〜4章〜 気づかされた気持ち
俺には、無様な死に様がお似合いだぜ・・・
散々人をぶっ殺してきたんだ、今更自分の幸せなんて望むかよ。
けどな、あのガキはちげぇだろ!!
ズドーーーーーーン
プロメテウス「馬鹿な!?・・なぜ撃たない?アリス・・」
輪廻の撃った銃弾はプロメテウスの顔面をえぐった。
プロメテウス「ぐっ、ぁあ。・・クッソガキがぁ!!」
そう言うプロメテウスの顔には火傷のあとがあった
輪廻「・・・!?」
ドクン・・・ドクン
こいつ・・・まさか・・・
プロメテウス「ちっ、せっかくの変装が台無しじゃねぇか。」
プロメテウスの声が変わった
この声・・あの火傷・・・
輪廻「貴様ぁーーーーーーーーー!!ぐぅえ」
プロメテウスの足蹴りが輪廻の顔面にあたった。
プロメテウス「急になんだ?いきなりよ~、これだからガキは。」
輪廻は、うつ伏せで顔だけを上げる形でプロメテウスを睨みつけた。
輪廻「三年前・・・、貴様は・・俺の家族を殺した。」
プロメテウス「三年前?んー、ぁー覚えてねぇわ。つーか、この変装もういいか。」
ベリベリベリベリ
プロメテウスは、自らの顔面を剥いだ。
プロメテウス「ふぅー、すっきりだ。」
輪廻「ふざけんな。」
プロメテウス「はっはー!?いいかよく聞けクソガキ!!世の中弱肉強食なんだよ!!敗北したあとに汚ないだなんだど言おうが負け犬の遠吠えだ!!今のテメェにぴったりじゃねぇか。」
プロメテウスは、それを輪廻の頭を踏みつけながら言った。
輪廻「・・・」
確かにな。
こいつの言うことは、十割十全理にかなってやがる。弱肉強食、この世は確かにそうだ。やったもん勝ちの腐った世の中さ。
だから、俺もてあたりしだいにぶっ殺していこうなんて考えたわけだしよ。
・・・
三年前の俺は力がなかった。
だから、救えなかった。
じゃあ・・・今の俺は?
復讐とアリスの命
はっ・・・
比べるまでもねぇ
プロメテウス「さて、消えてもらおうか。」
輪廻「なぁ。大切なものってなんだ?」
プロメテウス「謎かけは好きじゃねぇ。が、後学のために教えて頂きたいものだね。」
数日だが、あいつと過ごした日々は俺を変えたんだ。
いや、変えられたが正解か?
人にとって答えは違うだろう。だけど、少なくとも俺はこう答えるぜ。
輪廻「自分のために本気で笑ってくれる人だ!!」
プロメテウス「それが君にとっては・・・」
輪廻「アリスだ!!」
輪廻がアリスの名を口にだしたのはこれが始めてだった
その刹那アリスの頬を一粒の涙が濡らした
アリス「・・・ぁ。・・あ。」
輪廻「お前!!」
アリスの瞳に光彩が戻った
アリス「よ・・ぅやく、・・呼んでくれたね。・・あたしの名前。」
アリスは泣きながら自らの気持ちを吐露した
輪廻「アリス、ここから逃げろ。俺も後で行くから。」
アリス「うん。必ずだよ。」
輪廻「あぁ。」
悪りぃな・・・
アリスは、走って街まで降りて行った
プロメテウス「馬鹿な!?意識が戻っただと!!ちっ、やはり試作品は駄目だな。」
プロメテウスがその場を離れようとした瞬間
輪廻「逃がすかぁーーーーーー!!」
輪廻は持っていたスイッチを押した
カチッ
ピピピピピピピピピピピピピピピピ
ドドドドドドドドーーーー
雪山のいたるところで爆発音が聞こえる
プロメテウス「な、なんだ!?」
輪廻「ここにくる途中遠隔操作できる爆弾をしかけた。さぁーて、どうなると思う?」
ゴゴゴゴコゴゴゴゴゴ
辺りに地響きが鳴る
プロメテウス「まさか・・・雪崩!?」
輪廻「ご明察!!さぁ、共に雪に埋もれてあの世にいこうぜ!!!」
プロメテウス「この野郎!!」
しかし、このガキこの慣れない地形でそんな先までよみ、さらには雪崩を起こさせる崩落計算までしたというのかよ!?
プロメテウス「俺は逃げるわ。まっ、次会えたら必ず殺してやるよ。」
輪廻「・・・いゃ、次はねぇょ。」
輪廻は上を指差した
プロメテウス「な!!」
プロメテウスが驚くのも無理はない。
目の前には空を覆い尽くす雪の山
そぅ雪崩である。
プロメテウス「ふざけ・・・」
輪廻「・・、アリス。」
じゃあな
大量の雪崩は二人を飲み込んだ