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どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-  作者: すずめさん
-第ニ章-サマーオーシャン連合国-獣人の国編-
131/605

-第二章三十三節 月の光とゲスデウス邸潜入・中編と二階の捜索-



月明かりに照らされるメインホールはまるでファンタジー物の恋愛小説や漫画に出て来るロマンチックなそれなのだが…その周りに飾られてある物が成金趣味バリバリとムードをぶち壊しにぶち壊し…ロマンスの欠片も無い状態に仕上がっていた。そんなの中一人如何やって横断しよう?…と悩んでは物陰に隠れ、辺りの様子を探りながら色々と機会を伺う者がそこに居た……まぁ、言うまでも無くマサツグなのだが、巡回をしている兵士の動きに目を向けつつ…あの煌々と輝く月の光を如何やって避けるか?と考えて、何度も敵の配置に目を向けては今有る影の場所と、目まぐるしくただ情報を集めて必死に策を考えていた!…


__スッ…チラッ……


「…チィッ!!…向こう岸に渡れれば

またバレずに行動出来るのに!!…

タイミングが悪い!!…

…時間的にそろそろ天辺か?…

とにかく色々と不味い!…

刹那を発動したとしても異変だとバレる!…

ここでバレると色々と支障が出る!!…

…如何したもんか!?…」


ガラス張りの壁からは今だ煌々と月の光が差し込み、フロア全体を照らすよう辺りを光の元に曝け出し、その光にマサツグは思案する!…今バレると色々不味い!…証拠どころか自分の身が危うくなると考えて必死に向こうに渡るルートを探すのだが道は無く!…更に運が悪いとばかりにその月の光の下に兵士達が集まり出すと、暇を持て余したのか談笑を始める!…


「…おい!…ちょっと良いか!?…」


「ッ!…如何した?…」


__わいわい!…わいわい!…


{…こんな所でくっちゃべってんじゃねぇ!!……

往来の邪魔になんだろうが!!!……って!?…

往来しようとしてんのは俺だけか!?…クソッ!!…

…とにかく如何する?…

ここでいつまでもジッとしてる訳にも行かねぇし!…

月の光が陰ってくれたら!!…}


メインホール中央…談笑をする兵士達にマサツグがツッコミを入れて居ると、本格的に状況が不味くなる!…ただでさえ脱獄をして居るので早く戻らないとバレる上に、時間は有限!…出来ればまだ月が昇っている内に全てを済ませたいのだが、兵士達が中央を陣取っては邪魔で仕方が無く…更に月の光はまだまだ煌々と照っており、色々タイミングが悪いと言った様子で事が重なると、マサツグはただ一人焦りを覚えた!…そして起きるかどうかも分からない事を願い始める始末なのだが、さすが「超幸運」と言った所か…突如として不自然に月の光が陰りを見せると、明るかったメインホールが暗くなり始める!…


__スゥゥ……


「ッ!…暗くなった?……」


「あぁ…雲だろ?…ほら…

そこそこ大きめの雲が掛かってる…」


{ッ!?…今だああぁぁぁ!!!!…}


__バッ!!…シュタタタタ!!…


突如暗くなった事に驚いては談笑をしていた兵士の一人が驚いた様子で辺りを見渡し、もう一人の兵士が落ち着いた反応でその暗くなった原因について話し掛けると、徐にガラス張りの壁の方を指差す。するとそこには先程まで煌々と輝いて居た筈の月が若干大きめの雲に隠されて光りも遮られ、メインホール全体が影に包まれた様に暗くなり始めた。当然この機会をマサツグが見逃す訳も無く!…すぐさま好機!と言った様子で飛び出すとまるで忍者のように姿勢を低くし、中央に立って居る兵士達にバレないよう駆け抜け!…何とか右側通路までバレずに移動すると、今度はタイミングが良かったのか月に掛かって居た雲が晴れ始める!…


__ぱあああぁぁぁ!!…


「…な?…また明るくなったろ?……如何した?…」


「…いや?…さっき何かが通らなかったか?…」


「……ッ?…気のせいじゃないのか?…」


丁度雲が月に掛かって居て兵士達の注目がそちらへ向いた事も有ってか、その隙を狙うようマサツグが背後を駆け抜けると、兵士の一人が違和感を覚えるのだが…マサツグが予想以上に早かったのか?…それともやはり兵士が鈍感なのか?…違和感を覚えつつも話し掛けていた相手にその存在を否定されると、そのまま気のせいで済ませてしまう…そうしてマサツグは何事も無く今度は右側通路に渡ると、左側の通路と同じ様に…一番奥の部屋から色々と調べ始めるのだが人の気配を感じると、部屋の中に居るであろう人の気配に存在を悟られないよう、恐る恐る扉を開けては中を確認する!…


__カチャッ!…きいぃぃぃぃ…

…トントントントントン!…


「……ふぅ!…全く!…

毎日毎日キリが無いったらありゃしないねぇ!…

こっちの仕込みは終わったよ!!」


「りょうかぁ~い!!…

じゃあ後はコイツだけだ!!…」


__コトコトコトコト………パタンッ…


扉を開けるとそこは如何やらキッチンらしく、明日の仕込みでもしているのか中の様子はまるで戦場とばかりに慌しく、二人のコックが右往左往と動き回って居た。扉を開けて覗き込むマサツグの様子にも気付かない様子で…マサツグも部屋の明かりに照らされてはコートの能力が切れている事にも気付かず、ただその慌しい様子を見て何故か邪魔をしてはいけない気分になると、スッと後ろに引いて行く様に下がっては音も無く扉を閉じ始める。そして結局キッチンの二人に気付かれる事無くその場を後にすると、直ぐ隣にある大きめの扉が有る部屋へと移動し、中の様子を確認するよう聞き耳を立ててから扉を開ける。


__カチャッ!…キイイィィィ…


「……有るのは食器に?…丸められたナプキン…

さっきまで誰かがここで食事をしていた後

って言った所か……まぁ、こんな所にそんな

悪だくみの計画書を置いて置く馬鹿はいないだろう…

…出るか…」


__……キイイィィィ…パタンッ…


次の扉を開けるとそこは食堂なのか、誰かがつい先程まで食事をしていた形跡が残っており…汚れた食器にクシャクシャに丸められたナプキンと、テーブルの上に置かれて有るだけで他にこれと言った物は当然なく…何も無い事を確認するとマサツグはそのまま食堂を後にし、次の部屋へと向かい始める…ここまで何も成果を得られて居ない事にマサツグは若干の戸惑いを覚えるのだが、ここから更に!…右側の通路の部屋をまた片っ端から探索して行くのだが、有った部屋はと言うと応接室に使用人達の部屋と…先程から探して居る物が隠されてそうな部屋は一室として無く、次第にマサツグもこの余りの何も無さに喋る事を忘れ始めると、一人焦りを覚えながらメインホールに戻り出す…そして二階に続く巨大な踊り場付き階段に進もうとするのだが、例によって月の光が差し込んでおり!…更に寝ては居るものの睡眠は浅いのか?…舟を漕いでは兵士達が階段を陣取るよう見張りをして居て、二階に行きたくとも行けない状況にあった。


{……後は二階位しか残ってねぇよな?…

そこに何も無ければ終わり!…

…頼むから何か一つでもって思うんだが…

…またこの状況か!……幾ら寝ているとは

言えあれはさすがにバレる!…

起きて見つかったらどったんばったん

大騒ぎ待った無しだ!…今度は如何する!?…

また雲が出て来て陰るのを待つか?…

時間が無いってのに!!……ッ!…}


__コッ…コッ…コッ…コッ……チラッ…


{…扉?…しかも階段下に?………調べて見るか…}


メインホールを横断しようとして居た時みたくまた色々と辺りを見渡し、横断出来た時みたく月が陰る事を願うのだが早々簡単に何度も起きる筈も無く…二階への移動方法をまた必死に探って居ると、ふとある物を目にする。それは左側通路から見た時には見られなかった光景なのだが、右側通路から階段下を見るとそこには何故か奇妙な扉が有り…それも隠れる様に設置されて有る事からマサツグは更に妙に感じ、興味を持った様子で他の兵士達の巡回を掻い潜るよう移動すると、難なくその扉の前まで移動する。


__ババッ!!…バッ!……スッ…


{……ここには見張りも付けていない様子だが…

…まさかここに?…}


__ガチャッ!…キイィィィィ…


{ッ!?…こ、こいつぁ!!…}


幸い見張りが手薄だった事も有り刹那等も使う事無く辿り着くと、マサツグは徐にその扉のドアノブに手を掛け…若干の期待を抱きつつその奇妙な扉を開け中を確認すると、そこには期待した物とは違う…しかしある意味助かると言った光景が広がっていた!…その奇妙な扉の先に有った物と言うのはまさかの消費アイテム類が種類ごとに整頓されて有る光景で、如何やら床下収納ならぬ階段下収納らしく…雑貨やアイテムが保管されては倉庫として扱われているのが容易に見て取れた。じゃあ左側通路の一番奥に有るあの倉庫は何なのか?…思わずそんな疑問を覚えるのだがその倉庫に足を踏み入れ…中を色々見て回って居るとふと目の前に…今悩んで居るマサツグにとっては状況を打開出来る今一番良いアイテムを見つける事に成功する!…


__コッ…コッ…コッ…コッ…


{ッ!…おや…これって?…

確かネムリテングダケの粉末?……

何でこんなものが普通の宰相の家に

有るんだろうなぁ~?…

一般ご家庭は勿論貴族ご家庭の生活にも

不要な長物だよなぁ~?……

……そう言えば?…}


{女王陛下様は私達の為にこの町を色々と改善!…

今巷で起きてる誘拐事件に関しても自らの手で

捜査しては私達の安全を第一に考えてくれてる

大変お優しいお方なんだからねぇ~!!…}


{……ハッキリ言ってこれだけでギルティって

言いたいけど……

確信めいた物が無い事にはまだ難しいかねぇ~……

てかそれよりもまず自分を何とかしないと!…

とにかく貰っておくか…}


マサツグが見つけたアイテムとはあの賊達も持っていたネムリテングダケの粉末で、明らかに普段使う筈の無い物がここに有ると言う事にマサツグは変だと言った様子で疑いを持ち出すと、ふとここで羊の奥さんから聞いた誘拐の話を思い出す!…そうしてそれらの一連の話を思い出しゲスデウスがその誘拐の犯人なのでは?と考えるのだが、やはり証拠が無く!…それら誘拐をしたにしても痕跡!…物証が無い事には立件出来ないと考えると、渋々推理を諦め…そのネムリテングダケの入った包みを幾つか入手すると倉庫を後にする。そして部屋を出るなり陰に潜むよう!…階段で見張りをしている・今巡回している連中が一纏めになった所を狙う様に待ち構えると、タイミング良くその時は訪れる!…


__コッ…コッ…コッ…コッ…


「ッ!…はあぁ~……

まぁ~た居眠りこいてやがる!…おいお前ら!…

とっとと起き!…」


{ッ!…チャンス!…せ~の!!}


__ブンッ!…ボフンッ!!……


巡回中の兵士の一人が居眠りをしている兵士に気付き…その様子に呆れながら起こそうと近付いた途端、マサツグは階段の踊り場に向かってネムリテングダケの粉末を袋ごと投げ入れる!…その際袋の紐を少しだけ緩めては中身が零れ出す様に細工をすると、案の定中身が零れ出し!…踊り場に集まった兵士達に降り掛かるようネムリテングダケの粉末が着弾すると、そこに居た兵士達全員を夢の世界へと案内する。


「うわッ!?…な!?…何だ!?……これぇ?…」


__バタンッ!!…バタンッ!!…ガランガラン!!…


「……本当に良く効くなぁ~…」


そうして階段の踊り場から淡い青色をした煙が立つとマサツグの頭上では慌しくバタバタと倒れる音が聞こえ、先程まで起こそうとしていた兵士も脱力させるよう巻き込んで踊り場にゴロゴロとその体を転がすと、静かに寝息を立てさせ始める。そんな静かな寝息にマサツグは監獄に居た騒音クラスの奴とは違ってこっちは静かだなぁと思いつつ…倒れる音を聞いても尚暫くの間静かになるのを待ち…本当に何も聞えなくなった所で口と鼻を押さえさっさと階段を駆け上ってしまうと、二階を探索し始める。


{さぁ~て…残りの部屋は四つって言った所か…

どの部屋から探索したもんかねぇ~?……}


__ッ…ッ!……


{……ん?…あの部屋?……様子を見るか…}


二階は意外と部屋数が少なく左右に別れては手前と奥で一部屋づつと設けられ、フロア中心の床には下の様子が見れる様になっているのか故意に四角いデザインカットの穴が開いている。そして穴には誤って落ちないよう当然手摺りが設けられてあり、天井には金持ち特有の無駄にデカいシャンデリアと…そんなお宅拝見をしながら二階の様子を見て何処から探索しようかとマサツグが悩んで居ると、マサツグから見て右側…手前の部屋から微かにだが光と何か話声が漏れているのを感じ取る。声の様子から察するにこちらの存在に気付いたとかではなく、ただ何かに夢中になっている様子で…マサツグがまずはそちらと言った様子で興味を持ち出すと、その部屋の前まで行って中を覗き見る。すると…


__コソコソッ…チラッ…


「あぁ!…いいぞ!…良い子だ!…最高だよ!!…」


「はい♥…若様♥……んっ♥……」


{ッ!?…あぁ~っと……まぁ…

確かにお子様が見れる様な時間帯では無いが…

何なら侵入を考えようとは考えないが…

…これは…いかがなものかなぁ~と?…

…てか、面倒な時にお邪魔しちゃったみたいだなぁ…

…どうすっか?……って、まぁ…

やる事は一つだはな?…}


マサツグがその光の漏れている部屋を覗き見るとそこから見えた光景は大運動会の図!…片やネズミの若い男ともう片やは恐らくネズミの若い女性メイドで、色々ポロリしては一つのベッドをリング代わりにプロレス開催と絶賛満員御礼!…ある意味でゴングが聞こえ来そうな…観客もマサツグ一人だけなのだが…別に見たくも無いその光景を目にしてマサツグは如何したものか?…と悩み出し、同時にこれは全年齢対象?…と改めて確認し…思わず考え込んでしまうがそれよりと言った様子で、ある事を思い付くと無言でネムリテングダケの粉末を取り出す。


__ゴソゴソ…スッ…チラッ…


{……まぁ邪魔して悪いとは思うけど…}


__ギシッ!…ギシッ!…


{リア充は爆殺!!!…}


ネムリテングダケの粉末の手に持ち改めて中の様子を確認してバレて居ない事を確認し…一応相手に対し申し訳ないの気持ちを持って心の中で謝るが、すぐさま掌返しに部屋の中にネムリテングダケの粉末を投入すると、心の中で憎しみの言葉を口にする!!…何なら最期の憎しみの言葉の方が思いっきり感情が入ってそうだが…投げ入れた事で部屋の中は瞬く間に淡い青色の煙に包まれ、マサツグもバレないよう扉を閉じて密室にしてしまうと、2~3分後には中から物音が聞こえなくなる…


__ッ…ッ…ッ……ッ…………


「……これ本当に便利だな?…

今度仕入れて置くかな?…

扱いだけ気を付けて…

…って、そんな事を言ってる場合じゃ無いか…

念の為…」


__………。


「音は無し!……行ってみるか!…」


念の為扉に耳を当て中の音が聞こえなくなったのを確認すると、恐らくは寝たであろうと!…自身が吸い込まないよう口と鼻を塞ぎ、恐る恐る扉を開け部屋の中に突入すると、そこにはお互いに体を重ねては絶妙なまでに局部が見えないよう…ベッドの上に横たわる二人の姿を見つける…密室で男女が全裸で倒れている!…それも死んだ様に!!…これがサスペンスものならショッキングなBGMが流れそうな物なのだが、勿論死んでいる訳では無いので…扉を開けてその光景を目にしてはマサツグはよし!…と、二人が寝ている事を確認してはまずは自分の安全を確保する!


__バサァ!!…タッタッタ!…

ガチャッ!!…キイィィ!…


「……ぶはぁ!!…はぁ!…はぁ!…これで良し!…

このまま開けとけば粉末も外に流れて行くだろう…

じゃあ…改めて物色を!…」


まず最初にやったのは二人にシーツを被せる事…これはただ単なる親切心からやった物で、これと言って別に深い意味は無い!…出来るだけ見ない様にと言った紳士的感情がそうさせただけで、すぐさま部屋の窓の方に移動すると窓を開けては部屋を換気し始める。これも単純に自身の呼吸の確保!…さすがにずっと息を止めている訳には行かないと言う事と、誤って粉末を自分が吸ってしまわない様に考えた自衛策であり!…自身の呼吸を確保した所で今度はプロレス後の部屋を見渡し出すと、証拠は無いかと物色し始める!


__ガサガサッ!…ガサガサッ!…


「ッ!…エ、エロ本!…

それも鍵付きの引き出しの中とか!…

思春期の中坊かっての!…ったく!……

あの話し振りからしてコイツが

ゲスデウスの息子なんだろうが…

この様子…恐らくはただのエロガキと言った所か?…

ゲスデウスに加担している様子は無いな?……後…」


二人が寝ているのを余所に…マサツグは慣れた手付きでタンスやシェルフ…クローゼットにキャビネットと調べるが、出て来るのは金持ちらしい上質な服とエロ本の数々…余程飢えているのか隠し方が如何にも思春期男子っぽい隠し方をしており、その隠し方故出て来るエロ本を見つけてはまるでオカンにでもなった様に…机の上にまとめて置いては呆れた様子で証拠探しを続ける。しかし幾ら探した所でその部屋からは証拠らしき物は一個も出て来る事無く空振りに終わり…ふと疑問を持った様子で二人に被せたシーツを少し捲っては、息子に覆い被さるメイドが拷問を受けてはいないかと言った確認をし始める。


__パサ…


「…このメイドの子に怪我や傷は無い……

普通にこいつに仕えて居るだけの

メイドって言った所か……やっぱり息子の方は白…

…にしても…これだけ大きければ証拠の一つや

二つありそうなもんだが?…」


メイドの背中や腕…顔と覗き込む様に確認しては拷問を受けた痕が無いかを確認するが、何処にもその形跡は見当たらない…恐らく息子の方はノーマルだと言う事を確認すると、ゲスデウスの単独犯行と推理し…二人をそのままにして息子の部屋を後にすると今度は右側の奥の部屋へと移動し始める…部屋の前に立つとまずは人の気配が無いかを確認するのだが、中から人の気配は感じられず…それでももしもに備えていつでも刹那を発動出来るよう身構え!…恐る恐るながら扉を開けて中を確認すると、そこはゲスデウスの書斎なのか高そうな書き物机に本棚と、意外とシックな内装を目にする!…


__ガチャッ!…キイイィィィ…ッ!グッ!!…


{書斎っぽいな!…ここなら何か見つかるやも!!…}


__…コッ…コッ…コッ…コッ……スタッ…


{…ではではぁ?…

…早速荒らして行くとしますかぁ!…}


如何にも何か有りそうな部屋に辿り着いた事でマサツグは思わずガッツポーズを取ってみせ、部屋の周りを見渡し本当に誰も居ない事・罠等も無い事を確認すると、堂々と書斎の中へ入って行く!…そうしてまずはその高そうな書き物机の前に立つとマサツグは悪い笑みを浮かべ!…何も気にする事は無い!…早速!とばかりに色々物色をし始めるのだが、それらしき物はこれと言って一つも見つからない!…


__ガサッ!…ガサガサッ!…


「……駄目だ!…

どれもこれもただの仕事の内容の書類ばかりで

怪しい物は何も無い!……不味いぞぉ!…

本当に何も見つからない!……

こいつが犯人で間違い無い筈なんだが!…

…とにかく何か見つけない……と?…」


書き物机の上にあったのはちゃんとした宰相としての仕事の書類位で、後は予算案とその他諸々…意外とキッチリしているのか?…それともカモフラージュか?…何方にせよ思う物が無い事にマサツグが一人焦りを覚えていると、ふとある物が目に付く…マサツグの視線の先に有ったのはその書き物机の直ぐ後ろにある本棚で、豪華な背表紙の本がズラリと並ぶ中…一冊だけ古ぼけた日記の様な物を見つけると、マサツグは異様なまでにその本へ気を取られる!…


「……あの一冊だけ偉くボロボロ…何だあれ?…」


__コッ…コッ…コッ…コッ……スッ…


「……本の名前は…書いてない……何だこれ?…

…これを読んだら強制的にゲームオーバーとか

無いよな?…」


その気になる本を取る為にマサツグは本棚の前へ移動し、徐にその本を手に取ると名前を確認するのだが…幾ら表紙・背表紙・裏表紙と見ても名前はおろか文字すら何も書いて居らず…ただその古ぼけた日記の様な物を見つけては思わず違うゲームのイベントをふと思い出してしまう…そして何故か気になったその本をジッと見詰めては内容が気になると言った様子で、徐にその本を開き…何が書いて有るのかと確認しようとすると、本を読むより先にその本から折り畳まれた一枚の紙が零れ落ちる…


__パラァ……スッ…パサッ…


「ッ!…何だこれ?……」


__パサッ…パラパラッ……


「ッ!…これって?…

何処かの見取り図?……どれどれ?……」


当然その折り畳まれた紙にマサツグが気付くと本を読むのを止めて落ちて来た紙を拾い…そのまま古ぼけた本を閉じて本棚に戻すとその折り畳まれた紙を広げ始める!…完全に好奇心の赴くままにその紙を広げ始めていたのだが、いざ広げてみると意外な事にその紙はこの屋敷の見取り図で、マサツグが棚ぼたと言った様子でその屋敷の見取り図を眺めていると、ふと見取り図と自身が見て来た物に違和感を覚える。


「…ッ!…何だこれ?…

…まずこの見取り図はこの屋敷の見取り図で

ある事に間違いは無さそうだが?…この空間は?…

さっき行って来た時そんな部屋が有る様には

見えなかったが?…

…でも有るのは有るみたいだな?…

制作済みって書いて有るし……

…それに倉庫の隣にこんな妙な空間を空ける

必要は無いよな?……」


マサツグが覚えたその違和感と言うのは!…左側通路に有った一番奥の倉庫の事であり、その倉庫の先にはまだ部屋が有ると…妙な空間が見取り図に表記されてはまるで隠し部屋が有ると言った具合でそこに設計されて有った。しかも途中でその部屋を作るのを止めたのなら別に表記されて有っても違和感は無かったのだが、その見取り図にはちゃんと制作済みと!…その妙な空間の真ん中あたりに堂々と書かれて有り、マサツグは自身の記憶を頼りにそんな物は無かったと言った様子で疑問を持つと、もう一度戻って調べようと考え始める!…


「…こいつはもう一度確認しに行った方が

良さそうだな?…」


__…パサッ!…パラパラッ…スッ…

…コッ…コッ…コッ…コッ…


「ッ!…一応反対側も調べておくか…

何か有るかもしれんし…」


__ガチャッ!!…キイィィィ…


たまたま見つけた見取り図から新たな手掛かりを見つけ、マサツグは事実を確かめるよう急ぎ!…その見取り図を元の本に折り畳んで仕舞うと、本棚に戻してそのまま書斎を後にしようとする!…その際一応もう片方の二部屋も調べる事にすると、書斎を出た後足早に反対側へ移動し!…二階左側の奥の部屋を調べるのだが、そこはゲスデウスの奥さんの寝室なのか?…キングサイズのベッドが置かれて有って化粧棚にドレッサー、タンスにクローゼットと高そうな家具が置かれて有った。そして奥さんは早くに亡くなったのか…それとも出て行ったのか?…部屋は所々埃を被っては人が生活していた跡…と言った具合に妙に寂しい気を感じ取れ、シェルフの上には幸せだった頃の家族の写真が埃を被って飾られて有った。


{……こんな奴でも幸せな家族を持っていたんだな?…

…それが如何してこんな事に?……何方にせよ!…

アイツは地獄に落とす!!!…

人を不幸にして自分はのうのうとしやがって!!…}


シェルフに飾られて有る写真を手に色々とゲスデウスの事を考え…何が有った?と考察するも今は温情無しと言った感じでただ報いを受けさせる事に躍起になる!…そうして部屋を出ると残りの一つ…二階左側の手前の部屋を調べるのだが、そこはゲスデウス本人の寝室らしく、やはり成金趣味バリバリの銅像や絨毯!…高そうな家具が置かれて有ってはピカピカに掃除がされて有った。そしてそんな本人の部屋のなので何か無いか?とマサツグは色々探し出すのだが…主に目に付いた物はと言うと…


「……やっぱりここにも飾ってあった悪趣味な絵!…

…一階に飾って有った物とは違うみたいだが…

…何方にせよ悪趣味!!…

…この分だと嫁さんには逃げられた口かな?…

そらこんな趣味を!…って?…これは?…」


マサツグの目に付いたのはやはりあの悪趣味な絵であり!…一階の玄関通路に掛かって有った物とは違う!…水車拷問に掛けられてる女性の絵で、何を思ってこの絵をここに飾ってあるのか?と考えると、マサツグは一人その絵を眺めて嫌悪感と苛立ちを覚える!…そして心に許すまじ!と誓って隣の部屋に奥さんが居ない理由を勝手に推理し、時間の無駄とばかりにその部屋を後にしようとするのだが、その間際にある物を見つけると思わず足を止めてしまう…思わずマサツグが足を止めた理由…それはまたしてもただの一枚の絵であり、そこに飾られて有ったのは恐らくゲスデウスの若い頃の姿か、誰とも分からない若い獣人の女性と一緒になって描かれて有る絵であって、唯一この屋敷に来てマサツグが初めて真面と言える絵画であった。


__カタンッ……


「…これは?……ゲスデウスの若い時か?……

下の絵に描かれて有った姿と全然違うな?……

それにこの女性?…いや、少女か?…

これは一体?……」


__……カタンッ…


「…考えるだけ無駄か…

…ゲスデウスはあの秘密の部屋か?…

それとも城か別の所か?…まぁいい…

今回は暗殺しに来た訳じゃない…

今は地道に証拠集め!…

とにかくもうここに用は無い!…

秘密の部屋に行ってみよう!…」


思わずその真面な絵を手に取ってマジマジと見詰め…一階に描いて有った絵のゲスデウスと見比べては悩んだ様子でこれは誰?と眉間にしわを寄せる!…そして隣に描かれて有る女性?…少女?にも何故かマサツグは見覚えが有り、一体誰なんだ?と悩みただその絵を見詰めていたが、徐々に如何でも良くなってくる。別にこれが決定的証拠と言う訳でも無いので絵を元の位置に戻すと、秘密の部屋に向かおうとし!…ゲスデウスがこの屋敷に居ない事に妙な危機感を覚えつつ…部屋を後にすると、左側通路の一番奥!…ただの倉庫へと急ぎ向かうのであった。



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