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どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-  作者: すずめさん
-第ニ章-サマーオーシャン連合国-獣人の国編-
148/606

-第二章五十節 魔法のイロハと大名行列と奇妙な洋館-



嫌われ者のゾンビ達が徘徊している事でより一層警戒を強めるマサツグ達!…それに比例して森の奥へと進めば進む程、辺りは徐々に暗く静かなモノになって行き…その静かな雰囲気にまるでホラー映画の様な不気味さを感じて居ると、マサツグは改めてレイヴンとシロに言い聞かせるよう注意の言葉を掛ける。いつ戦闘になっても大丈夫な様に!…常に武器に手を掛けながら辺りに集中するよう話し!…その言葉にレイヴンとシロも素直に聞き入れると、三人はぐれないよう同じ様に辺りに警戒する!…


__ガサガサ!…ガサガサ!…


「……静か過ぎる!…本当に静か過ぎる!…

鳥の鳴き声一つ聞こえないとか!…

ひたすらに嫌な予感しかしないなぁ!…

二人共!!…

とにかく何か異変があったら直ぐ報告な!?…

ここから先は危険な気がする!…連携を密に!!…」


「ッ!…了解(はいです)!…」


「……で、俺は俺で…感知(サーチ)!!…」


互いが互いに注意をし合うよう言い聞かせて二人から返事を聞くと、マサツグは更に警戒を強める様に感知(サーチ)を発動し始める。その際辺りを見渡す様に視線を動かしながら発動をしたのだが、不気味な事に…感知(サーチ)を発動しても自分達の周りからは何の反応も…ミニマップにも視界にもこれと言った物は映し出されず…更に余計な不気味さを感じてマサツグは戸惑いを露にする!…


__ピィーン!…ヴヴン!…


「…ッ!…反応無し!……さぁて?…

これを良しとすべきか警戒すべきか?…

正解はどっちなんだろうな?…」


「…どっちも正しいんじゃないのか?……

現にゾンビ達が居たってのにこの静けさ!…

オマケに他のモンスター達の影も無し!…

もうこの先何かが有るってのを物語っている様に

しか見えないが?…」


「…だよなぁ……オマケにあのゾンビ達は行方不明者…

何かしらの因縁が有るとしか思えないよなぁ~?……

しょうがない!…やっぱ行くしか無いか!…」


ただこのまま進んで良いのか?…或いは罠と悟って帰るべきか?…感知(サーチ)の反応を見てマサツグが戸惑い困惑する中、同じ様に反応を見たレイヴンがゲスデウスの痕跡を追いつつマサツグに話し掛けると、何か有ると確証を持った様子で話し続ける。この時レイヴンは引き返す事はもう出来ないと言った様子でスタスタと先頭を歩き続け!…マサツグもそれに釣られるよう後を追い掛けると、やはり先が気になるのか覚悟を決めた様子でそのまま向かう事を口に出す。しかしながらやはり気になるのはその万が一の事であり!…ふとマサツグが思い付いた表情を見せると、レイヴンに質問をする。


「……ッ!…そう言えば…レイヴン!…

瞬間移動的な事は出来ないのか?…

ほらワープみたいな?…ル〇ラみたいな?…」


「ッ!…まぁ、言わんとして居る事は分かるぞ!…

何ならその手の魔法は存在はしている。…

が、出来ない!…」


「え?…」


「いや…俺が覚えていないってのも有るんだが…

何よりこのゲームでの魔法習得の方法が

色々面倒な事になって居るんだ…

オマケにその手の魔法は一度言った町でないと

移動出来ないと言ったお約束の規定が有るし…

…一応ランダム転移魔法みたいのもあるみたいだが…

それも本当に何処に飛ばされるか分からないし…

…恐らくヤブが言いたいのは危なくなったら

魔法で逃げるって手なんだろうけど…

残念ながらまず覚えていない時点でどうしようもない…」


「あちゃ~…そうか…

良いアイデアと思ったんだが…」


マサツグがレイヴンに尋ね出した事…それは移動魔法についてであり、最悪の事を考えて撤退手段も考慮に入れてレイヴンに尋ねたのだが…レイヴンはマサツグの方に振り返るなり首を左右に振って、出来ないと答える。その際その手の魔法が存在する事・出来ない理由等を話してはデメリットなど…説明を交えてマサツグに話し、マサツグの考えを汲んだ上で申し訳なさそうに出来ないと改めて答えると、その返事を聞いたマサツグは顔に手を当て天を仰ぐ!…ここで少しこのゲームにおける魔法の習得・種類について説明をしようと思う。


このゲームにおいて魔法と言うのはまず二通り…某最終幻想なRPG宜しく白か黒の何方かに分けられてある。白魔法と言うのは主に[回復]・[補助]がメインの魔法で、黒魔法は[地]・[水]・[火]・[風]・[雷]・[氷]・[闇]の7属性で構成されている魔法となっている。白魔法の方は基本的に職業を踏まえた上でスキルを獲得し、レベルを上げたり条件を達成すれば自ずと習得する事が出来るのだが、黒魔法の方は違い!…それぞれ属性ツリーからなるポイント分配式で覚えれる様に設定がされて有り!…満遍なく全属性の魔法を覚えたければそれ相応にポイントが嵩み!…1属性に拘れば強力と!…逆に耐性の有る者に襲われてはひとたまりも無いと言ったややこしさを兼ね備えた上級者向きのスキルとされて居る!…故に自分好みにカスタム出来ると人気のスキルとなって居るのだが…マサツグの言う移動魔法はまた別のスキルであり、黒魔法の分類では無く!…レイヴンはそれを踏まえて説明をしてはマサツグに出来ないと答えたのである。


そうして某大作龍退治のRPGゲーム宜しくル〇ラが出来ないと言われ、マサツグは仕方が無いと…諦めた様子で更に森の中へと足を踏み入れ出すと、森はより一層青々と茂り暗い雰囲気を放って居た。否応無しに駆り立てられる不安感に警戒心!…ただ日が差し込まないから暗いと言う訳では無く、何か別に暗い雰囲気になる要因が有るのでは?…とマサツグ達が考えて居ると、その考えは当たって居るとばかりに!…突如開けた場所に出たと思えば目の前には誰の物か分からぬ大量の石造りの墓が!…オマケにボロボロの外壁まで設置されて有り、まるで墓地の様な場所に出て来る。


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「…ッ!……え?…墓地?…こんな所に?…」


「ッ!?…おいおい!…冗談じゃねぇぞ!?…

こんな所で墓地って!?…

アンデット系が出て来ますって

言ってる様なもんだぞ!?……って、え?…」


__……ブルッ!…ッ!…


一人称視点でその墓地の光景を見るともはややっているゲームは冒険ものでは無く、ホラーゲームと化す!…突如墓地に出て来た事にマサツグが戸惑うと、レイヴンは焦り!…また先ほどの様な事になるのでは!?…とゾンビとの戦いを思い出した様子で慌て出すと、ふとある事に気が付いた様子を見せる…そんな雰囲気満点の光景にマサツグが思わず少し恐怖心を感じると、シロはそれを読み取ったのかマサツグの手をギュッと握り!…ニパァッ!と安心させる様に笑うと、マサツグを励ます!


__ギュッ!…ッ!……にぱあぁ!!…


「ッ!……ありがとな、シロ!…」


「えへへへ♪…」


「…で?…如何した!?…レイヴ…ン?…」


自分より圧倒的に小さい子(シロ)に慰められる大人(マサツグ)に…その大人はハッとした様子で恐怖を払拭し気を取り直すと、子供にお礼を言っては頭を撫でる。子供はマサツグに撫でられた事で更に笑みを浮かべると、尻尾を振って喜び!…シロの反応も見た所でマサツグも改まった様に!…レイヴンの反応が気になった様子で振り向き声を掛け出すと、そのレイヴンの様子が可笑しい事に気が付いては途端に戸惑いを露にする!…何故なら……


__ゴゴゴゴゴゴゴ!!…


「な?…何?…その黒いの?…」


「え?…いや…何か…アンデットボーナス?…

って、言うのか?…とにかく謎の恩恵ブーストが?…」


「お?…恩恵?…一体どんな恩恵が有るって言うんだ?…

明らかに何か呪われて居る様にしか見えんが!?…」


マサツグの目の前には黒い様な?紫色の様な?…とにかくおどろおどろしいオーラを全身から溢れ出させる様に纏ったレイヴンの姿が有り、同時にそのオーラの中には怨念の様な人の表情がエフェクトとして表示されていた!…そのオーラを纏って居る当本人も困惑した様子で自身から出ているオーラを見詰めてただ立ち尽くしており!…マサツグはそんなレイヴンに戸惑いながらも声を掛けると、レイヴンも戸惑った様子でマサツグに返事をし!…ただステータス画面を開いて分かった事だけでもマサツグに話すが、やはり何のオーラなのかが全く分からない!…ただ分かって居る事は一応他人・本人に害は無いと言う事!…そしてこれはフィールド特有の恩恵ブーストである事!…レイヴンだけにしか発動されていない!…ただおどろおどろしいそのオーラにマサツグが如何反応したものか?…と困惑して居ると、レイヴンはその恩恵ブーストの効果項目を開いて内容を確認していた。


__ピッ!…ピッ!…ヴウン!…


「……ッ!…あった!…えぇ~っと?…何々?…

アンデット族を除く種族に「恐怖」を負荷する効果

…ッ?…確か「恐怖」ってその対象物に対して効果が

発動すると一時的に攻撃出来なくなるって言う…

あの「恐怖」だよな?…

何でこんな能力が?……ッ!…」


「………。」


「え?…マサツグさん?…如何したんだ?…」


「………。」


アンデッドボーナス…その能力は種族限定の「恐怖」の付与!…対象に対し恐怖状態に陥れては攻撃等を一切出来ない様にするバッドステータス能力で、レイヴンがその内容を確認するよう「恐怖」について思い出して居ると、ふとマサツグ達の様子に気が付く。何故ならそのマサツグはレイヴンを見詰めたまま驚いた表情で固まっており、声を掛けても一向に返事をする気配を見せないで居たからである。当然そんなマサツグの様子にレイヴンは戸惑い!…再度声を掛けようとするのだが…ふと更に思い付いた様子で声色を変えると、マサツグに声を掛ける!…


「…フフフ!…

そう我こそがいずれこの世界を征服する者……

レイヴンだ!!…フフフ!…どうだ?…怖いか?……」


「……ッ!…ッ~~~~!!…」


「お~い!!…どうした?…俺が怖いのかぁ~?……

ハハッ!…そんなまさか?…」


この時のレイヴンは!…恐らくマサツグは自身の恐怖状態に掛かったのでは?…と考えると、何と無しに悪者キャラを演じて見るのだが…逆にマサツグはハッ!と我に返った表情を見せると、何度も目をパチパチとさせてレイヴンの方を振り向き…途端に焦った表情を見せると、何かを伝えようとしては思う様に言葉に出来ない!…苦しい仕草を見せ出す!そんなマサツグの様子を見てレイヴンも恐怖に掛かってないと確証したのか、先程の演技を恥ずかしがる様に呟き…先を急ぐ様に声を掛けようとすると、突如としてシロに唸られ始める!…


「ッ!?…ヴヴヴヴヴヴヴ!!!」


「ッ!?…うぇええ!?…シ、シロちゃん!?…

え!?…そんなに俺の演技が気に入らなかった!?…

えぇ~…確かにフザケテやったけど…」


シロはまるでレイヴンの臭い演技で怒った様に唸り出すと、ただ怖い顔をしては歯を食い縛り唸って見せ!…レイヴンはレイヴンでその突然のシロの怒り具合に驚き慌てて宥めるよう言い訳し出すと、シロに対して青褪めて恐怖する!そうしてレイヴンは何とか落ち着かせようとシロに色々話し掛ける話題を考え出すのだが、マサツグは違うとばかりに慌てた様子でレイヴンの肩を掴むと、顔を見詰めてこう言い出す!


__ガッ!!…ッ!?…


「…レイヴン?…後ろ?…見てみ?…」


「え?……ッ!?!?!?!?…」


マサツグが切羽詰まった表情でレイヴンを見詰めて徐に振り返る様に声を掛け!…突如肩を掴まれ振り返る様に言われたレイヴンは戸惑いながらも振り返る!…一体何が有るんだ?…と言った様子で振り返り途端にその光景を目にしてはマサツグ同様思わず固まってしまい!…シロが唸っていた本当の理由もここで理解すると、ただただその光景を見詰めて動けなくなってしまう!…ではその後ろには何が有ったのか?…と言う話になるのだが、その後ろに有った光景とはレイヴン同様あのアンデッドボーナスを受けてオーラを発しているアンデット達の集団であり!…そいつらは間違いなくマサツグ達の居る方に向かい歩いて来ては襲う気満々で腕を前に伸ばし呻き声を上げて居たからである!


__ザッ……ザッ……ザッ……ザッ……ヴァアアアァァ…


「う!…嘘だろ!?…

いや確かに気配は感じ取り難いけどさ?…

軽く見ただけでも200は!?…」


__ガッ!…ガッ!!…


「え?…えぇ!?…」


そのアンデッドモンスターの集団は軽く見た限り200体は存在し、種類もゾンビだけでなくスケルトン…それもウォーリアーにメイジと…アーチャーもチョコチョコと混じってはマサツグ達の居る方に向かい歩いて来て居た!…当然スケルトン達もゾンビ同様の方法で無いと倒せない為、面倒臭いのだが…ゾンビと違って仲間は呼ばないし、経験値もそこそこと…特段嫌われてはいないのだがやはり面倒この上なく!…ゾンビ達と一緒に向かって来ては臨戦態勢を既に整えており!…そんな光景を目にしてマズッ!?…と言った具合にレイヴンが戸惑って居ると、マサツグはレイヴンの手を掴んではシロを小脇にアブダクションし!…全力でその場からの逃走を試み出す!


「に!…に~げるんだよ~!!

ルゥゥェイヴ~ン!!!」


「ええええええぇぇぇぇぇ!!!」


「ここが墓地だから警戒をしていたけど

量が多すぎる!!…

アレをまともに相手していたら

こっちがあいつ等の仲間入りだ!!!」


「ヴヴヴヴヴヴヴ!!!」


マサツグに突如腕を掴まれると走り出した事に驚きつつ!…マサツグが固まりシロが唸り出した本当の意味を理解すると、腕を引っ張られながらもレイヴンは駆け出す!…この時レイヴンはただ戸惑った様子の声で叫ぶ事しか出来ず!…マサツグはマサツグで相手にして居られないと言った様子で一人を引っ張り一匹を抱え!…慌てた様に言葉を口にして居ると、シロはシロで大人しくマサツグに小脇ホールドされてはそのアンデッド達に威嚇し続ける!…幸いゾンビもスケルトンも足は然程速くないのかグングンとその差を開き、何とか逃げれそうかと言った兆しが見え出すと、スケルトン達は逃がさないとばかりに追撃を放つ!


__カタッ!…ギリリ!…バシュン!!…

…コオォォ!…バシュン!!


「ッ!?…ヤブ!?…撃って来た!!」


「ッ!?…マジかよ!?」


__シュンシュン!!…ドゴオオォォ!!…


弓矢を構えるスケルトン達は矢を放ち!…メイジのスケルトンは追撃の魔法を放つ!…それに合わせてレイヴンが危険を察知すると慌ててマサツグに報告し、報告を受けたマサツグはそれを避ける様に蛇行すると早く墓地を抜けようと走り続ける!…スケルトン達の腕はそこそこ良いのか走るマサツグ達の直ぐ隣に着弾したり、避けなかったら直撃して居たりとギリギリを攻めており!…その攻撃に慌てつつもマサツグ達が必死に逃げて居ると、ここである問題が発生する!…


__ヒュン!!…ヒュヒュン!!…ヒュン!…


「うおおおおおぉぉぉ!!!…

出口は何処だアアァァ!!!!」


「うわあああぁぁぁ!!!……って、ヤブ!?…

ここさっきも走ってなかったか!?…」


「うぇ!?…マジ!?……

この墓地なんか辺りが似た様な光景だから

何処を曲がったとか分かり難いんだよ!?」


それはマサツグだからこそ!…いや!…この墓地がそうさせているのか?…この墓地はまさかの迷路状に形成されており、これといった目印も乏しく!…一体何処を走っているのか分からなくさせると、似た様な場所をグルグルと走らせて居たのである!マサツグとレイヴンは互いにどの道が正解なのかと悩みながら無我夢中で走り続けるのだが!…その走っている最中にも他のアンデット達に見つかり!…更に集られる様に追い駆けられ始めると、マサツグ達の後続はアンデッド達による大名行列と化す!…そんな迷路状の墓地にマサツグが文句を口にしながら必死に走り続けて居ると、そろそろTPの限界が近付いて来たのだが!…運が良かったのか徐々に開けた場所へ出て来ると、目の前に奇妙な洋館が見え出す。


__ダッダッダッダッダッダ!!!…


「ぜぇ!!…ぜぇ!!…

…ッ!?…シメたあぁぁ!!!

何か知らんけど目の前にある

洋館らしき物に逃げ込むぞ!!」


「ッ!?…えぇ!?…

…って、言っても居られねぇか!!…

仕方ない!!…分かった!!!」


目の前に見えて来た奇妙な洋館!…明らかにその見た目は初代ル〇ージマンションの様な外観をしており、怪しさ不気味さ共に高得点なのだが…とにかく後ろから追って来る大名行列を何とかしたいマサツグ達はその洋館に一度逃げ込む事を決めると、一直線に洋館へ向かい駆け抜ける!その際更にアンデッド達に見つかってその追い駆けられる数を増やすのだが御構い無しで!…徐々にその奇妙な洋館の玄関に近付いて行くと、その洋館の玄関扉は誰も居ないのに独りでに開き始める!…


__ガチャッ!!…ギイイイィィィィ!!……


「ッ!?…勝手に開いた!?…

かなり罠臭いんだが!?…」


「でも今はそんな事を言ってる場合じゃないだろ!?…

罠だったら罠で解除すりゃ良い!!…」


「…だあああぁぁぁ!!!…南無三!!!」


__…ダッ!!…ギイイイィィィィ!!……


当然いきなり勝手に玄関扉が開いた事でマサツグ達は罠の臭いを感じると怪しむのだが、それよりも後続の大名行列の方が気になる様子でやはり逃げ込む事を決めると、同時に覚悟を決めて館の中に足を踏み入れる!…レイヴンの南無三と言う言葉が辺り一帯にただ空しく響くだけで…マサツグ達がその洋館の中へ飛び込む様に足を踏み入れると、玄関の扉は独りでに閉じ始め…後続の大名行列の侵入を拒み!…何とかマサツグ達は逃げ切る事に成功するのだが、同時に不穏な音も耳にする!…


__ギイイイィィィィ!!…

バタンッ!!…ガチャンッ!!…


「ッ!…ぜぇ!…ぜぇ!…

や、やっぱりこうなりますよね!?…」


「ぜぇ…げほッ!ごほッ!!…あぁ~…

…でもあのアンデットの集団に

すり潰されるよりはマシだろ?……

あぁ~たすかった……」


扉から鍵の掛かった様な音が聞こえて来ると、レイヴンは息を切らしながら予想通り…と言った様子で落胆し…マサツグも息を切らしながら咽始め、シロを降ろしてとにかく助かった事に安堵すると、ふと洋館の中を見渡し始める…見渡した限り今居る場所はエントランスホール…洋館の中も何処かルイー〇マンションの内装に似ており、誰かが住んで居るのかパっと見ただけでも綺麗に掃除がされて有るのが分かる。そうしてこれだけ見ればまだ誰かが住んで居るのか?と普通に考えてしまいそうになるのだが…先程の表のアンデッド達に迷路の様な墓地と!…普通に考えればこんな所に人が住んで居る訳が無く!…オマケに綺麗に掃除はされて居るにも関わらず、人が住んで居る様な気配は感じられないと余計に不気味さが際立っており!…マサツグがその様子に異様さを感じて居ると、ふとある物にも目が行く…それは談話スペースなのか暖炉が設置されて有る一角で、暖炉には今しがた誰かが居た様に火がくべられて有り!…洋館内に灯りは点いて無いもののその暖炉の火が洋館の一部を照らしては、マサツグ達を迎え入れていた。


__コオオォォ……パチッ!…パチッ!…


「……ここは魔法使いの隠れ家か何かか?…

何か妙に違和感と言うか?…何と言うか?……

とにかく誰かが居た事に変わりは無さそうだな?…

暖炉に火が点いてるし…」


「……にしては人の気配を感じない…

何だこれ?…モンスターハウス?…いやでも?…」


「ふんふん……何も臭いはしないのです…

でも誰かに見られている様な?…」


「……ッ!…あれ?…」


暖炉を見詰めてマサツグは奇妙とばかりに言葉を漏らすと、ただ疑問を持った表情を浮かべ…レイヴンも同じ違和感を感じているのか?…顎に手を当て悩んだ様子を見せると、何か知って居るのか一人考え出す…そしてシロもやはり二人と同じで何か気配を感じて居るのか、徐に臭いを嗅ぎ出し…何も臭いがしないと言っては不思議そうな表情を浮かべ、続けて視線を感じると言い出すと徐に自身の周りをキョロキョロと見渡し始める。しかし幾ら見渡した所で何も見つけられず…シロは余計に違和感を感じると言った様子でその場で首を傾げて見せると、違和感の正体が気になるのか辺りを若干警戒している様な素振りを見せ…レイヴンはレイヴンで突如ハッ!と思い出した様に反応を見せては戸惑いの言葉を漏らし出すと、その様子にマサツグが食い付く。


「ッ!…如何したんだ?…」


「いや…あのアンデッドの大名行列に追われていたせいで

忘れていたんだが…そのゲスデウス…だっけか?…

の痕跡を追うのを今思い出して…

…で、今見てみたらその痕跡がこの館の中に

続いてるって言う…」


「ッ!?…それって完全に誘われてるって事?…

うわぁ!…更にトラップ臭いじゃねぇか!……

…って、言ってても仕方が無いってか?…クソッ!!…

あのネズ公!!!…調べる他無いよな?…」


何か異変が有ったのか!?と言った具合にマサツグは心配しながら声を掛けると、レイヴンは戸惑った様子で痕跡の事を思い出したと話し出し…その痕跡がこの洋館内でも見られる事をマサツグに明かすと、その話を聞いたマサツグは罠では!?と焦り出す!…これによりますますこの洋館が罠臭く感じられる様になるのだが、逆に痕跡が有ると言う事は怪しいと言う事で…ウダウダ言っても何も始まらないと…休む暇も無いマサツグ達は行動に移す事を考えると、はぐれない様に動き出す。その際マサツグとレイヴンは外観の様子からこの洋館は屋根裏部屋が有る事も含めて四階建てである事を理解し、更にこのエントランスホールには既に二階に続く階段がある…と言うより見つけて居るのだが、痕跡は上に続いては居らず…その事も踏まえて探索し出すとまずはひと際目立つ!…若干の螺旋階段に挟まるよう設置されて有る大きな扉のノブに手を掛け出す。


__コッ…コッ…コッ…コッ…

ガチャッ!…ギイイイィィィィ!…


「……外から見ていた分…分かっては居たんだが…」


「……これは…探索に骨が折れそうだな?…」


「……骨だけに?…」


「………。」


手を掛けたノブを捻って一応警戒しながら扉を開くと、鈍く軋む音と共に横に長い廊下が姿を現す。そしてその長い通路には通路を挟む様にしてドアが幾つも設置されて有り、これを一つ一つ探索するのか?…と考えさせられると、マサツグとレイヴンは思わず脱力してしまう…その際レイヴンが呟いた言葉にマサツグがボケて見せるのだが、ツッコむ気力も無いのかレイヴンにスルーされ、何とも言えない微妙な気分になってマサツグは呆然として居たが、シロに手を引かれて一回の探索に乗り出す。


__……ギュッ!…


「さぁ!…行きましょうご主人様!!」


「あっ…はい…」


何と無くシロに気を使われた様な気配を感じつつ…レイヴンとは別れ、マサツグはシロに手を引かれるまま一緒に一階を探索し始めるが、これと言った目ぼしい物を見つける事は無いのであった。分かった事と言えば一階に在る主な部屋はキッチン・大食堂・使用人達の自室と、その他は如何にもこの洋館には金が掛かって居ると言った見た目の物ばかりで…肝心の痕跡に関しては全く!…何も見つける事が叶わないのであった。


「……ここに有るのは誰かの日記位か…

…にしても…本当に変な屋敷だな?…

使用人の部屋も綺麗に掃除がされてるし?…

キッチンも大食堂らしき場所もちゃんと

掃除がされて有った!…

キッチン用品に至っちゃ新品同様に輝いてたし!…

食器にも曇り一つ無い!…

何なら誰かが食事をしようとしていた

形跡も有るってのに…

やっぱり肝心の人の気配が感じられない!…」


「…うぅ~ん…ッ!…

かくれんぼしているとかですか?…」


「ッ!…うぅ~ん…

だとしてもここまで完璧に跡を残さないとか

ちょっと有り得ない!…

何かしらの跡を残す筈なんだが?…それすらも無い…」


「ッ!…じゃあじゃあ!…

プロのかくれんぼ屋さんとか!!」


使用人の部屋で日記を見つけては軽く目を通すも、書いて有るのは業務内容と日常について…日付に関しては最近の物なのだが分かった事はそれ位で…本当にこの洋館について分からない事だらけと言った様感じでマサツグが戸惑って居ると、シロもシロなりに考えた様子で自身の考えを口にする。その際やはり子供らしい回答が出て来た事にマサツグは微笑ましく思えてしまうのだが、シロの事を考えると若干真面目に答え出し!…そのマサツグの答えを聞いてシロは更に考えたのか更に子供らしい答えを口にすると、その答えを聞いていたのか部屋の外からレイヴンがツッコミを入り出す。


「……プロ過ぎるだろ?…

と言うよりプロのかくれんぼ屋さんって何?…」


「ッ!?…おわぁ!!…レ、レイヴン!?…」


「…俺も一通り見たけど怪しい物は無いな…

…ってかよくよく考えれば痕跡追えば

良いってのを忘れてた。

二階に反応が有るから付いて来てくれ!…」


「え?…あ、あぁ…分かった…」


突然の部屋の外からのツッコミにマサツグとシロは驚き!…扉の方を見詰め出して居ると、そこにはレイヴンが居るのか…自身でも一階は全て調べ終えたと言うと、扉越しに痕跡に変化が有った事を話す。そしてマサツグに付いて来るようレイヴンは続けて声を掛けると、マサツグは戸惑いながらもそのレイヴンの言葉に同意し…シロを連れて部屋の外に出るとそこには俯くレイヴンの姿が有り…そんなレイヴンの様子にマサツグは可笑しいと感じて居ると、レイヴンはマサツグに付いて来るよう声を掛ける。


__ガチャッ!…きいいぃぃ!……ッ!?…


「……こっちだ付いて来てくれ。」


「……ッ?…あぁ…」


__コッ…コッ…コッ…コッ…

…ギッ…ギッ…ギッ…ギッ…


レイヴンはマサツグの顔を見る事無くただ付いて来る様に言い、マサツグはその様子に違和感を覚えつつも返事をすると、レイヴンの後を付いて歩き出す。この時シロも不安そうな表情を見せてはマサツグの手をギュッと握って後を付いて歩き…レイヴンに案内されるまま付いて行くと、レイヴンはその長い通路の一番奥…二階へ続く階段をゆっくりと上がり始める。そんなレイヴンの様子にマサツグは困惑すると思わず声を掛けるのだが…


「ッ!…ちょっ!…ちょっと待ったレイヴン!!…

二階に反応は!…」


「…さっき言っただろ?…痕跡に変化が出たって?…」


「いや確かに聞いたけど…」


「…痕跡はこっちに続いている!…

大丈夫だ!!…俺を信じろ!!…」


「えぇ?……」


マサツグの呼び掛けに対してレイヴンは軽く振り返ると、ただこっちだとマサツグに言い聞かせ…更に二階に上がる理由に関しても痕跡に変化が出た事を挙げると、また階段を上り始める。そんなレイヴンの言葉にマサツグも返事をして納得した反応を見せるのだが、如何にも様子が可笑しく!…更にレイヴンに理由を求めるよう言葉を掛けようとすると、レイヴンはマサツグに信じるよう言葉を掛け出す!…そしてそんな言葉が出て来た事にマサツグは更に警戒を強めると、思わず戸惑いの言葉を漏らしては一歩下がり…シロを庇う様に後ろへ隠しつつ明らかに警戒した様子を見せると、レイヴンはマサツグの反応を悟ったのか足を止め、徐にマサツグ達の居る方へと振り向くのであった。



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