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どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-  作者: すずめさん
-第ニ章-サマーオーシャン連合国-獣人の国編-
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-第二章二十節 渡りに船と護衛任務・再びとミスティー-



熊かライオンか…そのあの時のケモ耳女性はマサツグに対して頭を下げては申し訳なさそうに謝り続け、マサツグはそんな頭を下げられている事に戸惑いを覚えると、いつもの様に頭を上げるよう言い聞かせる。お互いが戸惑い困惑の様子を見せて居る事にルンも釣られて戸惑いを覚えるのだが、そこはギルドの人間…自身の意識を取り戻すようハッ!とした様子で気を改めると、改めてその獣人女性に話し掛け、何が有ったのかを聞き出し始める。


「……ッ!……えぇ~っと…

立て込んでいる所申し訳ないのですが…

何かあったのですか?…

それにマサツグさんとのご関係は?…」


「ッ!…あっ!…えぇ~っと……こ、この方は…

無理やり連れて行かれそうになった私を

助けて下さった方でして…

ここに来た目的は…わ、私を…

国に返して欲しいのです…」


「ッ!…もしかしてそれはあのナンパ集団の話では!?…

…って、いけないいけない!…その話は置いといて…

では話の内容から察するに護衛の依頼と言う事ですね?

では国とは何処の国でしょうか?…

行き先をお教え願えますか?」


ルンが改めてその獣人女性へ用件を尋ねると同時に、マサツグとの面識が有る事から如何言った関係なのかを聞き始めると、獣人女性は戸惑いながらも正直に答え始める。何やらモジモジとしながら…ナンパ集団に連れて行かれそうになって居たのをマサツグが助けてくれたと答えて次に依頼をしに来たと話し出し、その連れて行かれそうになった話を聞いたルンは途端に詳しい話を聞きたい!と言った反応を見せるのだが、ハッ!と自身の仕事を優先するよう首を左右に振ると一旦話を聞くのを保留にする。そして獣人女性の話の内容から依頼を護衛依頼と受け取り…ルンが正式に受け付ける様子で筆記用具と用紙を取り出し始め、行き先について尋ね出すとその獣人女性の口からまさかのタイムリーな答えが飛び出して来る。


「えっと…行き先はハーフリングスまでです…」


「ッ!?…」×2


「え!?…一体如何かしました!?…」


「えぇ!?…あぁ…いや…別に…」


その獣人女性が依頼する行き先はまさかのハーフリングス!…まぁ獣人なので別に違和感が無いと言えば全く無いのだが、まさかのマサツグが乗り込もうと考えて居た矢先の依頼なのでマサツグとルンは思わず驚く。そして驚いた反応を見せる二人にその獣人女性も驚いた反応を見せ、二人に何が有ったのかを戸惑いながら尋ね出すとマサツグは表情そのまま口籠り、ルンも戸惑い気味に謝り始めるとその理由について尋ね出す。


「あっ…い、いえ…失礼しましたぁ~…あのぅ…

差し支えなければ理由の程をお聞かせ願えない

でしょうか?…」


「え?…は、はぁ……私は姉様…ッ!…

姉さんの勧めでこの町に遊びに来たのですが!…

いつの間にか一緒に来ていたお付き…ッ!!…

と!…友達が居なくなって!…

一人その友達を探して町を彷徨っていたら

あの怖い人達に襲われて…このマサツグさんと

言う方に助けて頂いたから良かったのですが…

今思っただけでも怖くて!!…

…それで国に戻ろうと思ったのですが…

ここに来るまでの手配も帰りの手配も…

その友達にお願いしていたので……

帰りの護衛が居ないのです…」


「……なるほど……分かりました…

確かに今普通の馬車でもハーフリングス行きの

物は運休してますし…

帰ろうと思うのならギルドに頼るしか……あっ!…

後、この人からの証言が取れたのでマサツグさんの

喧嘩の件は正当防衛と言う形で処理して置きますね?…」


「えぇ!?…あっ!…ありがとう…」


ルンが獣人女性に依頼の理由について尋ねると、獣人女性は戸惑いながらその理由について話し始める。その際何度か言葉を改める節が見られるのだが特にコレと言った違和感を感じる様な理由ではなく、ハーフリングスに帰るにはギルドにしか頼れないと言った切に願う表情で獣人女性が訴えると、ルンは理解した様子で用意した用紙に何かをサラサラと書いて行き…ハーフリングスが鎖国されて居る事から馬車も出て居ない事を改めて上げるようルンが口にすると、途端にマサツグの方に顔を上げては先程の獣人女性の話を紙に纏めていたのか証言を取ったと笑顔で言い…それを聞いたマサツグが戸惑いの表情を向けてお礼を言っていると、その言葉に獣人女性は疑問を持つ。


「……ッ?…証言?…証言とは如何言う?…」


「ッ!…あぁ!…

こちらの話なので気にしないで下さい!!…

では次に何ですが…」


「ッ!…あぁ!…その依頼俺が受けるよ!」


「えぇ!?…」×2


突然証言を取ったと言われれば確かに疑問を持つだろう!…獣人女性は堪らず何の事か?と戸惑った表情で尋ね出し、その問い掛けに対してルンもハッ!と気が付いた反応を見せると、軽く誤魔化しては次の話に持って行こうとする。そしてその話を持って行こうとした矢先今度はマサツグがピクッと反応すると、すかさずその護衛の依頼を受けると言い出し!…その言葉を聞いた獣人女性とルンが驚いた様子で反応すると、ルンはマサツグにもう一度問い掛け始める!


「マ、マサツグさん!!…

如何しても行くと言うのですか!?…

さっきの証言が有れば!…

後はギルドの方で!!…」


「それはそれ!…これはこれ!…

それに困っている人の依頼を受けるのは

冒険者のお仕事でしょ?…問題ないない!」


「あ、あの…」


「いやぁ~!…

俺達も丁度ハーフリングスに用事があるんですよ!…

ちょっと私用で…ね?…」


ルンは若干呆れつつも怒った様子でマサツグに待つよう声を掛けるが、マサツグはやはり聞く耳を持たない!…ただ単純にそのハーフリングスの宰相にムカついているとばかりに冒険者としての…ギルドの仕事をすると言っては護衛の任務を受けようとし、戸惑う獣人女性を尻目に仕事を請け負おうとする。その際マサツグは獣人女性に自分もハーフリングスに用が有ると言っては悪い笑みを浮かべて見せ、その表情を見た獣人女性が困惑の様相を見せて居ると、ルンもやはり匙を投げた様子で獣人女性にマサツグの説明をする。


「……はあぁ~…もう!…

如何なっても知りませんからね?…

…安心してください!…

この人はこんな風に見えて実は凄い!…

ある意味で英雄と呼ばれる実力を持って居ます!…

道中の安全はこの人が保証してくれます!」


「……うん…その言い方だと語弊を招かない?…

ある意味って…何か余計にやましく聞こえるのと、

その英雄って言い方に抵抗が…

余計に不安を買いそうな気がするのですが?…」


「依頼者を相手に悪い笑みを浮かべる人に

語弊も何も無いと思いますが?

それに一応は!…擁護している訳ですし!…」


「あれ?…何故お怒りに?…」


マサツグの紹介をする際…棘が見え隠れする程度で話し始めると、その説明でマサツグをある意味で英雄と話し出し…道中の安全は保障するとルンが笑顔で説明をするのだが、マサツグはその説明の仕方に引っ掛かりを覚える。明らかに誤解を招きそうな言い方…依頼を受ける上で不安を覚えられそうとルンへ困惑気味に苦言を言うのだが、今度はルンが逆に聞く耳を持たない様子で…マサツグの事について反撃するよう文句を言うと、マサツグはルンの膨れている表情に困惑する。やられたらやり返す!…倍返しだ!…と言わんばかりの反撃を受けた事にマサツグはオロオロとした様子で困惑して居ると、その一部始終を見てかその依頼主の獣人女性は徐にプッ!…と噴き出し始める。


「……プッ!…フフフフフフ!…」


「ッ!…え?…えぇ?…」


「ッ!………プッ!…フフフフフフ!…」


「ッ!?…こっちも!?…」


突如自分の隣で噴出した獣人女性に驚きつつ…困惑した様子を見せて居ると更にルンも獣人女性が笑い出した事で一緒になって笑い始め、もはや何が何だか分からない朴念仁のマサツグは困惑し続ける。何で笑っているのか?…二人を交互に見てはただオロオロとしていると、完全復活した様子でシロが起き出しては先程の話を聞いていたのか、徐にマサツグの顔を上から覗き込むと質問をし始める。


__ズイッ!…ッ!?…


「……ご主人様?…えいゆう?…って何ですか?…」


「…え?…と、唐突だなぁ…まぁいい…

…それはだな?…」


「ッ!…凄い人!!って事ですよ!!…

シロちゃん!!」


「ッ!!…おぉ~~!!…

ご主人様はやっぱりすごいのです!!

え~いゆう!…え~いゆう!!」


突然のシロのドアップフェイスにマサツグは驚くのだが、直ぐに落ち着きを取り戻すとシロの質問に答えようとする。しかしマサツグが答えるより先にルンが英雄の意味について笑顔で答えると、自己紹介をした覚えは無いのにシロの名前を呼び…シロはシロでその事を全く気にする事無く、マサツグが英雄と呼ばれている事をまるで自分の事の様に喜び出すと、マサツグの肩の上で跳ねて見せる!先程の泣いていた様子も何処へやら…元気を取り戻した事にマサツグもとにかく安堵すると、ここで漸くルンがシロの名前を呼んだ事に気が付く。


「そんな英雄って呼ばれる事をやってないんだけどな…

って、あれ?…何でシロの名前を知って…」


「ッ!…あぁ!それなら…えぇ~っと…

…姉さんからの手紙で!…

後、マサツグさん宛てに伝言も書かれてましたよ?」


「え?…」


「どうぞ!」


自身が英雄と呼ばれている事に抵抗を覚えつつ…マサツグはふとルンがシロの名前を知って居た理由について尋ねると、ルンは軽く返事をし…いつぞやの様にスカートの中から手紙を取り出すと、その手紙を手に笑顔で答えて見せる。リンは意外と筆まめなのか…ルンの手にはそのリンからの手紙が数通保管されており、その中の一通でルンが思い出した様にリンからの伝言が書かれてある事を思い出すと、マサツグにそのリンからの手紙を差し出す。当然マサツグは戸惑った様子でその手紙を受け取ると恐る恐る内容を確認するのだが、そこには予想していた通りと言うか…リンらしい文章で色々な事が綴られては最後の文章に違和感を覚える。


  ------------------------------------------------------------------------


ルンへ


今度そちらに我が国の英雄マサツグさんが辿り着くと


思います!!その時はそちらでのマサツグさんの


バックアップをお願いします!!マサツグさんは


モツさんと言った冒険者の仲間と!…更にあのリーナ様と


一緒に大事件を解決された方でギルド上層部関係者達に


その噂が持ち切りでごった返しています。因みに私の所の


ギルドマスターも今後のマサツグさんの活躍に期待して


いるようです!!これは私達ギルドの人間が彼を支え


なければなりません!!勿論その他の冒険者の方々も


ですが…宜しくお願いします!! 後、シロちゃんの事も


よろしくお願いします!!!白くて小さくて可愛い!!…


マサツグさんのペットです!!!


直ぐに分かると思います!!!


   


リンより



PS:マサツグさんに珍しい物を見つけたらこのリンに


  送ってくれと伝えてください!!

  ------------------------------------------------------------------------


「……何だこれ?…フリードが期待?…

何かまた余計な重荷を背負わされそうな?…

それにこのシロの事って…

確かに間違ってないけど…

これある意味誤解を生むのでは?…

それに最後は完全に私用じゃねぇか!!!…」


「…だそうですよ?」


そこに書かれてあったのはマサツグがこの大陸に来るから面倒を見るようお願いする文章で、その他にもマサツグの事を紹介する…若干ズレた紹介とギルド上層部から期待を持たれている事が書かれて有り、更にフリードからも目を掛けられて居る等…オマケと言った様子でリンなりに気を掛けてくれているのかシロの事も書かれてあった。しかしその手紙にはシロの事をペットと…人型である事は全く書かれておらず、いざ本物を見た時誤解するのでは?と言った不安になる文章も書かれて有り、極め付けが最後の文章に!…そこには完全にリンの趣味の内容が書かれて有る事を目にし、マサツグはすかさずツッコミを入れ!…相変わらずなリンの様子に戸惑いを覚えていると、ルンは笑顔でマサツグに同意を求め、その同意を求めるルンにマサツグは更なる戸惑いを覚えるのであった。


「だそうですよ?…って言われても……

てか、姉妹同士なのに偉く他人行儀な

文章の様に思えるんだが…」


「あぁ!…それはギルド間の連絡文書で

送って来てるからです!…」


「職権乱用!?…」


姉妹同士でする文通にしては偉く仕事の内容が多い文章で、受付嬢同士ならアリなのか?…とそんな疑問を覚えていると、ルンはこの手紙のやり取りをギルド同士の連絡文書…つまりギルド間で使われる()()()()()()で届くと若干呆れた様子で説明し、それを聞いたマサツグはリンの自由具合に驚き!…ツッコミの声を挙げると思わずクラリスの苦労している様子を徐に思い出すのであった。そうしてそんなワチャワチャとしたやり取りをずっと獣人女性の目の前で繰り広げては緊張が解れたのか、徐々にその獣人女性の物腰が柔らかく優しい物になるとふと考えた様子で決意し…ある事をお願いするようルンに話し掛け始める。


「フフフフ!…フフフフフ!………えぇ~っと…では…

依頼はこのマサツグさんにお願いを…」


「ッ!…え?…」


獣人女性は上品に笑うと少し考えた表情を見せ…そして決断した様子で話し出すとルンに護衛の件をマサツグへ依頼するようお願いし始める。その際獣人女性からは何処と無く貴族の様な気品が感じられ、それを感じ聞いたルンは驚いた反応を見せては戸惑い!…その獣人女性を見詰めて居ると、獣人女性はただルンに優しく微笑んでは依頼の手続きを待ち続けていた。そしてマサツグはマサツグで今の話の流れの何処にその依頼を決める要素が有ったのかと悩み出すと、自分で受けると言っておきながら戸惑った様子で獣人女性に理由を尋ね始める。


「えぇッ!?…

こんなワチャワチャしてる状況で決めちゃっていいの!?

いや、確かに志願したのは俺なんだけど!…

自分で言うのも何だけど今の話で纏まる様な会話は

してなかったが!?…」


「フフフフ!…お話は聞いて居ましたよ?…

ギルドの上層部の方に期待されていて…

有名な方とも友人…それに先程から

お話を聞いている限り裏表がない様にお見受けしますし…

…何より先程私を助けて下さった!…そして今も…

これ以上に信用を勝ち取れるものは無いと

感じたのですが?…」


「えぇ~?……まぁ…結果オーライなのか?…」


「……ッ!…え?あれ?…何かお話が纏まってます?……

…色々気になりますが…まぁこの際…ではでは…」


マサツグが困惑気味に理由について尋ねると獣人女性はただ先程の話から考慮したと話し、リンからの手紙に書いてあった内容を一緒に読んでいたのか、それらの点を挙げて更に自身を助けてくれた事も一緒に挙げると、信用したと笑顔で返事をする。先程まで悪い顔をして依頼を受けようとして居た者を相手にこの信頼の仕方…志願した本人が思わず不安を覚えるのだが結果オーライと安堵すると、ルンもハッ!と困惑状態から戻って来る。そして話が纏まってる様子に若干の戸惑いを覚えるのだが、話が纏まっているのならと言った様子で先程から色々記入していた用紙とペンを獣人女性の前に差し出し、最後の確認と言った様子で獣人女性にある事をお願いする。


__スッ…


「ではお手数ですが最後に!…

この用紙の名前記入欄に

ご自身のお名前を記入してください!

これで依頼は正式に…」


「ッ!…え?…な、名前…ですか?…」


「え?…は、はい…」


「ッ~~~……」


依頼用紙を差し出しルンが依頼主の名前記入欄を指差して名前を書くようお願いをするのだが、獣人女性はそのお願いをされた途端に困惑の表情を見せる…名前を書かないと絶対にいけないのか?と尋ねるとその様子はまるで名前を書きたくないと言った拒否の態度に見え、ルンは当然戸惑いながらその獣人女性の質問に対し頷いて肯定すると、更に獣人女性は困惑の表情を見せる。その表情からも余程名前を書きたくない事情が有るのだろうと言う事が察せるのだが、こればかりは仕方が無いと…マサツグが黙ってその様子を見守っていると、ルンはその様子を見て助けるよう助言を口にする。


「……えぇ~っと…すみません!…

依頼を正式に作成するには如何しても

最後本人の名前を書いて貰わないと

いけないのです!…あっ!…

でも、あだ名とか愛称とか!…

本人と分かるものであればそれで

全然OKなので…何かございませんか?…」


「ッ!…あっ!…じゃ、じゃあ…」


__サラサラサラサラ……パアァァァ!…パラッ…


「ッ!?…え?…光るの!?…」


ルンが申し訳なさそうに依頼を作成する上で如何しても名前が必要である事を口にすると、その名前が別のモノでも良い事を口にする。ただしその別の名前と言ってもあだ名や愛称…そう言った物で無いと駄目と説明すると、本当の偽名は仕えない事を示唆し、それを聞いた獣人女性はハッ!と目を見開いて助かったと言った表情を見せると、ペンを手にその用紙に自身の名前?を書き出す。すると名前を書き終えた瞬間その用紙が軽く光ると紙自体が変わった様に正式な依頼書…クエストボードに貼ってあるあのよく見る依頼書へと変わり、初めて見る様子にマサツグがその獣人女性と一緒になって驚いて居ると、ルンはその用紙を手に取っては獣人女性の名前を口にする。


「……えぇ~っと?…ミスティーさん…ですね?

分かりました!…

これで正式にギルドで依頼として受付させて貰います!

お疲れさまでした!…それではマサツグさん!…

この依頼を受けると言う事で良いのですね?」


取り敢えず依頼主の獣人女性の名前は「ミスティー」と言うらしい…見た所気弱な性格なのか今だ若干不安げや様子を見せており、ルンに名前を呼ばれた事に対してビクッと反応しては自分が書いた物が無事依頼書として通った事に安堵していた。そうしてルンが淡々と業務を熟して行くと次に質問の行き先はマサツグの方に向けられる!…


「え?…あっ…あぁ…よろしく頼む…」


「分かりました!…では少々お待ちくださいね!」


__クルッ!…コッ…コッ…コッ…コッ…タタタタ!…


{……本当に双子なのだろうか?…

リンよりルンの方が仕事速い様な?…}


ルンはマサツグへ最後に依頼を受けるかどうかの業務的な確認を聞き出し、それに対してマサツグは今だあの用紙の変わる様子に驚いた表情を見せては、ルンの質問に戸惑いながら返事をする。その返事はある意味不安を覚えるものなのだが、ルンは慣れていると言った様子で…そんな様子のマサツグに笑顔を向けると了承し、カウンターに背を向けるとその依頼の処理をし始める。リンとは違う迷いの無い動き!…危さが感じられないルンの安定した仕事ぶりに思わずマサツグは頭の中で比べてしまうと、突如ミスティーに声を掛けられる。


「……えぇ~っと…マサツグさん?…」


「ッ!…はい?…」


「……ッ!!…

短い時間ですがよろしくお願いします!!!」


「え!?…あ、あぁ!…こ、こちらこそ!!……

……と言うより頭を上げてもろて?…

頭を下げられる事に慣れてないので…」


戸惑い気味に名前を呼ばれたマサツグが振り返るとそこにはモジモジとした様子のミスティーが…そんな様子にマサツグは若干の戸惑いを覚えながら返事をすると、ミスティーは緊張した表情で顔を赤らめ!…意を決した様に頭を下げ始めると改めて依頼を受けて貰った事に対して挨拶の言葉を口にする。そんなミスティーにマサツグも慌て出すとお返しとばかりに頭を下げ始め!…この時肩車しているシロを落とさないよう頭を下げると、シロは突然の出来事でも慣れた様子でマサツグの首を支点にバランスを取る。その際マサツグの首に跨るよう体勢を整えるシロの身体能力に驚く所なのだが、マサツグの首の力にも驚く物が有り!…そんな様子を周りの冒険者達が戸惑いながら見詰めて居ると、互いに恐縮した様子で挨拶を交わし合っては頭を上げ、マサツグは改めてミスティーに頭を下げないよう頼み始めると、ミスティーの容姿をもう一度確認するようマジマジ見詰める。


{……改めてこうして見ると綺麗な獣人さんだなぁ?…

クリーム色?の髪にお下げで耳は見た限り…

ライオンかな?…丸いし…褐色の肌に長い尻尾…

目は青い色でキラキラしてるし…身長は…

リーナと同じ位かね?…大体胸位の高さだし…

性格の割にはクールビューティー系の綺麗な顔立ち…

オマケに見事なまでのナイスバデーと来たもんだ……

これが俗に言う南国育ちと言う奴なのか?……うぅ~む…

更に戦闘力の高そうな艦〇れの龍〇の様な白の水着が…}


「ッ!…あ…あのぅ~…」


__ピクッ!…むっすぅ~~!!…むい!!…


「ッ!?…あばばばばばば!」


マサツグがジィ~っと真顔でミスティーの事を見詰めて居ると、その見詰められているミスティーはマサツグの視線に戸惑い…何とか視線を逸らして貰おうとモジモジし出すのだが、それに反応したのはマサツグでは無くシロであった。恐らくは薄々感じていたであろうシロは頬を膨らませるとマサツグの口に向かって両手を伸ばし、口の両端に左右の人差し指を入れると引き裂く様に引っ張り始める!それに反応してマサツグが痛がるとミスティーは突然の目の前の光景に戸惑い出し、シロはシロで膨れたまま引っ張り続けると、それはルンの手続きが終わるまで続くのであった!…そして…


「…はいこれで完了!…っと!……おまたせ!…

…って、一体如何しました?…」


__みょ~ん…つ~~~ん!!…


ひや…はんへも…(いや…何でも…)


「あはははは…」


「……え?…」


ルンが依頼書の手続きを終えてカウンターの方に戻って来ると、そこには口が横に広がった状態のマサツグの姿が…引っ張られ過ぎて口が思う様に閉まらずまるでカレー〇ンマンの様な口になっており、マサツグの肩の上ではシロが変わらずご立腹!…膨れっ面のまま座って居る!…そしてその一部始終を見ていたミスティーはただマサツグの隣で苦笑いし続け、ルンはルンでそんな様子を目にしてはただ戸惑いの視線を三人に向けるのであった。こうしてマサツグはミスティーをハーフリングスに連れて行く護衛任務を受けたのだが、ある疑問がマサツグの頭を過る!…それは指名手配に近い!…あの警告文についてであった。


「……そう言えば…

何であんなに早くにあの警告文が届いたんだ?…

やっぱギルドからハーフリングスまでは…」



「ッ!…あぁ!…

あの文章をここに届けるだけなら然程掛かりませんよ?…

なんせこの!…「念写機」と言う名のエルフが作り出した

魔道具が有りますから!…」


「ッ!?…え?…」


「何でも魔力を使って紙に書いてある言葉や絵を複製!…

もしくは転写する事が出来る魔道具らしくて…

……まぁ詳しい原理は分かりませんが…

各国の重要な書類や連絡等!…手が離せない状態でも

出来る様にと開発された物みたいですよ?」


あの警告文が届いた速さについて改めて考え直すマサツグ…その話を聞いてミスティーは何の事なのか?と戸惑った反応を見せるのだが、届いた速さに関しては何の疑問も無いとばかりにルンがある物を紹介し始める。そうしてルンが自信満々に紹介し始めた物と言うのがまさかのオーバーテクノロジー!…何処から如何見てもオフィスやコンビニとかで見かけるあのコピー機であり、それを見せられたマサツグが戸惑って居ると、ルンはコピー機の簡単な説明をし始める。説明すると言っても現実(リアル)と何も変わらず機能等もまんまらしく…せいぜい凄いと言った所はエネルギー?…電気を消費しない点とトナーを必要としない点のみ…これをエルフが作ったと話してルン自身も不思議そうにコピー機を見詰め、マサツグはその話を聞いて戸惑いつつコピー機を見詰めては違う事を考えていた。


{…な!…何で文明の利器がここに!?…

てか世界観!!…世界観をもっと大切に!!!…

船乗り場のチケット発行の機械だったり!…

コピー機だったり!…

…文明の利器が悪い訳じゃ無いけど!!…

一気に世界観が崩れちゃうだろうが!!…}


__じぃ~~……ッ?…


まさかの文明の利器が目の前にある事にマサツグがショックを受けると、心の中でこのゲームの設定についてツッコミを入れ始める!…ファンタジー大好きマサツグ君にとっては世界観が崩れると!…中世を舞台とした世界観が壊れると言ってはただ心の中で嘆き、近代文明が悪い訳じゃ無いと考えるが!…それぞれを分けて作れ!と叫ぶとただ心の中でのた打ち回る!…その際表の方のマサツグはと言うとコピー機を見詰めたまま心ここに在らずと言った表情で固まっており、その様子にミスティーやルンが不思議そうな視線をマサツグに向けるのだが、今だマサツグは心の中で大ツッコミ祭りを開催していた!…


{…ったく!…って、あれ?…

さっきエルフが如何こうって……

…まぁ最初の護衛任務の時に

会ったアヤがエルフだったし?…

居てもおかしくは無いと思うが…

このままだとエルフの国が

まさかの近代文明とか!…

やっぱ世界観を大切にしてくれぇ~~!!!…}


そしてその大ツッコミ祭りは更に在らぬ方へと飛び火し始める!…最初はエルフの存在を聞かされると多少は驚いた反応を見せ、改めてアヤの事を思い出したりするのだが、もしかすると訪れるやもしれないエルフの国がまさかの近代文明!…ファンタジー大好きマサツグ君はまたもや世界観について!…ツッコむよう心の中で叫んでは、必死に表に出さないよう堪えるのであった。


因みにシロの機嫌が直ったのはまた別の話…ギルドでアイスを買い口の中に放り込むと、直ぐに機嫌を直すのであった。



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