表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

第八話

時はやや遡り東王の城の図書室、

ダイは一人調べ物をしていた、


「やはりこれは巨大な立体魔方陣だな。」


塔の設計図通りに魔力で塔を組み上げたダイがそう呟く、

魔力で透明なパーツを作り出しそれを組み合わせたものだ、

完成した塔は1/200のサイズで全高で約50cm、

設計図だけでは解り辛い部分もあり模型として作り出してみたのだ、

部屋の位置や回廊などで線を作り出せば魔法陣だと気がつく者はあっただろう、

しかしこの塔は壁や柱の配置も混ぜることによって立体魔方陣を構成していた、

この城の図書室に有った魔法に関する書物では立体魔方陣は無かったし、

そういった考え方も無い、


最上階に置かれたという宝石はおそらく魔力の収束のため、

おそらくは、塔の中央にある小部屋こそが召喚の間であろう、


ダイは考える、

この塔をどうやって攻略したものか、

しばし考えた後に出した答えは、


「とりあえず行って見るか。」


といったものだった。






ダイは城を出ると城下町にも何処にも寄らず一直線で塔を目指した、

街道沿いにしばらく進み誰の眼も無くなったところで飛翔魔法で一気に塔の近くまで飛んで行く、

塔まで飛んでいかなかった理由は塔から出てくる人間に見つからない為である、

この世界には飛翔魔法は無いらしいのでいらない混乱を避けるためでもあった、


塔に向かい歩いていくと塔から何人かの人間が転がるように出てきた、


「いやだぁ、もう俺には無理だっ!!」

「助けてくれぇっ!!」


など口々に喚いている、

「俺の名はダイこれから塔に挑むつもりなんだがあんたたちは?」


彼らの話を聞くと、


止めておけ、一人で行くなんて死にに行くようなものだ、

お前のように一人で行ったやつは誰一人助かっていない、

10人パーティで入ったが生き残ったのはこの3人だけ、


などの答え、

彼らはそのまま城下町まで帰るとの事、

特に大きな情報も手に入らずダイは一人で塔に入る、


結局彼らは塔の中ほどの階あたりで引き返したらしい、

しかしこの塔は一度最上階まで登りそこから降りなければ目的の真ん中の小部屋まで進めない作りになっている、


塔に入りダイはそこでふと閃く、

そしてダイは塔のあちこちに大規模な攻撃魔法を放つ、

この塔は巨大な立体魔方陣、

魔方陣を構築するのに必要な部分の壁や柱、部屋などを壊していけば魔法陣としての機能は失われるからだ、

塔自体を壊してしまっても良かったがそれでは謎が残りすぎるためにそれは最終手段として保留にした、

そして誰もこの塔に入って来られないよう魔法でもって厳重に封をするとダイは塔を上り始める、

湧き出てくるモンスターはなで斬りに、塔のあちこちを破壊して回るその姿はまさに魔王としか言いようが無かった、


最上階に着いたダイは直径1mは有ろうかと言う巨大な青い宝石を見つける、

「これはまた随分巨大な宝石だな、しかも魔力も相当に込もっている。」

ダイが宝石を調べていると、

「キサマ、ナニモノダ。」

階下から上がって来た何者かが声をかけてきた、

「ワレノハイカヤワガトウヲコワシタノハキサマカ?」

それは二本の刀を持ったリザードマンだった、

「ふん、高々リザードマン風情が随分と偉そうだな。」

ダイの言葉に即座に反応しリザードマンが斬りかかって来る、

「ワレヲアナドルモノハシネ。」

その二刀流の剣技は可也の手練だと言うことが解る、

とは言えダイからすれば何と言うこともなく避ける、

「カワシタダト?」

「ほう、これほどの腕は久々だな、多少は楽しませて貰うとするか、いくぞっ!!」

そう言うとダイはリザードマンに斬りかかる、

が、

その一太刀で受けに回ったリザードマンの二刀は弾き飛ばされる、

「ナントイウゴウケン。」

リザードマンは弾き飛ばされた刀を即座に拾いに行く、

しかし、

「ふむ、この程度か、それにしても折れないとはな、気に入ったっ!!」

その声とともにダイは飛び出し、

「ギャァアァァァアァアァッ!!」

刀を拾おうとしていたリザードマンの手を踏み潰す、

そしてダイはグリグリとさらに痛めつける、


ブチンッ!!


と音がしたと思えばリザードマンの両手首が千切れていた、

そして、

「キサマッオボエテイロッ!!」

そう言うとリザードマンは階下へと降りていった、

千切れた手首はビクビクと未だ蠢いていた、


蠢く手首を魔法で焼き、二本の刀を調べるダイ、

「可也の業物だ、オリハルコンとミスリルによる合わせか。」

しばらく刀を眺めた後、

「よし、鞘も戴きに行くか。」

そう言って階下へと向かっていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ