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003 ハート強いな

「なー、勇者召喚ってさ金持ちがやるんじゃないの?

 お嬢様とか呼ばれてるんだからこの家って金持ちなんじゃないの?」


 鏡の前に書かれている召喚の陣は部屋の端ギリギリまで書かれている。

 テーブルも縦にして端に寄せられている。

 よく見ると召喚の陣にテーブルの脚が少し入ってしまっている。

 金持ちではないよな……こんな家住んでんだから……


 ん?


「おい、あれ!

 この模様みたいのの中にテーブルの脚少し入っちゃってるぞ!

 あっ、よく見ると模様の中にスプーン落ちてんじゃねぇかよ?!

 雑だな!おい!

 これお前らのミスだろ!

 だから俺、石になったんじゃねぇのかよ!!」


「勇者召喚で我がジュベール家の財は全てつかってしまいました」


「なんで俺の質問スルーなんだよ?

 知らないぞ。俺。事前に相談なかったしな」


 俺だって勇者として出てきてハーレム作りたかった。

 何人も嫁さんもらって……

 そういうもんだと思ってた勇者召喚ってさ。


 爺さんは全く聞こえていない様に鏡を動かす準備を始める。


「い、石は嫌いじゃない」


「もういいよ!おまえも!

 みんなそんなに石を嫌いじゃないよ。

 積極的に石嫌いな奴なんてなかなかいないよ!!!」


 女は俺のツッコミにビクっとして黙る。


 あれ?言い過ぎたかな?!


「い、石コロは嫌いじゃない」


「バカにしてるなー?絶対!

 良かったよ。ハート強くて。

 お前がそんな奴でよ。

 仲良くなれそうだな」


「早く手伝って頂けますか?」


 じいさんが割り込む。


「じいさん、まぁ待てよ。

 わかった。1週間考えようぜ!

 俺のステータスも一気にあがるかもしれないしよ。

 1週間後でもそんな変わんないだろ?!」


 じいさんは少し考える。


「石にステータスはありませんが、良いでしょう。

 1週間は部屋に置いておきましょう」


「おお、助かるぜ!

 そうしよう!」


「それでは鏡を端に寄せて、テーブルを元に戻して、召喚の陣を消しましょう。

 手伝ってくれますね?」


「おう。そりゃ構わないぜ」


「私はセバスチャン。セバスとお呼びください。

 そういえば、石のお名前は?」


 俺が答える前に女が割り込む。


「な、名前は私が決める。

 主人(マスター)の契約に関わる」


 そっか、この女は巫女なんだもんな。

 こいつが俺を召喚したんだから、俺の主人(マスター)なのだろう。


「わかったよ。じゃあ、決めてくれ!」


「た、大切な名前。

 し、しっかり一晩考えたい」


 なんだよ……

 以外に俺、大事にされてんのかもな……

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