-第二章二十九節 謂れ無き罪と密談?…と拘束連行-
さて…ハーフリングスに無事に辿り着きミスティーを送り届ける事に成功したマサツグなのだが…そのマサツグはと言うと…
__ガッシャアアァァァン!……
「……はあぁ~…何にも無いから暇だなぁ…」
現在進行形で絶賛牢獄に入れられていた……当然投獄されるに当たってアイテム・装備品は全部没収され、何も無い牢獄で一人…壁にもたれ掛かっては天井を眺め、ただ時間が過ぎるのを待っている訳なのだが…何故開幕牢獄に入れられているのかと言うと、時間は少し巻き戻り…話の発端はゲーム時間内にして約昨日~2日前位…あのハーフリングスの検問所…ゲート前でのあの出来事にまで戻る。馬車の中ではマサツグとシロが二人揃って手を上げ、検査に入った衛兵は戸惑い!…ミスティーはマサツグを見詰めては申し訳なさそうにしていると…ミスティーが獣人達の国の皇女…「ミスティアナ・レオ・レヴナント」と名乗った事が始めであった。
__どよどよ!!…どよどよ!!…
…ッ!?…ババッ!!…
「「「よ…よくぞご無事で!!…
我らが皇女!!!」」」
「ッ!?…え?…えぇ!?…
ミ…ミスティーお姉ちゃん!?」
最初…衛兵達は自身の国の王女が何故ここに居る!?…と言った様子で戸惑いを覚えるのだが、直ぐにハッとした様子でミスティーの乗る馬車の前に整列すると、改めて畏まっては槍を地面に立てて傅く!…その際馬車に乗り込んで来た衛兵も慌てて馬車の外に出ては同じ様に傅くのだが…そんな衛兵達の態度急変ぶりにマサツグとシロは両手を上げたまま驚きを露わにし!…シロはシロでミスティーがお姫様だったと言う事を知り驚きを見せていると、ミスティーはシロの方を振り向くなり謝り始める。
「…シロちゃん…黙っててごめんなさいね?…
如何しても言い出せなくて…
迂闊に身分を明かせば不味い!…
そう考えての事だったの…
…マサツグさんにも黙っていて!…
ごめんなさい!!…」
「…いや…大低で分かっていたし問題ないよ?
何なら昨日の時点で確信したし……」
「え?…」
ミスティーは自身の身分を隠して居た事についてシロに謝ると、その身分を隠して居た理由について話し出す。それは至極当然な物で別に可笑しい事では無いのだが、ミスティーはただ黙っていた事を申し訳なさそうに謝り出し…シロはそんな理由を聞いてぽか~ん…とした様子で戸惑ってはただミスティーの事を見詰め、ミスティーはその様子に戸惑いながら今度はマサツグに謝り出すと、マサツグはミスティーに正体は分かって居たと話し出しては更にミスティーを戸惑わせる。その際確信を持った理由こそミスティーには話して居ないのだが、その答えを聞いたミスティーはマサツグを見詰めたまま如何して?…と言った表情をし…徐々にシロも理解して来たのかハッとした表情を見せると、二人の間に割って入るようミスティーに話し掛ける。
「……ッ!!…す!…すごいすご~い!!
ミスティーもお姫様だったんですか!?
じゃあ、リーナさんと同じなんですか!?」
__トトト!…ガッ!…ぴょんぴょん!…
シロは生まれてこの方お姫様と言うとリーナの事しか知らず…そのリーナが普通に強かった事=お姫様=物凄く強い人!!…と言う風に記憶しており…リーナクラスに強いと誤解してはミスティーの方へ近付くなり、両手を握って嬉しそうにピョンピョンと跳ね出す。別にシロはおらワクワクすっぞ!…みたいな性格では無いのだが、シロの中では何か有るのか…シロがミスティーの手を握って跳ねる事で同じ様にミスティーも釣られて跳ね出すのだが、この時ミスティーはシロの口からリーナ名前が出て来た事に反応すると、何やら目をキラキラとさせ始める。
「ッ!…え!?…リーナって…
あのスプリングフィールド王国のリーナ王女!!…
あの男装の麗人騎士と言われているリーナ様と
お知り合いなのですか!?…」
「……アイツ…
こっちではそんな風に呼ばれているのか?……
まぁ…知らない仲では無い…
…成り行きでいつの間にか…」
この時のミスティーの表情はまるでリーナの事を宝〇歌劇団の男役の様に思って居るのか、頬を赤く染めては目をキラキラとさせ!…憧れている様な表情を見せてはシロとマサツグを交互に見詰め!…生で会ったの!?…とばかりに羨ましそうな視線を送っていた。その際リーナが男装をしていると言う事を知って居るのか、リーナの事をハイドリヒとは言わず…ちゃんと王女として知って居るとばかりにリーナ王女と話してはその真実をマサツグに確かめるのであった。そんなミスティーのテンションの上がり具合にマサツグはリーナの呼ばれようと一緒に戸惑いを覚えるのだが、マサツグはミスティーの質問に答え…話が落ち着いた所で席から立ち上ろうとした瞬間!…衛兵達に睨まれると制止を呼び掛けられる!
「ッ!?…おい貴様ぁ!!…
動くなと言っただろう!!…
…命の恩人であろうとも!!…
貴様はこの場で拘束させて貰う!!
大人しくしろ!!」
「ッ!?…ま、待ちなさい!!…
先程言った私の言葉を忘れたのですか!?…
この方に無礼を働けば!!…」
「ッ!!…そうですそうです!!
シロ達はミスティーお姉ちゃんの
護衛をしていたのですよ!?
何でご主人様は駄目なんですか!!!」
マサツグが立ち上ろうとした瞬間衛兵達は槍を手に構え出し、マサツグに動くな!と命令すると尻尾の毛を逆立てては警戒を強める!…まるで凶悪犯が乗って居るとばかりに…衛兵達の警戒の様子を見てミスティーは戸惑い、慌てて止めるよう再度声を掛けると、シロも膨れた様子で両手を放しては拳を振り上げ文句を口にする!…しかしミスティーやシロが幾ら文句を言った所で衛兵達はマサツグに対して槍を構える事を止めようとはせず、一応指示には従おうかどうか悩んだ表情を見せてはミスティーに返事をする。
「……ミスティアナ姫…申し訳ありませんが…
それは出来ません!!……」
「ッ!?…何故です!?…」
「……この者を捕まえる様に命を出されたのが
女王陛下だからです!…」
「ッ!?…なっ!?…女王陛下!…お姉さまが!?…」
衛兵達も心苦しいと言った反応を見せては槍を握る手をプルプルと震わせ、ミスティーの指示に従えないとだけ返事をすると、その返事にミスティーは戸惑い怒った様子を見せては反論する!…理由が有るなら話しなさい!…そう目で問い掛けるよう衛兵達を睨むと、衛兵達は戸惑い…渋々聞き入れた様子でマサツグを拘束する理由に女王陛下の名前を出すと、その名前を聞いたミスティーは驚きと戸惑いを露にする!…その際女王陛下はミスティーの姉なのか、戸惑った様子でお姉さまと呟き…その反応を見て衛兵達も更に戸惑いを露にすると、詳しい理由を話し始める。
「……ゲス…ッ!…ンン!!…
…ゲルデウス宰相が女王陛下へ…
そこに居るマサツグと名乗る者が
自身の配下を不当に痛め付けただけでなく、
虚偽の報告で牢屋に入れた後に
殺したと報告を受けたのです!…
そしてその凶悪犯がこちらに向かっていると…
女王陛下に進言したのです…」
__ピクッ!…
{……ん?…何でこっちの動きが分かるんだ?…
読んで居たとか?…にしたって賊を消し掛けて来るか?…
このままミスティーが届くのを待って自国で
処理した方が圧倒的に楽なのに…}
衛兵がミスティーに詳しい話をする際…何なら言い間違えた様子で一度言葉に詰まると咳払いをし、改めてミスティーに説明し始めると、その内容にミスティーは戸惑いを覚える!…何故ならそこで聞かされるはマサツグが悪党と言う話であり、内容としてはあのナンパ集団の話・宿屋での夜襲の話と…自分達は被害者と言った内容ばかりで、自分達には一切非は無いと今までの事を隠すとしたふざけた内容を女王陛下に話したらしい…その際その凶悪犯がこちらに向かい侵攻しているとも話したらしく、その話を聞いたマサツグは当然反応し…何故向こうがこっちの動きを把握しているのか?と思わず疑問を感じていると、更に運が悪かったとばかりにミスティーの誘拐話も持ち上がっては、その犯人にマサツグが仕立て上げられている事も話し始める。
「そしてその時…
丁度ミスティアナ姫がご視察に行ったホエールビアードで
行方不明になったと報告を聞いて更に宰相はこの一連の
出来事をマサツグの仕業に違いない!と断言した為!…
現在襲い来るであろうマサツグに対しハーフリングス国内
及び、近隣周辺では警戒態勢及び見つけ次第拘束と!…
女王陛下自ら命を出されまして……
こればかりは姫の命でも承知いたしかねます!……」
「ッ!?…そ、そんな!?…お姉さまが!?…」
__トトト!…ギュ!…
「…ご主人様ぁ……」
そうした話が積もり積もって今の状況と…女王陛下の厳戒態勢が敷かれて居る事を説明しては、その話を聞いたミスティーは酷くショックを受け、シロも徐々に不安になって来たのかマサツグの方に移動し足にしがみ付くと、不安を隠し切れない様子でマサツグに声を掛ける。この時シロは今にも泣き出しそうな表情でマサツグの顔を覗き込むのだが、マサツグはそんなシロの様子に気付いてか足にしがみ付くシロの頭に手を置くと、しゃがみ出しては笑顔で話し掛ける。
__ポン…
「大丈夫だ!!…シロ!!…
ちょっとばかり…あぁ~…
少しの間だけ会えないけどまた会える!…
それまでミスティーと一緒に待っててくれるか?…
シロ!!…お前は!…お前だけが!!…
唯一ミスティーを護ってやれる最後の頼みなんだ!…
頼めるか?…」
「……本当に…少しですか?……」
「……あぁ~多分な?…ほら約束!…
この誤解を解いたら絶対に迎えに来るから!!…
な?…」
__ギュッ!!…
マサツグが笑顔で大丈夫とシロに話し掛けると、ミスティーを護るようシロにお願いし始める!…依頼としてはこれで完了なのだが、如何にもマサツグ自身気になる事が有り!…宰相の事もぶっ飛ばして居ない!と、捕まる覚悟を決めてシロにお願いをするのだが、シロはマサツグの言葉に不安を覚えると涙目で尋ね返し…そのシロの質問にマサツグは詰まりながらも必ず守る!と言って指切りするとシロを抱き締め、シロもそんなマサツグに笑顔で返そうとするがやはり不安には勝てなかった様子で涙を流し始めると、涙声でマサツグに約束をする!…
「ッ~~~~!!…スンッ!…
あ゛いでず!!…ッ~~~!!!…」
__トッ…トッ…トッ…トッ…グシグシ!……ギュッ…
「ッ!……」
__……ギュッ!………ッ!!…
そしてマサツグから離れて何度もシロは涙を拭って堪えようとするのだが、幾ら拭おうとも涙は止まらず…シロは泣きながらミスティーの方へ歩くとそのミスティーの手を弱々しく握り、ミスティーもそんなシロの様子を見てハッ!と…した様子で気付くと優しく手を握り返す。そして泣きじゃくるシロの顔を見てミスティーは一人覚悟を決めた様子でスッと…突如眼光を鋭くすると、徐に衛兵達へ話し掛け出す!
「…待ちなさい!…
マサツグさんを連れて行く前にお話を…」
「…ッ!…ミスティアナ姫…
お気持ちは分かりますが……」
「少しで良いです!…10分…
いえ、5分待ちなさい!……その際!…
私とシロちゃんとマサツグさんの三人だけに……」
「は?…いや、しかし!…」
ミスティーが怒った様子で衛兵達の方を睨むと、マサツグを連れて行くのを少しだけ待つ様に声を掛け、そのミスティーの反応に衛兵達は戸惑い…何とか落ち着くよう声を掛けては公務に勤しもうとするのだが、ミスティーは一向に言う事を聞かずただ食い下がる!…いつもと違う様子を見せるミスティーにマサツグは勿論!…衛兵達も戸惑い、ただ如何したものかと悩みながらもミスティーに落ち着くよう声を掛けようとすると、ミスティーは遂に衛兵達へ吠え出す!
「…良いですか?…これは命令です!!…
皇女としての命令です!!……」
「ッ!?!?……」
「……わぁ~お!…」
俗に普段怒らない人を怒らせると怖いと言うが…ミスティーはそれだろう…普段の大人しく弱々しい性格からは考えられない!…強い口調に鋭い眼光と威嚇バリバリの様子で衛兵達を一喝すると、そのミスティーの威嚇に衛兵達はビクッと反応する!…ミスティーが声を荒げる際ミスティーの背後からはまるで相手に向かい百獣の王が威嚇するよう吠えた様なショックが発せられるのだが、その表情はやはり怒り慣れていないのか何処か必死で優しく…それなのにあの気迫は何か?と…衛兵達がビクッとしている様子を見てマサツグが一人戸惑って居ると、思わず戸惑いの一言を漏らす!…そうして衛兵達の間で少しの間固まって居たと思えば、徐に溜息を吐き出し…ミスティーの気迫に押された様子で衛兵達が同意すると、ミスティーに忠告をする。
「……ふぅ~……では…5分です!
いいですか?…5分だけです!…
5分経って降りて来なければ、
何を言われようとも強制的に連行します!!…
いいですね?」
「……分かっています!…」
__ガタガタ…ガタガタ……パタンッ…
ミスティーの言う5分を認めると衛兵達は馬車の周りを囲う様に展開し始める!…このまま馬車の中に立て籠もっては馬車を走らせ逃げようとするかもしれないから!…そんな意図が見て取れる様子にミスティーは若干の苛立ちを覚え…衛兵も念押しするよう何度もミスティーに5分と言い聞かせると、ミスティーは不服そうに返事をして馬車の扉を閉める!…そうして馬車の中にはマサツグとシロとミスティー視界内空間が出来上がるのだが…扉を閉めるなり徐々にミスティーが小刻みに震え始めると、途端にマサツグの方へ振り返り出す!
__…プルプルプルプル…バッ!!…
「マサツグさん!!!…本当にゴメ!!…」
__ペシッ!!……ッ!?…
「ッ!?……え?…」
ミスティーは自分のせいでこうなったと責任を感じたのか、マサツグの方に振り返るなり頭を下げて謝ろうとするのだが、頭を下げようとした瞬間!…マサツグが手を差し出すようミスティーの前に突き出すと、その下げようとしたミスティーの頭を止めてしまう!額にマサツグの手が当たりミスティーも何が起きた?と言った様子で戸惑うのだが、恐る恐る頭を上げるとそこには笑顔を見せるマサツグの姿が有り、マサツグはミスティーに向かって首を左右に振り頭を下げる必要は無いと意思表示をすると、優しく声を掛け出す。
「ミスティー?…謝らなくても良いから!…
大体こうなるのは分かってたし…
寧ろこうなるのを前提に動いて居たし…
ミスティーも好きでこんな目に合ってるんじゃない
ってのは分かってる!…だから謝る必要は無いない!…」
「ッ!?…で、ですが!?…
これは私があのならず者達に襲われたせいで!!…
身分を隠して居た私を!!…
信じて送り届けてくれた方をこんな!…
こんな無礼極まりない扱いをするなんて!!!……」
マサツグはただミスティーに謝らなくて良いと言うと笑ってミスティーの頭に手を置いては優しく撫で始め、そんなマサツグの言葉にミスティーは戸惑いを覚えそう言う訳には行かないと慌て出すと、徐々に涙を目に溜め始める。やはり根が優しい子なのか自分を信じてくれたマサツグに対して投獄と言う…まさかの結末が待っていた事に申し訳ないと言った様子で悲しみ、マサツグもそんなミスティーの表情を見て苦笑いすると、ただ頭を撫で続けてはこればかりは仕組まれた物だから仕方が無いと諦めて見せる。
「…まぁ…それに関しても大体予想が付いてる…
別の首謀者が居るみたいだからな?…
ミスティーが何処に居ようと襲われて居ただろうし…
…それに俺もここへは別の目的で来たからな?…」
「え?…」
マサツグは苦笑いしては諦めた様子を見せるのだが、本人はここからと言った具合に!…これで良い!…と何やら含みの有る様子で言葉を漏らすと、その言葉にミスティーは戸惑う!…何故捕まろうとしている人間がこんなにやる気を見せて居るのか?…今にも泣き出しそうな表情でマサツグの顔を見上げのだが、その時映ったマサツグの表情は何処かウキウキとしており…そんな様子にミスティーは困惑を覚え、ただマサツグの事を若干涙を零しながら見詰めて居ると、マサツグはミスティーにある事を話し出す。
「……ミスティー?…
隠し事して居たのは何もお前だけじゃないさ…
俺もミスティーにある事を隠してこの依頼を
受けたんだ…」
「ッ!?…そ、それって!…」
「あぁ!…誤解の無い様に言うと最初から
ミスティーを利用して悪い事をしようとか…
そう言う事じゃないんだ!…
……って、よく考えたら受けた時点で
既に利用してるか…とにかく!!…
俺の目的は悪いけど!…
ミスティーの国に居る宰相を!…
そのアスモマウデルをぶっ飛ばしに来たんだ!…」
「ッ!?…」
マサツグは自身もミスティーに隠してある事が有ると言うと、その目的について語り出し…ミスティーも自身が利用されていた事に気が付くと、マサツグを見詰めては若干たじろぎ後退りをする!…そんな反応を見てマサツグは慌てるとミスティーに誤解の無いよう説明を話し始めるのだが、その内容は「アスモマウデルをぶっ飛ばしに来た」と…突拍子も無い話にミスティーが驚きその場で固まって居ると、更にマサツグは詳しい説明をする。
「…衛兵達の様子から察して貰った通り…
俺は如何やら今指名手配されて居るようなんだ…
で、そのきっかけってのがあの最初の…」
「ッ!…あの路地での!?…」
「その通り!…あれが済んだ後!…
如何やら反感を買ってしまったみたいで…
謂れの無い文句にムカついたから
直談判に来たんだけど…
如何やらそれも一筋縄じゃ行かないみたいなんだ!…
……ここに辿り着くまでの君の襲われよう!…
アレは普通じゃない!…
杞憂であって欲しいんだけど如何にも
そのアスモマウデルが裏で何かをしようと
している様に思えて…
このまま送り届けたとしてもまた…」
マサツグは馬車の外で待機している衛兵達の様子を思い出させるよう、今置かれている自分の状況について話し出すと、そのきっかけについても話し出し…ミスティーが気付いた反応でハッ!とした表情を見せると、マサツグは嫌な予感を感じつつも淡々と神妙な表情で説明を続ける!…自分がここに来た本当の目的!…ミスティーをここに連れて来るまでの道中!…そして自身の推理が混じったまだ続く展開!…それらを話してミスティーに警戒を呼び掛けて居ると、そろそろ衛兵達の強制逮捕が行使されそうになる!
__コンコンッ!…
「後一分ですよ?……」
「ッ!…っと、とにかく何か嫌な予感がする!…
自分の身の周りは気負付けておいた方が良い!…
…一応シロを連れて行ってくれ!…
俺が牢屋に連れて行かれる前にシロには
ミスティーを護る様に言ってある!…
多分この国も…いや、この国の中の方が一番
ミスティーが襲われる可能性が高いから!…
シロだったら余程の事が無い限りは対処出来るから…
もしもの時は!……後シロは俺が居なくなると
極端に寂しがると思うからそう感じない様に…
ミスティーにシロの事をお願いしたいんだ…頼めるか?」
_ッ!!…ッ~~~!!!…コクンッ…
馬車の外からノックされては急かされ…残り時間を告げられると、マサツグは最期に周りに気を付けるようミスティーに改めて注意を促す…そしてシロをミスティーの護衛に付けるよう話すとその言葉にミスティーは若干戸惑い…シロはシロでマサツグの言葉を護るようミスティーの手をギュッと握ると無言でミスティーに答え、そんなシロの様子にマサツグはミスティーに一つお願い…自分が捕まっている間のシロの世話をお願いすると、またミスティーが涙ぐんではマサツグに頷く…
__バンッ!!…
「時間です!…
申し訳ありませんが連行させて頂きます!!…」
__ガチャッ!…カタンッ!…ガチャッ!…
…コッ…コッ…コッ…コッ…
そうして時間が来ると馬車に衛兵達が乗り込み!…ミスティーに対して謝罪の言葉を口にすると、慌しくマサツグに木製の手枷を付け!…そのまま馬車を降りて監獄に連行して行こうとすると、その後をシロが慌てた様子で追い掛けようとする!…しかし!…
「ッ!?…ご、ご主人様!!……ッ!?…」
{…シロ!!…
唯一ミスティーを護ってやれる最後の頼みなんだ!…
頼めるか?…}
「ッ!!……ッ~~~~~!!!!…
あああぁぁぁぁぁぁん!!!…
あああぁぁぁぁぁぁん!!!…」
「ッ!?……ッ~~~~!!!…シロちゃん!!…」
追い駆けようとするシロはマサツグとの約束を思い出した様子で、駆け出そうとした足を踏み止め!…ただ連れて行かれるマサツグを見送りその場で立ち尽くしまた涙を流し始めると、そのまま大声を上げて泣き出してしまう!…それに釣られてミスティーも耐え切れなかった様子で静かに涙を流し始めると泣きじゃくるシロを抱き抱え…二人揃ってその場で泣き出し始めると、マサツグはピタッと足を数秒止めては振り返ってミスティーに呼び掛ける!
「……あ!そうだ…ミスティー!」
「ッ!!……」
__ニカッ!!…ッ!?…
突如足を止めた事に衛兵達は戸惑うのだが、無理やり連れて行こうとはせず…ただミスティーもマサツグに呼ばれた事で泣き顔ながらもハッと顔を上げ、マサツグの方を見詰めるとそのマサツグの表情を見ては思わず驚いてしまう!…何故ならそこに居たのは笑顔を見せるマサツグの姿で、これから監獄に投獄されよう言う男の表情では無かったからである!まるで本当に帰って来る気で居る様な!…ニカッと笑うそんな表情にミスティーは戸惑い!…ただ涙を流しながらマサツグを見詰めて居ると、マサツグは何を思ったのかミスティーに向かいある助言を口にし始める!
「一国の皇女がそんな簡単に頭を下げちゃあいけねぇぞ?
ミスティーはもうちょっと太々しい位が丁度良いんだ!…
傲慢過ぎず、優し過ぎず…時には大胆に動ける様に!…
程良く熟せれば上手く事を運ぶ事が出来る様になると
思うぞ?……色々とな?…」
「ッ!?!?…」
突如ミスティーに言い残した謎の助言!…それはもっと自分に自信を持つよう話し掛ける様にも聞こえるのだが、突如そんな事言われたミスティーは勿論!…マサツグを連行しようとしていた衛兵達も戸惑いを露にする!…何故そんな事を言ったのか?…マサツグなりの気の使い方なのか?…とにかく困惑させてはマサツグは一人前を向き直すと歩き出し、その様子に衛兵達は戸惑い追い駆ける!そしてその場に取り残された残りの衛兵とシロとミスティー…マサツグの言葉の意味に悩むのだが、この言葉の意味を理解するのはもう少し先のお話になり…そうして残されたミスティーはマサツグを牢屋から助ける為!…色々と裏で手を回して奮起する一方で、シロはマサツグとの約束を守る為!…ミスティーにビッタリとくっ付いてはガードマンをする事になる!
{マサツグさん……私に任せてください!!
今度は!!…今度は私が!!…
私が必ずそこから出してみせます!……}
{ご主人様!!……
ご主人様が戻って来るその時まで!!…
シロも約束を護ります!!}
こうしてミスティーとシロの涙ながらの熱視線を浴びつつ…マサツグは無事ハーフリングスに入国(投獄)される事になる。その際辺りを見渡すとやはり森の中に居るのか自分達よりはるかに高い樹に囲まれており、木々の間からはあの炎天下の日差しが零れ落ち…木陰が多いせいか涼しく感じていると、近くから滝は有るのか水が勢い良く流れ降りて来る音が聞こえて来る。
__ザアアアァァァァ!!…
「ッ!…滝の音?…近くに水場が?…」
「………。」
「…はあぁ~…
…ちょっと位構ってくれても良いじゃねぇかよぉ~?」
聞こえて来る滝の音に反応してマサツグは衛兵に質問するが返事は無し!…まるで話し掛けてはいけない!…と言った危険人物を扱う様に!…何とも仰々しい様子でマサツグの周りを囲う様に陣形を保っては槍を突いて歩いて居り、そんな様子にマサツグはちょっかいを掛けるよう話し掛けて反応を見ようとするのだが、衛兵達はピクっと耳を動かしたりするだけでマサツグの言葉を無視する。この態度は女王陛下が言ったからこの態度なのか?それともアスモマウデルか?…何方とも言えない様子でただマサツグの事を無視し続け更に歩き続けると、遂にハーフリングスの国といつもの名所案内の文章がマサツグの目に映る。
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「獣人達の国・ハーフリングス」
サマーオーシャン大陸の南西に有る熱帯雨林地帯…
通称・獣神の森その森の約中心部に位置するのは
共和三国の内の一つ…このハーフリングスであり、
周りが森に囲まれている事から幼少頃より狩りの
練習をする事が義務教育とされている。王都奥には
その国を治める王宮が有るのだが、更にその奥には
通称・獣神の滝と呼ばれる巨大な滝が有り、ここより
流れる水はこの王都に住まう住人達の貴重な水源…
生活用水となって居る。…この国が出来るまでに
色々と種族間での戦争が有り、血が流れ…一時川が
赤く染まると言った話も有る位に深い歴史も有った
りする。因みにこの国の街並みはとあるファンタジー
アニメがモデルとなっており、意外と国に対して
ファンが多いらしい…
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「……ファンタジーアニメ?…
…中東系の建物に…用水路?……うぅ~ん…
パっと思い付いたのは二〇国なんだが?…
…てかあれアニメじゃねぇし…ゲームだし…」
いつもの様に近付いて来る街並みに目をやりつつ…説明文を読んでは疑問を感じると、その最後の文章に興味を持つ。ファンタジーアニメ?…建物は漆喰にモルタル…後、岩を削って作ったレンガと言った所か?…何と無く中東系の建物が立って居る様に見え、町の中を流れる川はまるでイタリアのヴェネチアのよう…但しそこまでは深くは無いのかちゃんと用水路は膝丈下位に浅く、整備もされて有る…そんな街並みの見れるファンタジーアニメなど有ったか?と思いつつ…ジッと町中の風景を見詰めて居ると、当然王都の人達が居る訳で…そんな王都民の姿を見てマサツグがハッ!と納得する。
「ッ!…もしかしてア〇ジン?…」
その時マサツグが目にした王都民の格好はまさにあの世界から飛び出して来た様なアラビアンな恰好で、町行く獣人達はマサツグの格好が珍しいと言った様子で目を丸くしては注目し、注目を浴びているマサツグはまるで自分だけ変!と言われている様な視線に戸惑って、何とも言えない奇妙な気持ちになる…そしてそのまま衛兵達を引き連れての観光ではなく監獄に連れて行かれると、そこで色々と没収をされて囚人用の服に着替えさせられ…そのまま一人牢屋に入れられると、宰相の部下に危害を加え!…更に死に至らしめ!…姫を誘拐した大罪人として収監されるのであった。




