-第二章五十三節 まさかの二段構えと不吉な黒煙と走るマサツグ達!-
マサツグとシロの連携により地下に居たゴーレム、二体の内一体はコアを失うとただの瓦礫と化し…その光景を見てマサツグがホッと安堵すると、漸くブラブラとしているシロの様子に気が付いたのかスッと降ろし始める。その際強制的にスタン状態を解除する様に動いたせいか、色々と体が軋む様な感覚を覚えるのだが、それも徐々に和らぎ解け出すとマサツグは改めてシロに良くやった!と褒めては頭を撫でる。
__…ポンッ!…ワシワシ!!…ワシワシ!!…
「うおっしゃあぁぁ!!…良くやったぞぉシロぉ!!
にしてもあの技!…
何処で覚えたんだコンチクショウ!!」
「あ…あうぅ~~~♪…ご…ご主人様ぁ~!…
痛いですぅ~!…」
__パタタタタタ!!!…
シロの頭を撫でる際、マサツグはシロがやって見せたゲイルジャッジメントモドキを褒めつつ!…感情を爆発させるよう乱暴にワシワシと撫で続けて居ると、シロは痛いと言っては我慢をする様に笑みを浮かべる。しかし当本人は意外と満更でも無いのか、尻尾を上機嫌に振っては甘える様にマサツグの手へ自身の頭を擦り付け!…シロもシロとて自身の感情へ素直に従うよう甘えて見せて居ると、そんな二人の間を水差すよう…レイヴンが慌てた様子で二人に助けを求め出すのであった。
__ゴゴゴゴゴ!!!…ヴォン!!…
ガシャアアァァァン!!…
「うわっと!!…お~い、ちょっとぉ~!?
まだ終わってない!?…終わってないぞぉ~!?
早くこっちもなんとかして~!!」
「ッ!?…やっべ!?…シロの成長にうっかり!…
今助ける!!…」
__チャキッ!!…ヴワチィ!!!…ドゴオオォォ!!…
ゴーレムからの攻撃を必死に回避しながらマサツグ達に助けを求めるレイヴン!…その様子は相手が骸骨であろうがハッキリと分かる位に慌てており!…それを見てマサツグがハッ!と我に返ると、慌てて助けに入る!…まずはレイヴンに向いているヘイトを自身に向けるよう雷撃刃を放って怯ませ、案の定ゴーレムのヘイトがマサツグの方に向き出すと、レイヴンは漸く休めると言った様子で崩れては息を整え出す…
「こっちだデカ物!!」
「ぜぇ!…ぜぇ!…
俺…今日一日でどれだけ息を切らしてるんだ?…
魔法使いの運動量じゃないぞ?……ガハァ!!……」
「レイヴンさん大丈夫ですか!?…」
「ッ!…あぁ…何とか……はぁ…
とにかく!…お見舞いしてやらないとな!!…」
レイヴンは改めて考える様に今日一日の運動量について考えさせられて居ると、シロが駆け寄って来てレイヴンの事を心配し!…レイヴンはそんなシロに大丈夫と答える様に手を差し出してお礼をすると、自身の体に鞭を打つよう立ち上って反撃に出始める!…さて、ここからはほぼ作業になる。マサツグがヘイトを稼いでいる間にレイヴンは息を整えつつ魔法を詠唱…コアの場所も同じなのか頭と胸部で、そこを破壊するよう高火力の魔法を繰り出すと、腕の痺れなど感じないまま両方のコアを露出させる!…そして後は簡単とばかりにマサツグが頭・シロが胸部のコアを担当し、一気に破壊してしまうと今度は最後の抵抗をされる事無く事が終わってしまう。こうして漸く安全に檻の中に捕まっている狐耳の女性を助ける事が出来る様になるのだが…戦闘終了後の跡を見て居ると恐ろしい事になっていた!…
「……かっつぁん?…大丈夫か?」
「……多分…あぁ…しんどかったぁ!…」
「だろな?…だってこんな惨状じゃ?…」
完全に安全を確保出来た所でレイヴンはその場に座り込み!…一気に疲労が溜まった様な哀愁を醸し出して居ると、マサツグはレイヴンを心配した様子で恐る恐る声を掛ける。そんなマサツグの問い掛けに対してレイヴンは項垂れたまま返事をすると、ただしんどかった…と言葉を漏らし…その返事を聞いてマサツグが同意するようレイヴンに言葉を掛け…改めて地下の惨状を目にすると、そこにはマサツグが苦戦している間…必死にゴーレムと一緒になって踊って居た跡がハッキリと残されて有った。床はあの硬質なゴーレムの手によって見事にクレーターが出来上がっており、ボコボコに耕されてはもはや歩くのも困難な状態に仕上がっていた。
「……良く逃げ切れたな…これ?……
とにかく…感知!…」
__ピィーン!!…ヴウン!…
「……反応無し!…今度こそ大丈夫そうだな……」
「…はあぁぁ~……あぁ、そうだな…」
そんな惨状にマサツグは驚きながら、まだ他に罠らしき物が無いかを確認するよう感知を発動すると、完全に制圧出来たのかマサツグの目にも…ミニマップにも怪しい反応は出て来ない!…こうして漸く本当の意味で落ち着ける事に安堵すると、レイヴンは深く溜息を吐き…改めてその降りに捕まっている狐耳の女性を助けようと檻に向かい歩き出し、そのまま難なく檻を解除して無事救出して見せると、次にはトンデモナイ言葉を聞く事になる!
__ガチャンッ!!…キイイイィィィ!!…
「…よし!…大丈夫!?…何もされて居ない!?…」
「げほ!…ごほごほ!…は、ハイ…
た、助けて頂き有難う御座います…ですが…」
__ガバァ!!…ッ!?…
「今すぐここを出て下さい!!…これは罠です!!…」
「へ?…」
檻を開けて中の狐耳の女性を外に出すと、まずは安否を確認する!…見た所怪我はなくとも何かされたのでは?…とゲスデウスのゲスっぷりを疑う様子で、本人に確認を取るとその狐耳の女性はマサツグの質問に対して若干咳き込みながら大丈夫と返事をする。しかし違う何かを心配している様子を見せると、突如としてマサツグに飛び掛かるよう抱き着き!…その様子にマサツグは戸惑い!…オロオロとしている一方で、シロはこの時何故かその狐耳の女性を警戒している様子を見せており!…その様子に気付いて居ないマサツグ達はとにかく戸惑った反応を見せて居ると、レイヴンが気を利かせてか…その狐耳の女性を落ち着かせに掛かる。
「ちょっ!!…ちょっと落ち着いて!!…
一回深呼吸を!……」
「これは!!…
レッドドラゴンを倒した人間をここに誘き寄せ!!…
その隙にハーフリングスを陥落させる為の
時間稼ぎなのです!!…
ここにゲスデウスは居ません!!…
もう!…ハーフリングスに!!…」
「ッ!?…ちょっと待て!?…
ゲスデウスはここに居たのか?…
てかハーフリングスを落としにって!?…」
「急いでください!!…
私の事は置いて大丈夫です!!…
早く貴方達はハーフリングスに!!…」
レイヴンは戸惑いながらも深呼吸をして落ち着く様に女性へ声を掛けるのだが、その狐耳の女性は一向に落ち着かず!…寧ろ慌てる一方でこれが罠だと言う理由をマサツグ達に話し出すと、ハーフリングスが危ない!と半狂乱になりつつ訴える!…その際ゲスデウスからその話を聞いたのか、今の今までゲスデウスが居た事を話し出し!…それを聞いてマサツグが更に戸惑いを見せて居ると、狐耳の女性はただ急ぐよう!…自分の事は放置して構わない!と言い出すと、その言葉を聞いたマサツグとレイヴンは困惑の様相を見せる!…
「ちょ!?…は!?…そんな事出来る訳!!…」
「私は大丈夫です!…早く!…
早くお戻りください!!」
「で…でもアンタここが何処か分かっているのか!?…
この上はアンデットで一杯なんだぞ!?」
「気配を隠すのは得意です!!…
それにアンデットはそんなに足は速くない…
私の本気には着いて来れる筈が有りません!!…
ですから…早く!!」
自身の耳を疑う様に!…驚き困惑した反応を見せて居ると、狐耳の女性の言葉を却下しようとするのだが、狐耳の女性はただ縋る様にマサツグ達へお願いをし続け!…そんな様子にレイヴンも無理だと分からせるよう、この洋館内について説明をするのだが!…狐耳の女性は逃げ足に自信が有ると言っては言う事を聞こうとしない!…このままだと話は平行線でどうしようもないのだが、もしこの狐耳の女性の言う通り!…ハーフリングスに危険が及んでいると考えると、ここで立ち止まっている場合では無く!…一応本人の意思を尊重し、マサツグ達は互いに顔を見合わせては急ぎハーフリングスへ戻る事を決めると、最後にその狐耳の女性に確認を取り出す!…
「……一応言いたい事は理解した…けど!…
本当に置いて行って大丈夫なんだな!?…」
「ッ!…はい!…大丈夫です!!…
少し休んでから直ぐに!!…
ですから先を急いで下さい!!…」
「……しょうがない!…とにかく俺達は戻るぞ!…
あぁ!…アンタも!!…絶対に無理はするなよ!?…」
__バッ!!…タッタッタッタッタッタ!!…
一緒に連れて出た方が良いに決まっている!とは思いつつ!…最期にマサツグは狐耳の女性に確認をすると、狐耳の女性は決意を固めた表情で頷き返事をする!…とにかく急ぐ様に!…ただこれだけしか言わない女性にこの時二人は何の違和感を持つ事無く、返事を聞いた所で狐耳の女性を心配しつつ立ち上ると、急ぎ地下室を後にするのだが!…よくよく考えるとこれも罠なのでは?…と一階に戻って来た所でレイヴンが考え出して居ると、その洋館の一階の窓から驚くべき光景が見られる!
__コッコッコッコッコ!!…
{……さっきの狐耳…本当の事を言って居たのか?…
何かここまで来ると出来過ぎている様な?…
ここまでトントン拍子ってのも気になるんだが?…
何より自分の事を後回しにして国の事って?…
普通の心構えじゃ出来ねぇよな?…
……まるでこうなる事を知って居た様な?…}
「………ッ!?…おい、アレ!!…」
「え?…ッ!?…」
まず最初に気が付いたのはマサツグであった!…恐らく外へ飛び出す際、まだあの玄関口に置いて来たアンデッド達が徘徊して居るかどうかを気にしたのだろう…窓から外を確認するようチラッと見るとそこには遠方より黒煙が上がっている光景が見て取れ!…その異変にマサツグが慌てて気付いた反応を見せると、レイヴンに声を掛けてはその光景を指差す!…そしてそのマサツグの慌てようを聞いたレイヴンも俯き考えていた顔を上げると、マサツグの戸惑い様に気が付き…レイヴン自身も戸惑いの言葉を漏らしつつその指差す方を確認すると、そこにはマサツグが慌てて居る原因の黒煙が上がっており!…同じ様に驚いた反応を見せると、マサツグはレイヴンに尋ねるよう戸惑いの言葉を漏らし出す!…
「あの方向って確か!…」
「ハーフリングス!!……本当にヤバそうだぞ!?」
「クソッ!!…って事はこれってあのネズミの掌で
踊らされてたって事か!?…ムカつく!!…
道中の敵はほぼほぼ無視して駆け抜けるぞ!!…
邪魔な奴だけ相手すりゃいい!!」
「はいです!!」
窓から見えるその黒煙の様子にマサツグが尋ねるようレイヴンへ声を掛けると、レイヴンは声に戸惑いの色を見せては正直にマサツグへ答える!…そして地下の狐耳の女性が言って居た言葉を真実として受け取ると、レイヴンは若干の罪悪感を覚え!…とにかく急ぐ事だけを考え足を動かして居ると、一同はただ洋館の玄関口へ向かって我武者羅に駆け抜ける!…その際マサツグはゲスデウスに対して苛立ちを隠せない様子で文句を言ってはシロやレイヴンに指示を出し!…シロが元気良く返事をして居ると、道中のアンデッド達をガン無視して玄関から飛び出す!…すると…
__ダダダダダダダダ!!!…
バアァン!!!…ッ!?…
__ヴァアアアァァ…
「チッ!!…やっぱ出待ちしてやがった!!」
「ご主人様!!…」
「しゃ~ない!!…一気に駆け抜け!…」
マサツグ達が玄関から飛び出すとそこには待ってましたとばかりに!…あの時のアンデッド達が集まっており!…呻き声を挙げては両手を前に突き出し、また襲い掛かろうとゆっくり間合いを詰め始める面倒臭い様子が有った!…その光景を見てマサツグは途端に舌打ちをすると、面倒臭いと更に苛立ちを覚え!…シロはシロで如何する?と言った様子でマサツグの事を呼び出すと、マサツグは突っ切るつもりで大剣を構え出すのだが…そんなマサツグ達よりも先に反応した様子でレイヴンが魔法を詠唱し始めると、何やら今までとは違う雰囲気を漂わせる!…
__コオオオォォォ!!!…
「…二種詠唱!!…
《頑強なる岩石よ!!…我が目前の敵を押し潰し!!…
その偉大なる力を証明せよ!!…
分け隔てなく見せるその力に!!…我は思う!!…
敵は無し!!…ガイアスマッッッシュ!!!!》
__ドゴゴゴ!!!…ゴオォォ!!…
ドグオォォォンン!!!……パラパラ…
レイヴンはスキルを発動したのか…自身の足元に魔法陣を形成すると、上級魔法を詠唱し出し!…マサツグ達の目の前で巨大な岩の塊を二個精製して見せると、何の躊躇いも無しに目の前のアンデッド達へ向けて撃ち放つ!すると如何だろう…その巨大な岩の塊二個は一直線にブレる事無くアンデッドの大群へ向かって直撃すると、轟々たる衝撃音と共に巨大なラッセル痕を作り出し!…アンデッド達をその岩で一掃してしまい!…更にあの墓地の迷宮をも薙ぎ倒して一本道を作り出してしまう!…そしてその光景を目にしたマサツグとシロは驚いた様子で固まると、思わずあんぐり口を開けてしまう!…
「ッ!?……へ?…」
「…ふぅ……こんなもんか?…
とにかく急ぐぞ!!」
「……ッ!?…あ、あぁ!…」
その余りの光景!…惨状!…先程の地下の光景を彷彿とさせるのだがそれ以上にえげつなく!…アンデッド達は岩の下で成仏しているのか、ただレイヴンの放った巨岩の下から僅かばかりに光りが漏れ出すと、アイテムがポロポロとドロップされ始める!…そしてその光景は何処をどう見ても岩がアイテムをドロップして居る様にしか見えず、それはそれは奇妙な光景に見えてしまい!…そんな光景を目の前にマサツグとシロが驚いた表情のまま固まって居ると、レイヴンはただ急ぐ様に!…何事も無かったかの様に声を掛け出す。そんな言葉にマサツグもハッ!と我に返ると戸惑いながらも返事をし、シロに手を振って付いて来るよう合図をすると、シロも驚いた様子で言葉を口にする。
「……すっごいのです!…」
「……チッ!…
クソ忙しい時に態々出て来やがって!!…
とっとと土に帰れってんだ!!…」
「…ッ!?…レ、レイヴンさん?…」
ただその光景を目を丸くしては驚いた様子で見詰め!…レイヴンの後を追う様にマサツグとシロが歩いて居ると、レイヴンは余計にTPを消費させられて事で怒っているのか、アンデッド達に対して怒りをぶつけ始める!…文字通り土に還る事となったアンデッド達にマサツグは思わず同情をしてしまいそうになる中、その墓地の迷路ゾーンを突っ切り!…再び駆け出す様に洋館を後にすると、急ぎ森の中へと入る!…しかしここでもマサツグ達の行く手を遮る様に!…邪魔をするモノが多数出て来る!…
__ザッザッザッザッザ!!…
…バッ!!…グギャアガアアア!!…
「ッ!?…そうだよな!?…
やっぱり出て来るよな!?」
「くっちゃべってる暇は無い!!…
さっさと終わらせるぞ!!」
「はいです!!!」
洋館を後にすると同時にアンデッド達を振り切ったと言うのに!…今度はゴブリン達が空気を読まずに突如として姿を現すと、マサツグ達の前を遮る様に武器を構えては威嚇をし始める!…当然こちらの都合など全く知らないゴブリン達は獲物が来たとばかりに意気込んでおり!…突如出て来たゴブリン達に対してレイヴンは予想出来ていた居た様子で話し出すと、マサツグは構っている暇は無いとばかりに大剣を構え始める!…それに合わせてシロも身構え出すと、マサツグ達とゴブリン達との間にバトルフィールドが生成されて行き!…森のど真ん中で戦闘が始まると、早く片を付けるようマサツグ達は動き出す!…
__グギャアガアアア!!!
「このクソ忙しい時に!!!…
えぇい!!…邪魔だあああぁぁぁぁ!!!」
__バシュン!!…ザシュッ!!ドシュッ!!…
…グガガ!?…
「一気に押し通る!!!」
マサツグ達が動き出すと同時にゴブリン達も動き出す!…いつもの様に棍棒を片手に飛び掛かるようゴブリン達は襲って来るのだが、マサツグは手慣れた様子でひらりと半身で躱して見せると、そのままカウンターを入れる様に大剣で横に薙ぎ払い!…次々飛んで来るゴブリン達を一撃で葬って行く!…そうして目の前で仲間が倒れて行く光景を見てゴブリン達は戸惑いの様相で見詰める中、マサツグは構わず進み続け!…その際進路を妨害された事に怒りを覚えるよう、吠えながらゴブリン達を処理して行くのだが、それでも抵抗をするのか倒しても倒しても次々に増援が来ては、一向に戦闘が終わる気配を見せないでいた!…
__ザシュッ!!……プオオォォォォ!!…
グギャガガガガ!!!
「ッ!?…チッ!…やっぱり呼んでやがった!!…
まとめて倒さねえと終わらねぇってか!?…
クソったれ!!…時間がねぇってのに!!」
「ッ~~~!!…ヤブ!!…退いてろ!!」
「あン!?…ッ!?…」
幾ら斬っても後から後から湧いて来る!…マサツグも最初は数匹しか居ない!と…さっさと終わらせる!と言った具合に相手をして居たのだが…明らかに最初の時よりゴブリンの数が増えている事に気が付くと、面倒臭さと焦りからか更に怒りを露わにし始める!…それに対しゴブリン達はと言うと数で押し切るつもりか、今だに仲間を呼ぶ素振りを見せており!…その様子にマサツグが更にイライラを募らせていると、レイヴンも一気に片付けようと魔法を唱え!…マサツグに下がるよう声を掛け出すとマサツグは苛立ちながらも振り返り、そこであの巨石が浮いている光景を目にすると、慌てた様子で避け始める。そして!…
「…ガイアスマッシュ!!!」
__ドグオォォォォォォォンンンン!!!…
…ギャガアアアァァァ!……
「ッ!?!?………うわぁ…」
巨石をゴブリン達に向けて撃ち放つとアンデッド達の時と同様…轟々たる衝撃音と共に巨大なラッセル痕を作り出し!…跡形も無く押し潰してしまうとそのまま戦闘を終了させる…そして二回目のガイアスマッシュの威力を見てマサツグが思わず絶句して居ると、その光景に思わず呆然と立ち尽くし…レイヴンはレイヴンであの魔法を唱えるのは結構しんどいのか?…地面に杖を突いて俯き出すと、ただ静かに息を切らし始める…しかしレイヴン自身休んでいる暇は無いと思って居るのか、直ぐに体を起こし出すとマサツグに急ぐよう声を掛け出す!…
「ぜぇ!…ぜぇ!…
…そ、そんな所で突っ立ってる場合じゃ無いぞ?…
さぁ!…急いで戻るぞ!」
「ッ!…あっ…あぁ…
…って、そんな状態で言われても
急ごうって気にならねぇよ!!
あぁ~っと…ッ!…とにかくこれでも飲んどけ!」
__ゴソゴソッ…シュッ!…パシィ!…
「ッ!…あっ…あぁ…サンキュー…」
レイヴンに急ぐよう声を掛けられてマサツグがハッ!と意識を取り戻すと、レイヴンの方に振り向いて返事をするのだが…そこには杖を突いて歩くフラフラとしたレイヴンの姿が有り、マサツグはその様子を見るなりツッコむ様に心配の言葉を掛けると、自身のアイテムポーチからTPを回復するポーションを2種類取り出す。それをレイヴンに向けて投げ渡すと飲む様に言い聞かせ、レイヴンも突如ポーションを投げ渡された事に戸惑うのだが…無事受け取って見せると、封を切ってポーションを飲み干し始める。
__キュ~…ポンッ!…
「…二十~四時間たったっか~えますか?っと…」
「……それ本ちゃんも歌ってたけど流行ってんの?…」
「ッ!…いや…そう言う訳や無いけど……ほら?…
何と無くないか?…思わず歌ってしまう事?…」
「うぅ~ん…分からなくも無いが?…」
何処かで聞き覚えのある歌を歌いながらレイヴンがポーションを飲み干すと、マサツグはその歌が気になったのかモツも歌っていた事を話してはレイヴンに質問をし…レイヴンはその質問に対して戸惑った反応を見せると無意識と答え、更にマサツグにこう言った事は無いのか?と逆に尋ね出すと、その質問にマサツグは困惑しつつも「有る」と答える…そんなつかの間の休息も直ぐに終えると改めてマサツグ達はハーフリングスに向かい駆け出して行くと、遂に森を抜け!…ハーフリングスの街道にまで戻って来るのだが、その際ハーフリングスからは黒煙が彼方此方から!…更に剣戟音や衝撃音!…更には戦って居る勇ましい掛け声に悲鳴など色々なモノが聞こえて来ていた!…
「ッ!!…森を抜けた!!…ッ!?…」
__ガキィン!!…ドオォォン!!…
ワアアァァ!!!…キャアアァァ!!…
「……観光に来ていた冒険者達が戦っている様だな!…
…にしても!…」
「まだ結構距離が空いてるってのに
ここまで聞こえるのか!?…とにかく急ぐぞ!!」
声を聞く限り冒険者達!…衛兵達が共闘してその侵入者達と交戦をしている様だが状況は芳しくない様子!…まだ距離が開いて居ると言うのに色々なモノが聞こえて来る事にマサツグ達は戸惑いを覚えつつ!…とにかく急ぐ様にまたマサツグ達は走り出すのだが、またもや行く手を遮る様に!…今度は明確に邪魔をすると言った意思の感じられる者が、突如として目の前に飛来して来る!…
__ヒュンッ!!…
「ッ!?…な、何だ!?…」
__バッサバッサ!!…
「ココカラ先ハ行カセン!」
マサツグ達が急ぎ駆け付けるようハーフリングスの街道を走り抜けて居ると、突如として自分達を追い越す様に黒い影がマサツグ達の頭上を通り過ぎる!…その影に気が付いたマサツグが立ち止まり、釣られてレイヴンとシロが足を止めると上空を見上げ!…その黒い影は先回りするようマサツグ達の前に突如として姿を現すと、ただ通さないと言い出し始める!…その際目の前に現れた者の見た目は如何にも…某直ぐにパンツ一丁になる騎士が主人公のアクションゲームに出て来る…赤い悪魔に似た灰色の悪魔が宙に浮いて居る様に見え、マサツグとレイヴンは勿論既視感が有るのか?…ただ宙に浮遊する悪魔の姿を目撃すると、困惑の様相を見せる。
「ッ!?…え?…これって?…」
「……えぇ~っと?…槍かナイフ?…
いやコイツを相手にするなら個人的にはボウガンか?…」
「アノ方ノ命ニヨリ貴様達ヲ排除スル!!」
__ゴアァ!!…バシュン!!!…ッ!?…
その余りのクオリティーに思わずマサツグとレイヴンは別ゲームで考えてしまい…倒し方について考えて居ると、向こうはやる気なのかこちらが身構える前に向かって来る!一度反動を付ける様に下がった様な挙動を見せ!…勢い良く飛び出すとまずはマサツグに向かい突進し始める。急降下も加わって居る為速度の付いており!…その攻撃にマサツグが驚いて居ると、決着は意外と…呆気無く着いてしまう!…何故なら…
__ヒョン!…ッ!…フォ!!…ズバァン!!!……
「ッ!?…ナッ!?…」
「ッ!?…シ、シロォ!?…」
「…ご主人様大丈夫ですか!?」
シロがいきなりマサツグの前に飛び出して来ると軽く飛んで見せ!…ハイキックをその悪魔目掛けて繰り出すよう綺麗に足をピンと伸ばして放つと、いつもの様にカマイタチを起こし!…そのまま向かって来た悪魔を頭から真っ二つに裂いてしまうと、その悪魔はマサツグを避ける様にして斬られた所から左右に展開!…そのまま地面に転がる…余りの呆気無さにマサツグやレイヴン…喰らった本人でさえも戸惑った反応を見せるのだが、その肝心のシロはと言うと綺麗に着地してはただマサツグを心配しており…とにかく突然の出来事に全員が全員戸惑った反応を見せ続けて居ると、レイヴンは気を利かせる様にこう言い出す…
「……魔界はシロちゃんを連れて行けば恐らく…
いや、簡単に二周位は出来そうだな?…」
「……女神の腕輪要らず?…」
__ポンッ…なでなで…ピクッ!…ッ~~~~♪…
まだそのネタを引っ張っていたのか…ゲームネタをレイヴンが口にすると、マサツグも乗っかる様に口にし…戸惑いつつもシロの頭を撫でると、シロは耳をピクっと反応させてはマサツグに甘え出す。そうして地面に転がる悪魔も有り得ない!…と言った様子で、痙攣しながら真っ二つに斬られたにも関わらず!…ただシロの攻撃に驚いた様子を喋り出すと、何かに向かって手を伸ばす…
「バ!…馬鹿ナ!?…
幾ラ我ガ先兵トハ言エコノ様ナ幼子如キニ!?…」
「ムッ!…幼子じゃないです!!…シロです!!…」
「イ…意味ガ…分カラ…」
__バタッ…ぱあああぁぁ!!…
悪魔は余程信じられなかった様子で痙攣しながら言葉を口にする際…シロの事を幼子如きと馬鹿にした様子で言い出すのだが、その言葉に反応するようシロは耳をピクっと反応させると頬を膨らませ始め!…マサツグの陰から顔を覗かせると、その悪魔に向かって文句を言い出す!…その際顔は悪魔に対して怒った様子を見せて居るのだが、尻尾はマサツグに撫でられて嬉しいのか揺れており!…悪魔も最後にシロからの文句を言いて理解出来なかった様子を見せると、事切れた様に腕が地に落ちては光りに包まれる。そうして即落ち二コマの様な展開にマサツグとレイヴンは戸惑い続けるのだが、改めて気を取り直すと、急ぎハーフリングスに向かい!…何とかハーフリングスの玄関口まで辿り着いて見せると、そこで地獄絵図を目撃する!…
「……はぁ!…はぁ!…つ、着いた!!…」
「じょ…状況は!?…ッ!?…」
__ドガアァァァン!!…ガキイィィン!!!…
ワアアアアァァァァ!!!…
「……劣勢も劣勢!…最悪の展開って言った所か?…」
マサツグ達が慌てた様子でハーフリングスへ辿り着くとそこは立派な戦場と化していた…今日の朝通ったメインストリートには衛兵達が傷付いた姿で転がっており、観光に来ていた筈の冒険者達も今では武器を手にモンスターと戦闘を繰り広げている!…そして更に分が悪いと言った所に衛兵達も冒険者達も…共闘はしているものの連係は取れて居らず!…見た所バラバラに分断されるよう戦っては劣勢に立たされていた!…幸いこのゲート付近だけは安全を確保出来たのか衛兵達の簡易テントが設置されており!…中では有志を募ってか僧侶系のジョブ持ちと回復魔法を使える者で負傷兵の看護に当たっていた。
「ヒール!!…これで一応は何とか!!…」
__ダッダッダッダッダ!!!…ガタンッ!!…
「すまない負傷者追加だ!!…
市街地方面は地獄絵図だぞ!?…」
「ッ!?…ちょっ!?…もう!!…
これじゃあTPが持たないよ!!
私の他の僧侶もTP切れで動けないし…
かなり不味いよ!!」
懸命に治療へ当たる者も人手が足りないのか、テント内にはTP不足によるダウン者が多数見られ…治療を終えて休もうにも次から次へと急患が運び込まれて来ると、休むに休めない状況を作っていた!…中からはTPが足りないと嘆く冒険者の声も聞こえ、まさに地獄と化しているのだが!…中にはまだ諦めて居たいのか懸命に戦う声が町の中から聞こえて来る!…
「ワイがこのケモ耳っ子達を護るんやああぁぁぁ!!」
「ケモ耳王国は落とさせん!!…
落とさせはせんぞおおぉぉぉ!!」
「クソッ!!…
他のクランメンバーはまだ来ないのか!?…
今こそ「可愛いもの愛護協会」の真価が
問われる時だというのに!!」
中から一部違う目的の声が聞こえ来るのだが…とにかく懸命に戦っては前線を押し広げようとする猛者が多数見られる!…大盾を構えて横一列に並び!…まるでスクラムを組む様に腰を落とすとシールドバッシュでモンスター達を吹き飛ばす!…そんな光景も見られる!…そうして一連の状況を確認した所でマサツグ達も急ぎ戦闘に参加しようとするのだが、その際モンスターに囲まれて動けなくなっている衛兵長の姿を見つける。衛兵長の周りには先程見た灰色の悪魔が四体ほど取り囲む様に身構えおり、徐々に…徐々に追い詰め始めては衛兵長を仕留めようとして居た。
__ジャアアァァァァ!!!!…ガキイィィン!!!…
「クッ!?…なかなかに手強い!…」
「ッ!?…先に衛兵長の救援に行くぞ!!」
「おう!!」
「はいです!!」
窮地に追いやられている衛兵長を見てマサツグは不味い!と感じると、まずはその衛兵長を助ける為に動き出し!…レイヴンとシロに声を掛けて武器を手に突貫して行くと、二人も威勢良く返事をしては同じ様にその衛兵長を取り囲む悪魔達に立ち向かって行く!…こうして突如始まったハーフリングス防衛戦にマサツグ達も参加をし始めるのだが、この時誰もまだこの戦いが更に苛烈なモノになるとは気付いていないのであった!…




