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第四話

「ふむ、珍しい魔法陣だな。」


そう言うとダイは調査を始める、

そしてどうやら召喚系の魔法陣のようだとあたりを付ける、



ただし、

これは呼び出される魔法陣のようだった。




ダイはこの部屋への入口を厳重に封印し、

中からではないと開かないようにした、


そして単身魔法陣へと足を踏み出した、



魔法陣の中心へと進んだところダイは別の場所へと転移していた。



転移した場所は何もなくただ白い空間だけが広がっているように思えた、

自分の足が地に付いているのか、

それとも宙に浮かんでいるのかさえ解らない様な感覚を覚えた、


「ようこそ勇者よ。」

ダイの頭に声が響く、、

喋り方は年寄り臭い気はするが、

その声は男の様であり、女の様でもあり、子供の様でもあり、大人の様でもあり、老人の様でもあった、


「誰だ?何処に居るっ?姿を見せろっ!!」


「誰でもよかろう、それに我には固定の姿は無い、よくぞ来た勇者よ。」


「誰でも良くはないだろう、それに固定の姿が無いだと?そしてここは何処だ?何故俺を勇者などと呼ぶ?」


「順番に行こうかの、我は神に近しい者とでも言っておこう。」


「近しい者?神ではないという事か?そもそも俺はスキル神以外の神は信じていないがな。」


「我は思念の存在、何者でもあり、何者でもない、故に神に近しき者とでも思っておればいい。」

この時ダイの理解の範疇では神にも等しい存在に近づいたと感じた、


「順番にの、ここは何処か?全ての場所であり何処でもない場所じゃ、ここまで来られた者であるお主は勇者として相応しい素質を能力を有しているということじゃ、それにその装備も魔力で誤魔化してはいるようじゃが元来勇者でなければ装備できないような代物じゃ。」


「ふむ、ではあの魔法陣でここに呼び出した理由はなんだ?」


「お主の信じる神はスキル神と申したな、あれも我の姿のうちの一つ、スキルを司る者スキルンじゃ、先程も言ったように、ここまで来られる者というのは限られておる、お主がここに来ることを望んだのじゃよ。」


「俺自身が?」


「そう、お主の本能とでもいうかの、今の生活では我慢できない、今の状況から抜け出したい、そういった思いの強き者、そしてその力の強き者のみがここまで来られるのだ。」


「周りをよく見てみよ。」


ダイが言われて周りを見回す、

すると先程までは何もなく真っ白い空間だけだったはずの周りに数多の魔法陣が浮かんでいる、


「どういうことだ?先程まで何もなかったはずなのに。」


「いいや、お前が気がつかなかっただけで最初から有ったのだよ、その魔法陣はお前を求める声、そしてお前が求める声でもある、自由に選択すればよい。」


「ちょっとまて、俺が自由にすれば良いというのはともかく、俺は帰ってくる事は出来るのか?」


「ふむ、お主、的在的所(てきざいてきしょ)のスキルを取っておらんのか?」


スキル:的在的所(てきざいてきしょ)

座標登録(マーキング)した場所にいつでも移動できる、

ただし移動できるのは自分及び自分の持ち物のみで生物は不可。


「あれは一人用のスキルの上に使い勝手も悪いから使ってない、もしかしてこの場所に座標登録(マーキング)できるのか?」


「できるぞ。」


ならばとダイは早速座標登録を済ませる。


「多くの声が聞こえるであろう?先程も言ったがその声はお主を求める声であり、お主の本能が求める声でもあるのじゃ、好きに選べばよい、それとサービスじゃ、このスキルをやろう、変幻自在(へんげんじざい)じゃ。」


スキル:変幻自在(へんげんじざい)

常時発動型スキル、術者の意思で解除及び再始動可能。

召喚者及び召喚者と同じ種族の者ならびに被召喚者にとって都合の良い姿に見えるようになると共に召喚者の使用する言語と読み書きができる、

これによりいかなる生物からの召喚に対しても意思の疎通が可能となる。


「これって便利屋扱いって事か?」

ダイは魔法陣を指さしながら問いかける、


「そもそも召喚術などに頼るということは己で解決できない事を他者に頼るということじゃ、そんな者が相手の事など慮ってくれると思うか?」


なるほど、とダイは思う、

確かに切羽詰って他者に全てを任せようという者が相手の立場を考えているはずもない、

場合によっては【呼び出してやった】位に思うだろう、

例えばエルフの召喚術でドワーフが呼び出されたら?

種族としては仲の悪い両者だ、

どちらも反発するに違いない、

そう考えればこのスキルはありがたいかも知れない、

この世界では魔族が頂点に立っているが違う世界もあるだろう、

どんな生物に呼び出されるのかも解らん、

行った瞬間に対象の姿の悍ましさに後悔して帰ってくるのでは何の為に行ったのかも解らんし、

言葉の違いから意思疎通に時間をかけるのも馬鹿らしい、


「では、ありがたく頂こう、スキル神スキルンに感謝を。」


そう言うとダイは左手を右手で包みその手を捧げ、片膝をついて頭を下げ感謝の意を表す、


「よいよい、ここから先はお主の好きにするが良い、では。」


そう言うと声の気配が一切しなくなる、


ダイは辺りの魔法陣に意識を傾ける、


なるべく面白そうなものが良い、




なんて思っても見たがこれだけの数がある上に見れば遠くの方にも幾つか新しいものも出来始めているのを見て手当たり次第に片付けていこうと思ったダイであった、



「これでいいか。」


手近な魔法陣へと進むとそこはどこかの一室、


「よく来た勇者よ。」


小太りの黒尽くめの服を着た男がダイに手を広げる、

三十歳くらいだろうか?

自分の世界の人間族によく似ている、

しかしダイを中心とした魔法陣の周りには黒い小型の奇妙な形をした槍を持った男たちが十数人ダイを取り囲んでいる、

明らかに歓迎されていない雰囲気は見て取れた、


「さぁ、勇者よ私に力を貸して欲しい。」


さぁ、どんな世界に飛び込んだのでしょうか?

また次回、

でわ

ちゃおノシ

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