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第八話 先生と買い取り

「な、何でそんなに全力で謝るんですか? 別にそんな必要ないですって!」


 すごい勢いで頭を下げてくる三人に、逆に恐縮してしまう。

 だって、パーティの仲間として当然のことをしたまでだし。

 確かにレイドルフとフォルトナからは尖った感じを受けたけど、別にそこまで謝るほどじゃ……。


「怒ってないんですか……? 俺たち、あんなに見下してたのに!」

「そうよ! 今思い出すだけでも恥ずかしい……」

「は、はぁ……。というか俺、そんな態度を変えるほど凄いことしました?」

「しましたよ! そのフロストワイバーン、Aランクでも上位クラスです! それを一撃で倒すなんて、そんなとんでもないことができる人見たことないです!」


 それは、単にスージーの見識が狭いだけじゃないかなぁ……。

 少なくとも『空色の剣』のメンバーなら、全員がこの程度の魔物ぐらい一撃だろう。

 この町にもそれぐらいできる人、いるんじゃなかろうか。

 竜賢者様ならもちろん余裕というか、近づく前に倒してるだろうし。


「あの、俺を弟子にしてくれませんか! その剣技を教えてください!」

「私もお願いします!」

「で、弟子!? そんなの困るよ! 俺、Fランクのポーターだよ!?」

「ランクなんてもはや関係ないです! というか、ギルドが間違ってると思います!」

「ええ、何でSランクになってないのか不思議なくらいだわ!」

「いやいやいや、そんな大げさな!」


 俺はひとまずナイフを取り出すと、そのままワイバーンの解体へと取り掛かった。

 弟子とかそういうのは、ひとまず全て後回しにして――。


 ――〇●〇――


「あの、引き受けていただいた依頼は『ジャイアントフットの討伐』でしたよね?」

「そうだぜ! そっちの素材もちゃんと入っているだろう?」

「ええ、ありますが……何でフロストワイバーンの素材が? それもものすごく綺麗な状態ですし」


 鱗をルーペで確認しながら、引き攣った顔をするミリアさん。

 心なしか声が震えているような気もした。

 そんな彼女に対して、レイドルフが意気揚々と語りだす。


「はーっはっはっは! それはだな! ジャイアントフットを倒した直後に、いきなりこいつが襲い掛かってきたんだ。それを察知したノリス先生が、さっそうと剣を抜いて宙を舞い、その首を一刀のもとに跳ね飛ばした。その速度はまさに神速で――」

「え、えーっと! ノリスさんが倒したってことですか?」

「その通り! あれは本当にすごかった、剣士の俺が見惚れて――」

「それぐらいにしなさい。先生もミリアも困ってるでしょ」


 いつまでも語り続けるレイドルフの頬を、フォルトナがグイっと引っ張った。

 彼女はにこやかに笑いながら、レイドルフをそのまま邪魔にならない場所へと移動させる。

 なんだかちょっと痛そうだけど、大丈夫かな?

 

「……まったく、レイドルフにも困ったものだわ。ねえ、先生?」

「そういうフォルトナも、依頼に出る前と出た後で態度変わりすぎだよ……」

「それだけ衝撃を受けたってことよ。私、自分のことを超天才美少女魔導士って名乗ってたけどさ。これからはただの美少女魔導士って名乗るわ!」


 それにしたって、変化が凄すぎる気がするんだけどなぁ……。

 なんだかんだ言って、もともと素直な子たちだってことだろうか。

 案外、プライドが折れてしまえば後はすんなりいくのかもな。


「ははは……。ノリスさんを加えれば、きっといい変化があると思ったのですが……思った以上でしたね」

「そりゃ、ポーターがワイバーンをぶった切ればこうもなるわよ」

「まあ、そうなる気持ちもわかります。それで、今回のフロストワイバーンについてもなのですが……。お金をすぐに用意することが困難ですので、またお待ちいただくことになります」

「いくらぐらいになりそうですか?」

「より正確な鑑定をする必要がありますので、幅のある答えとなりますが……一千万ほどになるかと」


 なるほど、Aランクの魔物にしては結構高値で売れたな。

 ワイバーンの亜種っぽいし、希少価値があったんだろう。

 それに氷属性の素材は、暑い地方だとかなり需要があるはずだ。


 俺が納得して頷いた一方で、フォルトナとスージーは揃って目をぱちくりとさせた。

 レイドルフも、酒場の端からすごい勢いですっ飛んでくる。


「いっしぇんまん!? ちょっと待ってくれ、本当か!?」

「はい。状態が非常に良いので、もう少し値上がりするかもしれません」

「いやいや! ちっちゃい家が建つぐらいの金額ですよ! パーティで分けるとはいえ……それがこうもあっさりと……信じられましぇん……」

「あ、スージー!?」


 そのままふらっと倒れてしまうスージー。

 俺は慌てて彼女の後ろへ回り込むと、その背中を支えた。

 どうやら意識に変調をきたしているようで「金貨が一枚、二枚……」などと宙を見ながら数えている。


「あらら…………スージーはお金に困ってたからねえ……」

「そうなんですか?」

「村の家族に仕送りしてたのよ。それでお金がないって言ってたんだけど……」

「なるほど。まあでも良かったじゃないですか」

「まあ、そうね。ええ……」


 煮え切らないような顔をするフォルトナ。

 まあ、そうはいっても納得してもらうしかないからなぁ。

 お金をギルドに返すわけにもいかないし。


「ノリスさん、もうちょっと抑えてあげてくださいね。ちょっと心臓に悪いです」

「そうですか? モーラン山に入るために、もうちょっとペースアップしようかなって思ってましたけど」

「それは勘弁して!!」


 フォルトナたちの叫びが、カウンター全体に響いた。

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