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どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-  作者: すずめさん
-第ニ章-サマーオーシャン連合国-獣人の国編-
144/606

-第二章四十六節 獣人達の会議と改めて感じる怒りとシロのお散歩-



「…では、これより行方不明者捜索に

よる現状報告!…

及び容疑者ゲルデウスの潜伏並びに

確保に関する会議を始める!…」


__チラッ……ぽぇ~~~……


「…衛兵長!…

今現状で分かって居る部分だけでも構わない!…

報告を!…」


フィアナが会議の宣言をすると会議室内は一気に独特の緊張感に包まれる。フィアナの隣にミスティー…やはりまだ今朝の喧嘩を引っ張っているのか二人の席の間は微妙に開いており、それを見てマサツグは子供か!とツッコみたくなるのだが我慢をすると、隣に座らせているシロに気を掛ける。幾らマサツグが隣に居るとは言えまだ子供…この緊張感に耐えられるのか?と思いつつチラッとシロを確認すると、シロは何も分かって居ない様子でキョトンとしており…そんなシロの様子にマサツグは若干呆れた様な…安堵した様な…何方とも見れる表情で大丈夫と認識して居ると、フィアナは衛兵長に報告を求め、その言葉に衛兵長が返事をすると報告を始める。


「ッ!…ハッ!…ではご報告申し上げます!…

現在我々の調べによりますと行方不明者の総累計は

およそ300を超えており!…

その内の半数はゲルデウスの手によって何処かへ

やられたか…

或いは処分されたかの二択になると思われます!…

勇者殿がドラゴンを討伐されている間!…

衛兵の数名を残して調査をさせたのですが、

あの裁判での証言を元に!…

屋敷内を進むと地下を見つける事に成功し!…

その地下から身元不明の少女を含む数十名…

行方不明者を見つけ保護する事に成功しました!…

やはり皆…拷問・強制猥褻等の被害を受けた様で

酷い怯え様を見せて居る有様であり、酷い者は

対人恐怖症を起こしているようです!…

現在、保護した身元不明の少女達を駐屯場で保護し、

現状からの回復を試みていますが…完全回復の予定は…

未定となっております!…

…更にゲルデウスの屋敷を差し押さえ!…

勇者殿が掴んだ証拠の他に、更に誘拐・脅迫・暗殺の

証拠が多量に見つかり、その際ゲルデウスの息子…

「マクゴナウス」の調書も取ったのですが、反応に

様子を見た限り!…ゲルデウス個人であの犯行に

及んだ可能性が高く!…現在も動員数を増やして

片っ端から調べて行っている状態に有ります!」


フィアナの問い掛けに威勢良く返事をすると席から立ち上り、敬礼をすると手元に置いて有った資料を手に取って報告を始める。そして報告されたのは今までフィアナの耳に届いて居なかったであろう行方不明者の話であり、その数も昨日の裁判所で聞いたモノより増えた様子で300人!…確認し直したのか二倍の数で報告されると会議室内は騒然とし始める!…その騒然とする中には昨日マサツグの裁判を請け負った犬の裁判長の姿もあり、衛兵長は淡々と!…昨日から今日に掛けてゲスデウスの屋敷で見つけた物を話しては現段階でも調査を続けて居ると報告を済ませる。初っ端から話されるゲスデウスの黒い…真っ黒な隠し事に会議室はザワ付き!…フィアナもテーブルに肘を突きゲン〇ウポーズをすると、眼光鋭く唸り出す。


「……うぅ~む…あのネズ公!!…余の民を!…

300人もの命を!…絶対に許さぬ!!…

奴め如何処分してくれようか!!!…」


__どよッ!?…ざわざわ…ざわざわ…


「…そしてこれも報告を!…

今朝方より女王陛下のご命令通り…

ハーフリングスの鎖国状態を解除!…

衛兵達全員に通達した後…

ギルドの方にも使者を送り一度対話を

求めるよう動いている次第にございます!…」


「ッ!…え?…」


ゲスデウスに対してガンガンに怒りを燃やすフィアナに周りは戸惑いを隠し切れない様子で…ただ最初の報告から如何にもいけ好かない空気が流れ始めるが、更に衛兵長は報告を続ける!…しかし今度は先程の話とは打って変わって良い話なのか、衛兵長の表情も若干明るくなり!…その口から突如!…ハーフリングスの鎖国が解かれた事を話し出すと、その話にマサツグは戸惑う。昨日までは鎖国解除を渋って居た様子を見せて居たにも関わらず、次には解除!…決断力が有るのか無いのか分からないフィアナの動きにマサツグは若干の困惑を覚え、戸惑いの表情を見せながら衛兵長の話に耳を傾けて居ると、更に衛兵長は報告を続ける!…


「現在ギルドの方からの返事は今書面に

より送られて来ており…

文面からは前向きに検討すると!…

その際勇者殿に対する()()()()()()()()

撤回とするよう求められているのですが?…

これは?…」


「……ん?…()()()()()()()()?…

いや、それは余も知らぬが?…」


「ッ!…え?…知らないって……

じゃあアレを書いたのって

ゲスデウスの単独って事か?…」


「ッ!?…マサツグ!…何か知って!…

…と言うよりお主の目的は確かあのネズ公を

ぶっ飛ばすと言う事であったな?…

だとするなら関係無い筈が無いか…

スマンが話してはくれんか?」


フィアナの指示でホエールビアードに使者を送り…その返事を貰った事を話し出しては順調に事が進んで居ると話し出す衛兵長!…しかし如何にも気になる事が有る様子で、ギルドからの返答に疑問が有るとフィアナに話し問い掛け出すと、その問い掛けにフィアナは知らないと困惑し…更にそのフィアナの反応を見てマサツグが困惑の様子を見せると、フィアナは戸惑った表情をするのだが…直ぐにマサツグがここに来た理由を思い出すと、何かを悟った様子でマサツグに説明を求め出す。そのフィアナの様子にマサツグもギルドで受け取ったあのマサツグ受け渡しの文章について話し出そうとするのだが、マサツグが話し出すより先に反応した様子でミスティーがフィアナの方を振り向くと、問い掛け始める。


「ッ!?…え?…

だってお姉様があの文章をギルドに送ったのでは?…」


「……ッ?…文章を送った?…一体どんな?…」


「マサツグ様を拘束した後ハーフリングスに届けるよう…

それこそゲルデウスの配下に暴行!…

殺人の容疑が掛かって居ると言ってギルドに

宣戦布告する様な!…

それに検問所ではマサツグ様を捕まえる様にと

お姉様が命令したと!…」


「なっ!?…

そ、そんな文面を余は送っては居らんぞ!?…

それに捕まえる様に等!!…

余が言ったのはせいぜい検問を通すな!と言った位で…

あのネズ公の部下が暴行を受けたと言う話も!!…

…ッ!?…まさか!!…」


ミスティーは驚いた様子でフィアナに確認をするようあの時一緒に見た警告文について問い掛けるのだが、フィアナは本当に知らない様子で…逆にミスティーに内容を尋ねる様に問い掛けると、ミスティーは自身が見た通りの内容を簡単に口にする。その内容を聞いてフィアナは途端に慌てた表情を見せると送っていない!と口にするのだが…直ぐにハッとした様子で歯を食い縛り出すと、全てを悟った様子で黙り込み!…マサツグも納得した様子でミスティーにアイコンタクトを取り出すと、ミスティーはマサツグの視線に気が付いたのかそれ以上は問おうとはしなくなる。


__……チラッ……ッ!……コクッ……


「……衛兵長!…直ぐにギルドとやらに連絡を!…

この件に関しては我々の不手際により

迷惑を掛けてすまなかったと!…

全面的に謝罪をし、撤回すると連絡を!!…」


「ッ!…ハッ!…了解いたしました!!…

……続けてご報告を?…」


「……あぁ…頼む!…」


ミスティーは視線に気が付くとマサツグに頷いて元の位置に…フィアナはフィアナでゲスデウスに虚仮にされた事にキレたのかその場で俯いては肩を震わせる!…そして衛兵長の問い掛けに対して直ぐに返事を送るよう指示を出すと、その指示に衛兵長は敬礼し!…続けてフィアナの様子に気を掛けつつ報告を続けるかどうかと尋ねると、その問い掛けにフィアナは声を怒りに震わせながら続けるよう指示を出す。明らかに大丈夫じゃない様子に一同は呼吸をする事も憚れる様な感覚を覚えるのだが、衛兵長は報告を続け!…ある事を報告するとその言葉にマサツグが興味を持ち出す。


「…分かりました!…

では続けさせて頂きます!…

…先程ゲスデウスの屋敷を差し押さえ!…

その地下を調べたと報告しましたが…その地下…

つまり拷問の部屋にて拷問器具の他に()()()()()()()()

残って居るのを見つけ!…

何かしらの儀式を行って居た事もまた新たに

判明しており…」


「ッ!…え?…黒魔術?…黒魔術って?…

あぁ~…あの黒魔術?…」


「……勇者殿の言われている黒魔術に

種類が有るかどうかは不明ですが…

恐らくはそうかと…

更に昨日勇者殿が討伐されたあのドラゴンの幼体の頭…

その額にも何やらの[黒魔術の紋章]及び[隷属の首輪]が

されて有った事が分かり!…昨日は恐らく!…

()()()()ドラゴンはここに向かい飛来して何かをしよう

として居た事も判明しました!…

…残念ながらその黒魔術の痕跡を辿ろうにも我が国に

魔術を扱える者は一人として居らず…

現在その痕跡を頼りに追う事は出来ない

状態ではありますが…

念の為と思い現状の確保はしてあります!…」


衛兵長が追加で報告をし始めた内容と言うのはあの拷問部屋の話であり、その拷問部屋から黒魔術の痕跡が見られたと言い出すと、その言葉にマサツグは途端に戸惑った表情を見せて、衛兵長に確かかどうかを確認する!…別に黒魔術に興味を持って居たとかそう言う訳では無いのだが、何故か気になり!…しどろもどろになりながら衛兵長に確認をするのだが、その問い掛け方に難が有った為!…衛兵長は釣られて困惑する。しかしそれでも衛兵長は聞かれた事に対して答えるよう更にマサツグが昨日戦って居たドラゴンにもその痕跡が有った事を話し、意図的な何かが有った事をマサツグに説明すると、その言葉にマサツグは困惑する。そうして一応地下の拷問部屋…その黒魔術の痕跡は現状保管して有ると最後に衛兵長が報告をすると、一同は困った表情を見せ…このままでは原因究明出来ないと悩んで居ると、フィアナが徐に口を開く!…


__…うぅ~ん……ッ~~~……


「おのれあのネズ公!!……

確かに余はあまり政に関心を向けた事は無かったが!…

奴に任せて居ったが!!…

父上の代より仕えて来た者として重用して居たにも

関わらず!!…よもやこの様な事を!!…

余を謀るだけでなくその私腹を肥やし!…

あまつさえ民に手を出し!…

ミスティーにまでその毒牙を!!…

更に我が親友にまであの様な仕打ち!!…

ッ~~~~~~!!!!…

真に万死に値する!!!!!」


__バンッ!!!…ビクゥ!!…


「ギルドに協力を要請せよ!!!!

その黒魔術に関して知識の有る者!!…専門家!!!

何でも構わぬ!!!…

今すぐに奴の腸を引き裂いてやらねば気が済まぬ!!!!

余の国を穢した罪!!!…何が何でもその身に!!…

絶対に償わせてやる!!!」


全員が悩み沈黙する中…その静寂を切る様にフィアナが怒りを露わにし、テーブルを叩いてはゲスデウスに対しての恨み言を口に出す!その際その場に居た全員がフィアナの台パンに驚き怯えた様子を見せるが、フィアナはハーフリングスの先代王より仕えて来てゲスデウスに対して裏切られたと!…ただ裏切られただけでなく自身の威光を良い様に扱い!…私利私欲に溺れていたのだと知ると!…()()()()()()()()()()()()()()()()()に対して怒り出すよう突如として席から立ち上り、衛兵長の居る方に振り返るとすぐさま命令を出し始める!その命令を受けて衛兵長もビクッ!とした様子で反応すると、慌てて敬礼をして返事をする!…


「ッ!?…ハ、ハッ!!…

すぐに連絡を取り連携の手筈を!!…」


__バッ!!…ガチャッ!!…タッタッタッタッタ!!…


「……はあぁ~…

よもや余はここまで無能であったとは!…

政治の事に関しては奴を置いて他に居ないと

思い置いてはいたが…よもやこの様な事に!…

民の為と思い動いて来たつもりが…

まさか臣下に…

それも父上の代より()()として働いて来た者が!…」


「ッ!?…え!?…」


衛兵長はまるでフィアナの覇気に押されたよう慌てて返事をすると、直ぐに命令通りに動き出し!…その慌てた様子のまま会議室を後にすると、駆けて行く様にギルドとの連絡を図り始める!…これで確かに万が一の事が起きても直ぐに対応出来る様になる!…そうマサツグは安心するのだがその反面、フィアナの激昂具合が気になり…様子を確かめる様に視線をフィアナの方に向けて居ると、フィアナは呆れ悲しむ様にテーブルに手を着いて項垂れ…ゲスデウスの事について色々と零し始める…そしてその零している内容の中にはゲスデウスが忠臣と!…耳を疑う様な言葉が出て来てマサツグは思わず声に出して戸惑いの様子を見せ、そのまま確認するよう視線をミスティーの方に向けると、ミスティーも知らなかったと言った様子で戸惑いの表情を見せて居た。


__ッ!?…ッ!?!?…


{……あの表情はミスティーも本当に知らなかった?…

でも女王陛下はゲスデウスの事を知って居る?…

…あれ?…何か違和感を感じる様な?…

確かにミスティーは箱入り娘みたいだが…

王宮に居たんだから如何言う奴か位は分かる筈…

…何で?……ッ!……いや、とにかくもう一度

あの屋敷を調べて見るしかない!…

黒魔術の痕跡に…証拠!…

何か見落としが有るかもしれない!!…

……その間シロは如何しようか?…

さすがにあの現場を見せるのは大人として

気が退けるけど…連れて行かないと色々となぁ?…}


本当に知らなかった様子でミスティーが戸惑っては口に手を当て驚き…その様子を見てマサツグが疑問を感じると、同時に違和感も覚える!…フィアナはゲスデウスの事を知って居るのにミスティーは知らない!…確かにミスティーは色々と世間知らずな所が有り、箱入り娘と言う事は十分に見て取れるのだが、自身の周りが見えないほど馬鹿と言う訳でも無いので余計に違和感を感じ…フィアナとミスティーとでこうも違いがある事に疑問を感じて居ると、ふと今朝方に考えていたある事が頭を過る!…しかし幾ら過った所で確証は無く、ただの推論でしかない為!…それを確認すべくマサツグはもう一度ゲスデウスの屋敷に行く事を心に決めるのだが、一つ難点が有り…シロをあの場所に連れて行く…つまりはお子様にあの光景を見せるのか?…と言う大人としての抵抗感が有り、連れて行けば何が起きるか分からない!…連れて行かなければまた頭突きと!…如何するかで一人悩み出して居ると、会議はマサツグを置いてけぼりにドンドン進んで行く…


「……今は出来る限りに事をしよう!…

あのネズ公がいつ現れても良い様に…

今一度対策を!!…」


「…とにかく警備の方は厳重に!!…

最悪外出禁止令も施行して安全を確保するのも手かと…」


「だとすると食料等は如何する?…

配給制にでもするのか?…」


__………。


こうして時間は過ぎて行き…ある程度の対策がなされると会議は獣人達の間だけで行われ終了する。結果的に警備を今まで以上に厳しくする他に無いと言う事で結論付き、その間マサツグはただ何も言う事無く席に座るだけで俯くと何もせず、その場で色々と悩み続けていた…最終的にシロをあの拷問部屋に連れて行くか?…行かないか?…で一人考え手間取って居ると、会議が終わった事をシロに袖を引っ張られては教えられ…その際釘を刺す様にシロからある事を言われると、マサツグは渋々連れて行く事を決めるのであった。


__クイクイッ!…ッ!…


「…ご主人様ぁ~?

終わっちゃいましたよ?……

次は何処に行きますか?…」


「え?…あっ…あぁ…そうだな…

…じゃあ次は…」


「ッ!…シロ!!…絶対に付いて行きますからね!!

お留守番は飽きたのです!!!」


__ガッシ!!…フンス、フンス!…

パタタタタタ!!………


シロに会議が終わった事を告げられ、続けて何処へ行くか?と首を傾げて尋ねられ、その言葉に戸惑ってマサツグが俯いていた頭を上げて辺りを確認すると、そこにはもう衛兵数名とフィアナとミスティー…あと犬の裁判長達だけしか残っていない光景を目にする…その光景を目の前にほぼ会議に参加出来て居なかった事にマサツグは気付くと、自分の世界に入り込んでしまって居た事にも気が付き、その事にも反省しつつ席を立ち…ここに居ても仕方が無いと会議室を後にしようとすると、シロに腕を掴まれて逃がさない!とばかりに!…目を輝かせ鼻息を荒くされて何故か妙に意気込まれ始める!…そんな表情で見詰められオマケに尻尾まで振られた日にはマサツグも断るに断れず…お留守番飽きたとまで言われては断る理由が無いと…自身の頭を掻いて連れて行く事を決めると、溜息を吐いてはシロに声を掛け出す。


「……はあぁ~…シロ…よっぽど退屈してたのか?……

てか、放置して倒れが悪いのか……しょうがない!…

行くか?…」


「ッ!!!…はいです!!!」


__スタッ!…スッ…ギュッ!…


「…えへへへへ♪…さぁ行きましょう!!」


マサツグは諦めた様子でシロに付いて来るか?…と苦笑いをしつつ尋ね出すと、シロは目を輝かせながら満面の笑みで尻尾を振っては元気に返事をする!そしてマサツグの腕を掴んだまま自力で椅子から降りると、掴んでいた腕を途端に放して手の方を握り!…シロは満足そうにマサツグと手を繋いで先にと歩き出すと、マサツグはシロに引っ張られる様にして会議室を後にする。……さて、ここからが大変であった!…シロはマサツグの手を引いて歩き出すのは良いものの行き先を知らず!…マサツグは王宮の入口を見た事が無いまま現在王宮に居るので、どの方向に進めば出口が有るのかすら分かって居ない!…


__トッ…トッ…トッ…トッ…


「…あぁ~っとシロさん?…ここ何処?…」


「ん?…分かんないのです!!

ただご主人様と一緒なので大丈夫なのです!!」


「いや…俺が大丈夫じゃないんだけど?…」


シロはただマサツグと一緒に散歩が出来てご満悦なのか…自身が分からない道でもドンドン進み!…マサツグはマサツグで困惑した様子を見せると、すかさずシロに質問をするのだが…シロは満足なのか満面の笑みでマサツグに分からないと正直に答えると、根拠も無い様子で大丈夫と言い出す!そんなシロにマサツグは戸惑いながらツッコミを入れると出口は何処か?と辺りを見渡すのだが、それらしき物は見当たらず!…更に付け加えて自身が方向音痴である事を自覚して居る為、シロへ思う様に指示が出せず…ただ王宮内を彷徨うよう…シロを連れて散歩する様に歩き回って居ると、偶然再会する様にミスティーがマサツグ達に気付いた様子で駆け寄って来る。


「ッ!…マサツグ様!…それにシロちゃんも!…

…あれ?…こんな所で何を?…」


「あっ!…ミスティーお姉ちゃん!!」


「ぜぇ!…ぜぇ!…た!…たすかったぁ~!!…」


「え?…」


ミスティーがマサツグ達に声を掛けるとシロも気が付いた様子で返事をし、マサツグを引っ張る様にしてミスティーの元へと駆けて行き!…尻尾を振ってミスティーとの合流を果たすと、マサツグは息を切らしながら助かったと口にし始める。シロの体力は底無しなのか彷徨っている間一切休む事無く歩き続け、更にシロに引っ張られる事で中腰と…ただ歩くだけでもそこそこ負担が有った様子を見せて居ると、そんなマサツグにミスティーは困惑する。そうしてマサツグはミスティーに事情を説明するとミスティーは理解してくれたのか…二人に対して苦笑いをすると、出口までの案内を買って出てくれる。


「……あははは…それは大変でしたね?…ッ!…

あっ!…じゃあ私が案内します!…付いて来て下さい!」


「あっ…あぁ…た、助かる!……

…シロは小脇に抱えて…」


「あわわわ!…」


ミスティーがマサツグ達を王宮の出口へ案内し始めると、マサツグは既に疲れた様子でミスティーにお礼を言い…ミスティーの案内に付いて行こうするのだが、また中腰にならないといけないのかと危険を察知すると、シロの腕を引っ張ってはお腹を抱え!…まるで人攫いの様に自身の小脇にシロを抱えると、ミスティーの後ろを付いて歩き始める。その際シロはマサツグに抱き抱えられた事で若干驚いた反応を見せるのだが、直ぐに順応した様子で…抵抗する事無くマサツグに抱えられてはそのまま運ばれ、それを傍から見ていた王宮勤めの獣人達はギョッとした様子で確認すると、その様子を二度見していた!…


__コッ…コッ…コッ…コッ…ッ!…ッ!?…


「…ッ?…何やら視線を浴びている様な?…

…まぁ気のせいでしょう……ッ!…

そう言えばまだマサツグ様が投獄されていた時の

シロちゃんの様子について話して居ませんでしたね?」


「へ?…あっ…あぁ!…聞いてないけど?…

…何かあった?…」


シロを誘拐している様なマサツグの抱き抱え方に使用人達は驚き戸惑い!…思わず衛兵に連絡しそうになるのだがその誘拐犯がマサツグである事に気が付くと、ハッ!とした様子で安堵する。勿論そんな光景を王宮内で見る筈が無いので使用人達は見掛ける度に驚かされ!…その度に視線を集めては一緒に歩いているミスティーが違和感を覚え…困惑するのだが気のせいと言った様子で流してしまうと、徐にマサツグが居ない時のシロの話をし出しては話題を作ろうと試み始める。その際マサツグに嬉々として話を振り出すとその突然の話の振り方にマサツグは戸惑い!…シロが何かやったのか!?と思わず心配つつ返事をすると、その返事を聞いたミスティーは後ろを振り向いては首を左右に振って見せ、若干笑みを零しつつシロの話を口にし始める。


「いえいえ!…シロちゃん!…

マサツグ様が投獄されている間…

ずっとマサツグ様との約束を護る様に

私の護衛をしてくれて居たのですが…フフフ!…

私の部屋に誰かが訪ねに来る度に

その使用人だったり衛兵だったり…

厳重にチェックしてくれて居たのですよ?…

それはもう細かく!…」


{…ッ!?…え?…そんな事…いや…

教えた覚えはないし…

それにそんな光景見せた事も…

…シロの知識は何処から?…}


ミスティーの口から明かされるマサツグの居ない空白の時間…それを埋める様にミスティーがシロのやった出来事を話し出すとその内容にマサツグは驚く!…内容を聞く限りシロはちゃんとミスティーの護衛の約束を果たして居た事が良く分かるのだが、その際マサツグが驚いたのはシロのやった身辺チェックの内容であり、マサツグは当然投獄される前にその身辺チェックをする様に言い聞かせる所かやり方すら教えて居らず…一体いつそんな事を覚える時が有った?と思わずシロの知識について悩んでしまうと、次にシロがやらかした唯一の失敗なのか…ミスティーは身辺チェックをする際の失敗談を口にし始める。


「相手が何かを隠し持っていないかを確認する為に

服や鎧を叩いて…匂いを嗅いだり…

その際シロちゃんが間違って衛兵のその…

小股を叩いてしまったり…」


「ぶほ!?…」


「…使用人が来ない時は部屋の片隅に移動して

膝を抱えて放心する光景が…

最初は心配をしていたのですが…

徐々にその様子が可笑しくて……ぷふッ!」


「……シロさん?…ッ!…」


ミスティーが突如頬を赤らめて話し出した内容…まさかの話を聞く事になると思わなかったその内容に、マサツグは思わず吹き出してしまうと想像してしまったのか!…話を聞くと思わず内股になってしまい!…その叩かれたであろう衛兵の事を思い浮かべて気の毒に思い心の中で謝罪をする!…恐らく事故だろうとは思うが、何故そんな事になってしまったのか?…違う意味でまたもや悩んでしまい…シロに色々と教えないといけないな…と再認識して居ると、次々とミスティーはシロの事について話し続ける。その際思い出し笑いをする様に話しては笑いを堪え!…そのミスティーの話す姿が如何にも幼稚園や保育園の先生の様に見えてしまうと、マサツグは何故か申し訳なくなってくる…そうして一通りシロのやった事について聞いた所でシロを呼びながら視線を向けると、そこには珍しく恥ずかしがるシロの姿が有り…自身の顔を隠すよう両手で覆っては頬を赤く染め、耳をピコピコと動かしつつ沈黙していた。


__ピコッ…ピコピコッ…


「……俺が居ない間シロは

すみっ〇ぐらししてたのか?…」


__ツンツン……ぬるり…ヨジヨジヨジヨジ…


「ん?…どしたどした?…」


まるで聞かれたくなかった!…触れて欲しくなかった!!…と言った具合に恥ずかしがるシロを見て、マサツグは物珍しそうにシロを見詰めるとちょっかいを出す様に言葉を掛けては、空いている右手でシロのほっぺを突き出す。数回に分けてシロのプニプニのほっぺを軽く突いてはちょっかいを出し、その当時の様子が容易に想像出来たのか思わず笑いそうになってしまって居ると、シロはその様子が気に食わないとばかりにマサツグの拘束から抜け出し!…マサツグは拘束から逃れた事を傍観して居ると、体を攀じ登られては肩車するようマウントを取られる!…そして……


__クイッ!…むぃ~~~!!…


「あばばばばばばばば!…

わかっひゃ(分かった)!…わかっひゃって(分かったって)!!…

ほれははふう(俺が悪う)こはいはいは(ございました)!…

ははらふひほ(だから口を)ひっははらひへ(引っ張らないで)!…」


「……ッ!…え!?…

シ、シロちゃん!?……ッ!!…

ちょ!…ちょっと待って!?…悪いのは私!…」


シロはマサツグの後頭部で自身の顔を隠す様に俯くと、自身の両手をマサツグの口に向けて伸ばし!…マサツグの口の左右の両端!…両人差し指を引っ掛けるよう口の中に入れると、そのまま左右に引っ張るよう力を入れて抗議をし始める!…そして突如引っ張られ始めたマサツグも手加減をされているのか然程痛くは無いものの…引っ張られる事に抵抗を覚えては慌ててシロに謝り!…その際口を引っ張られて居るのでマサツグが何を言おうとしても何を言っているのか分からず…シロもシロとてただ照れ隠しをするよう頬を赤くしながらマサツグの口を引っ張り続けて居ると、その様子に気が付いたのかミスティーが振り返っては慌てて止めに入る!…しかし幾ら言った所でシロは止めず、そのままズルズルと引っ張り続けられ…王宮を出るまでの間、マサツグはシロに口を引っ張られ続けて衛兵達に変なモノを見る様な目で見られながらも!…その視線に負けじと外へと歩き出すと一度ゲスデウスの屋敷へと歩き出すのであった。



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