-第二章六十三節 三度港町と不機嫌なエルフ達と呼んではいけない!…-
前回より話は大きく変わって一方のマサツグとミスティー、シロはと言うと…もう直ぐホエールビアードに辿り着こうとしていた。その一週間の間、四日間はミスティーの体調や怪我の回復に努めてマサツグとシロは待機し、五日目からこの一週間に掛けて馬車で移動と…今回は何事も無く無事港町に辿り着き、その三日間の旅路の間またもやシロの質問攻めなど…色々な事が有ってテンヤワンヤとしていた…徐々に近づいて来る港町を馬車の窓から見詰めては、シロは跳ねて大喜びし!…ミスティーはホエールビアードでイマイチ良い思い出が無いのか、若干暗い表情をこの時見せて居た。
__ガラガラガラガラ…ぴょいんぴょいん!…
「ッ!…見えて来ましたよ!!…町です!」
「ッ!…見えて来ましたか……ッ~…」
「…ッ!……あぁ…
今度は狙われる様な事は無いと思うから気軽にな?…
今度は最初から最後まで俺達が付いてるし…」
外の光景を見て跳ねるシロを余所に置いて暗い表情を見せるミスティーに…マサツグは気付いた様子で声を掛け出すと、その暗い表情になる原因であろう不安を取り除く様に声を掛ける!…やはりあの誘拐未遂の事件が尾を引いて居るのか…マサツグが付いて居ると安心させる様に声を掛けると、そう言葉を掛けられた事にミスティーはハッとした表情で顔を上げ!…マサツグの居る方を振り向き徐にその表情を確認すると、そこには笑顔を見せているマサツグの素顔がミスティーの目に映るのであった。
__ニコッ!……ッ!…ブンブンブンブン!!…
「…は、はい!…頑張ります!…」
{……はは…本当に大丈夫かな?…}
そんなマサツグの何も考えていない笑顔を見てミスティーは更にハッと目を見開き出すと、途端にその目に活力を取り戻し始め!…自身が外交官である事も思い出した様子で弱気を振り払うよう首を軽く左右に振ると、ピーカブースタイルで自身に気合を入れ直し!…まだ若干の弱気を残しつつもマサツグに意気込むよう返事をして見せ、そのミスティーの様子にマサツグが一抹の不安を覚えて居ると、マサツグ達の乗る馬車は港町・ホエールビアードに辿り着く!…いざマサツグ達が港町の停留所に辿り着き馬車から降り出すと、そこには見覚えの有る光景…あの青い海と白い街並みが目に映り、更にあの人でごった返す観光客達の様子も目に映り始める!…
__ギッ!…ギッ!…ギッ!…ギッ!…
「……ふぅ!…漸く辿り着いた!…
…と、同時にうわぁ!…
相変わらずの光景…そして暑い!!!…
…こうも暑いとまた溶けて…ッ!?…
シ、シロ!?…」
「…ッ?……はいです?…」
「ッ!?…あれ?…」
馬車を降りてその人がごった返す様子を目にするとマサツグはウンザリしつつ…だが何故か懐かしくも感じるよう思わず呟くと、これまた同じ様に思い出した様子でその気温の高さにマサツグは滝の様な汗を掻き始め!…更に思い出したようこの気温だと!?…と言った様子で直ぐにシロの心配をするよう振り向くのだが、そこに居たのはケロッとした様子で立っているシロの姿であり…マサツグが予想して居た姿と違う事に戸惑いを覚えて居ると、ミスティーはそのマサツグの様子に気が付いたのかある事を説明し始める。
「……ッ!…あぁ!…
シロちゃんなら大丈夫だと思いますよ?…
この生地で出来ている服はとても通気性が良くて…
この暑さでも風を感じられて涼しく居られるよう
作られて有ります。
…それでも限度は有りますが…これ位なら問題無く…」
「ッ!…そ、そうなのか?……ふぅ!…
また人攫いと間違われる覚悟をしないと
いけないかと思ったぞ!…」
「あはははは…」
「ッ?……」
ミスティーがマサツグに説明し出したのは今シロが着ているアラビア~ンな服の事であり、暑さを軽減するようこの大陸ならではの付与の様な加工がされてある事を説明し出すと、その説明を聞いたマサツグは汗を拭う様な素振りを見せつつ、一息吐いて安堵する。最悪またシロを脇に抱えて人攫いスタイル!…守衛達に誤解される様な形でギルドに駆け込むのかと覚悟して居た事を漏らすと、そのマサツグの話を聞いたミスティーは苦笑いをし…その肝心のシロはと言うとマサツグやミスティーの様子を見ては不思議そうに首を傾げており、三人それぞれが違う反応を見せつつ…とにかく落ち着きを取り戻し、一行は何処にもよる事無く真っ直ぐにギルドへ向かい始めると、その道中視線を感じ出す!…
__コッ…コッ…コッ…コッ……
{……うぅ~ん……チラッ?…}
__ジィ~~!……シャララララ!……美しい!!…
{……何だろ?…
心成しか俺にも野郎達の心の声が聞こえる様な?…}
ただ町の中を歩いて居るだけにも関わらずマサツグ達は注目を集める!…だがその注目の視線の先に有るのはマサツグに有らず!…ミスティーに有り!…町行く男性…及び男性冒険者達は振り返る様にミスティーの事を見詰めて、ただ綺麗!…美人!…と言った様子で頬を染めていた…中には彼女を連れて歩いて居るにも関わらず、そっちのけで見て居る等…この後修羅場が予想される構図等も見て取れ…マサツグもその視線が敵の物では無い事を理解しつつ…恐る恐るその視線を確認するよう男性の表情それぞれを見回して居ると、何処と無く心の声が駄々洩れている様に見て取れる…そしてそんな視線を浴びて居る事にミスティーは怯えて居るのか、マサツグに寄り添うよう腕を絡めて来る等し始め…そんな様子にマサツグも戸惑いつつ視線を浴びつつ!…何とかギルドまで辿り着くと、マサツグは緊張した様子で息を零し出す!…
__ガタンッ!…キイィィ……
「……だはあぁ~!…違う意味で緊張したわ!…」
「ご、ごめんなさい!!マサツグ様!…私!…」
「い、いやいや!…大丈夫!!…
ただ慣れてなかっただけって…あれ?…」
マサツグ自身…女性と腕を組む等初めての体験で有り、ギルドに辿り着くまでの道中…まるでロボットの様にギクシャクとしており、その様子はミスティーからも見て取れたのか、ギルドに辿り着くと腕を解いてはマサツグに謝り出す。やはりあの視線に慣れて居なかった様子でミスティーは申し訳なさそうにショボンとし、マサツグもそんなミスティーに言い訳をする様に宥めようとするのだが…その前に何やら騒がしい光景を目にすると、そちらの方に視線を向け出す…そこには……
__ワイワイ!…ガヤガヤ!…
「…ッ?…何なんだ…あの人だかり?…」
「誰か有名人が来ているとかではないのでしょうか?…」
__……ッ!!…ヨジヨジヨジヨジ…ふぅ!……ッ!…
そこには奇妙な人だかりが出来ており…冒険者や依頼者…とにかくいつもと違う賑わいを見せては中央の受付カウンターが見えなくなっていた…ただ何か珍しい者でも居るのか、その様子は何処か奇異な物を見る様な?…とにかく珍しい!…と言った異質…かつ緊張した様子を見せており、マサツグとミスティーがその様子に困惑した表情を見せて居ると、シロも気になったのかマサツグの体をいつもの様に攀じ登り始める!…そしていつもの様に肩車されるようマサツグの肩に跨ると、その様子をマサツグ達に実況し始めるのだが…シロの口から飛び出した言葉に二人は更に戸惑う!…
「…ご主人様!!…
耳の長い変な水着の人達がルンさんと
お話をして居るのです!!…でも…
何か変なのです…皆怖がっている様な?…」
「……ッ?…耳の長い人達?…」
「…ッ!…それってエルフの方々じゃ?…
でも、如何して?…確か…
…いえ、それよりも水着姿とは?…」
「…うぅ~ん…
…とにかく俺達も用がある事には変わりない!…
一旦ルンに話を聞いてみるか…」
シロが言うには耳の長い人達が居ると言う事であり、更に水着姿と…確かにここは観光客が多い為そう言った格好の人が居る事自体特段可笑しくは無いのだが…シロが言うには変な水着とあやふや感を出しており…その言葉を聞いたマサツグが困惑した表情を見せて居ると、ミスティーはハッと理解した様子でその耳の長い人達の事をエルフと断定する!…だが、直ぐにまた変…と言った様子で悩み出すと、今度は違う事で疑問を持ち始め…更にシロの言う変な水着にも疑問を持った様子で悩み続けて居ると、マサツグは悩むのも面倒になったのか、とにかく百聞は一見に如かずの考えで動き出し!…ミスティーの手を握ってその受付カウンターへ向かい、人混みを掻き分ける様に進み続けて居ると、そのシロの言っていた言葉の真相が目の前に現れる。
「ちょぉ~~っとすいませぇ~ん!!…
通りますよぉ~?……ッ!…」
「マ、マサツグ様!…少々お待ちに!!…
…ぷあっ!!…ッ!…やっぱり!…」
そこに居たのはミスティーの推察通り!…エルフの女性二人組で、それぞれこれまた体のラインを際立たせる様な際どいビキニアーマーを身に付けており、それぞれマサツグと良い勝負をする位に身長が高く!…これまたデンジャラスな体を見せては周囲の視線を集めていた!…片や右目を隠す様に前髪で隠しては見事なブロンドロングヘアーを靡かせ、もう片方は白銀のショート…こちらも同様前髪で左目を隠して居た。それぞれ美形である事を確認すると同時に、なるほどシロが言っていた変な水着とはビキニアーマーの事で有り…少しでも激しく動けば桜が舞いそうな位に際どいなぁ…とマサツグが確認しつつ納得して居ると、そのロングのエルフの方が受付カウンターに片手を着きながら…対応に当たっているルンに何かをお願いしていた。
「……それでは引き続き、捜索を頼む!…
我らの女王陛下も心配して居られるのだ!…
くれぐれも迅速に!…」
「…分かりました!…
こちらの方でも発見次第!…ご報告させて貰います!」
__……チッ!!…
「…ッ!……ふぅ…よろしく頼む!……それでは…」
話を聞いた感じだとそのエルフ達は誰かを探している様子であり…ルンに対して物腰柔らかく話をして居る様に見えるのだが、何処か威圧感を感じ!…それに対してルンはそのロングのエルフに臆する事無く淡々とこなす様に対応して居たが、そのもう片方のショートのエルフは明らかに不機嫌そうな様子を見せており!…ルンの対応が気に食わないのか舌打ちをする。その様子を感じてかロングの方も話を切り上げギルドを後にしようとする。そうして話は終わりその場を後にしようとするエルフ達に、人だかりは道を開ける様に避け始めるのだが…ここでミスティーが珍しいと言った様子で話し出すと、マサツグ達はその場に固まってしまう。
「………珍しいですね…エルフが人の町に来るなんて…」
「「へ?…如何して?…」」×2
「確かエルフの国では今人間…
特に冒険者を嫌っているとか…
何故嫌って居るのか理由までは
さすがに分かりませんが…
ここ数年で急に人間達と仲違いをし始めたとか…」
「「…ほほぉ~う?…」」×2
__…ッ!……フフっ!…
ミスティーはこの場にエルフ達が居る事を珍しいと言った様子で言い出すと、その言葉に反応するようマサツグとシロはミスティーの方に振り向き…首を傾げてシンクロしながら何故?…と尋ね、その言葉に返事をするようミスティーは続けてマサツグとシロにその理由を説明すると、これまたシンクロする様に二人は同じリアクションをして見せる!…もはや一心同体?…そんな様子を見せる二人に、ミスティーも思わず吹き出し笑いそうになって居ると、その不機嫌なショートエルフがマサツグ達の前に立って怒気を滲ませる!…
「…チッ!?…おい貴様!!!
さっさとそこを!……」
__カチンッ!!…あぁん?×2…
「ッ!?…止めないか!!…」
「ッ!?…ッ…申し訳御座いません!……」
そのマサツグ達の目の前に立ったショートのエルフは余程不機嫌なのか、マサツグ達に高圧的な態度を取ると退く様に命令をし始め!…その態度が気に食わないとばかりにマサツグとシロにも飛び火すると、二人揃ってショートのエルフを睨み出す!…そうなると一触即発!…周りの冒険者や依頼者達は勿論!…間近に居るミスティーまで慌て出し!…その様子に向こうのロングエルフも不味いと感じたのか、慌ててそのショートのエルフに止めるよう声を掛ける!…この時ロングの方が上官なのか、叱り付ける様にショートに命令し!…その命令にショートもハッとした表情を見せると、慌てて謝り始める!…しかしその表情はやはり何処か不服そうで、一歩下がってロングに道を明け渡すと、ロングはマサツグに謝り出す。
「…連れが失礼した…
すまないが道を開けて貰えないだろうか?」
「ッ!…あぁ、これは失礼……」
__コッ…コッ…コッ…コッ……チッ!!…
「ッ!?…んだよアイツ!!…感じ悪ぃなぁ!!…
アヤとは大違いだな!?…」
ロングのエルフの方がマサツグに頭を下げて謝り出すと、改めて道を譲って貰えるようお願いし始め!…その後ろではショートが今だ不服と言わんばかりにマサツグの事を睨んでおり!…その事を置いても一旦は休戦と言った様子でマサツグが納得すると、道を譲り出すのだが…そのロングのエルフはマサツグ達に会釈をしてその場を後にする一方で、ショートはマサツグに対して舌打ちをするとそのままギルドを後にし!…最後の最後まで反省が見られないショートに対して、マサツグが怒りを見せながら同じエルフのアヤと比べ出すと、その名前を聞いたミスティーは不思議そうに尋ね出す。
「……ッ?…アヤ?…そのアヤさんと言うのは?…」
「え?…あぁ…アヤは俺がこのゲームを…じゃなくて!…
冒険者になりたてだった時に世話になった…
と言ってもまだ最近なんだけどな?…エルフの冒険者で…
色々冒険者として必要な事を教えてくれた先輩みたいな
人なんだ。
…まぁ、その人もとある護衛依頼で怪我をしたから
まだ恐らくは休業中だけど……元気にしてっかなぁ?…」
「へぇ~……ッ!?…
も、もしかして余計な事を聞いてしまいました!?…
ご、ごめんなさい!!」
「ッ!!…ああぁ!…大丈夫大丈夫!!…
別に深い思い出とかそう言うのじゃ無いから!…
ただ元気にしてるかが気になっただけで…
…あぁほら!…とにかく受付に行こう!…
まずはギルマスに会わなきゃ!」
ミスティーはマサツグの口から女性の名前が出て来た事に興味を持ったのか、確認するよう問い掛け…その問い掛けに対してマサツグは何も考えずに関係性を含めて説明しようとするのだが、色々と説明する上でややこしい事に気が付くと、若干の引っ掛かりを見せてしまう!…それでもアヤの事を思い出す様に語り始めると、今如何しているのか?が気になった様子で思い出に浸り…そんなマサツグの様子を見てミスティーも納得した表情を見せるのだが、次にハッとした様子で不味かったか!?と反省すると、慌ててマサツグに謝り出す!…そんな突如謝り出したミスティーにマサツグも慌てた様子で反応すると、大丈夫と言って宥め出し!…気分を切り替える様にカウンターへ行くよう声を掛けると、ミスティーの手を握ってルンの前へ移動する。
__コッ…コッ…コッ…コッ…
「……ふぅ!…やれやれ…
…って、あれ!?…
お久しぶりですマサツグさん!!…
それに?…ミスティーさん?」
「ッ!…あぁ!…あの時は有難う御座いました!!…」
「おっひさ~!…にしても大変そうだったな?…
何なんだ?…あのエルフ達は!!…
豪く態度がデカいのなんのって!!…
何か在ったのか?…」
頭にシロを乗せてミスティーの手を引き…マサツグが受付カウンターの前に立つと、ルンは疲れた様子で溜息を吐きながらもマサツグの存在に気が付く。そして振り向くなり再会を喜ぶようマサツグ達に挨拶をし始めるのだが、ミスティーが居る事に疑問を持ったのかミスティーを見詰めては困惑の表情を見せており…そんなルンを相手にミスティーは頭を下げて挨拶をし、マサツグも久々の再会を喜ぶよう挨拶をし始めると、先程のルンの様子について災難と言った具合に同情するよう話し掛け出す。その際あのエルフ達との間で何か問題があるのか?…それと無くルンに尋ね出すのだが、ルンは苦笑いしながらマサツグにダイジョブと言って見せると、深くは尋ねないようお願いする…
「あははは…
この話は話し出すと長いので出来れば
気にしないで貰えると助かります…
…って、それはそうと今日は如何言った
ご用件でしょうか?…
確かマサツグさん達はミスティーさんの
護衛に?……ッ!?…も、もしかして!?…
依頼の破棄とか!?…」
ミスティーは疲れて思い出したくも無いと言ったグッタリした様子を見せると、話を逸らすよう様にお願いし…その話を聞いてマサツグも戸惑いながら同意し無言で頷くと、改めてルンは本題を聞く様にマサツグ達へ声を掛け出す。この時今度はミスティーがまだマサツグと一緒に居る事が不思議なのか、首を傾げ出すとその事を尋ねる様に質問をするのだが…途端にハッと気づいた様子で慌て出し、マサツグが依頼を破棄しに来たのか!?と誤解し始めると、マサツグは苦笑いをしながら否定をする。
「いやいや!…その点に関しては既に済んだんだ!…
ちゃんと送り届けた!…
でも今回は別の要件でここに用が有って…」
「ルンお姉ちゃん!!…お久しぶりです!!」
「ッ!…お久しぶりシロちゃん!……ッ!…
シロちゃんもこの大陸デビューかなぁ?…
可愛い衣装ね!…」
「ッ!…えへへへ♪…」
「うふふふふ!……で、その用件とは?…」
ちゃんと依頼を済ませた事を話しつつ改めて別用件で来た事をルンに説明をするのだが、シロは挨拶が遅れた様子でマサツグの頭の上から突如挨拶をし出し、その突然のシロの挨拶でマサツグが戸惑い話を途切れさせてしまうと、それに引っ張られるようルンもシロへ挨拶を返す。その際シロの格好がアラビア~ンな物に変わって居る事にも気が付くと、そのシロの姿を見て笑顔で可愛いと褒め出し!…褒められた事でシロは頬を染めて照れてはマサツグの頭にしがみ付き、シロの反応を見てルンも微笑ましくするのだが!…直ぐに話をマサツグの方へ切り替えて見せると、そのプロの対応力にマサツグは思わず感心してしまう。
「ッ!…さすがの対応力!…
これがリンならそのままシロの方へ
流されて居そうなもんだが…
…まぁとにかく!…今ギルマスに会えないか?」
__どよッ!?!?…
「……え?…ギルマス…って、ギルドマスター?…」
「…ッ?……そう…だけど?…何か問題ある?…
居ないって言うなら出直すけど?…」
その子供に対するプロの捌き方を見てマサツグは更にルンの姉…リンと思わず比べてしまうのだが、ここに来た用件を改めて聞かれた事に話を戻すと、マサツグはルンへギルドマスターに会えないかどうかの確認をし始める。だがこの言葉をマサツグが口にした途端、ギルド内は一気に騒然とし始め!…まるでマサツグがパンドラの箱を開けたと言わんばかりにギルド内に居る全員が動きを止めると、一斉にマサツグの方へ振り向いては困惑の凝視を向け始める!…当然突如そんな視線を向けられ始めた事にミスティーも気が付いた様子でビクッ!と反応して見せると、ルンまでもがマサツグの言葉に戸惑いを覚えた様子で再度聞き直し!…マサツグはそんなルンの様子に戸惑いを覚えつつも改めてルンに居るかどうかと尋ね返すと、ルンは余りのショックからか驚きの表情のままマサツグを見詰めて硬直し始める!…
「………。」
__じぃ~~~……
「……え?…」
「……ッ!!…え?…あ、あぁ!!…
ご、ごめんなさい!!…
余りに聞き慣れない質問だったのでつい!!…」
ルンが固まってしまった事にマサツグが戸惑うと、ミスティーと一緒にその場に立ち尽くし…周りの冒険者達はそのギルドマスターの事を知って居るのか?…マサツグ達の事を怖いもの知らずと言った様子で見詰めており、マサツグもそんな視線を浴びて居る事に気が付き更に戸惑い出して居ると、ルンはハッと意識を取り戻した様子でマサツグに謝り出す!…その際ルンは変わった言い訳を口にし始めるのだが、その言葉を聞いたマサツグは戸惑いを通り越して困惑し!…ギルドマスターの事について改めてルンへ質問をし始めると、ルンから戸惑いの声が漏れ出す!…
「……え?…もしかしてそんなにヤバい人なの?…
ここのギルマス?…何か暗黙のルールでも有った?…」
「えぇ!?…い、いやぁ…
そう言う訳では無いのですがぁ?……うぅ…
…い、良い人は良い人なんですよ!!…
ただキャラが濃いと言うか何と言いますか?…
…ア、アハハハハ…」
「……えぇ?…」
マサツグの問い掛けに対してこの戸惑いよう…明らかなまでのチグハグ具合が感じられ!…マサツグに対して先程まではしっかり視線を合わせて話して居たにも関わらず、今では全然ルンと視線が合わなくなり!…あちらこちらに泳ぎに泳いでは自由方の金メダルを取れそうな位にとにかく動揺が見て取れた!…そして誤魔化す様に最後には苦笑いともうどうしようもない位にルンの正常心は崩れて行き!…その明らかなルンの動揺!!…態度の変わり様にマサツグが困惑し続けて居ると、突如として後ろから声を掛けられる!…
「んま!…人の事をお化けみたいに言うなんて!!…
失礼しちゃうわ!!…」
「ッ!…え?……ッ!?!?!?…」
__ドン!!ドン!!!ドオォォン!!!!…
「なっ!?………」
突如背後から若干ご立腹の様子のお姉口調が聞こえ出し!…その声にマサツグとミスティーが誰か来たのか?…と言った具合に振り向き出すと、そこには2m強有る黒い巨人が腕を組みながら仁王立ちしている姿があった!…その体も見事なまでに真っ黒に焼けて汗かオイルか黒光りしており!…ボディビルダーの様に逆三角形の筋骨隆々!…バッキバキでキレにキレた筋肉を惜しげも無く披露し!…着けて居る物も真っ赤に燃える様な赤いブーメランパンツ一丁だけと!…まさにミスターアメリカ張りの体・格好でマサツグ達の事を見下ろして居た!…頭もスキンヘッドで鏡面加工したようピカピカに輝いており!…その姿は宛ら何処ぞのワンパン漫画のS級ヒーロー…[超合金クロ〇カリ]の様に見えるのだが、顔と性格は[ぷりぷり〇リズナー]しており!…とにかくそんなトンデモナイ人物が後ろに立って居た事にマサツグとミスティーがショックを受けた様子で固まって居ると、怖いもの知らずのシロはその黒い巨人を目にすると途端に指を差し!…率直な意見を言い出す!…
「ッ!…おぉ~!…おっきいです!!……ッ!…
頭もピカピカなのです!!」
__ですぅ!!…ですぅ!…ですぅ…
…どよッ!?!?!?…
「ッ!?…ちょ!?…シロちゃあぁん!?…
何をトンデモナイ事を口走っちゃってんのぉ!?…
お口チャック!!…お口チャァック!!!…」
シロはその黒い巨人に笑みを浮かべてはまず体格なのか身長なのか、とにかく大きいと言い出し!…次にその黒い巨人の頭に目を向けると何の躊躇いも無くピカピカと豪語し始める!…その瞬間妙な事にマサツグの耳にはそのシロの声がエコーする様に聞こえ出し!…他の冒険者達の耳にもそう聞こえたのか、若干の間を置いた後慌てた様子で一気にどよめき出すと、マサツグは慌ててシロの口を抑え始める!…その際シロは抵抗する事無く口を抑えられると、不思議そうに首を傾げており!…その黒い巨人もただその場で固まるよう何も言わずにシロへ向かい手を伸ばし始めると、徐に話し掛け出す!…
__スウゥ…ッ!?……ポンッ!…
「あら?…お茶目さんな子ね!♥…
うぅん!可愛らしい!!♥…
そんなに気に入ったのなら私の頭を触ってみるぅ?」
「ッ!…んんんんんんん!?…」
「良くなぁ~い!!!…良く無いから!!…
家の子がスイマセン!!…とんだ御無礼を!!!…」
その黒い巨人はシロの頭に手を乗せると先程の言葉など全く気にしていない!…寧ろ喜ぶ様に声を掛け出すと、自身の頭をシロに差し出し始め!…その様子にシロも口を抑えられているにも関わらず、許可を取って撫でようとし出すと、マサツグが慌てて止めてはその黒い巨人に平謝りし始める!…その様子を周りで見ている冒険者達は、内心冷や冷やした様子でマサツグ達の事を見ており!…ミスティーに至っては完全のコールド!…凍り付いた様に表情変える事無くその場に固まって居た!…
「ッ!?……ッ!?!?…」
「すんません!!…すんません!!!…」
「……ッ~~~!!…ぷッ!!
あっはっはっはっはっはっはっは!!!」
「……はあぁ~…ご紹介します…
今マサツグさん達の目の前に居る
ナイスバルクの黒いお方こそ!…
このサマーオーシャン大陸の
ギルドを統括するギルドマスター!…
[ロディ・ガンブレオ]その人です…」
こんな人種がこの世に居るの!?…と言った様子でミスティーは固まり、マサツグがシロを肩車したまま口を押さえながら平謝りをして居ると、その様子が可笑しかったのか…黒い巨人は突如としてその巨躯を揺らし笑い始め!…ルンはルンで溜息を吐きつつ改めてその黒い巨人の紹介をし始めると、その紹介を聞いたマサツグとミスティーは驚き戸惑った反応見せては絶句する!…しかし目の前の黒い巨人はその反応に慣れて居るのか、戸惑った様子を見せる事無く!…その黒い巨人当本人も改めて!…マサツグ達にポージングを決め出しては自己紹介をし始める!…
「おぉ~っほっほっほっほっほ!!♥…
ご注目とご紹介!…有難うございまぁ~す!!!♥
私こそこのサマーオーシャン連合国の
ギルド統括・ギルドマスター!!
[ロディ・ガンブレオ]よぉ~~!!!!♥
…因みに私の事はロディーちゃん!…って呼んでね♥」
__バチンッ!!…ッ!?!?!?…
高笑いから入り出すと[ご注目とご紹介!…有難うございまぁ~す!!!]のワンフレーズから宛らバレリーナの様に!…指先一つ一つにも気を遣うよう流れる様にポージングを三つ完璧に決めて見せると、その黒い巨人は自身の事をギルドマスターと名乗り!…ちゃん付けで呼ぶようマサツグ達にお願いし始めると、その際愛嬌を振り撒く様にウィンクもして見せるのだが!…そのウィンクは何処か凶器じみており!…完全にマサツグとミスティーは奇異な物を見る様な目でロディを見詰めては、身動き一つ取る事も出来なくなるのであった…




