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どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-  作者: すずめさん
-第ニ章-サマーオーシャン連合国-獣人の国編-
156/605

-第二章五十八節 ゲスデウスと怒りの覚醒と初めての殺意-



目の前には太鼓腹で肥満児の様にムクムクの四肢を持ち、頭にはネズミの耳と一部ファンシーさが取り入れられて居るのだが…それでも有り余るその醜いゲスデウスの姿は某夢の国のネズミも裸足で逃げ出すレベルで、マサツグは自分が探していた相手はこんな奴?…と武器を構えながらも困惑して居ると、ゲスデウスは下卑た笑みを浮かべては徐にマサツグへ話し掛け出す!…


「いやいや!…貴方のお噂はかねがね!…

何でもこの国に乗り込んで来ては捕まり?…

無罪を勝ち取ってはこの国の危機を救ったとか?…

いやはや!…少々驚かされた物でございますなぁ?…

…勇者殿?…」


「……そいつはどうも?…

…それよりこの世からバイバイする

覚悟は出来ているか?…

こちとらテメェに散々煮え湯を

飲まされてきたからなぁ?…

楽に死ねると思うなよ?」


マサツグの今までの活躍話を聞いたのか…ゲスデウスは下卑た笑みを浮かべながらまるで世間話でもするよう驚いたと話し出し、マサツグはマサツグでその会話に一応参加してはゲスデウスに覚悟するよう言葉を口にすると、ゲスデウスの返事を聞かずに突如辺りを見渡し始める!…周りを確認し出したのは敵が居ない事を確認すると言う意味も有るのだが、それよりも別に気になる事が有り…本来居る筈のフィアナとミスティーの姿が何処にも無く、その様子に逃げたのか?…と思いつつマサツグがゲスデウスと対峙し続けて居ると、ゲスデウスはマサツグの言葉に笑い出す!…


「ッ!…ぐっふっふっふっふっふ!!…

勇者殿は冗談がお上手の様で!…

いやいや面白い!………」


__スッ…パチンッ!……バサァッ!!…


「ッ!?…なっ!?……」


マサツグが口にしたセリフを馬鹿にするよう笑って見せると、ゲスデウスはただ面白いと言い出し!…徐に天井へ向かい手を伸ばし、パチンと指を弾き出すと、突如としてゲスデウスの後ろに掛かって居たカーテンが開き始める!…当然いきなり目の前でそんな事をし始めた事にマサツグは疑問を持つのだが、カーテンが開かれ眼前に現れた物を目にすると、マサツグは途端に絶句し驚きの表情を露にする!…何故なら!…


「う!…ぐぅ!!…」


「はぁ!…はぁ!…」


カーテンが開くと同時にマサツグは何か仕掛けて来るか!?…と警戒をするのだが、次に目の前に映ったモノは自身の目を疑う様な光景で!…ゲスデウスが座って居た玉座を挟む様にそこにはX字の磔台が二基設置されており、その磔台にはフィアナとミスティー!…それぞれ二人が磔にされて居る姿が目に映るのであった!…更に良く見るとその二人の姿はボロボロの状態になっており、体には無数の傷と出血…二人とも息を切らしては力無くグッタリしている状態で、激しい暴行を受けたのかその身に纏って居る衣服も辛うじて局部が見えない様になっている位で放置されて有った!…


__ガチャッ…チャラチャラ…


「先程から何かをお探しのようですが?…

お探しの物はこちらですか?…

彼女達なら大人しくここに最初所から居ましたよ?…

貴方が留守にしている間も!……ぐふふふふ!…」


X字で鎖に繋がれている二人の姿はまるであのゲスデウスの屋敷で見た趣味の悪い絵画の一風景の様に見え!…二人の姿を見たマサツグはただその場に立ち尽くして絶句し!…そんなマサツグの様子を目にしたゲスデウスは勝ったとばかりに口角を挙げ出すと、ここぞとばかりに煽り出す!…勿論この時マサツグを見下す様に玉座から見下ろすと、下卑た笑みを浮かべており!…マサツグへ無能と言わんばかりの言葉を嬉々として掛けるのだが!…マサツグはその光景を見た直後徐に俯き出すと返事をする事無く無言を貫く…


「………。」


「…ぐふ!…ぐふふふふふ!!…

…にしても…貴方には酷い事をされました!…

私の可愛いペット!…

あのドラゴンを殺してくれたんですからなぁ~!…

ただ楽しく散歩をさせていただけだと言うのに!…」


「ッ!…はぁ!…はぁ!……散歩…だと!?…

ッ~~~!!!…寝言を抜かすなゲルデウス!!!

何が散歩だ!!……そのせいで!!…

この国が襲われ!!…ッ~~!!…

民が危険な目に遭ったんだぞ!?…

それだけじゃない!!!…

勇敢なる兵がどれ程志半ばで散って行ったか!!…

ッ~~~!!!…

貴様は自分のやった事に対して責任を感じないのか!?…

その上この様な暴挙を働きおって!!…

…貴様だけは絶対に許さん!!!…絶対に!!!!……」


マサツグがだんまりを決め込んで居るとゲスデウスはマサツグが戦意喪失したと感じたのか、笑みを浮かべながら徐にフィアナの元へ近付き出し…フィアナの顔に手を伸ばし出すと勝ち誇った表情でフィアナの顎をクイっと上げ、今度はマサツグが倒したドラゴンの話を持ち出す!…その際マサツグを恨んで居る様な声色は一切聞こえず、ただネチネチと愚痴るよう、しかし嬉々として話し出し!…その話を間近で聞かされているフィアナも黙って聞いては居られないとばかりに、ゲスデウスに反抗するよう顎でその手を払い除けると、怒りを露わにしては恨み言を口にする!…決して自分達に対してやった事にではなく民や衛兵達!…それらを思いやるようフィアナは説教をする様に言葉を口にするのだが、それが気にいらなかったのかゲスデウスは表情を醜く歪めると、フィアナの左頬に向かって平手を繰り出す!…


__パアァン!!!…ッ!?…


「ッ!?…お姉様!?…」


「だまらっしゃい!!!

分かった様な口を利きおって!!!…

何も知らない小娘風情が!!!…」


__スゥ…ドゴォ!!…


感情に任せるままゲスデウスが一切手加減の無い勢いでフィアナの左頬を叩くと、フィアナの顔は右に流れ跳び!…その平手の衝撃音にビクッとしてミスティーが慌てた反応を見せると、酷く怯えながらもフィアナの事を呼び出し!…その声を掻き消す様にゲスデウスが続けて怒りを露わにすると、右手に拳を握ってはプルプルと震わせる!…そして振り被り勢いを付け出すとフィアナの腹部に目掛けてその拳を突き出し、フィアナの腹部に深々とゲスデウスの拳が減り込むと、フィアナは堪らず苦痛の表情を浮かべる!…


「ウグッ!!…カッハ!!……」


「いつ!…私に!…そんな口を!…

叩いて良いと!!…言いましたか!?

えぇ!?…いつ!!…

私が喋って良いと言いましたか!?」


__ドスゥ!!…ゴスゥ!!…バスゥ!!…ドスゥ!!!…


「ッ!?…イ、イヤアアァァ!!…やめてぇぇぇ!!!

お姉様を傷付けないでぇぇぇ!!!」


腹部を思いっきり殴られた反動でフィアナが目を見開くと、同時に瞳孔が開き!…目に涙を溜めて咳き込んではその場で体をくの字折り、嘔吐しそうになるのだが負けじと歯を食い縛り息を切らしながらも耐えると、フィアナはゲスデウスを睨み付ける!…しかしそんな見るに堪えない様子を目にして居るにも関わらず、ゲスデウスは止める事無く何度もフィアナの腹部を連打し!…その様子を目にしたミスティーは顔を真っ青にすると、半狂乱でゲスデウスに止めるよう叫び出すのだが、ゲスデウスはフィアナの態度が気に食わないのか何度も何度も連打する!…


__ドスゥ!!…ゴスゥ!!…

バスゥ!!…ドスゥ!!!…


「グッ!!…ゴハアァァ!!……はぁ!…はぁ!…」


「……この女が!!…

貴様は後でたっぷりいたぶってやろうと思ったが!…

ふぅ~!…少々取り乱してしまい申し訳ない!…

まだ調教が済んで居ないものでして!……にしても…」


__チラッ!…ッ!?!?!?…


ゲスデウスの暴行は本人の気が収まるまで行われた!…その間フィアナは何度も苦痛の声を漏らし、項垂れては耐え切れなかった様子で吐き出す!…その様子を見てはゲスデウスは見下した反応で笑みを浮かべ、気が済んだ所でマサツグの事を気にしたのか、徐に謝って見せると今度はミスティーの方をチラ見する!…この時のゲスデウスの表情は何故か突如として恍惚の笑みを見せており、その表情を見たミスティーは否応無しに委縮するのだが…ゲスデウスは関係無いとばかりにミスティーの元に向かい歩き出すと、そのミスティーに言葉を捧げるよう自身の性癖を語り出す!…


「あぁ~!!…ミスティアナ姫!!…

貴方には才能が有る!!!…

その他人を思う苦痛の悲鳴は

私を激しく興奮させる!!!…

貴方の悲鳴は何故そこまで

甘美な物なのか!?…

本当に良いお声をなさっている!…」


「ヒッ!!…」


「あぁ!!…堪らない!!!…

その絶望に満ちた表情!!!…

その綺麗な肌に傷を付けたら

どの様な声で泣かれるのか!?!?…

どの様に許しを請うのか!?!?……あぁ~!…

この国を完全に手中に収めてから頂こうと

思って居ましたが…

いっそここでもう頂いてしまいましょうか!?!?!?」


「ッ!?!?…」


まるでミュージカルでも始まったかの様に語り出すゲスデウスに、ミスティーは当然嫌悪感を持ち!…酷く怯えた様子で悲鳴を上げ、その場から逃げられないと分かって居つつも本能的に逃げようと藻掻き出すと、その様子にまたもやゲスデウスは興奮し始める!…そして今にも襲い掛からん勢いで語っては更にミスティーの方へ近付き!…その様子にミスティーも絶望の表情を浮かべては更に抵抗をするのだが、やはり鎖は解けず!…徐々に近づいて来るゲスデウスを前にもう駄目!…と言った具合に目を閉じ諦めそうになって居ると、次の瞬間フィアナはゲスデウスに向かい吠える!…


「ゲホッ!…ゴホッ!……ミ…ミスティーに!!…

触るな下郎があああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


__ゴウッ!!!…


「ッ!?!?!?……ほほう?…

さすがは女王陛下と言った所でしょうか?…

まだ吠えるだけの気力が有るとは!…」


「はぁ!…はぁ!……クッ!!…」


フィアナは咳き込みながらもゲスデウスの居る方へ急ぎ振り向くと、あのマサツグの裁判所でやった気迫の一吠えをやって見せ!…その勢いでゲスデウスの注意を自身に向け、何とかミスティーとの接触を断って見せるのだが、ゲスデウスは全然怯んでは居らず!…寧ろ感心した様子でまた邪魔された事にゲスデウスが苛立ちを覚えて居ると、何やら不穏な空気を漂わせ始める!…


「…では私もそんな女王陛下…

…いや?…元?…でしたね?…

もうこの国は私が手中に収めたのですから…

…とにかく…敬意を表してとっておきの罰を!!…

お与えいたしましょう?…」


____スッ…パチンッ!……バチィ!!…


「ッ!?…」


__ヴァチチチチチイイイィィィィ!!!!!


ゲスデウスはフィアナに対して苛立ちを露にするが、何処か余裕の笑みを見せており…もう自分がハーフリングスの王になった気で居るのか、磔にしているフィアナに対して嫌味の言葉を口にし出すと、ゲステウスは突如フィリアに背を向け始める。そしてカーテンを取り払った時同様に手を上に掲げるよう徐に指をパチンと鳴らすと、次の瞬間フィアナが磔にされて居る磔台に青い静電気が走り!…そのまま高圧電流が流れ出したのか青い光を強烈に放ち始めると、フィアナは背中を逸らせるよう弓なりに硬直しては悲鳴を上げる!


「ッ!?!?!?…

グアアアアアアアアアアァァァァァ!!!!」


「ッ!?!?…お…お姉様アアアアァァァァ!!!」


「ぐふふふふふふ!!…この磔台は特殊でしてねぇ!!…

この様に強力な電流が流れる様になっているのです!…

因みにその磔台の電流に最後まで耐えれた者は

一人として居ません!…さぁて?…

いつまで耐えれますかな?…」


磔台が放つ青い閃光で謁見の間内が満たされようとして居ると、その感電しているフィアナの様子にミスティーは涙を流して叫び出し!…ゲスデウスはゲスデウスでフィアナが感電し叫んでいる様子を後ろに、まるでこれが見たかったとばかりにミスティーの泣き叫ぶ様子を目にすると、大喜びで手を叩き出す!…その際手を叩く音は電流の流れる音で掻き消され、その光景を目の前に自慢と言った様子でゲスデウスは続けて磔台の説明をし始めるのだが!…この時一人マサツグはただ目の前の光景を見る事無く俯き続け!…その音だけを聞いて沸々と怒りを掻き立てて居ると、マサツグの中で何かが切れる!…


__……ブツンッ!!…


「アアアアアアァァァァァァァァァ!!!!…」


「イヤァァァァァ!!!!…

もう!!…もうやめてぇぇぇぇぇぇ!!!

お姉様が!!!…お姉様があああぁぁぁぁ!!!!」


「ぐっふふふふふふふふふ!!!!…いやはや!…

改めて女王陛下の悲鳴も耳にすると中々良い声で

鳴いて!…」


__…ズバァン!!!!……ブツッ!?………


磔台に電流が流され続けるとフィアナは叫びながら苦しみ続け!…その光景を目の前にしているミスティーはただ何もする事が出来ずに泣き叫び続ける!…そしてそんな二人に挟まれる様にしてゲスデウスは至福と言った様子で笑みを浮かべると、ただフィアナに電流を流し続け!…フィアナにも関心を向け出したのか良い声だ!…と言い出して居ると、次の瞬間その電流が不意に止まる!…それと同時に何かを斬る様な音が聞こえ出し、何が起きたのかとゲスデウスが困惑して居ると、ふとある事に気が付く!…


「……ッ?…おや?…止まった?…

何故電流が止まるのです?…

私は止めるよう指示は?……ッ!?…」


「…ッ~~~~!!!……だあぁ!!…

ハァ!…ハァ!……ッ!?…」


「ッ!?…お姉様!?……ッ!?…」


突如フィアナが繋がれている磔台の電流が止まるとゲスデウスはそのまま電流が止まった事に戸惑い、磔台の故障を疑い出すのだが…それ以上にある事に気が付くと途端に青ざめた表情を見せてたじろぎ!…電流が止まった事でフィアナも苦痛から解放されると、鎖に繋がれたまま力無くガクンと項垂れる!…そしてまだ意識は有るのかフィアナは辛そうな表情を見せると、何故か徐に顔を上げ出し…息を切らしながらもマサツグの方に視線を向け、そのフィアナの様子にミスティーも一時的ではあるが安堵した様子を見せると、釣られる様にマサツグの方へ視線を向ける!…この時一体何が有るのか?…と言った具合に困惑した様子を見せるのだが、そこには大剣でなく刀を手にして居るマサツグの姿が有り!…マサツグの姿はまるで抜刀術を繰り出した様なポージングで固まっており、その光景を見て本当に一体何が有ったのか?…とミスティーが更に困惑の様相を見せて居ると、その答えを教える様に突如としてゲスデウスは叫び出す!…


「う!?…うわあァアアぁぁぁアアぁぁぁあ!!!」


「ッ!?…な、何!?…ッ!?…」


__ブシャアアアァァァァ!!!…


突如として自身の隣でゲスデウスが叫び出し!…その叫び声にミスティーは酷く驚き怯えた反応を見せると慌てて振り返るのだが…そこで見たモノとは自身の右腕を押さえては悶絶しているゲスデウスの姿で、その押さえている右腕を良く見て見ると何か鋭利な刃物で斬られたのか、ある筈の肘から先が見事に斬られては地面に転がって居た!…そして当然その斬られたであろう右腕からは血が噴き出し始めると、その様子はまるで噴水の様に見え!…その光景を目にしたミスティーは恐怖に顔を引き攣らせると、目を閉じてゲスデウスから顔を背け!…フィアナはフィアナでその原因を知って居るのかマサツグを一点に見詰めては、同じ様に顔を恐怖に引き攣らせていた!…何故なら!…


__フォン!!……


「……ふぅ~……」


マサツグは腰を落として右足を前に出すと左手で鞘を握り、そして右手で刀を握ると勢い良く抜いては斬り上げるよう固まって居たのだが…その硬直が切れた様に動き出しては刀を一振りし、まるで斬ったと言わんばかりに一息吐き出すと、刀を抜いたままゆっくりとそのゲスデウスに向かい歩き出す!…この時フィアナの目からはまるでマサツグが死神の様に見えたのか、ゲスデウスの手が飛んだ事に対してではなく!…マサツグの様子に恐怖しており!…ゲスデウスはゲスデウスで痛みが無いのかただ血を止めようと必死になって居ると、徐にマサツグの方に振り向いては文句を言い出す!…


「ッ~~~~!!!……き、貴様ぁぁぁぁ!!!

よくもこの私の右腕を!!…グッ!!…

絶対にゆるさ!!…」


__コッ…コッ…コッ…コッ…ッ!?!?…


ゲスデウスの文句は言わずもがな…自身の腕を斬り飛ばされた事であり、酷く激昂した様子でマサツグに食って掛かるのだがマサツグは全く態度を改めず!…寧ろ怒りを燃やした様子でゆっくり歩き続けると、今まで俯いていた顔を上げ始める!…すると如何だろう!…そこに有ったのはこのゲームを始めてまだ誰にも見せた事の無いマサツグの殺意に満ちた眼光で有り!…フィアナがその眼光を見て思わず委縮してしまう程の恐怖を覚えて居ると、ミスティーもその異変に気が付いた様子で恐る恐る目を開け…まだマサツグと知り合ってから然程時間が経っていないにしてもハッキリと分かる位のマサツグの殺意に!…フィアナ同様恐怖を感じて思わずその身を震わせて居ると、マサツグはゲスデウスに対して一言呟く!…


「……もういい…黙れ、下種野郎…」


__ゴアアァァ!!!…ッ!?!?!?…


当然そのマサツグの一言からもヒシヒシと殺意が感じられる何か重力の様な物が感じられ!…マサツグがゲスデウスに対して明確な殺意を見せる様に刀を手に歩き続けると、その背後からは何とも言えない黒い炎の様な覇気が見え始める!…宛ら本気で始末しようとしている魔王が歩いて居る様な!…そんなマサツグの様子にフィアナとミスティーは絶句し、マサツグの一言にゲスデウスが怯んだ様子を見せて後退りをすると、足を滑らせては尻餅を着き…それでも這いずりながら慌てて後ろに下がり始めると、何も無い空間から突如黒い球体の様なモノを出現させる!…


「ヒ!?…ヒイィィ!?…

な、何なんだ!?…この人間は!?…

《しょ、召喚!!…

歩く瓦礫の騎士よ!!…我を護れ!!!》」


__ぱあああぁぁぁ!!!…ゴゴゴゴゴ!!!…


「…ッ!……。」


__ゴゴゴゴゴ!!!…ガシャアァァン!!!…


怯えた様子でその黒い球体を出現させるとゲスデウスは魔法陣を作り出す!…その際魔法を唱えるアシストをしているのか、その黒い球体は光り出し!…一つだけではなく二個!…それも乗用車位の幅の魔法陣を二個並べて生成し出すと、その魔法陣より見覚えの有る岩の塊が姿を現し始める!…恐らくハーフリングス攻略の際に準備したモンスターであろう二体を呼び出すと、ゲスデウスはそのままマサツグを始末する様に命令し!…その見覚えの有る岩も完全に姿を現した所で動き出すと、命令を順守する様にマサツグに向かい出す!…


__ゴゴゴゴ!!…ガシャアァン!!…

ゴゴゴゴ!!…ガシャアァン!!…


「……鑑定(アプレェィザァル)!!…」


__ピピピ!…ヴウン!…


 -----------------------------------------------------------------------


「ストーンゴーレムナイト」  


 Lv.55


 HP 12000 ATK 540   DEF 490


      MATK 0  MDEF 0



 SKILL


 強化外殻 Lv.10 強化装甲 Lv.10

 -----------------------------------------------------------------------


__コッ…コッ…コッ…コッ……ヴン!!…

チャキッ!!…スラァァ!!…


マサツグの目の前に現れたのはあの洋館の地下で見つけたゴーレムの強化体か、その腕は鋭利な突撃槍が付いている様に尖っており!…更にあの岩をくっ付けただけのやっつけ仕事観は何処にも無く!…ちゃんと人の型に成形されて、ただでさえ頑丈だった岩に西洋風の鎧を身に纏って居ると!…更に頑丈さに磨きを掛けた様な姿で現れては、マサツグに向かい歩みを進めていた!…だがその動きはやはり遅く!…何処かぎこちなさを感じ…マサツグはマサツグで慌てる事無く安定の初手から入り、大剣をインベントリに仕舞うともう一本の刀…右手に春風刀・左手に夏海刀と装備し、抜刀して止まる事無く歩き続けると、その姿にフィアナ・ミスティー・ゲスデウスの三人を驚かせる!…


「ッ!?…ば、馬鹿な!?…

この目の前の化け物が見えていないのか!?…

ッ~~~~!!!や、やれ!!!…

その大馬鹿者を片付けてしまえ!!!」


__ゴゴゴゴゴ!!!…ヴオォン!!!…

ドガアアァァァァン!!!!…


両手に凶器()を握り!…殺意を漲らせ!…ただ歩くマサツグの姿は三人から見れば宛ら死神に見えた事であろう、目の前にゴーレム達が居ると言うのに全く歩みを止めず!…むしろ自分からそのゴーレム達の間合いに入り出すと、ゲスデウスは更に困惑し…構わずゴーレム達に改めて命令を出すと、ゴーレム達はその鋭い腕を引いてはマサツグ目掛けて突き立てる!…辺りにその突き立てた際の轟音が響き、土埃も巻き上がり!…マサツグの姿が土埃に消えた所で、ゲスデウスは直撃したと言う手ごたえを感じたのか、大笑いをし始める!…


「…ふ…ふふふ!!…

…ぐっふぁっはっはっはっはっは!!!…馬鹿め!!…

あの攻撃をまともに喰らいおったな!?…

何が勇者か!?…ただの馬…鹿……ッ!?」


__コッ…コッ…コッ…コッ……


ゲスデウスは勝った!…と確信した様子で大笑いしながらマサツグの事を馬鹿者と笑い飛ばし、マサツグが土埃に隠れる前の様子を見せられてフィアナとミスティーも直撃したと感じたのか…苦虫を噛んだ様な悔しい表情を見せるのだが…そんなゲスデウスの期待を裏切る様に!…その足音は一切消える事無く謁見の間内に響き続ける!…そしてその土埃の中から徐々に人影が見え始めるとその様子に三人は驚き!…ゲスデウスに至っては青褪め!…慌てた様子でゴーレム達に命令し始める!…


「ッ!?…ヒ、ヒィ!!!…

お…おい、このポンコツ共!!!…

早くこの愚か者を!!……」


__ピシピシピシピシ!!……


「え?…」


__ガラガラガラガラガラ……


土埃の中から徐々に近づいて来る人影にゲスデウスが恐怖すると、地面を突いた状態のままで動かないゴーレム達に慌てて再度命令を出すのだが…ゴーレム達は命令に従うどころか全く動かず!…寧ろそのゴーレム達の体に無数の線が通った様な光が入り出すと、その光景を見たゲスデウスは戸惑い始める…何故急にそんな物が?…完全に困惑し動かないゴーレム達を見詰めて居ると、その体に入った線が切れ目になるよう突如としてゴーレム達の体は崩壊して行き!…その光景を目にしたゲスデウスが酷く驚いた様子で絶句すると、その崩れた際の土埃でまたもや人影は見えなくなる!…その際フィアナとミスティーはゲスデウス同様酷く驚いた表情を見せるのだが、マサツグは生きて居ると確信し!…ゲスデウスはゲスデウスでただ土埃を見詰めて戸惑って居ると、ハッと我に返って有り得ないと嘆き出す!…


「……ッ!?!?!?…

そ…そんな!……そんな馬鹿な!!……」


__コッ……コッ!……コッ!!……コッ!!!……


「ッ!?!?!?…

…ハッ!…ハッ!…ハッ!…ハッ!…

な…何なのだ?…何なのだぁぁぁぁああ!!!」


ゲステウスは当然いとも簡単に倒されたゴーレム達の…変わり果てた瓦礫の山を目にしては困惑を隠せないで居た!…思わずあの土埃の中で何があったのか!?と悩み出すのだが、そんな事を考えている間にもマサツグは一歩!…また一歩!…と近づいて来る!…そしてそれに比例するようゲスデウスは謎の息苦しさを覚え出すと、同時に謎のプレッシャーも感じ始め!…徐々に追い込まれて居ると言う自覚を感じては発狂し、更にマサツグに対して恐怖心を覚え続けて居ると、更に伏兵を出し始める!…


「ヒ!…ヒヒヒヒ!!…ヒイィィ!?!?…

こ、こうなれば!!!…お、おい!!…

貴様らも出て来て私を護れ!!!…

あの化け物を倒した奴には思うが儘の

褒美をくれてやる!!!」


__……スゥ……ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「……へへへ!…気前が良いじゃねぇか?…えぇ?…

国王様よぉ~?…」


「へっへっへ!…

アンタに恨みは無ぇがここでくたばって貰うぜ!」


慌てた様子でゲスデウスは謁見の間に有る柱に向かい声を掛け出すと、その柱の陰から伏兵を呼び出し!…私兵やら山賊やら盗賊やら…とにかく雇った連中で壁を作ってはその後ろに隠れる!…そして雇われた連中も主人に似たのか下卑た笑みを浮かべては武器を構えて土埃を見詰め!…今か今か!と言った様子でマサツグに対し身構えて居ると、遂に土埃の中からマサツグが姿を現す!…


__コッ…コッ…コッ…コッ……


「ッ!?…バ、馬鹿な!?…

あのような化け物を相手に無傷!?…

あの者は本当に一体!?…」


「マ、マサツグ様……」


土埃の中からマサツグが姿を現すとその姿はあのゴーレム達と対峙して居たにも関わらず無傷で有り!…その身に掛かって居るのは多少の埃…表情も全く変わって居らず、あの殺意向き出しの鋭い眼光で怒りを露わにして居る!…その姿を見てフィアナとミスティーが更に驚いた反応を見せて居ると、思わずマサツグが本当に人間であるかどうかについて疑い出し!…そんな二人を余所にゲスデウスの伏兵達はマサツグが姿を現わすと、一斉に襲い掛かり始める!…


__オラアアアァァァァァァァ!!!!


「行くぞお前ら!!!…

こいつを殺せば報酬は思いのままだ!!」


「あぁ~ん!?…

偉そうに命令してんじゃねぇ!!!…まぁ!…

確かにこの数で行けばあんなの直ぐに!!!…」


「……刹那!!…」


ゲスデウスの伏兵達が威勢良くマサツグに襲い掛かり出すと、余裕と言った様子で言葉を零し!…数で囲めば勝てると信じているのか全く戦術など考えず…無策に徒党を組んで突っ込んで行くと、マサツグは静かに刀を構え出す!…そして刹那を発動すると案の定その輩達の動きはスローモーションに変わり!…逆に余裕と言った様子でマサツグが表情を変えずに動き出すと、次の瞬間その輩達は宙を舞う事になる!…


__ヴウン!!……チャキッ!…ゴウゥ!!!…

…ドバアアァァァァン!!!!


「ッ!?!?!?…ヒ、ヒイイイィィィィ!!!!!」


伏兵達の攻撃を一切受ける事無く!…ゲームが変わった様に無双して見せると、その輩達は宙を舞う!…その一瞬の出来事に喰らった方は一切理解する事が出来ず、ただ吹き飛ばされるとそのまま受け身を取る事も出来ずに地面に叩き付けられ!…まだ襲い掛かって居ない伏兵達はその光景を目にして、途端にその動きを鈍らせる!…そしてその吹き飛ぶ光景を後ろで見て居たゲスデウスは衝撃映像を見た様に慌て出し!…もはやこれ以上驚く事も無いとばかりにフィアナとミスティーがマサツグを見詰めて居ると、伏兵達は勝てないと感じたのか逃走を図る!…


「ッ!?…な、何だよコレ!?…聞いてないぞ!?…」


「あの人数で襲い掛かったってのに!?…

かすり傷一つも!?……お、俺は降りるぞ!?…

こんな化け物相手にしてられるか!!…」


「お、俺も降りる!!…こんなの冗談じゃねぇ!?…」


「ッ!?…お、おい貴様ら!!!…

何処へ行く!!!…私を護らないか!!!!」


ゲスデウスはその光景に竦み上がり!…フィアナとミスティーは改めて恐怖する!…何故ならマサツグの表情・顔色は一切変わっては居らず、ただ淡々と仕事をこなすロボットの様に障害を排除して行くから!…あっと言う間に大量の仲間が一撃で葬られると、残っている伏兵達は恐怖すると慌てて逃げ出し!…ゲスデウスが慌てて呼び止めるが一切足を止めずにその場を後にすると、ただ残る音はマサツグの歩く足音だけになる!…


__コッ!!!……ッ!?!?!?!?…


「ヒ、ヒイイィィィ!!!…ッ!?…

ま!…待ってくれ!!!…

と、取引をしようじゃないか!!…」


__コッ………


「……よし!…お、お前!…ッ!?…いやいや!…

君には今回の冒険者の仕事の金額!…

倍額を払う事にしよう!!…

それでこの件は手打ちとして!…

君はそのまま何事も無くこの国を去る!…

それで如何!…」


もはやゲスデウスに残った手段は無いのか、ただ謁見の間内にマサツグの歩く足音が響くと怯え続け!…徐々に迫って来るマサツグを眼前に滝の様に汗を掻いていると、咄嗟に思いついた様子でハッとしては残っている腕を突き出し制止を呼び掛ける!…するとマサツグはまだ一応聞く耳を持っていたのか、言われた通りに足を止め…ゲスデウスはそれを見てまだチャンスは有ると感じたのか、徐にお金の話を持ち出し…マサツグの事を一度は見下した様子で話し掛けるのだが慌てて訂正し出すと、そのまま引き下がる様に提案をし始める!…その際フィアナとミスティーはマサツグが足を止めた事に戸惑った反応を見せるのだが、マサツグはその話を聞いて再びゲスデウスに向かい歩き出すと、その様子にゲスデウスは再び慌て始める!…


__……コッ!…コッ…コッ…コッ…


「ッ!?!?…ヒィ!!!…

わ、分かった!!!…じゃ!…じゃあ、三倍!!

三倍でどうだ!!…」


__コッ…コッ…コッ…コッ…


「う!?…うぐぅぅ!!!…

こ、こうなれば十倍!!!!…十倍だ!!!…

これだけあれば当分の間は遊んで暮らせる!!!…」


__コッ!!…コッ!!…コッ!!…コッ!!…


更に近付いて来るマサツグを相手にゲスデウスは慌て続けるが、まだ諦めないのか交渉を続ける!…怯えつつも額を三倍にして興味を引こうとするのだが、マサツグは靡かず!…その様子に恐怖してゲスデウスは更に金額を十倍と吊り上げるのだが、やはりマサツグは足を止めない!…寧ろ心成しかマサツグの歩くスピードが速くなった様な気を感じ!…ゲスデウスが顔面蒼白にして居ると、最後の賭けに出るようマサツグにこう言い放つ!…


「ひゃ…百倍ィィィィィ!!!」


__コッ!!!…コッ!!!…コッ!!!…コッ!!!…


「ッ~~~~~!!!!…ッ!?!?!?…」


何とも情けない声を挙げて両腕で防御の構えを取ると、目を閉じてマサツグに完全降伏するようへたり込み!…更に余程恐怖したのか失禁までし始めると、突如としてゲスデウスの耳からマサツグの足音が聞こえなくなる!…その足音が聞こえなくなった事にゲスデウスは困惑し、恐る恐る防御を解いて目を開けると、そこにはマサツグが見下した状態でゲスデウスの前に立っており!…その光景に驚きゲスデウスが絶句して居ると、マサツグは何も変わらない様子でゲスデウスにこう言い出す!…


「……元が0な物に何を掛けても

ゼロはゼロのままだろ?…」


「ッ!?!?……え?…」


「それに言った筈だぞ?…俺は!…お前に!!…

もう黙れって!!…」


「ッ!?!?!?…」


この時のマサツグは本当にキレていた!…そのゲスデウスの性根が腐り切って居る事に!…それは今更確認しなくても分かって居た事なのだが、改めて目にすると更に怒りが沸き立ち!…コイツは自分が猛烈にキレている理由が分かって居ない事を理解すると、ただマサツグの目は殺意に満ち溢れており!…冗談を言う様な生優しさ等1mmも居ないのであった!…こうしていつでもゲスデウスに斬り掛かれる位置にマサツグは陣取り!…最初から最後まで!!…ゲスデウスに対して殺意を向け続けるのであった!…



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