57話メジスト3
「ノアから、話は聞きました、鍛冶が出来るとの事でしたが、契約しなくても、宜しいのでしょうか?」
「アレク殿、契約とは、契約主と、生涯一緒に居る。契約となる。ノア殿は、契約を、望まなかった。ワシは、契約したいのじゃが、ノア殿の魔力量が、在れば、大抵の事は、出来るが、ノア殿が、望まなければ、契約は、成り立たんしかしじゃ、ノア殿には、恩がある。その恩には、報いたい」
「なる程と言う事は、ノアの傍に居たいと言う事ですか?」
「うむ、じゃから、鍛冶でも農業でも手伝うし、やれる事は、やるつもりじゃ」
「それにの、ノア殿から、貰った魔力じゃが、ノアの寿命10回分位有る。多すぎるのじゃ、これでは、契約せんでも、契約したも同然じゃて」
「ノアの、魔力が多いのは、認識してましたが、それほどですか?」
「あの小さい身体の何処に、魔力が有るのか、分からんが、異常じゃな」
魔水晶が、大きくなっていたが、やはり魔力も、それなりに、保有していたんだろう。しかしノアは、何処まで、魔力を高めるのだろうか?アレクは、そんな事を考えていた。
ん?もしかして、アレク殿は、ノア殿の、魔力の原因に心当たりが有るのでは?メジストは、アレクの表情を、読み取ったが、口には、出さなかった。
「それと、ノア殿の設計図、アレは何処から学んだものかのう?まあ、ワシは、面白いから良いのじゃが、あの知識が、戦に使われる事が無いと良いのじゃが」
「ノアは、頭の良い子です。1〜3才位まで、書斎の、書物を、リリさんに、読んでくれとせがむ位でしたから」
「書斎の、書物なぞ赤ん坊が、理解出来たのか?ますます分からん子じゃの?一度その書物を見たいが、ワシは、お主等の、文字は読めんでな。どの様な書物が、有るのか、聴いても大丈夫かの」
「まあ、大体は、開拓や植物や鉱石などと、税知識や、歴史書ですかね」
「それ、理解出来んじゃろ?大人でも、専門職でもない限り理解出来るとは思えんが」
「実を、言うと私も、理解して無いのです。調べる時にしか使わないので、だから、ノアが、理解して居るのか居ないのかは不明ですが?」
「ますます、面白い子じゃの、興味が尽きんわ よし決めた。ノア殿の、行く末を、見守る為に、この村に、やっかいに、なるとしよう」