-第二章四十四節 王宮でお約束と裸族の女王陛下と復帰のメイドさん-
……さて、左右の腕はホールドされており…何ならお腹もガッチリロックと…動くに動けない状態の中、マサツグは天井を見詰めて如何してこうなったと考え出すと、同時に起きたいのに起き上がれないと言って脱出方法も考え始める。男としてこのシチュエーションは嬉しくないのか?と問われれば嬉しいのは嬉しいと答えるのだが…色々と自分の理性が試されている様な感覚を覚えて迂闊に動く事が出来ず!…ただ如何する事も出来ずに時間だけが無情に過ぎ去って行き…この状態から解放されるのをマサツグが待って居ると、まずシロが目を覚ましたのかマサツグのお腹に埋めて居た顔を上げ始める。
「……うぅ…ん……ふあぁ~…う?」
「ッ!…お?…シロ、おはよ!」
「ッ!?…」
シロはマサツグのお腹の上で目を覚ますと眠い目を擦ってはゆっくりと欠伸をし始める。その際シロの顔は泣きじゃくったせいか目を若干腫れさせており、目の下から頬に掛けて涙を一杯零したとばかりに線が出来上がっては跡になって残っていた。その様子から見るにシロは泣き疲れて眠ったのだろう…心配してくれていた様子を垣間見つつもマサツグがシロに朝の挨拶をすると、シロはマサツグの顔を見るなりビタッ!と石化した様に驚いた表情で目を見開き固まり!…少ししてから小刻みに震え始めるとその様子にマサツグは戸惑う。
「え?…何々!?…どしたどした?…」
「……ご!…」
「……ご?」
シロはただマサツグの顔を見詰めたまま硬直するとプルプルと震え続け、そのシロの反応にマサツグも連動するよう困惑し続けて居ると、シロは一言だけ呟き出す!…ただ本当に一言…ご…とだけ呟くとマサツグはシロを見詰めたまま困惑しつつ復唱し、何か?と言った様子でシロを戸惑い気味に見詰めて居ると、シロは一度瞬きを挟んではマサツグの事を呼び直し!…マサツグの顔に向かって飛び付き更に張り付くと、昨日の再現とばかりに顔を摺り寄せる!…
「ごしゅじんさまあぁ~!!!!」
__バッ!!…ガッシ!!…グリグリグリグリ!…
{ッ!?…シ、シロさん!?…」
「ごじゅじんざまが目を覚まじだ~!」
シロは余程マサツグが目を覚ました事が嬉しかったのかまたもや泣き出すと熱烈に顔を摺り寄せ!…マサツグの呼吸を止めん勢いで頭にしがみ付き抱き締めると、マサツグを困惑させる!…マサツグも一度シロへ落ち着く様に呼び掛けようと必死に藻掻くのだが、口を封じられて居るので…幾ら呼ぼうとしてもシロのお腹に塞がれて掻き消され、引き剥がそうとしてもまるでフェイス○ガーの如く張り付かれては…幾ら首を左右に振ろうが離れる気配を見せない!…そうしてシロはマサツグのSOSを感じないのかただ泣きながらマサツグの復活を喜び!…マサツグは解放してくれと藻掻いて居ると、腕を拘束していたデンジャラスボデーのお姉さんとミスティーが騒動に気付いた様子で目を覚まし出す。
「ん…んん!…ん~……
…何なのだ?…こんな朝早くから騒がしい…
余はまだ眠いのだが?…」
「んん~…ふっ…あぁ~…ぁ…
如何したんで?……ッ!?…」
「ッ!!…ご、ご主人様が!!…ご主人様が!!!…
ご主人様が目を覚ましたあぁぁぁ~~~!!!」
「ッ!?…な、なんと!?…」
デンジャラスボデーのお姉さんとミスティーの二人がゆっくり体を起こし始めると、まだ眠いと言った様子で目を擦りながら欠伸をし…二人揃って騒いでいるシロに対し何が有った?と若干戸惑い気味に質問をすると、その声には耳を貸すのかシロは二人にマサツグが目を覚ましたと泣きながらに訴える!…するとそれを聞いて二人は一気に覚醒する様に目をパチッと開けては慌てて驚いた様子でマサツグに這い寄り!…急ぎマサツグの容態を確かめようとその顔を覗き込むと、ある異変に気が付く。それは…
__バッ!!……ピクッ!…ピクピクッ!…
「ッ!?…こ、これは!?…」
「し…シロちゃ~ん!!!…
今すぐマサツグ様から離れて!!
マサツグ様がまた臨死体験しちゃう!!」
「ッ!…へ?…ハッ!!…」
この時のマサツグはまるで墓場から復活しようとしているゾンビの様で、空に向かい腕を伸ばしては体全体を痙攣させていた…その間シロは一切手加減無しの拘束ぶりを発揮し、デンジャラスボデーのお姉さんとミスティーもその光景を見るなり困惑の表情を見せる!…一応痙攣して居ると言う事は意識を取り戻した?…と眠っている頭を働かせようとする傍ら、ミスティーは直ぐに状況を理解したのかシロにマサツグを解放するよう慌てて指示し!…シロもそれを聞いて一度は戸惑うが直ぐに慌てた様子でマサツグの拘束を緩めると、マサツグの封印されていた顔が解放される!…
__スッ…ぶはああぁぁぁ!!!…
「はぁ!…はぁ!…し、死ぬかと思ったぁ~!!!…」
「マ!…マサツグさん!!…だ、大丈夫ですか!?…」
「あ…あぁ…ただ何度か綺麗なお花畑が見えて…
川を渡りそうになったが?……」
シロがマサツグの顔から離れるとマサツグは慌てた様子で息を吸い出す!…そして息を荒げては過呼吸気味に息を整え出し、その様子にミスティーやシロ…デンジャラスが慌てて心配した様子で顔を覗き込みながら声を掛けると、マサツグはやはり息を整えつつ臨死体験し掛けた事を語り出す!…それを聞いてミスティーは危なかった!…と言った具合に安堵し、シロはしょぼんとした様子で反省し…項垂れてはプルプルと小刻みに震え、そんな様子にマサツグは手を伸ばしてシロの頭の上に手を置くと、安心させる様に撫で始める。
__プルプルプル!……ポンッ…なでなで…
「ッ!…ご主人様?…」
「…おはよ!…シロ!…」
「ッ!!……ッ~~~!!…
はいです!!」
突如マサツグに頭を撫でられた事に反応してシロが恐る恐る顔を上げると、そこには優しく微笑み掛けるマサツグの顔が…マサツグも怒って居ないと言った様子でシロの頭を優しく撫でて改めて朝の挨拶を口にし、その様子をミスティーとデンジャラスが微笑ましく見て居ると、シロもマサツグが挨拶をしてくれた事が嬉しかったのか、尻尾を振って笑顔を見せるとマサツグに挨拶をする。こうして漸くマサツグも動ける様になり体を起すのだが、その際マサツグはシロにフェイス○ガーをしない様に注意するのであった。
「……但し!…
今度からは幾ら感情が昂ぶっても顔に張り付かない様に…
またさっきみたいに動かなくなっちゃうからね?…
…俺との約束だぞ?……」
「あう!…ごめんなさい…約束です……」
__しょぼ~ん……ッ!?…ッ~~~~!!…
マサツグはシロに注意をする際、顔を見詰めながら…シロの目を見詰めながらフェイス○ガーをしない様に約束すると、シロはまたションボリとした表情を見せては謝り、マサツグに約束をする。その際尻尾をブンブンと振って居たにも関わらず怒られた事で反省したのか、尻尾はしょぼんと垂れ下がり…それを見てマサツグが思わず吹き出しそうになってしまうのだが、必死に笑わないよう堪え始める!…こうしてゲームを再開して二度目の戦闘不能になり掛けるのだが、何とか生還し…シロの気持ちを理解しつつ一応のケジメを付けていると、先程から裸族の危ない女性がマサツグに話し掛けようと身構えていた。
「……そろそろ話しはついたか?…」
「ッ!……えぇ~っと…
一応伺いますがどちら様ですか?…
…ッ!!…後お召し物は?…」
「ん?…何?覚えていないのか?…余じゃ!…
……そう言えばまだ名乗って居らんかったな?…
まぁ丁度良い!…余はこの国の女王!…
「レフィリアナ・レオ・レヴナント」じゃ!
……因みに余は寝る時は裸である!…
この方が気持ちが良いからな!」
シロとの話がついた所でデンジャラスがマサツグに話し掛け出すと、マサツグはまずそのデンジャラスと対話するに当たって目のやり場に困ってしまう!…何故ならデンジャラスは全く隠すと言った事をせず!…堂々見せつけて来るからであり!…そんな恥じらいが何処かへフライアウェイしたデンジャラスに視線を泳がせつつ…薄々感付いては居るものの一応ながらに誰かとマサツグが質問をすると、マサツグの予想通り!…デンジャラスは自身がレフィリアナである事を明かしては名前を名乗り出す!…その際何故かマサツグの居る方を振り向くとベッドの上で仁王立ちして見せては堂々とした態度で質問を自信満々に答え始め!…その様子にミスティーは慌ててふためいてはオロオロとした様子でレフィリアナを見詰め!…マサツグはマサツグで予想通りの答えが返って来た事に戸惑いながらも、真似をしないようシロの目を手で覆い隠すと心の中でツッコみを入れる!…
{……あぁ~…
やっぱりお姉様でいらっしゃいましたか…まぁ…
ミスティーに似ている時点で薄々気付いてはいたが…
てかまぁ…
人の嗜好を如何こう言うつもりは無いんだが…
隣に人を寝かせてその恰好は如何かと?…
もはや暴力なんだが?…
……しかし本当に良い物をお持ち……ゲフンゲフン!…
けしからん限りです!…}
「ッ!?…お!…お姉様!!…早く服を着てください!!
マサツグ様もそんなにマジマジと見ないで下さい!!」
「ッ!?…あっ…あぁ!…ス、スマン!…つい…」
「……ッ?…ご主人様ぁ~?…
何でシロの目を隠すのですかぁ~?…」
レフィリアナに対してツッコミどころ満載と言った様子でマサツグが思わず呆れて居ると、マサツグの心を代弁するようミスティーがレフィリアナに注意をし始める!…その際マサツグの様子も気になったのか、顔を真っ赤にしてマサツグにも注意をし出し!…マサツグがその言葉でハッ!…と我に返ると、慌ててレフィリアナから視線を逸らす!…そして何が起きているのか分からない…突如目を隠された事でシロは不思議そうに首を傾げると、マサツグに何が起きているのか?と尋ね…レフィリアナはレフィリアナでミスティーの言葉に引っ掛かりを覚えると、すかさず膨れた表情を見せてはミスティーに反論し始める!
「ムッ!…ミスティー!!…
今の言葉聞き捨てならんぞ!?
まず第一に余の部屋で
余が何をしようと一向に構わんだろう!?
それに余は見られて恥ずかしい様な
情けない体はしておらん!!」
「そう言う問題じゃありません!!!
恥じらいと言う物を持ってください!!!」
「……ッ?…ご主人様ぁ~?…」
{……はあぁ~…このままだと激化しそうだなぁ?…
もう色々と着替えたいのだが?…
…とは言えこの様子をシロに見せる訳にも行かないし…
何なら内容も教育上宜しく無いし…
耳も伏せっとさせておくか?…
……って言うか女王陛下の言動と言うか性格と言うか…
何か何処かの赤い…
ローマ!!的な物が酷似している様な?…}
ミスティーに反論をする際!…レフィリアナはミスティーを見下ろす様に腕を組み始めると、当然の権利とばかりに文句を言い出し!…その言葉にミスティーはツッコんで居る所はそこじゃない!と…恥じらいについて説教をする様に負けじと更に文句を言い返し出すと、レフィリアナと口論をし始める!…そして完全に置いてけぼり状態のシロも再度マサツグに質問をしては一人悩んだ様子で困惑し…マサツグも喧嘩が始まった事で更に呆れた様子を見せてはシロの耳を伏せさせようとするのだが…ふとレフィリアナの有る言葉に引っ掛かりを覚えると慌てて二人の間に割って入る!…
「……ッ!?…ちょ!!…
ちょっと良いか!?…二人共!!…」
「ッ!?…ど、如何したのですか?(如何したのだ?)…」
「い、いや…今さっき女王陛下が余の部屋って!?…」
慌てて喧嘩の仲裁?…に入るとレフィリアナとミスティーは突然のマサツグの様子に戸惑い!…二人揃って何が有った?…と困惑気味の表情でマサツグに返事をすると、マサツグは戸惑いの表情で恐る恐るレフィリアナに質問をし始める!…マサツグが引っ掛かりを覚えたのは言うまでも無く「余の部屋」と言う言葉!…そう聞こえた事にマサツグは聞き間違いか?…と言った具合にレフィリアナに尋ねるのだが、レフィリアナはその質問に対しキョトンとした表情を見せると、聞き間違いでは無いと肯定する。
「……ッ?…そうだが?…
ここは余の部屋でこれは余のベッド…余の机に椅子…
余のシーツに包まれ勇者殿は余と同衾!…
眠って居たのだ?……何かおかしい事でも有ったか?…」
__……はあぁ~……ッ?…。
レフィリアナは徐にベッドや机に椅子…シーツと指差してはマサツグがログアウトしている間に同衾して居た事を頬を染めながら明かし!…自身のやった事が可笑しいか?と逆にマサツグへ尋ね出すと、その言葉にマサツグは沈黙する…その際ミスティーも頭を抱えると呆れた様子で溜息を吐き、シロは状況を飲み込めずにただキョトンとしてはマサツグを見詰める。そしてマサツグはマサツグで…今の言葉が信じられないとばかりにレフィリアナに人差し指を立てて見せると、もう一度質問をする…
「……もう一度聞いて良い?…ここは?…」
「んん~?…ここは王宮と言って居ろう?
そしてここは余の部屋!…
勇者殿は余のベッドで同衾!…」
「だあああぁぁぁぁ!!!…
何度も言わんで宜しい!!…
てかアンタ何やってくれてんの!?…」
「ムッ!…余が何をしようと勝手では無いか!!
それに余は見られて恥ずかしい様な情けない体は!!…」
「そう言う事を言ってんじゃねえぇぇぇぇぇぇ!!!!」
もはや何でもアリなのかレフィリアナは一切悪びれる様子を見せず…寧ろやって当然とばかりに堂々とした態度でマサツグの質問に対して不思議そうに答えては同衾の話を蒸し返し!…マサツグも慌ててツッコミを入れては勢いそのままレフィリアナに問い質し始めると、レフィリアナは態度を改める事無く今度はマサツグに反論する!…その際ミスティーにも言った様な事を言い出すとマサツグもツッコんで居る所はそこじゃない!とばかりに声を荒げ!…レフィリアナにツッコミを入れてはミスティーの言葉に同意するよう反論しようとすると、ミスティーが参戦し始める!
「お姉様!!…マサツグ様の反応もご尤もです!!
幾らマサツグ様が恩人だと言っても!!…
ッ~~~!!…反省してください!!…
やり過ぎです!!!」
「何なのだ朝から二人して!!…
ただこの者を気に入ったから
一緒に閨を共にしただけと言うのに!…
それに妹の友人を持て成すのは当然であろう?」
{だからって普通その友人の隣で
裸になって寝ますか?……}
「だからって普通その友人の隣で
裸になって寝ますか!?
もっと慎みを覚えて下さい!!!」
レフィリアナとミスティーの間柄を見る限り…この喧嘩は普段から行われて居るのか何方も折れず…寧ろマサツグが間に入った事によって激化する様子を見せると、マサツグは困惑する…レフィリアナは変える気は無いとばかりにミスティーの言葉に対してただと持て成したと反論し、その言葉にマサツグが思わず感性を疑うよう…心の中でツッコみを入れて居ると、そのツッコミを代弁する様にまたミスティーがレフィリアナに吠える!…この時顔を真っ赤にしては両手を握ってブンブンと…子供の様に納得が行かないとばかりに振り回し、レフィリアナもその様子を見て徐々に面倒になって来たのか…呆れた様子で溜息を吐くと、ここで喧嘩を切り上げる。
「……はあぁ~~…全く!…
いつまでも小さい事気にする!…
分かった分かった!…
今度からは気を付ける!…
これで良いのだろう?…では…
さっさと支度をせねば…
今日もまた忙しいからな?…」
__ギシッ……トッ…トッ…トッ…トッ…
「ッ!?…お!…お姉様!!…
むぅ~~~~!!…」
__ギシッ……トッ…トッ…トッ…トッ…
まるでここまでが日常とばかりにレフィリアナは簡単にミスティーをあしらうと、そのままベッドから降りては机に向かい歩き出し…その態度に納得が行かないのかミスティーはレフィリアナを呼び止めようと興奮気味に声を掛け出すのだが、幾ら呼んだ所でレフィリアナは足を止めようとはしない。その様子にミスティーも頬を膨らませてはベッドから降りてレフィリアナの後を追い掛け、レフィリアナはそんな事など御構い無しに机の上に置いて有るベルを手に取ると、徐に振って見せてはベルを鳴らし始める!…
__スッ…ちりりりぃん♪…
「お姉様!!…まだお話は!!…」
「何だしつこい!…もう終わりと…」
「……ふぅ…」
恐らくお付きのメイドを呼んだのか軽く2~3回振ってベルを鳴らすと、スッと机の上にベルを戻し…それに合わせてミスティーがレフィリアナに追い付き、今日と言う今日こそは!…と意気込み出すと、レフィリアナに話は終わっていないと文句を言っては果敢に突っ掛かって行く!…その様子にレフィリアナは飽き飽きした表情で返事をしてはまた文句を言い出し、再び姉妹で喧嘩をし始めるとその様子にマサツグも呆れた様子で…もう危ない光景は……いや有るには有るかと思いつつ、シロを解放し始める。特段裸を見せる位なら問題無いと判断しての解放だったのだが、シロの視界を解放すると途端にシロは驚いた声を挙げ始める。
__スッ…カッ!…
「ぴゃあッ!!!」
「ッ!?…ど、如何したシロ!?」
「うぅ~!……目がピカピカしますぅ~……」
「ッ!…あ、あぁ…何だそう言う事か…スマン!…」
シロが突如として悲鳴を上げるとマサツグは驚き、慌てて何が有ったのか!?と確認し出すと、シロはマサツグの胡坐の中に納まっては目をシパシパと瞬きさせつつ…急に光が目に入ったと言って眩しそうに目を擦る…そしてそれを聞いたマサツグも納得したのか途端にホッとした様子で安堵すると、シロに謝り…シロを抱えては自分達の着替えが無い事に気が付き、自分達も如何しようかと今だベッドの上に座り考えて居ると、向こうは向こうで姉妹の口喧嘩が終わったのか…互いに膨れた表情でそっぽを向き合って居り、ふとレフィリアナの独り言がマサツグの耳に入って来る!…
__ぷ~~い!!……
「……チッ!!…
隙を見てちょっとばかり
味見をしようと思っておったのに!…
ミスティーの奴め!!…
ガードが堅いではないか!!…」
「ッ!?!?…」
「ッ!……ご、ご主人様?…」
レフィリアナの口からポロっと出て来たのは紛れも無い捕食の欲望!…それを聞いたマサツグはビクッと反応すると思わずシロを強く抱き締め、ミスティーにもその独り言が聞こえたのか慌てた様子で突如振り返ると、レフィリアナの後姿を睨み付ける様に凝視し始める!…そしてマサツグに突如強く抱き締められた事にシロが戸惑いを覚えて居ると、その直ぐ後にお付きのメイド達が部屋の扉をノックして入室し…皇女二人の着替えを手伝い始めると、マサツグはシロを抱えてレフィリアナの部屋を後にしようとする。…しかし……
「……さて?…俺が居ると色々邪魔になるだろうし?…
俺達は散歩がてら外に出よう…」
「……ん?…勇者殿?…
何処へ行こうとしておるのだ?…」
「……え?…」
「別にこの部屋で過ごしてくれていても良いのだぞ?…
何なら余の生着替えを見て居ても…」
「ッ!?…お姉様!!!」
マサツグは気を利かせる様にシロを連れて外に出ようと扉の前まで移動するのだが…まさかのレフィリアナから呼び止めを喰らうと、その言葉に戸惑いを覚える!…今から着替えると言って居るので本来なら出て行け!と言われる筈が、まさかの待てと!…ドアノブに手を掛けたまま固まり、一体如何言う事とばかりにマサツグが困惑の言葉を漏らして居ると、レフィリアナは隠す事無く仁王立ちしながらマサツグに部屋に居て良い!と堂々言い出す!…何なら着替えて居る所も見て良い!とまで言い出す始末で、その言葉にミスティーが赤面し!…レフィリアナに文句を言うよう呼び掛け出すと、マサツグは自主的に退出する…
__ガチャッ!…バタン…
「ッ!…なぁ~につまらん!…
別に構わんと言って居るのに…」
「ッ~~~~!!!」
__ブンブンブンブン!!!…
マサツグが無言で部屋を後にするとレフィリアナは怪訝そうな表情でつまらんと言い出し、ミスティーはそんなレフィリアナに対して顔を真っ赤にすると涙で目を潤ませては視線で抗議する!…その際やはり子供の様に腕を振って見せる等…着替えを妨害する様な動きを見せてメイドさん達を困惑させ、そんな二人に付き合って居るメイドさん達は大変だと思いつつ…マサツグが廊下に出て来ると溜息を吐き始める…
「……はあぁ~
…一体どんだけ自信が有んだよ!…ったく!…
……確かにかなり魅力的な光景をして居た事は
認めるが…」
「ッ!…ご主人様ぁ?…」
「ッ!?…な、何でも無い!…気のせいだ…
と、とにかく王宮を歩き回って…ッ!?…
おわあぁ!?…」
溜息を吐いてはレフィリアナの自信家・自由奔放ぶりに改めて呆れ出すのだが、やはりマサツグも男の子…思わず頭の中でレフィリアナやミスティーのあの光景を思い出しそうになって居ると、シロは感付いたのか釘を刺す様にマサツグの事を呼び始める!…その際マサツグの顔を覗き込んでは何か嫌な予感を感じるムッとした表情を見せ、そのシロの表情を見てマサツグもハッ!と我に返ると、シロに誤魔化しの言葉を掛ける。そうして朝からドタバタ騒ぎがあった中…改めて王宮内を探索しようと廊下に目をやると、そこには一人のメイドさんが立っており…その存在に気付いて居なかったマサツグは途端に驚いた反応を見せると、メイドさんは涼しい顔をしてマサツグに挨拶をし始める。
「…おはよう御座います…勇者様。
何やら朝から随分とお疲れの御様子で?…」
「え?…あ…あぁ…まぁ…
…ってかあれ?…君は?…」
マサツグの様子を見てクールに心配するとナチュラルにマサツグの事を勇者と呼び、マサツグはマサツグで突如心配された事にも戸惑いつつ…今だ慣れない勇者呼びに戸惑って居ると、その挨拶をして来たメイドさんに見覚えを感じる。と言うのも、そこに居たのはゲスデウスの屋敷で捕まっていたあの柴犬のメイドさんであり、無事仕事に復帰したのかメイド姿でマサツグの前に現れては凛とした佇まいを見せており…マサツグにまだ自己紹介とお礼をして居なかった事を思い出すと、徐にお辞儀をしては自己紹介をし始める。
「ッ!…申し訳ありません…
そう言えば自己紹介もお礼もまだでしたね?…
…はい、既にお気付きになられて居ると思いますが…
私はあの下種野郎の屋敷で貴方様に助けられた者に
御座います…名は「ノーマ」…
「ノーマ・クラネル・シバ」…と申します…
役職はフィアナ…ッ!…失礼…
女王陛下のお付きのメイド…
特技は炊事・洗濯…と言った所でしょうか?…
…そしてお礼の言葉も遅くなって申し訳ありません…
あの時はまるで子供の様に取り乱し、
貴方様に縋ってしまった事…
誠に申し訳ありませんでした…そして助けて頂き…
本当に有難う御座いました!…」
「お…おう…」
そこにはもう拷問に怯えていた時の様な姿は見られない!…真っ直ぐにマサツグを見詰めて自己紹介をし始めるメイドさんの姿があった。あの時は恐怖とトラウマに震えて居たのだが今は全く見られず、ただ淡々とゲスデウスの事を下種野郎と呼んでは自身の名前に今の役職と…更には特技まで話し出してお見合いの様な調子で話し続ける。そしてマサツグに助けて貰った際迷惑を掛けたと言い出すと深々とお辞儀をし出し、更にお礼の言葉も口にし始めると、そのノーマの改まり様にマサツグは困惑する!…そして自己紹介をする際ノーマは何やら気になる名前をポロっと口にした事が気になり、その名前に疑問を持つと誰かとマサツグは悩み出すのだが…ノーマが捕まっていた時の話を思い出しては女王陛下の愛称と直ぐに理解し、愛称を呼ぶ事から本当に仲が良いと言う事を理解すると、二重の意味で驚かされる!…
{……ん?…フィアナ?…一体誰?…って、あぁ!…
レフィリアナで、フィアナね?…なるほど!…
てか仮にも一国の女王を相手に愛称…
本当に仲が良いんだな?…}
「あっ…あぁ…よろしく頼む!…
俺はマサツグ!…冒険者だ!
…で、こっちはシロ…」
「シロです!!」
「…マサツグ様に…シロ様ですね?…承りました…」
ノーマの自己紹介に戸惑いつつ…マサツグもノーマに軽く自己紹介をし始めると、シロも一緒に紹介をする。その際シロを抱え上げてノーマと同じ視線の位置まで持ち上げ、シロにも自己紹介をさせようとするのだが、その心配は要らなかった様子でシロは自ら手を挙げて自身の名前を口にする。天真爛漫の笑顔で簡単に自己紹介をするシロにノーマも微笑んでは軽く手を上げ…手を振り返して見せると、シロもその様子に喜んだ反応で尻尾を振る!こうして自己紹介が済んだ所でマサツグはふとノーマの事が気になり…声を掛け始めるとある質問をする。
「……ッ!…そう言えば…もう動いて大丈夫なのかい?…
アレだけの大怪我を負って居たんだから
もう少し休んで居ても…」
「ッ!…お気遣い感謝いたします…ですが大丈夫です…
獣人族は体力が取り柄…
怪我は安静にすればある程度回復します…」
「ッ!…そ、そうなのか?…大丈夫なら良いんだが…
…で、あと中は放って置いて大丈夫なの?…
何か揉めてるけど?…」
__ッ~~~~~~~!!!!!
マサツグが気になった事と言うのはノーマの怪我!…確かに助けてから約2週間の時間は経って居るが、あの拷問で怪我の具合が具合なので心配に!…マサツグは労わるよう声を掛け出すのだが、ノーマは首を左右に振ってはクールに返事をし…マサツグにお礼を言って獣人族は丈夫と答え出すと、その答え方にマサツグは些か不安を覚える!…何故ならその受け答え方は怪我を押してでも働こうとする健気な子に見られる言動で有り、マサツグとしてもよくゲームの中で聞いては倒れている光景を目にしているからである…マサツグの本心としては無理に動かず休んで居て欲しいのだが、言い聞かせようとした所で大抵無駄に終わり…怪我をしていないか?と問い詰める訳にも行かないので如何しようも無いのである!…そんな不安を覚えつつマサツグはノーマに返事をすると何故かたどたどしくなり…更に先程から扉越しでも良く聞こえる姉妹喧嘩の事についてノーマに質問をすると、ノーマはチラッと扉を見た後、マサツグに返事をする。
「……多分放って置いても大丈夫かと思われます…
この手の喧嘩はよくある事なので…」
「ッ!?…よ、良くある事なのか?…」
「はい左様で…
ですから止めるだけ無駄かと
ここに具申させて頂きます…」
「………。」
ノーマは表情を変える事無くクールにマサツグの方に切り返すと、いつもの事と言って流してしまう。そんな返事が返って来た事にマサツグは戸惑うのだが、ノーマは構わず放置し…寧ろ止めるだけ無駄と言った…長年連れ添って来た熟年夫婦の様な諦めようをマサツグに見せると更にマサツグを戸惑わせ!…そんなマサツグを余所にノーマは思い出した様に若干ハッと目を見開いて、マサツグにある事をお願いし始める。
「はい……ッ!…
それはそうとマサツグ様?…どうぞこちらに…」
「え?…」
「…貴方様の装備一式はこちらの方にて
保管させて頂いております…
ご返却の方をさせて頂きたいので
申し訳ありませんがご足労を…
確認等もお願いします…」
「ッ!…あっ…あぁ…分かった…」
ノーマが突如自身の背後へ…半身を逸らすよう振り返って廊下を見せる様に手を指し、付いて来る様にマサツグへお願いし始めると、そのお願いにマサツグは戸惑う…まだ着替えてもいない状態で何処へ?…とマサツグは困惑を隠し切れない様子でノーマを見詰めるのだが、ノーマはその表情を見てはジッとマサツグの顔を見詰め出し…没収していた装備を返したいと何処か感情の掛けた様子でマサツグに説明をすると、マサツグは戸惑いながら納得する。そうしてノーマはマサツグから同意を得た所で案内するよう先を歩き出し、マサツグもシロを抱えて付いて行き出すと、そのまま3人王宮の中へと姿を消して行くのであった。……フィアナとミスティーの姉妹喧嘩を残して…




