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#5.休日の出来事

和泉「はぁあ……一人は暇だなぁ…。」


ここは和泉、友岡(兄)、泉野、相生が暮らしている学校寮の部屋。

なぜ和泉が一人で居るかと言うと……


和泉「勇気は弟とグローブを探しに出掛けたし…翔は家族と日帰り旅行…相生は…確か剣道部の試合だったっけな、全国大会決勝……ねぇ。」


満はう~んと唸って……ふと立ち上がると、財布を手に部屋を出た。


満「こういうときは町に出るのが一番だな。……それにしてもうちの学校は結構規則って緩いんだよな。」


そう。雷鳴轟はとても規則が緩い。

制服は一応皆購入はするものの、基本的に私服の生徒が多数いるし、バイトも夜のバイト(水商売関連を除く)(満は主にこれで生活費と学費を稼いでいる)もオッケー。寮も…寝る時間は日にちが過ぎるまでには寝ること、朝は始業時間までには起きること。としか無く……それら以外も中々緩い。



広島 三丁堀(実際の地名をもじってます。)


満「ふぅ…ここら辺も久しぶりだな。最近色々忙しかったし……折角だからバッティングセンターに行ってみるか。」


そう呟くと満はすぐさま昔の記憶を頼りにバッティングセンターへと向かっていった……


一方その頃友岡兄弟はと言うと……某スポーツ用品店に居た。


勇気「…値段は張るけどこれとかいいんじゃないか?」


宗太「うん……お金がちょっと不安だけどねぇ…」


勇気「足りない分は俺も出すからさ。」


宗太「兄ちゃん、ありがと!」



何となく(?)兄弟愛を確認出来た所で再び満の所へと戻ろう……


満はもはや顔馴染みになった受付の人との会話を終えていつものバッティングゾーンへと足を向ける……


満「今日は150kmのに行くか!」


と、意気揚々とバッターボックスを見てみる……すると既に誰かが使っていた……


満「あり?珍しいな。俺以外にもこのスピードを使う奴がいるとはね……」


満はどんな奴かと思いバッターボックスを覗くと…そしてソコにいたのは……


満「あれ??同じクラスの芝丘…?」


まさかの同じクラスのメンバーだった……

彼の名前は芝丘幸太(しばおかこうた)。満と同じクラスだが部活には所属しておらずいつも本を読んでいる所謂インテリ君だ。

満が「珍しい事が有るんだな…」と思いながらバッティングの様子を見ていると…満は唖然としてしまった。

と言うのも……


カキィィン!


ガッ!


カキン!


ガッ!


カキィィン!


カキィィン!


カキン!


ガッ!


カキィィン!


カキィィン!


ここは100円で10球出るのだが……全ての球を軽々と打っているのだ!

一応確認しておく。ここは150kmのスピードが出るバッティングゾーンである。

そして……その球を10球中10球パーフェクトで打っているのだ!

しかも……5球程は野球場ならばホームランを狙える角度に打っているのである。


芝丘「……ふぅ。」


満「芝丘!」


芝丘「っ!?…和泉君。」


満「ちょっと……話聞いても良いかい?」


芝丘「……あぁ。」


side満


えっと…さっきの話を纏めると……


満「芝丘は、元々東京の超名門クラブの方で4番バッター&ピッチャーを務めていて……でも怪我をして母方の実家があるこっち(広島)に帰ってきた。そして…最近は怪我も完治したから打つ感覚を思い出す為にここに毎日学校終わりに来ていた……って事?」


芝丘「おう。でも…まさか寮にいる筈のお前と会うとは全く検討が付かなかったよ。」


満「一応今日は部活も無いし…暇だったからな……芝丘…質問しても良いか?」


俺は真面目な顔で芝丘と向き合う。

それを見た芝丘も真面目に向き合ってくれた。


芝丘「うん? ……どうぞ。」


満「また……いろんな人と野球をやりたくないのか?」


芝丘「っ!?」


要するに……野球部への勧誘だな。

うん。


満「俺……思うんだ。芝丘はこのままでも良いのかも知れない。

でも……勿体ない気がするんだよ。ナゼかは分からない。でも…またみんなで野球をやる楽しさを思い出して欲しいんだ。」


俺は自分の思うことを全て話した。

そしてバッティングゾーンに移動しつつ……呟く。


満「俺が20球打ち終わるまでに……決めてくれ。俺はお前がどういった結論を出そうと文句は言わない。」


さってと……久々に打つぞ!!


side芝丘


初めまして……?

だよな…うん。

僕は芝丘幸太。

さっきの和泉君の言葉……「入ろんな人と野球をやらないか?」



あの言葉に……俺は驚愕した。

果たして俺はまた野球をしても良いのだろうか…本当はいけないんじゃないか?

でも……本気で僕を誘っている…

僕は…僕は……






side満


これで……ラストォ!


カキィィン!


快音が響いて終わりの音が鳴る……

17球か…前よりも打てるけど……アイツよりはまだまだだ……


俺は芝丘の元へと移動した。


sideout


満「よ!」


芝丘「…………」


満「…………ま、そんな簡単に決める事じゃないもんな…………「僕……!」ん??」


満が帰ろうとすると芝丘は満を引き留めた。

そして…………決意を伝えた。


芝丘「僕……また…………色んな人と野球をやりたい!!……まだまだピッチャーとしてはブランクが残ってるけど…………宜しく!!改めて自己紹介させて!僕は小学校時代に東京でエースピッチャーを務めていた芝丘幸太。ポジションはピッチャー以外でも可能だから……一生懸命頑張るよ!宜しくねっ!!」


満は芝丘の言葉を聞くとニッと笑って……


満「こちらこそ!俺は雷鳴轟学園野球部でエースバッターを務めている和泉満だ!野球部を代表して歓迎するよ。」


それから俺と芝丘は場所をマスバーガーって言う全国にお店のあるハンバーガーチェーン店に場所を移して色々話をして盛り上がったのだった…………

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