#3.VS漣西高校
11:09…グリーンドーム…
先攻の漣西高校の攻撃…
ウグイス嬢「先攻漣西高校の攻撃です。一番、センター、秋山君。」
秋山「甲子園出場校との練習試合かぁ…惨敗しないようにしないとなぁ;;」
相手の一番バッターの秋山が素振りをしながらバッターボックスに入る…
コーチ「漣西高校野球部は…一昨年新設されて間もないにも関わらず地区大会で設立1年目で決勝進出、その後も2年連続準決勝進出という中々の好成績を収めたチーム…但し、3年間全てにおいて広島魚住高校に破れている。」
泉野『ここは…』
友岡『分かった。』
友岡の第1投目…
友岡「はあっ!」
友岡の投球は内角低めの所へ鋭く入った。
秋山「っ!?」
主審「ストライク!」
漣西監督『あのストレート速いな…;; 攻略出来るのか?;;;』
秋山『相手は速球を中心にしたピッチャーか…なら行けるな。』
続けて第2球目と3球目はボールとなり第4球目…
友岡「はあっ!」
友岡の投球は外角低めに若干甘く入ってしまい…
秋山『絶好球っ!』
カキィン!
秋山に打たれた!
友岡「っ!?」
打球は三遊間を抜けヒットとなった…
ウグイス嬢「二番、ショート、井上君」
井上「…」
二番バッターの井上は随分無口な人のようだ…
井上は第1球、第2球共に見逃し、1ストライク1ボールとなった…
泉野『思ったよりも苦戦してるな…』
泉野は思いきった指示を出した。
友岡『っ!?』
友岡は驚きつつも指示通りに投げた…
ゴスッ…
井上「しまっ!?」
慌てて井上が走り出すも、友岡が打球をしっかり捕球し2塁へ…
パシィ…
2塁審「アウト!」
轟「そりゃっ!」
パシィ。
1塁審「アウト!」
井上「くそぅ…;」
井上は悔しそうにベンチへと戻っていった…
漣西監督『おいおい…バットの芯に当たったはずなのにピッチャーゴロなのかよ;; 凄いな…』
ウグイス嬢「三番、ピッチャー、出海君」
出海「2アウトかぁ…;;; 厳しいな…」
友岡『さてと…ここからが本番だ。』
ピシュッ!
投げた球は外角ギリギリに入った…
主審「ストライク!」
出海「速いし、際どい…」
泉野『次は…』
友岡『了解。』
シュッ!
主審「ボール!」
2球目はほぼ1球目と変わらない場所に入った…
出海「えぇ~…『嘘だろ…;;;』」
その後も同じ場所に投げ続けフルカウントとなった…
友岡『これで…終わりっ!』
ピシュッ!
出海『一か八か打つ!』
スカッ…
出海「んえぇっ!?」
主審「ストライク!バッターアウトォ!」
出海「カーブだった…;;;」
ウグイス嬢「後攻雷鳴轟学園の攻撃です。一番、センター、川合俊二君」
俊二「宜しくね。」
上本「此方こそ…『俊足の俊二…出来るだけ三振に打ち取りたい…』」
出海「はっ!」
出海の一投目は外角一杯から内角に向かって鋭く伸びるカーブだ。
主審「ストライク!」
俊二『凄いカーブだな… でもストレートはそれほど速くないから…』
カキーン!
俊二「打てるっ!」
出海「ゲッ!?」
俊二の打球は一二塁間を抜けてライトヒットとなった…
ウグイス嬢「二番、ライト、川合光一君」
光一「さてと…頑張りますか。」
出海『ここは…得意のあれでゲッツーにしたい…』
上本『ここは送りバントを警戒しないとな…』
上本は内野陣にバントを警戒するように指示をするが…
第1球を投げると同時に俊二がスタート!
上本『読まれた!?』
光一「残念。でもね…素早いのは俊二だけじゃあ無いよ?」
光一がバントをしたと思うと猛ダッシュで進塁をする…
出海「くっ…」
出海が慌てて一塁に送球するも…
一塁審「セーフッ!」
出海「はあっ!?」
そしてよく見ると俊二は既に三塁にいた…
出海『これが…雷鳴轟の攻撃…!』
その後要がサードライナーに倒れるが…
ウグイス嬢「四番、サード、龍崎君。」
龍崎「…」
龍崎は静かにバッターボックスに入った…
上本『凄い威圧感…! コイツは…強いな。』
龍崎『この試合…和泉が居ない今、四番を取り返すチャンスだ…!』
出海『恐い…くっ。』
主審「ボール…フォアボール。」
龍崎「くそっ…『敬遠しやがった…』」
上本「タイム!」
内野陣がマウンドに集まった…
漣西監督『先発の選択…ミスしたか…;;;』
上本「大丈夫か?」
出海「う…うん。ごめん…」
出海はかなり震え怯えていた…
その様子を見た轟は…
轟『あんなにメンタルの弱い先発ピッチャーは初めて見たぞ…敵だけど大丈夫か;;;』
竹田「大丈夫さ。ここから2アウト取れば良いんだよ!」
上本「あの練習した成果をここで発揮するんだ!」
出海「…分かった。」
出海が頷くと、それぞれ元の守備位置に戻った。
主審「プレイ!」
轟『ピッチャーの目付きが…変わった?』
漣西監督『!? …あのモードに入ったか。』
出海『俺は…打ち取る!!』
ピシュッ!
(130km)
主審「ストライク!」
轟『外角低めへのストレート…』
出海「はあっ!」
シュッ!
(140km)
主審「ストライク!」
轟『内角高めのストレートだけど…速い。速くなった!?』
コーチ「!!?? 何が起きているんだ!? 急に球速が速くなった…」
出海「ふんっ!」
出海は渾身の球を投げた!
シュゥッ!
しかし、球はストライクゾーンを離れる…
轟『…失投か?』
と思った矢先!
弧を描いてストライクゾーンに入った!
主審「ストライク!バッターアウトォ!」
轟「んなぁっ!!??」
出海「っしゃああ!」
コーチ「おいおい…何だよあの球筋は。」
そして友岡も出海の投球に振り回され…
主審「バッターアウト! チェンジ!!」
友岡「スゴい…」
出海「さぁて!こっからガンガンいくぞぉぉぉ!!」