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どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-  作者: すずめさん
-第ニ章-サマーオーシャン連合国-獣人の国編-
135/607

-第二章三十七節 皇女殿下ご乱心!と裁判決着!とまさかの告発!-



浄玻璃の鏡(じょうはりのかがみ)の登場と共にゲスデウスの配下の誘拐映像と…恐らくは誰も予期して居なかったであろうこの状況に傍聴席がどよめき立って居ると、大裁判所内は大混乱に陥る!…と言っても恐らくは誰もあの嫌われ者宰相のゲスデウスを支持して居る者は居ないだろうが、まさかここまでやるとは思っても居なかった様子で…先程の映像に対して物議が交わされ、マサツグの動向に気を掛けるよう恐る恐る犬の裁判長が質問をし始めると、更なるどんでん返しが起ころうとしていた!…


__カンカンカンカン!!!…


「静粛に!!…静粛に!!!……はぁ…はぁ……

ご…ごほん!!…では、改めて!…

被告人マサツグ…貴方は只、歩いていた

ゲステウスの部下に暴行を働いた!…

貴方はこれを違うと言うのですね?…」


「……ふぅ…はい!…

ただ一方的に暴力を振るった様に

言われているみたいですがそれは違い…」


「それは、違います!!!」


傍聴席に静かにするよう慌てて木槌を連打し、叫ぶ犬の裁判長!…大裁判所内が静かになるのに約五秒掛かった所で犬の裁判長は息を切らし!…そして裁判の形式上マサツグに改めて罪を認めるか認めないかの質問を再度すると、マサツグは認めないと言った様子で強く否定しようとする!しかしマサツグがその言葉を言い切るより先に傍聴席の後ろの方から更に強く否定する声が突如として聞こえ!…その突然の叫び声にマサツグが驚き息を呑むと、その声の聞こえた方を振り向く!…


「ッ!?……へ?…」


__…ッ!?…どよ!?…


「フーーーッ!!…フーーーッ!!…」


傍聴席の獣人達も!…裁判席に座って居る犬の裁判長に猫と鳥の裁判員も!…一同がその声の聞こえた方を振り向き誰が叫んだのか?と確認すると、その視線の先に居た者は驚く事にミスティーであった!…ミスティーは傍聴席から立ち上がり、自身の胸を抑える様に両手を当てると辛いと言った表情をして見せ、怒って居るかの様に息を切らしてはただ一身にマサツグを見詰めて立って居た。まるで不当だ!と言わんばかりに興奮している様な!…そんな様子を見せるミスティー(皇女殿下)に、当然ながら傍聴席に裁判席はまたもや戸惑い!…今度は何が起きる!?…と言った様子で全員がミスティーの事を見詰めて居ると、ミスティーは徐にマサツグの元へと歩き出す!…


__……コッ…コッ…コッ…コッ…

…ッ!?…どよ!?!?…


「ミッ!?…ミスティアナ皇女殿下!?…

な!?…何を!?…席に座って下さいませ!!…」


__ガタガタッ!!…


「ッ!…退きなさい!…」


__ビタッ!!…


突如としてマサツグの居る場所へと歩き出すミスティーにマサツグを含める全員が困惑し、その様子に犬の裁判長も戸惑い気味に落ち着くようミスティーへ声を掛けたが、ミスティーは止まらず!…マサツグを連行して来た看守達も慌ててミスティーを止めに入るが、ミスティーに一喝されると固まってしまい!…そのまま通り抜けて遂にミスティーがマサツグと合流してしまうと、ミスティーは突如として涙を流してはマサツグに抱き着く!…


__……ウルウルウルウル!……ガバァ!!…

…ドヨオォォ!?…


「ッ!?…あ…あのぅ~……ミ、ミスティーさん?…」


「……めんなさい…」


「へ?…」


ミスティーがマサツグの胸に飛び込んで行った事で大裁判所内は完全に混沌の渦に包まれる!…そこにはもはや静粛にしろ!と言っても無駄!!と言わんばかりの動揺が全体に現れており、看守達も犬の裁判長も裁判員も!…当然傍聴席の獣人達もどよめき倒しては驚き困惑の表情を揃って見せ、抱き着かれている当本人でさえ何が起きているのかと困惑するのだが、とにかく声を掛け始める!…何故こんな事を?…とミスティーに恐る恐る尋ねるのだが、ミスティーはただマサツグの胸に顔を埋めるだけで…何か呟いて居るようなのだが思う様に聞き取れないで居ると、マサツグは更に戸惑い!…何を言っているのか分からん?と言わんばかりに一言言葉を漏らして居ると、ミスティーは突如としてマサツグに謝り出す!…


「ごめんなさい!!…もう!…もう我慢の限界です!!…

私の命の恩人を!!…こんな風に!!…

裁判に掛けられているのを見て居るなんて!!…

もう耐えられません!!…」


「ッ!?…え!?…ちょ!?…

ミスティーさぁ~ん!?!?…」


周りにギャラリーが思いっきり居ると言うのに突如ミスティーが謝り出し、耐えられない!…と涙ながらに言葉を口にすると、マサツグを含めた全員が完全に置いてけぼり状態にしてしまう!…そうしてミスティーが謝り出した事にマサツグも戸惑って上目遣いで見詰めて来るミスティーに目をパチパチと瞬きし!…いきなりの展開に付いて来れないで居ると、ミスティーは突如としてマサツグの前に立つよう浄玻璃の鏡の前に移動する!…そんな突然の展開にマサツグも思わず腕を伸ばして止めようとするのだがミスティーは止まらず!…全員がミスティーに注目する中!…何を思ったかミスティーは鏡に向き合い始めると鏡に問い掛けるようある事を話し出す!…


「私はゲルデウスの配下に襲われた!…

そして助けて下さったのはこの方!…

襲って来たそのゴロツキがゲルデウスの部下なのです!…

その際私はその人を置き去りにして逃げた…!!

卑怯者なのです!!」


__ぱあああぁぁぁ!!!…どよ!?…

どよどよ!!…どよどよ!!…


ミスティーが叫ぶよう鏡に向かいマサツグの無実を訴えると、同時に自分の行いを卑下し…そのミスティーの訴えに答えるよう鏡が反応し始めると、最初に流れたゲスデウスの配下達の犯行の様子が映し出される!…それも今度はピンポイントで!…ミスティー本人が襲われている現場にマサツグとシロがやって来て、その後ミスティーが逃げ出すと逃がした事に逆上したゲスデウスの部下達は、マサツグ達に襲い掛かり!…向かって来たゲスデウスの部下の一人をマサツグが頭突きで行動不能にすると、残りの部下達をシロが薙ぎ倒す!…そんな一部始終が映し出されるともはや言い逃れは出来ないと言った様子で、その場に居たゲスデウスの部下・弁護人は青褪め始める!…そして二度目の映像にまたもや傍聴席の獣人達は一気にどよめき出し!…大裁判所内はもはや無法地帯と化した混乱状態に陥り出すと、犬の裁判長は慌てて木槌を連打しては騒動の鎮圧に取り掛かり始める!


「せ…静粛に!!…静粛に!!!…

静粛に~~!!!!……」


__カンカンカンカン!!!!…………


大裁判所内に木槌の音が連続で響き渡り!…傍聴席の獣人達も静かになり始めるのだが、完全に静まるまでに十数分の時間を要し、誰もがこんな裁判は初めて!…と言った驚きと困惑に満ちた表情を見せて居ると、ミスティーは証言台越しにマサツグに抱き着いては静かに涙を零す!…マサツグもただただ予想して居たモノとは違う!?…と、ゲスデウスの屋敷で見つけた証拠を取り出すタイミングを失い!…全員が如何なる!?…と動けない様子を見せて居ると、犬の裁判長は息を切らしながらも突如ミスティーに説教をし始める!…


「ぜぇ!…ぜぇ!…ミ、ミスティアナ皇女殿下!!…

貴方は何をなされたいのですか!?…

これは裁判です!!…公平の元、裁きを下す!…

神聖な場所ですぞ!?…それをこんな!…

確かに貴方はこの国の王家の者です!!…

ですが公私混同されては!!…」


「ッ!?…公私混同?…いえ!…

これは正当な主張です!!」


「ッ!?…」


「私は言った筈です!…

この鏡をこの裁判に持ち込んだのは!…

()()を記する為の物と!…

当然これは私が嘘を吐いて居た場合にも反応し!…

真実を見せるでしょう!…

そしてこの鏡に細工をしてあると言うのなら!…

それはエルフの技術を虚仮にすると言う事と

同義で有り!…それでも疑わしいと言うのなら

その鏡を徹底的に調べると良いでしょう!!…

…これは私の覚悟であり!…

この方に対する最大限の謝罪です!!!…」


犬の裁判長はミスティーに裁判を乱した事について咎め出し、王家の人間としての立ち振る舞いに関しても苦言を呈するのだが、それを聞いたミスティーは聞き捨てならない!…とばかりに耳をピクっと反応させると、徐に犬の裁判長の方へと振り返る!…そしてまるでこれは戦争!…真実を捻じ曲げられまい!とする強い意志が感じられると、いつものミスティーからは見られないであろうキリッとした表情が見て取れ!…堂々と犬の裁判長に胸を張って発言し、脅しを掛ける様な事を言い出すとその様子にマサツグは更に戸惑いの表情を見せ、ただその成り行きを見守って居るとミスティーの文句は更に続く!…


「…私もこの場が如何言う場所かは心得て居ます!……

ですが私は自分の言葉に嘘を吐いて居ないと!…

女王陛下に誓ってハッキリと発言させて頂きます!!…

……もし私が嘘を吐いて居れば国家転覆罪として

監獄に入れれば良い!…」


「な!?…」


{ッ!?…え!?…これ本当にミスティー!?…

…実はそっくりさんのピンチヒッターとか

じゃないよな!?…}


感情を爆発させる様にミスティーの発言は続く!…まるで犬の裁判長の言葉に反発するよう!…自分は分かって居る!…嘘は吐いていない!…と堂々宣言するミスティーの姿に、傍聴席の獣人達はただ黙ってその姿を見詰め!…マサツグもまさかのミスティーの胸の張り具合に影武者!?…と失礼な事を考えて居ると、ミスティーはその覚悟の現れを罪人となる覚悟で来た!と話し…その言葉に犬の裁判長を始めとした全員が驚き!…もはやこれ以上ない位に困惑した様子を見せて居ると、ミスティーは吠える様に何度もマサツグの無実を訴え、その起訴内容の矛盾を口にする!…


「何度でも言いましょう!!…私は!!…

この方に助けて貰ったのです!!…

あの不敬者共の事だけでは無い!…

ここに送り届けて貰う道中!!…

私は幾度と無く危険な目に遭い!…

その度に助けて貰った!!…

この方達は殺人もして居ないし!…

私を誘拐しようともして居ない!!…

…誘拐を企てるのなら何故わざわざ

ここに連れ戻す理由が有るのです!?…

少し考えれば直ぐに分かる事でしょう!?…

自分の身を犠牲にしてまで助けて下さった

この方を!!…

私は罪人として裁く事を許しません!!!…」


__………


溜まって居た鬱憤をぶちまけるようそれらを口にしてミスティーが肩で息をし始めると、大裁判所内は沈黙に包まれ…全員がミスティーの様子に目を向け続ける。全員が初めて見たと言った…珍しい物を見た様な驚きに満ちた表情を見せて居ると、犬の裁判長はそのミスティーの言葉を聞いて考えたのか、最初は驚いた表情を見せて居たのだが暫くした後スッと考えた様子を見せると、最後の確認とばかりにある事を提案し始める。


「……分かりました!…

そこまでの覚悟が有るのなら何も言いません!…但し!…

最後にもう一度だけ内容の確認をしましょう!…

あの映像は被告人とミスティアナ皇女殿下…

貴方方の言葉で反応し、映し出した映像です!…

もし同じ様に私が言って同じ映像が流れたのなら!…

私はこの鏡を全面的に信じ!…

判決を言い渡す事にします!!…

…それで、宜しいでしょうか?…」


「ッ!…かまいません!!…」


「…よろしい!…では今一度!…

被告人マサツグは正当防衛を働き!…

ここで無実の罪を着せられようとしている!…

あの暴行事件の犯人は誰か!…鏡よ!…

見せ賜え!!…」


__ぱあああああぁぁぁ!!!…


犬の裁判長が言った提案!…それは先程から出て来るゲスデウスの配下の犯行映像に関してであり、映像がもう一度出て来るか如何かと言う物であった。もし仕組まれて有るのなら怪しいのはマサツグとミスティーと言う判断の元、事件とは無関係の自分が質問したら出て来るのか?…と言う簡単な確認で、もし出て来たら信じると言う!…ある意味裁判の意味を問う恐ろしい提案であった!…しかしミスティーはその提案に対し堂々と胸を張ると、凛と背筋を伸ばしては前を向き!…犬の裁判長に構わないと答え、それを聞いた犬の裁判長が大きく頷き鏡に向かい質問の言葉を口にし始めると、その言葉に反応してか鏡は映像を映し出す!…するとそこに映し出されたのはやはり三度同じ光景で、ミスティーが襲われマサツグ達が助けると言う…明らかに100%ゲスデウスの配下に過失があると言った映像であり!…鏡もしつこいとばかりにその詳細を事細かに映し出すと、傍聴席の獣人達も納得したのかゲスデウス側の弁護人を睨み始める!…


__……ジッ!!…ッ!?………


「……これで決まりですな?…

鏡が映像を映すまでの間…

被告人にミスティアナ皇女殿下と…

怪しい動きは見られなかった事!…

この映像が三度映し出された事!…

原告側からの異論が無い事を鑑み!…

暴行の件に関しては正当防衛とし!…

被告人マサツグの無罪を認めるものとする!!…」


__ッ!?…わああぁ!!…


「但し!!…

まだ残り二つの罪についての裁判が残っている!…

これもハッキリしない内は無罪放免としない為、

まだこの裁判を続けるモノとする!…宜しいかな?…」


原告のゲスデウス側も反論をしたかっただろう…しかし反論をする事が出来なかった!…言うまでも無い…傍聴席より厳しい圧が掛かっては発言さえ許される状態では無かったからである!…これにより犬の裁判長も三度同じ映像を見たと言った具合にスッと迷いの無い表情を見せては軽く頷くと、マサツグの暴行事件を正当防衛と認めて無罪とし!…その判決に傍聴席まで沸き上がろうとするのだがその前に犬の裁判長が牽制を入れると、殺人と誘拐の二件の裁判を続けようとする!…そしてその問い掛けに対してマサツグは何の問題も感じる事無く無言で頷いて見せると、犬の裁判長もマサツグの頷く姿に答えるよう頷き!…改めて互いに向き合うよう見詰め出すと、裁判は再開される!…


__コクリッ!……コクリッ!…


「…よろしい!…では裁判の続きを!…

…ミスティアナ皇女殿下も元の席へ!…」


「…さぁ…こちらへ……」


「……それでは被告人マサツグ!…

貴方には後二つの罪が掛けられて居ます!…

ゲルデウス宰相の部下の殺人!…

ミスティアナ皇女殿下の誘拐!…

貴方はこれらの二つの罪に対して

異論は有りますか?…」


同意を得た所でまず犬の裁判長は証言台近くに居るミスティーに対し、傍聴席へ戻るよう声を掛ける!…その際近くに居た看守・衛兵達が慌ててボディーガードするようミスティーを囲い出すと、そのまま元の席へとエスコートし…ミスティーも抵抗する事無く歩き出すと、元の席へと着席する…この時ミスティーは離れたくないと言った表情を見せるのだが、これ以上は迷惑になると…ミスティー自身も渋々理解した様子で仕方なく戻り…こうして仕切り直した所で犬の裁判長は改めてマサツグに殺人及び誘拐に関しての罪について質問をすると、マサツグは反論するよう自身が感じた違和感を交えて話し出す!


「有る!…有るに決まってるじゃあないですか!!…

まず第一に俺にあのゲスデウスの部下を

殺害する動機が無い!…

殺すにしたって相手は獄中で死んでいる!…

一体俺が如何やって殺したのかが明記されていない!…

これは一方的な決め付けとしか判断出来無いし!…

誘拐の件に関しても可笑しい!!…

これもさっきミスティーが言って居たけど

誘拐するなら何でワザワザ元の国に連れて来る!?…

誘拐した写真を撮ってそのまま王宮に送り付ければ

それで事は済む筈!…

これも矛盾している様に聞こえる!…

…ほぼほぼこの告発は決め付けだけで行われている

気がして仕方が無い!…

何よりやって居ないのだから認め様が無い!…

全面的に無罪を主張します!!!…」


__ぱああああぁぁぁ!!!…


マサツグの口調は突如として奇妙な冒険(ジ〇ジョ)っぽくなるのだが、犬の裁判長の質問に対して可笑しい!とツッコむ様に言うと、原告側の主張を完全に否定する!…殺人に関しては動機が無い!と言い!…誘拐に関しても国に帰した!と堂々言っては胸を張り!…一貫して否定するその言葉に反応するよう鏡が独りでに輝き出すと、先程までの様に事件の真相が明らかになる映像が流れ出すのだが!…そこには恐ろしい光景が映し出されるのであった!…それは…


__ゴポッ!…ゴポポッ!!…


「ッ!?…な!?…何だこれ!?…

お!…おい看…」


__ゴポンッ!!…ッ~~~~~!!!…………


「…ッ!?……うわぁ!…」


鏡が映し出したのはその殺人が疑われているシーンであり、殺された配下達は石レンガの牢屋に入れられて、何もする事が無い様子でただ各々が色々な事をやって居た…ある者は脱走を企てようと鍵を開けるのに必死になり!…またある者はただジッと座っては妙な落ち着きを見せて居た。そんな牢屋にはそれぞれ鉄格子の窓が有り、月明かりが牢屋の中を照らして居るのだが…その窓から突如紫色のスライムらしきモンスターが流れ込んで来ると、その配下達を取り込んで毒による苦痛を与え!…更には溺死!…殺してしまうと言ったショッキングなシーンが映し出されたのであった!…ある者はスライムが現れた事に驚き看守を呼ぼうとするが、呼ぶ前に取り込まれ…またある者はまるで分かって居た様にスライムへ取り込まれると、そのまま自害する!…その際全員がまるでこの世の地獄の様な表情を浮かべて藻掻くのだが、抵抗空しく…そのまま苦しみながら死んで行き…配下達全員が溺死した後そのスライム達は仕事を終えたよう牢屋に有る排水溝へと流れて行き…ここで映像が終わると、傍聴席・裁判官に裁判長と獣人達全員が青褪めた表情を見せて、ただ無言になってその鏡の映像を見詰めて居た!…そしてその一部始終を一緒になって見ていたマサツグもただ一言呟いては豪い物を見たとばかりに表情を引き攣らせ、如何反応したものか?…と悩んで居ると、犬の裁判長が語り出す!…


「…あ…あまりにも衝撃的な映像が流れたので

大変に驚きましたが…

これは如何見ても被告がやった者ではないと

断言出来ますな?…殺人の罪も…」


「ちょ!…ちょっと待ってください!!…

確かに今の映像はこの者がやったと

言う物ではありませんが!…

少なからず影響して居るのでは!?…」


「……ふむ…だとするならその根拠をお持ちで?…」


「ッ!?……た、確かに証拠は無いですが……」


ただ鏡が映し出した光景に犬の裁判長は戸惑いつつ…映像からマサツグがやったモノでは無いと判断すると、無罪を言い渡そうとするのだが…ここで漸くゲスデウス側の弁護人が慌てた様子で異議を唱えると、大裁判所内の視線は一斉にその弁護士の方に向けられる!…そしてその異議の申し立てを聞いた犬の裁判長が証拠の有無について尋ねると、その質問に弁護人は戸惑い!…しかし諦めてはいないのか有る可能性について話し始める。


「証拠は無いですがこうは考えられます!…

あのスライムをペットとし!…襲わせたと!…」


「……証拠も無いのにそう決め付けるのは

如何なものかと思いますが?…

現に一つ目の罪の真実を確かめた時!…

貴方方の調書には一方的な決め付けで

書かれた物と判断出来る文脈が書かれて有る!…

そしてこの鏡はそれを証明した!…

確かに宰相側の弁護人の言い分も分かりますが…

証拠が無いのではこれを基準に真実と判断するしか

無いのです!…それに恐らく見直しても被告が

このスライムを放ったとは思えません!…

何故なら動機が無いのだから!…

それすらをも怠っては…意見は通りませんよ?…」


「グッ!!……」


「……さて?…もう一つの罪!…

誘拐の件が有るのですが…」


往生際が悪いと言うか?…悪足掻きと言うか?…マサツグが調教スキルを持って居る事を言い訳に、ゲスデウスの弁護人はマサツグが仕掛けたスライムと言い出すのだが…当然証拠も無い机上の空論なので聞いては貰えず、逆に棄却されるとマサツグの殺人の罪も無罪が確定する!…確定した所で犬の裁判長はゲスデウス側に杜撰と苦言を呈すと、その言葉に弁護人は苦虫を噛んだ様な表情を見せ!…最後に誘拐の罪を問おうとするのだが犬の裁判長が歯切れの悪い表情を見せると、ふと傍聴席の一番奥に目をやる!…それに釣られてマサツグや傍聴席の獣人達もその視線の先に目を向けるのだが、そこに居たのはやはりミスティー姿であり!…ミスティーは今にも飛び出さんと言わんばかりにドレスの裾を捲り、駆け出す体勢を整えて居るとその様子にマサツグは驚く!…


__バッ!!…


{ッ!?…あれ?…

ミスティーさんってこんなアグレッシブ~な子だっけ?…

まさか俺の教訓が悪い方に反映…}


__プルプルプルプル!…


{…あぁ~…間違い無く俺のせいだわ…

手ぇプルプルしてるし…アレは普段からやってない…

バリバリ緊張してるわ…}


傍聴席の獣人達もそのアグレッシブルなミスティーの様子に戸惑い、周りの看守や衛兵達も気が気じゃない様子でオドオドしていると、そのミスティーの様子にマサツグは自分のせいかと悩み出す…連行される間際…ミスティーに自信を持つよう掛けた言葉がまさかこの様に反映されるとは思っても居なかった様子で…ミスティーの様子を見て居ると裾を持つ手元がプルプルしているのを見つけ、やっぱり無理をして居ると悟りマサツグは間違えたと若干申し訳ない気持ちになって居ると、犬の裁判長はミスティーの様子や前の供述など…それらを配慮した様子で溜息を吐き、両サイドの裁判官に軽く耳打ちをすると、マサツグに判決を言い渡す!…


__……はあぁ~……コソコソ…コソコソ…


「……誘拐された本人…

あのミスティアナ皇女殿下の様子から察するに

誘拐をしたと言う供述も怪しいと致し!…

更に先程の供述と鑑みて考慮した結果!…

我々は無罪と判断し!…

今までの告訴内容を全て無罪とした所で

判決を言い渡す!…主文!…被告人マサツグを!…

無罪とする!!!…」


__カァ~ン!!!…わあああぁぁぁぁぁ!!!…


「マサツグ様!……ッ!!…」


これ以上ミスティーの蛮行は見て居られない!と言った様子で…更にミスティーの様子から察するに催眠等の暗示…その他諸々が無い事も確認し、自分を誘拐しようとした犯人を庇う筈が無いと理解すると、誘拐の件も無罪とし!…これにて完全無罪とマサツグに告げて木槌を叩くと裁判は終了する!…その瞬間傍聴席からはここが裁判所である事を忘れる様な歓声が上がり出し、マサツグを称え!…ゲスデウス側の弁護人はただ目の前の光景が信じられない様子でガックリ崩れ…マサツグの弁護人のフレデリックも終始戸惑い表情を見せてはただ弁護席に座って居た…そうして無事裁判が終わった事にミスティーも安堵するとマサツグの元に向かい駆け出し!…結局止められなかった衛兵達が戸惑って居ると、慌ててミスティーを追い駆ける!…


「ッ!?…あぁ!?…ミ、ミスティアナ皇女殿下!?…」


「……冒険者マサツグ殿…

我が王国の姫を助けて頂いたと言うのに不法な拘留!…

そしてこの様な虚偽の起訴内容で貴方を拘束した事を!…

更にこの様な不祥事に巻き込んでしまった事!!…

今更誤っても許される物では無いのですが…

深く反省し!…

我らハーフリングスの代表としてここに

お詫び申し上げる!!………本当に!!…

申し訳なかった!!!!…」


__わああぁぁぁ!!……ッ!!…………


{ッ!?…え!?…そんな急に!?…

何!?…この光景の方が驚くんだが!?………ッ!…}


そうしてマサツグを罪人として捕らえていた事に犬の裁判長や裁判官も責任を感じたのか、徐に立ち上っては謝罪の言葉を口にし…マサツグに頭を下げ始めると、傍聴席の獣人達もハッと気が付いた様子で止まっては、先程のお祭り騒ぎが嘘の様子に静まり返って反省の色を見せ始める!…まるでお祭りから国葬にでもなった様に!…そのテンションの落差にマサツグは戸惑うのだが、一つだけ不満が有ると言った様子である事を思い出すと、徐に犬の裁判長に一言口にし始める!…


「……裁判長?…ちょ~っと良いかな?…」


「ッ!…はい?…何でしょう?…」


__……バサァ!!…ッ!?…


「えぇ~っと?…では一つ…○月×日…

()()()()の誘拐をゲステウスは加担していない!」


マサツグはまるで謝る様に犬の裁判長に声を掛け始めると、その呼び掛けに犬の裁判長は戸惑い…マサツグの言葉に妙な感覚を覚えつつその呼び掛けに返事をすると、マサツグは目の前である紙の束を手元に取り出して見せる!…そんな手品の様に突如現れた紙の束に犬の裁判長や裁判員は驚くのだが、それよりも驚く事に!…マサツグはまるでその紙の内容を読み上げる様に!…目を通しながら鏡にある質問をし始めると、その内容に犬の裁判長達は戸惑う!…


「ッ!?…ま、マサツグ殿一体何を!?…

と言うより何故その名を貴方が!?…

その事件は!!…」


__ぱあああぁぁぁぁ!!!…


「ッ!?…え!?…」


犬の裁判長はマサツグが突然口にし始めた言葉に戸惑いを覚えるのだが、更に驚いたのは知らない筈の()()()()()の名前を口にした事であった!…一体何を考えて口走り始めたのか?…何故その名前を知って居るのか?…色々疑問を持つ事は多いのだがそれより!…マサツグの言葉に反応するよう鏡が輝き出すと、トンデモナイ光景が流れ始める!…それは誘拐!…それもゲスデウスの配下が自身の国で同族を誘拐している様子が映し出されるのであった!…当然そんな映像を目にして犬の裁判長や裁判官、傍聴人達が裁判場でどよめき出し!…一体何の上端と言った様子でその鏡の映像を見て居ると、マサツグは徐にこう言い出す!…


「……これで証拠はなるな?…

じゃあ今を持ちまして!…

俺は今からこの場を持って

ゲスデウスを告発します!!!」


「ッ!?!?!?…な、何と!?…」


マサツグは紙の束を手に犬の裁判長に向かい!…ゲスデウスを告発すると真剣な表情で宣言し出すと、大裁判所内は騒然とする!…犬の裁判長はただマサツグの言葉とその紙の束に驚き疑問を持ち、マサツグの元まで掛けて来たミスティーもマサツグの隣に立つなり困惑し始める!…先程まで容疑者だったのが今度は告発と!…突然の展開にその場の全員が更に困惑し置いてけぼり状態になって居ると、突如として誰かの吠える声が大裁判所内に反響する!


「「「「……すぅ…静まれえぇいい!!!!…」」」」


__ゴウッ!!!!…


「ッ!?…な、何だ!?…この感じ(プレッシャー)は!?…

……ッ!?…え?…」


突如としてマサツグ達より後方からまるで獅子の咆哮の様な圧力を感じ!…その圧力の叫び声が大裁判所内に反響すると、辺りは一気に静かになる!…あの裁判中の木槌より圧倒的に!…一体何が起きたのかとマサツグがその叫び声の聞こえた方に振り返ると、そこには豪華なビキニアーマーを身に纏ったミスティーが立っており!…堂々とした立ち振る舞いでその場に鎮座して居る事にマサツグが驚いて居ると、何者かがマサツグの腕にしがみ付く!…


__ギュッ!…


「ッ!?…え?……ミ、ミスティー?…

じゃ、じゃああれは?…」


「…お…お姉様!…」


「ッ!?…お、お姉さまぁぁぁぁぁぁ!?…

あれが!?…」


突如腕にしがみ付かれた事にマサツグが慌てて誰がしがみ付いたのかと確認すると、それはドレス姿のミスティー本人であり!…自身の隣にミスティーが居る事に!…マサツグが驚くとその吠えたであろうビキニアーマー姿のミスティーと、ドレス姿のミスティーを交互に見比べ!…あのド派手なミスティーは誰なのかと困惑し出すと、ミスティー本人は怯えた様子でそのもう一人のミスティーを見詰めてはお姉さまと一言呟く!…そしてその言葉を聞いてマサツグが目に見えて分かる位に戸惑った反応を見せると、そのお姉さまはゆっくりマサツグに近付き!…法廷に現れるよう柵を飛び越え、ある程度マサツグとの距離を詰めた所で腕を組み仁王立ちするとマサツグに声を掛け始める!…


「そなた!…今この国の宰相を訴えると申したな?…

それなりの覚悟が有ると言う事で良いか?…」


「ッ!…え、えぇ!…そのつもりです!…」


「ッ!…ほう?…我が咆哮を喰らって持ち直したか!…」


「え?…」


まるでマサツグを品定めするようジロジロ見てはニヤッと不敵に笑い!…マサツグに言った言葉の意味を確かめるよう覚悟が有るかどうかについて質問をすると、マサツグは戸惑いながらも返事をする!…まさかの女王陛下登場に大裁判所内は音も無く混乱に陥り!…一体何が始まるのかと見詰めて出して居るのだが、その肝心の女王陛下はマサツグの様子を見るなり感心した様子で呟き!…マサツグもその一言に戸惑った反応を見せて居ると、自由か女王陛下は適当に有った椅子に腰掛けてはマサツグに説明を求める!…



「よかろう…では、申してみよ!…だが心して置け!…

今からやろうとしているのはこの国を大きく揺るがす

一大事!……それが虚偽なら我が妹の友でも許さんぞ!…

何せこの国を転覆させようとしたのだからな!……」


__ゴゴゴゴゴゴ!!!…


{ッ!?…こ、この姉ちゃんヤベェぞ!?…

目が爛々としてるし!…ガンガン圧掛けて来る!!…

…ミスティーも隣で震えてるし!…

これは厄介な事になったぞ!?…}


更にグラマラスに成長し!…大人になったミスティーと言った所か…とにかくミスティーに負けず劣らずのデンジャラスボデーで、何故その服装?…を選んだのか?…堂々構えて恥ずかしがる様子を見せる事無く披露し、まるでマサツグを獲物と言わんばかりに捕食者の目で見詰めては圧を掛けて行く!…そんな女王陛下の態度様子にマサツグが戸惑いを覚える中…隣ではマサツグにしがみ付くよう巻き添えでミスティーが怯えては軽くプルプルと震え!…そんな様子も感じつつ心して掛からないと不味い!…と言った具合に、覚悟を決めると手元の資料を武器に女王陛下と真っ向勝負する事を心に誓うのであった!…



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