-第二章六十二節 1週間前のお願いと獣人達の特訓とまさかの魔法師団!-
さて…この話はマサツグがミスティーと共にホーエルビアードのギルドへ向かう段取りが終わった後の話である。あの重力倍加空間が解除され、後はポンポンと話が進んで行く中…集まった議員・官僚達はポカーンとした様子で今だグロッキーになりながら席へ着いていた。その際勝手に話しが進んで行く事に誰も反論すると言った様子を見せないのだが、完全に置いてけぼり状態になっており…この状態を見たレイヴンは一人これで良いのか?…と思いつつ、ただその成り行きを苦笑いしながら見て居ると、ボロボロに目を腫らした衛兵長がレイヴンの元に歩いて来る。
__…コッ…コッ…コッ…コッ……
「……レイヴン殿?…少々宜しいでしょうか?…」
「ッ!…はい?…って、どわあぁ!?…」
「……ッ?…如何されました?…」
「いや如何されましたじゃなくて!…
…まぁいいや…で、ご用件は?…」
レイヴンの元まで歩いて来た衛兵長は徐に声を掛け…その呼び掛けに反応するようレイヴンが振り返ると、そこには泣きまくったせいか目をパンパンに腫らした衛兵長が立っており!…その様子にレイヴンが思わず声を挙げて驚き、衛兵長は自身の顔が如何なっているのか分からない様子でただレイヴンの反応に不思議そうな表情を見せて居ると、レイヴンは逆にその衛兵長の反応に困惑する。そうして衛兵長の様子を流しつつ、一体何の目的で呼ばれたのか?とレイヴンが衛兵長に用件を聞き出すと、衛兵長はレイヴンにあるお願いをし始める。
「いえ……ここでは少々…とにかくご同行を!…」
「……ッ?…あ、あぁ…」
__ガタッ!…コッ…コッ…コッ…コッ…
衛兵長がお願いの言葉を口にする際、何故か辺りを見渡しては言い難そうにレイヴンへ付いて来るよう声を掛け…レイヴンもその様子に疑問を持ち始めるのだが、言われるがままに席を立ち衛兵長に連れて行かれると、そのまま王宮の外へと連れ出される…当然突如王宮の外に連れ出された事にレイヴンは何が有るのだ?…と言った様子で困惑するのだが…衛兵長に案内されるまま付いて行くと、その直ぐ近くの密林のコロッセオ…そう言わざるを得ない円形状の闘技場らしき場所へと案内される!…
__コッ…コッ…コッ…コッ……ッ~~~~~!!!…
{…ッ!?…うわぁ!…こんな所に闘技場!?……
しかも微かにだが中から声が聞こえて来てる…
…誰か戦って居るのか?……まぁ…どちらにせよ…
何でここに案内されてんだ?…俺?…}
__ザッ!…ザッ!…ザッ!…ザッ!……
何故か闘技場らしき場所に案内されるとこれにはレイヴンも更に困惑を覚える様子で、一体何が起きようとしているのか考え始めるのだが…そのまま衛兵長に案内されるとそのコロッセオの中へ…中では衛兵達が訓練をして居るのか勇ましい声と共に剣戟…木剣同士のぶつかる音が聞こえ、その様子を耳にしたレイヴンが感心した様子でそのままその訓練場へと案内されると、衛兵長はその訓練場に辿り着くなり響く勢いで号令を掛け出す!…
「……すぅ~!!…全員!!!…整れえぇぇつ!!!」
__ッ!!…バババッ!!!…ハハァ!!!…
「ッ!?……おぉう!?……ッ!…おいおい!…
負傷しているのに大丈夫かよ?…」
訓練場に響く勢いで衛兵長が号令を掛けると、一斉に衛兵達が振り向き反応する!…それは案山子を相手に剣を振り下ろして居る者達や模擬戦をして居た者達!…筋トレや走り込み等!…とにかく途中で止めては直ぐに衛兵長の前へ素早く集まり始め、一糸乱れぬ統率振りで整列し敬礼までし出すと、その衛兵達の統率振りにレイヴンは戸惑う!…さながら軍隊と言った所か?…いや軍隊なのだが…その初めて見る見事な反応振りに驚き!…衛兵一人一人の様子に目を向けて居ると、中には今だ前の戦いで傷が癒えていないにも関わらず訓練をして居る者達もおり!…そんな衛兵達の様子にレイヴンはただ戸惑う事しか出来ないで居ると、ここで衛兵長がそもそもの本題!…レイヴンへのお願いを口にし始める!…
「…ここに居る者達はあのゲルデウスに
操られて居た者達です!…」
「ッ!…え?…」
「レイヴン殿をここに呼んだのは他でも有りません!!…
貴方様はあの白き幼子ですら震撼させた程の魔術師と
聞き及んでおります!!!…
そんなレイヴン殿を見込んで!…我々一同に!…
その魔法に対する訓練を指南して欲しいのです!!!…
…それも!!…恐れ多い事に申し訳ないのですが…
レイヴン殿の魔法を耐えれる位に!!!…」
「ッ!?…え?…えぇ!?…」
衛兵長はまず話の入りに目の前に居る衛兵達がゲスデウスに操られて居た事を明かすと、その話を聞いたレイヴンは戸惑い!…続けて本題である魔法に対する訓練をして欲しいと、シロから聞いたであろう話を交えてお願いをし始めると、衛兵長及び衛兵達一同が頭を下げて誠意を示す!…当然この突然のお願いにレイヴンは一歩後ろに下がるよう驚いては困惑するのだが、何より驚いたのはそのシロから聞かされたであろう衛兵長の話であった。
「……因みに何だがその白き幼子って…
シロちゃんの事?………何て言ってた?…」
「ッ!…ハッ!…何でも!…
{すっごいのです!!…
ドッカアァンって!!…ボカアァンって!!!…
ホネホネも沢山呼んでましたし!!!…
レイヴンさんが蒼い綺麗な炎を!…こう!!…
グルグルゥ~~って!!…
…とにかくすっごいのです!!!…}……と?…」
「…ぶふッ!!…シ、シロちゃん………ッ!…」
「先の戦いで王宮警備の衛兵達全員が操られ!…
簡単にゲルデウスの入場を許してしまいました!!…
全ては奴の魔法のせい!…
この先同じ様な敵が出て来る事を考えると
とても不安が残り…だったら我々が魔法に対する
防衛策を体得すればと言う考えに至ったのです!…
そしてレイヴン殿!!…
貴方様はあの勇者殿のご友人にしてモンスターの
大群の侵攻口を封じる事を成し遂げたお方!…
これ以上に適任者は居ません!!…」
レイヴンは若干戸惑った様子でその白き幼子と言うのがシロで合っているかを確認すると、その問い掛けに衛兵長も釣られるよう戸惑いながら頷いて肯定し…その返事を聞いた所で更にシロが何を言って居たのかが気になるのか、戸惑いつつもその内容を確かめる様に衛兵長へ追加で質問をすると、衛兵長はシロの言葉を思い出す様にレイヴンへその聞いた話を口にし始める。すると如何だろう?…その口から出て来た言葉が如何にもシロらしく内容が薄い物で…その話を恐らく嬉々として語っているシロの様子まで鮮明に分かるよう容易の想像出来てしまうと、その事にレイヴンは思わず呆れながら笑ってしまう!…しかしそんなレイヴンの様子など御構い無しに衛兵長は先日の戦闘に置いての反省点を口にすると、レイヴン以上の適任者は居ないと改めて魔法に対する訓練をお願いし出し!…その衛兵達の様子を見て、レイヴンはシロの話で良くここまで信用出来るな?…と思わず感心してしまうと、スッと元の態度に戻ってはその訓練に対する返事をし始める。
「いやぁ…
あれは他の冒険者にも協力して貰って塞いだんだが?……
まぁ俺自身暇してたから別に構わないけど?…
悪いけど俺そんな手加減とかも出来ないし…
何なら俺以上にヤバい魔術師は五万と居るが?…
それでも良いのか?…スパルタだぞ?…
それに負傷者も居る様に見えるが?…」
「それは彼ら次第です!…
一概にも大丈夫とは言えません!!…
…ですが今ここに居る衛兵達は全員!…
自らこの訓練に志願して来た者達で!…
彼らも自分の事は自分で管理出来るよう
訓練をして来て居る者達です!!…
…予め衛兵になる前に自身の
管理出来ない者達は入隊をさせて居ない為!…
言うなれば…一応はと…」
{……それって?…本当に大丈夫なのか?……}
その突然のお願いに驚きつつもレイヴンは自身が暇である事から受けると返事をするのだが…先に自身は手加減が下手である事・スパルタである事を忠告して本当にやるのか?…と衛兵達・衛兵長に確認をすると、本人達は本気でやる気なのか!…レイヴンに熱い視線を送ってはこれまた一糸乱れぬ頷きようを見せる!…その際衛兵長は補足する様に衛兵達のコンディションは自分達で管理すると言い!…その説明を聞いてレイヴンはチラッと衛兵達の様子を確認するよう視線を移すのだが…そこには既に治療を受けたにも関わらず出血が見られる等、負傷して居る者が多数おり!…その様子を見たレイヴンは心の中で本当に大丈夫なのか?…と一抹の不安を覚えたが、渋々衛兵達の訓練に手を貸すのであった……さて、ここまでがあのゲスデウスに襲われた後日談であり、この話は元の時間軸に戻り一週間後…
__[ハーフリングス大強襲事変]解決より一週間後…
午後三時…
「……《マインドバインド!!》」
「グアッ!!!……あへぇ~…」
「…はあぁ~!…あへぇ~…じゃないだろ!!
自分の体に魔力を纏うイメージ!!…
それも薄い衣を何重にも着て居る様な明確な
イメージをしろ!!!」
「ッ!?…は、はい!!!…」
レイヴンの対魔法スパルタ訓練は一週間に及ぼうとしていた!…やはり初日は全員が魔法適正・耐性が無いと言う事で全員を数十分でギブアップさせてしまい!…その後も地道に投げる事無く訓練を続けて来たのだが…中々に成果が出ず!…難航の一途を辿っていた…だが彼らも決して成長をしていない訳は無い!…レイヴンに魔法を喰らわされる度に違う耐性が付いて来たのか、復帰の時間が短くなり!…ちょっとやそっとの魔法なら数分で回復して見せる治癒能力を身に付けていた!…何なら不意を突かれる事が無ければ下級魔法を素手で弾き飛ばせる位にまでは成長したのであった!…しかし!…
「……うぅ~ん…
…確かに違う方向には成長してるんだが…
如何にもなぁ?…
攻撃魔法に対する耐性はある意味バッチリだけど…
やっぱり諸に攻撃を受けてる訳だし…
それこそ魔法防御が出来てないと…」
__あへぇ~……
「…肝心の精神魔法でこの有様…
…まぁ気概は買うんだけど……うぅ~ん…」
ゲスデウスにやられた魔法…精神系・異常状態系に関しては基礎が出来て居ないので全くの無防備であり、レイヴンがこの様に精神系の魔法を唱えれば一発でいけない顔と…誰得な絵図らが出来上がってしまう…その度にレイヴンが杖を振り上げて檄を飛ばし!…衛兵達の意識を取り戻させると言った光景が見られる様になってしまっているのだが…それ以上に不味いのはレイヴンの成長であった。
「……はあぁ~…
訓練に付き合ってるせいか俺も成長してるし!…
てかこれって倒した扱いになるのか?…」
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「レイヴン」
「ワイトウィザード」
Lv.40 「魔導師」
HP 3650 TP 1680
ATK 155+10 DEF 250+180
INT 390+120 RES 370+80
AGI 125 LUK 120
装備
E 武器 骨魔導の杖
頭装 魔導の法衣(頭)
体装 魔導の法衣(体)
足装 魔導士のブーツ
装飾 不死骨のクロス
MS [魔術Lv.8] [短剣術Lv.5]
SS [鑑定LV.7] [採取術Lv.7]
[技術向上] [リッチの系譜]
[魔法術の探求者] [二種詠唱]
[感知Lv.4] [念話]
[術技]
ファイアーボール TP 10 アイスボルト TP 15
ライトニング TP 20 エアロエッジ TP 20
ライトアップ TP 10 ダークネス TP 15
シャープアップ TP 20 ガードポイント TP 20
スピードラン TP 25 フレアレイン TP 35
アイスダッシャー TP 40 サンダーボルト TP 45
ウィンドランサー TP 45 ガイアスマッシュ TP 50
マインドバインド TP 25 ポイズンシャード TP 25
P・ニードル TP 35 コンヒュージョン TP 35
エクスプロード TP 65 アイスコフィン TP 65
ダークブリンガー TP 70
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「……いつの間にかレベル40!…
言ったらここから中盤戦なのだが?…
…まぁ…ンな事言ってても仕方ないか…
なっちゃったモンはなっちゃったんだし…
…とにかく今は…
のんびり訓練に付き合いますかぁ!…
急ぐ用事も無いし?…
……ほら次行くぞぉ~~!!」
__オ!…オオオォォ!!!…
自身の成長に少しばかりの戸惑いを覚えつつ…改めて仕方が無いと言った様子で呟き衛兵達の訓練に付き合い出すと、訓練の為に非殺傷魔法を唱える。その際放つと掛け声を掛けてからレイヴンは詠唱し出し、その掛け声に反応するよう衛兵達は警戒しつつ!…レイヴンの言われた通りに魔力を自身の身に纏うイメージをするのだが上手く行かず!…またもやレイヴンの魔法が衛兵達を襲い出す!…
「……《パラライズ二-ドル!!》」
__ボボボボボボ!!!…ババババババ!!!!…
「ッ!?…ぎゃああぁぁぁ!!…痺れびれ!!…」
「ッ!!…イメージだイメージ!!…
ただ想像するだけじゃなくて如何言った事が
起きるかも想像するんだ!!!…
この場合は衣が弾く!!…
刺さらないと言った確固たる想像をするんだ!!!…
…はあぁ~…この調子だと先が思いやられるなぁ~?…
…それに比べて…」
魔法を唱え終えてレイヴンの周りに金色の針が宙を舞うよう無数に出現し始めると、レイヴンは衛兵達に狙いを付けるよう杖を突き付け!…その金色の針は指示に従うよう一斉に衛兵達の方へ飛んで行き出すと、針は雨の如く降り注ぎ始める!…さながらその様子は某・最終幻想に出て来る卍の形をしたサボテンモンスターの針の様に!…密集するよう広範囲に降り注ぐと、対処し切れなかった衛兵達は金色の針まみれになっては痙攣しながら地面に転がる…そんな様子を見てレイヴンは更に檄を飛ばし、若干疲れた様子で溜息を吐き出すのだが、それとは別に衛兵達と比べるよう有るモノを目にすると、その光景を見詰めては違う戸惑いを覚え出す!…何故なら……
「……よし!…スゥ…
《紅蓮の火球よ!!…
我が目の前に立ちはだかる障害を焼き払え!!…
ファイアーボール!!!》」
__ゴウッ!…バシュン!!…ゴアァ!!!…
「ッ!!…きゃああぁぁ出来たあぁ~~!!!」
「あっちはあっちでトンデモナイ事になってるし!!…
教えた事をヒョイヒョイ熟してく!!…
これじゃあ適性有るのか無いのか分からんのだが!?…」
レイヴンが戸惑いを覚えたモノ…それはハーフリングスのメイドさん達が意外と魔法を習得・唱える事が出来ると言う事であった。何故この様な事になったのかと言うと、それは些細な事から始まったもう一つの訓練であり…きっかけはたった一人のメイドさんによる好奇心から始まったモノであった!…それは衛兵達が訓練を始めてから三日後の事、その日は衛兵達の訓練に差し入れを持って来たメイドさん達が初めてレイヴンの魔法を目にした日であり、何を思ったのかその光景を目にしたメイドさんがレイヴンにある事を尋ね出したのが事の始まりであった…
__四日前・ある日のお昼…
「……皆さま!!…お昼ですよぉ~~!!!」
「ッ!…もうそんな時間?…じゃあ二時間休憩!!…
今の内にゆっくり体を休めて置けぇ!!!」
__オ…オオォォ……
メイドの一人が声を挙げてお昼だと言い出すと、その言葉を聞いたレイヴンはハッと気が付いた様子で休憩を挟むよう衛兵達に指示を出すのだが…この時の衛兵達はまだ魔法に対しての耐性が無い状態であり、こっ酷くレイヴンにやられてグロッキー状態で地面に倒れては、皆覇気の無い返事をして死屍累々としていた…そしてその様子を見たメイドさんはこの時自国の衛兵達がたった一人にここまでやられて居ると言う事に驚きを覚えたのか?…ただその光景を見詰め…興味を持った様子でレイヴンの肩を突いて食べ物を差し出し始めると、レイヴンにある事を尋ね出す。
__…チョンチョン…ッ!…クルッ?…
「……あのぉ~?…
わ、私達にも魔法って使えますか?…」
「ッ!……え?…」
「ッ!?…ちょ!!…メル!?…」
レイヴンは突かれた事で何事か?と言った様子で振り返ると、そこには当然その突いて来たメイドさんが立っており…そのメイドさんから自分でも魔法を扱えるようになるか?と尋ねられると、レイヴンはその一言に思わず戸惑い固まってしまう!…その際そのメイドさんは何処か遠慮した様子を見せているのだが、目は好奇心に輝いて居り!…周りのメイドさんはそんなメイドさんの名前を呼んでは止めるよう呼び掛けるのだが、レイヴンはその興味を持った様子に釣られたのか…ハッとした反応を見せ受け答えをすると、軽い下級魔法…初期も初期の魔法から教え始める。
「…ッ!!…あぁ!!…そうだなぁ?…
やる気が有る事は良いんだが…本当にやるの?…」
「ッ!!!…はい!!!」
「……じゃあ教えるのは教えるけど…
出来るかどうかは自分次第って事で…
じゃあ入門編ね?…まずは火をイメージして?…
そこから球体!…それを手に作り出すよう!…
掌に魔力を集める様な!…
これは人それぞれ感性が有ってどんなものかって
言われると辛い……ッ!?…」
__ゴウッ!!!……ッ!?!?!?…
「こ、こうですか?…」
レイヴンは戸惑いつつも確認の言葉を掛けると、そのメイドさんから嬉々とした返事を受け取り!…その意気込み様に応じるよう相手が女性であると言う事も含めて緊張しつつ…恐る恐るファイアーボールの魔法をイメージから教え出し、更に魔力の扱い方まで説明しようとするのだが…驚く事にそのメイドさんには魔法の素質が有ったのか、メイドさんは目を閉じレイヴンの言う通り掌に炎の球を作り出してしまうと、その周りの者達を驚かせるのであった!…まだレイヴンの説明も途中だと言うのにまさかの一発で成功させ!…その当本人はと言うと不安そうに出来ているかどうかと周りに問い掛け出すのだが…ただ誰もが目の前の光景に戸惑いを覚えてしまうと、その問い掛けに答える事が出来ないでいた…そして…この事がきっかけで今現在…
__元の時間軸・一週間後…
「《貫ける氷の槍!!…
刺し穿ちて敵を凍てつかせん!!…
アイスボルト!!!》」
「《荒ぶる雷雲よ!!…
眼前に落ちて敵を灰に帰さん!!!
サンダーボルト!!!》
___バシュシュシュシュ!!!…ゴロゴロ!!…
ドシャアアァァン!!!!…
「「きゃああぁ!!…出来たあぁ!!!」」
あの最初のメイドさんを皮切りに!…他のメイドさん達も同じ様にチャレンジしようと考えたのか、衛兵達に交じって魔法の訓練をする様になり!…今ではハーフリングスのメイドさんの大半が下級魔法を扱える様になって、ちょっとした魔法師団を立ち上げれる位にまで成長していた!…ものの四日間でもはや後はメイドさん達同士で教え合い、魔力を高め合う状態になっており!…レイヴンの手を離れて自立の一途を辿ろうとしていた!…因みに現在進行形で団員は増加中!…
「いや…出来たぁ!!…じゃないんだが?……
…まさかファイアーボールから始まって
ここまで成長するとは!…それも…
こんな大人数で?…」
__キャッキャッ!!…キャッキャッ!!…
ゴウッ!!!…
「……そんな笑みを浮かべながらファイアーボール
打ってたら怖いっての!……ったく!…でもまぁ…
メイドさん達の方が飲み込みは早いんだよなぁ?…
衛兵諸君より…やっぱ女性の方が物事を柔軟に
考えるからかね?…とにかく飲み込みが早いわ…」
__ピクッ!?…ゴゴゴゴゴゴ!!…
レイヴンが衛兵達の訓練をしている片側で!…メイドさん達が笑いながら案山子を相手に魔法を乱舞させて居ると、その様子を見ながらレイヴンはメイドさん達にツッコミを入れ!…そうして改めてメイドさん達の方が教え買いが有ると言った事を思わずポロっと口にすると、その言葉を聞いた衛兵達はメイドさん達に対抗意識を燃やし始める!…別にメイドさんを襲おうとか!…嫌がらせをしようとか考えるのではなく!…単純に見返そうと闘志を燃やし!…一斉に衛兵達が立ち上がると、麻痺から回復した様子でレイヴンに指導を再度お願いし始める!…
「グッ!!…コナクソがあぁぁ!!!…
もう一本!!!…お願いします!!!!」
「ッ!…お?…起きて来たか!…
それに何か闘志漲ってっし!…
悪くはないノリ!!…よし良いぞ!!…
その気概は買ってやる!!…
だが手加減はしない!!…行くぞ!!!」
__オオオオオォォォ!!!!…
全員が続行の意思を見せる様に悔しがりながら立ち上り出すと、声を張り上げてレイヴンに訓練の続行をお願いをし!…そんな衛兵達の様子にレイヴンが乗り気で返事をし魔法を唱え出すと、衛兵達は当然乗り切るつもりで居るのか、声を挙げてレイヴンに返事をしては自信を鼓舞する様に吠え続け!…そんな様子にレイヴンも改めて手加減無しの精神魔法を詠唱し終えると、躊躇いも無く繰り出し始める!…
「《全てを惑わせる困惑の念波!…
かの者達に幻惑を見せ理性を奪え!!…
コンヒュージョン!!》」
__ブウウゥゥゥン!……あぁ?…あぁ~~??…
今回レイヴンが唱えたのは混乱魔法!…正常な判断を失わせ同士討ちをさせたり、相手の武器や防具を外させたり!…戦意を削いだりする等色々と厄介な魔法であって、ある種あのゲスデウスが使ったであろう洗脳魔法に近い分類の魔法を唱えたのだが…案の定次々にその混乱に掛かった様子で衛兵達がフラフラとし始め、そのまま地面に座り込んでは戦意を失う等影響が出ている様子を見せて居た。そしてそんな様子を見てレイヴンはやっぱり駄目かと言った様子でその魔法を切ろうとするのだが…
{……やっぱ今日も駄目か?…
せめて一人だけでも成功者が出れば……ッ!…}
__キィィィン!………ッ?…
{……外した?…いやでも何か変…ッ!?…}
今度も全員が駄目かと思われたのだが、良く見て見ると数人が正気を保ったまま立っており!…その様子にレイヴンは魔法が効かなかったのかと、外した前提で考え始めるのだがそう言う事でも無く!…その防ぐ事に成功したであろう衛兵達の腕には魔力で作られたであろう魔障壁…盾が出来上がっており、その盾が出来て居る事にレイヴンが気付き驚いた反応を見せて居ると、その衛兵達も自身が無事である事に驚いた反応を見せ出す。
「……で、出来た?…のか?…」
「……まさか…予想外の防ぎ様を見せるとは!…
成功だよ!…乗り切ったんだ!!…おめっとさん!!」
「ッ!?…ッ~~~~!!!!!」
__うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
精神系魔法を初めて防ぐ事に成功させた衛兵達も、自分達が耐え切れた事に信じられない様子で立ち尽くしており!…ただ互いに正常な者同士で戸惑い、何が起きたのか分からないと言った様子で顔を見合わせて居ると、レイヴンは拍手を送りながら予想外と言って成功した事と伝え出す。その際今まで厳しかったレイヴンの声は優しい物になって、その防ぎ切った者達の事を祝福しており!…正常な衛兵達もその言葉を聞いて自身の手を見詰め出すと、徐々に実感し始めてきたのか!…嬉しさを噛み締める様に握り拳を作り出すと、天高く突き上げては吠え始める!…その感動する衛兵達の様子はまるで魔王を倒した勇者の様で…レイヴンはその様子に安堵し!…やっと一歩前進したと心を落ち着かせ呼吸を整えて居ると、徐々に混乱状態が溶けて来た衛兵達もその異変に気が付き!…事の次第が分かり出すと、更に闘志に火を付ける!…
「で…出来た!!!…
出来たぞおおぉぉぉ!!!」
「よぉくやった!!…コツは!?…
コツを教えてくれ!!」
「如何イメージするのだ!?…
やはり何かを羽織る様な!?…」
「盾だ!!…
盾を作り出すようイメージするんだ!!!…
それだけでも全然違う!!!…」
レイヴンが教えたモノとは違うのだが、魔法防御壁を張れた事に成功した衛兵達は歓喜し!…出来なかった者達はそのコツを聞く為に、成功した衛兵達の元へと群がり出す!…同じ様に成功を祝う反面、出来なかった事でやはり悔しさを滲ませており!…切羽詰まった様子でその具体的なコツについて尋ね出すと、余程嬉しかったのかその成功させた衛兵達もテンション冷め止まぬ様子で語り出す!…その成功イメージを他の衛兵達に教え始める際も、もはやお祭り騒ぎにやり切った様子で歓喜しては子供の様にはしゃぎ!…そしてその様子を傍から見ていた…一緒に魔法の訓練していたメイドさん達は何事?…と言った冷めた様子でその衛兵達の事を見詰めており、訓練場内が一部歓喜一色に包まれて居ると、そこへ珍しい来客がやって来る!…
__ザッ!…ザッ!…ザッ!…ザッ!……
「……如何やら順調に事が進んで居るようであるな?…
感心感心!…」
「ッ!…じょ、女王陛下!!…」
__ババッ!!…スッ…
お祭り騒ぎの訓練場にやって来たのは町の中を見て回って来たであろうフィアナの姿であり!…訓練中の衛兵達を労う様に言葉を掛け出すと、その言葉を聞いた衛兵・メイドさん達は途端の反応して振り返り!…フィアナが居る事を確認すると、慌ててフィアナに傅き始める!…そんな従者達のあっと言う間の一連の動きに!…レイヴンが思わず戸惑って居ると、フィアナは従者たちに手を上げて楽にするよう合図を出し…徐にレイヴンの方へ向かい歩き始めると、何事も無い様に挨拶をする。
「…この様に訓練を付き合ってくれている事に
感謝する!…レイヴン!…
そなたは客人だと言うのに!…」
「ッ!…いやぁ!…暇だから大丈夫ですよ!…
それにこっちも良い特訓になってますし!…
…それよりも町の方は?…
彼此一週間は経とうとして居るのですが?…」
フィアナはレイヴンにお礼の言葉を言いつつ軽く笑みを浮かべて謝罪すると、その言葉にレイヴンは恐縮した様に慌てて手を振って見せ!…大丈夫と返事をしたが次に町の事が気になり、フィアナにその事について質問をすると、フィアナはその質問に渋い顔を見せる。その際渋い顔と同時にフィアナの後ろからは不安の様相も見て取れ!…レイヴンがその様子に仕方が無いと言った反応でフィアナの話に耳を傾けて居ると、フィアナは素直に町の状態について話し出す。
「……まぁそうだな…
城壁の修復・町の再建の状況を見てざっと…
3割と言った所か…
とにかくまだまだ時間が掛かりそうだ…」
「ッ!…三割!…
…いやぁ…まだ早い方だと思うけどなぁ?…
酷い所だと4~5年掛かってまだ3割って所も有るから…
それに比べれば圧倒的に早いと…」
「…はは!…お気遣い感謝する!…
…だがこれも余の未熟さが招いた結果!…
真摯に受け止めては前を向かねばなるまい!…
同じ轍を踏まぬよう!…この結果を糧に!…
散って行った者達の為にも!…な?…」
__ッ!………
率直に全体の3割と答えたフィアナにレイヴンは驚く!…何故ならこれがもし現実の話なら1週間で3割の復興は絶対に出来ないからである!…幾ら寝ずに作業をしたとしても!…ペースを落とす事無く作業が出来たとしても、3割どころか1割行くか行かないかで有り!…レイヴンは現代日本と比べて復興が早い事を考え、その言葉が出て来た事にフィアナは良くやって居ると言った様子で言葉を掛けるのだが、そのフィアナは如何にも納得が行かないらしく…納得が行かない点も自分の失態が原因であると分かって居る事から!…余計にやりきれなく!…だからこそこれを糧に前を向く姿勢を見せようとするフィアナに!…レイヴンがさすがと言った様子で感心して居ると、レイヴンとフィアナ…二人揃って遠い目をしながら空を見上げるのであった。




