またね
君のために何が出来るかを考えた時
何も思い浮かばなかった
いつもいつも君は無償の愛を僕にくれて
どんなに忙しくても
大変な時でも
僕の事を第一に考えてくれて
もらってばかりいる自分に嫌気がさす
「ありがとう、そばにいられるだけでじゅうぶんだよ?」
そう言う彼女は心からそう思ってるようで
でも……やっぱりごめんて思うんだ
君のために何が出来るかを考えて
考えて考えて考えて
それでもやっぱり出てこない
本当に僕でよかったの?
そう問いかけたい気持ちでいっぱいだった
雪の降る夜
ロウソクの火が燃え尽きようとしている中で
僕は言った
「ごめんね。もしも生まれ変わったら、君に迷惑をかけないよう、会わないようにする」
でもそんな僕に彼女は言ったんだ
「大丈夫よ、私が見つけるもの」
「それは困るな」
「困らないわ。だって、私はあなたのそばにいたいだけだもの」
その言葉にクスリと笑う
きっと彼女は言葉通りにするだろう
生まれ変わった僕を見つけて、また寄り添うつもりだろう
「ありがとう」
僕は最後の力を振り絞ってそう言った
「またね」
そう彼女は答えた
「またね」
良い響きだ
僕はそう思って……
ゆっくり目を瞑った




