのかミスティーは慌てた様子でロディを見詰め出すと、ロディはミスティーの事を気に入った様子で今回の件を改めて了承する!…


「気に入ったわぁ!!!…貴方最高!!!…

どんな逆境に立たされても立ち向かう

覚悟が感じられたわぁ!!!♥…いいわ!!…

このサマーオーシャン連合国ギルド代表!!…

ン゛ン゛!!…漢、ロディ・ガンブレオゥ!!…

これよりハーフリングス皇女殿下

ミスティアナ・レオ・レヴナントの依頼によりぃ!!…

正式にハーフリングスのギルド建設を俺達が

請け負うぅ!!!!」


「ッ!?…声ごっつ!!…」


「ッ!!!…あ、ありがとうございます!!…

ありがとうございます!!!…」


ミスティーの事を豪く気に入ったと言い出すと、ロディは名乗る様に言葉を口にし出し!…咳払いを一つして男らしい声に切り替えると、ギルドマスター室に響く勢いでギルド建設を請け負うと堂々宣言し、その声にマサツグは驚き!…ミスティーは頭を下げて何度もお礼を言い出すと、シロはシロでミスティーの涙を拭えないとばかりにアワアワと慌て出す!…こうして色々有ったもののハーフリングスにギルドが立つ事が確約されると、ロディは元のお姉キャラに戻ると善は急げ!とばかりに…先程の目隠れ女史に急ぎ準備をするよう声を掛ける!…


「……あッ!…ユンユン?…丁度良いわ!…

悪いけど直ぐに駆り出せる作業員と建材の

確保をお願い♥」


__コクリッ…


「へ?…ッ!?…い、いつの間にそこに!?……」


「あ!…後建設費だけど…

それもこっちで用意するから気にしなくて良いわよ?…

そっちもそっちで色々と大変だろうし…

ロディちゃん頑張っちゃうわよぉ~!!!♥…あっ!…

後、さっきは試す様な真似をしてごめんなさいねぇ?♥…

色々と覚悟を聞かないとこっちも判断が出来ないから!…

…さぁ!!…忙しくなるわあぁぁ!!♥……にしても…

やっぱり気掛かりなのはフィロネウスよねぇ?…

あの子今まで何処に潜伏して居たのやら?…」


先程のロディの叫び声に反応するよう…目隠れ女史が入って来ていたのか、ロディは気が付いた様子で建設の手配を任せると、その目隠れ女史が音も立てずに部屋に居た事にマサツグは驚く!まるで忍者の様な隠密具合にシロも思わず驚いた様な反応を見せて居たが、その目隠れ女史にニコッと笑っては警戒を解くよう見詰め…ロディはロディで畳み掛けるようミスティーに費用は要らない事を説明し、張り切る様に忙しいと言い出したり、突然ミスティーに先程の言葉について謝ったりと落ち着きを見せないで居た。当然そんなロディの様子にマサツグとミスティーは翻弄されっぱなしなのだが、その一方でロディはやはりフィロネウスの事が気になるのか…一人ワタワタとしながらも真剣な表情をたまに見せ、そんなロディの様子にマサツグとミスティーは付いて行けず…その日一日を終了するのであった…



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