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一夏のおもひで

作者: 寵進咲愛
掲載日:2026/10/28

私、水無瀬 霞(みなせ かすみ)当時19歳…

これは私の大学3年生の夏休みが終わりかけくらいのお話——



——新幹線の中、窓を眺める——


今日は1年ぶりに母方の祖父母に会いに実家に帰って来た。

私の家庭はちょっと複雑で…お母さんは私が一歳の時病気で亡くなってて私は母方の祖父母に住んでたの。

お父さんは、浮気する最低な人で、もう家にすら帰って来ていないし、お父さんの親族も知らないし、

私はもうあいつ(お父さん)が生きてようが死んでようがどうでもいいんだけどね。


 ——実家前——

「おばあちゃん!おじいちゃん!ただいま!」

「まぁ!霞、おかえりなさい、大きくなったわねぇ…」

「えへへ…もう私も、もうあと数日で20歳だからねっ!」

「暑かったでしょう…お入りなさい。あなた、霞が帰って来たわよ〜」「ん…」「おじいちゃん久しぶり…!」おじいちゃんは寡黙な人でちょっと接しにくいけど…私のお父さん代わり。

「おばあちゃん私ご先祖様とお母さんに挨拶行って来るね!」

——仏壇前——

お母さん、私帰って来たよ…あのね…私もう数日で20歳になるんだ…私、お母さんの顔よく覚えてないけど…お母さんとかご先祖様には感謝してるんだよ…

お母さん…私のこと見ててね…「霞、スイカ食べる?」「うん!いただきまーす!ん〜美味し〜!」

「霞はこれからどこか行くのかい?」

「うん、ちょっと懐かしいところに行こうかなって」

「あら、いいわね〜暗くなるまでには帰るのよ〜」

「はーい」おばあちゃんは私のことまだまだ子供だと思ってるみたい。「行ってきまーす!」


——駄菓子屋(あかね屋)に来た——

わぁ〜変わってないな…あっ、このアイス懐かしい…わけわけるんりんご味。分けて食べれるこれ好きだったな〜「おばちゃ〜んこれください!」

「いらっしゃいませ!」

出てきたのは同い年くらいの青年だった。

「あれ?君誰?ねぇ、昔ここにあかねって言うおばちゃんいたよね?」

「僕は小暮 陽太(こぐれ ようた)あかね?あぁ、僕の母さんだよ。君は?」

小銭を陽太に渡しながら話す「私?水無瀬 霞…」

「毎度あり!僕、お店の用事があるから、じゃあね水無瀬さん!」

私はしばらくお店を見つめていた。…わわっ、早くしないとアイス溶けちゃう!そうだ、せっかくなら公園に行こう!

——公園のベンチに座る——

「ん〜!やっぱりこのアイス美味しい!」

公園も変わってないなぁ…ん?ちょっと向こうにワンピースと麦わら帽子を被った女の子がいる…誰だろ…「ねぇ…君何食べてるの…?」話しかけられると思っていなかったからドキッとした

「っ!あぁえっと…アイス…食べる?」

同い年くらいの少女はこくんと頷いた

「ありがとう…りんご味だ…美味しい…ねぇ…君の名前は?」「私は霞!君は?」「私は…なこ」

…私は勢いはあるくせに喋るのが苦手で話が続かない…えーっとえーっとそうだ!

「ねぇなこは、いつも公園にいるの?」

「うん…友達いないから…」なこは、なぜか友達がいないらしい。

「じゃあわたしがたまに来るから一緒に遊ぼ!」

「うん…!」

しばらく、色々なことを話していてわかったことは、なこは私より年上な事、大学には行っていない事、そして世話好きなことがわかった。

「あっもうこんな時間…じゃあまたね!」

「うん、またね…」


——次の日——

今日は私は久しぶりに実家を探検してみることにした。まずは押し入れから!…これってアルバム?もしかしてお母さんの写真があるかも…

「おばあちゃん!アルバムがあったんだけど…」

「あらまぁ、よく見つけたわねぇ〜これは、霞のアルバムねぇ〜」

お母さんの写真…写真…

「ねぇ…おばあちゃん、お母さんの写真ないね…」

「霞は和子(わこ)の写真を探してたのね。あの子はね…写真を撮られるのをとっても嫌がる子だったわ…弱っている自分を見せたくなかったみたいね…そうだ、今度霞の誕生日でしょ。とっておきのプレゼントがあるのよ〜」

「プレゼント?」

——翌日——

いよいよ明日が私の誕生日!

「お散歩行ってきまーす!」


——公園——

今日もなこはベンチにいた。

「なこ!やっほー!」「霞!やっほー!」

なこは手を振り後走りでやってくる。どうやら初めて会った日より心を開いてくれた見たい。

「霞、なんだか嬉しそうだね。」

「うん、だって明日はわたしの誕生日だもん!」

「誕生日…か、いいね!何歳になるの?」

「20歳になるんだ〜」「20歳か——」風の音でよく聞こえなかった

「ん?ごめん聞こえなかった、もう一回言って!」

「…やっぱりなんでもない…」

そう言うなこの横顔は透明感があり美しかった。

「ねぇ霞、明日ここに来てくれない?」

「うん、明日も来るよ!」


——翌日——

私はプレゼントを楽しみに階段を駆け降りた。

「おばあちゃんおはよう!」

「霞、おはよう今日は霞の誕生日ね…」

「おばあちゃん、昨日言ってたプレゼントって何?」おばあちゃんが微笑んで私に渡したものは…

「…ミサンガ?」白と淡いピンクのミサンガ

「これはあなたのお母さん…和子が編んだミサンガなんだけどね、あの子があなたが大きくなったら渡してって言ってたんだけど…押し入れにしまったっきり忘れてて、渡すのが今日になってしまって…」

「お母さんが…私のために?」

私はこのミサンガから顔も覚えていない母と言う存在を感じれた気がした。


——公園——

「なこ!来たよ!」「霞!」

なこ、何持ってるんだろう…?

「えっと…これ…霞に…」

渡されたのはレトロなうさぎのキャラクターのペアキーホルダーの片方。これ…なんのキャラなんだろ…

「えっと…ありがと!大切にするね…」

なこが私の腕をじっと見ている、どうしたんだろう…

「ミサンガ…」

ミサンガが気になるみたい…

「あっ、うん!ミサンガ!これ…私のお母さんが作ってくれたやつなんだ〜」「…お母さん…好き?」

「うん…私が一歳の時に亡くなって、写真も無いし顔も覚えてないんだけどね…」

なこは何故かどこか悲しそうな顔をしていた。


——実家——

「ただいま〜」ん?誰か来てる…「…お父さん…?!」「霞!婆ちゃんたちがなんとかするから、逃げて!」

私は普段声を荒げないおじいちゃんと久しぶりにみるあいつ(お父さん)が突掴み合ってるのを目の当たりにして恐怖で足が床に縫い付けられたように動けなくなったが、腹の底から湧き上がる怒りが恐怖を上回った。

今言わないとまたこの人はここへくるだろう… そして大きく息を吸って思いっきり叫ぶ

「やめてっ!疾うの昔にでて行って今更何ノコノコと帰って来てるのっ!」

ギロリと睨まれた…今にも逃げ出したい…

「あ゙ぁ?ガキが舐めた口聞いてんじゃねぇよ!」

次の瞬間—パンッと言う乾いた音と共に視界が歪んで左頬がジンジン痛む …私今ビンタされた?理解が追いつかなくなり過呼吸になりながら必死で立ち上がる

「霞!桂樹(けいき)お前…手を出したな…!お前とは縁を切る!」

おじいちゃんがあいつ(お父さん)に掴みかかって鬼の形相で何かを話しているがきこえない……Tシャツの裾をギュッと掴んで声を振り絞る

「私は…私はっ!あんたを心から父親だと思った事なんてない!二度と私と…私の大切な人の前に現れないでっ!」

私は力を振り絞って玄関を開け、追いかけて来る|

あいつ《お父さん》から逃げるように転けながらも思いっきり走り駄菓子屋(あかね屋)に逃げ込んで陽太(ようた)に経緯を話し警察を呼んで匿ってもらった。「わかった。お父さんを上手く警察に引き渡すよ。水無瀬さんは、ここで隠れてて。僕がなんとかするよ。」

落ち着いたトーンで且つ早口でしっかりと話す陽太はすごく頼もしかった。誰かが走ってくる音が聞こえる…あいつ(お父さん)だ…

「おい、チビ!ミサンガつけた弱っちいガキ知らねえか?」

私は店の奥で息を潜めながら見つからないか心臓が飛び出そうなくらいドキドキしていた。

「あぁ、あの人を探してるんですね!じゃあ僕についてきてください!」

小暮くん…私のことあいつ(お父さん)にバラすんだ…と思い目をギュッと瞑ったが…あれ?来ない?私はそーっと外にでてみた——すると、少し遠くでパトカーのサイレンが鳴っている。

私はもしかして、小暮くんがあいつ(お父さん)に何かされたんだと思い、サイレンが鳴り響く方へと駆けていった。そしてパトカーの前には連行されて行くあいつ(お父さん)とおでこにあざができた陽太が居た。

「小暮くん…そのあざ…まさかあいつ(お父さん)に…」

すると彼はニコッと笑って言った

「僕は大丈夫だよ。」

今思えば陽太は強がっていただけだったのかもしれないが、あの時は何故か安心できた。


——実家——

引き戸を開けて小走りでリビングに向かった。そこには倒れて気を失っていた祖父母が居た。

「おじいちゃん、おばあちゃん!」

「霞…良かった…無事だったのか…」

「あの人はどうなったの…?」

今まであったことを説明して、傷の手当てをした。


——次の日公園——

「霞!そのほっぺどうしたの?!」

心配そうになこが顔を覗き込む

「えっと…普段帰ってこない、お父さんに…ちょっとね…」

なこの顔をチラッとみたらなこは悲しそうな顔をしてた。「えっと…」

わたしがなこの顔を見て喋れずにいると、なこが口を開いた。「そのお父さんは…どうなったの…?」

なんでそんな事聞くんだろう…

「えっと…警察に…」

そう言うとなこは何故かホッとした様な表情を浮かべていた。

「そっか…よかった…」私はなこが小さく呟いた一言を聞き逃さなかった。

「良かったって…?もしかして…何か知ってるの?」

なこは寂しそうな顔をした。

「私…もうここに来れないかも…」

「えっ……?それってどう言うこと?」

そのとき——「あっ!水無瀬さん!」

自転車に乗った陽太が居た。

「あっ、小暮くん!これからどこか行くの?」

「うん、新聞の配達に。あっそうだ!」

陽太はカバンからチケットを取り出した。

「これ、街の博物館のチケット、親戚から貰ったんだけど…良かったら一緒に行かない?」

「えっ!うん、一緒に行こ…!」

陽太はニコッと笑った

「じゃあ当日バス停で待ち合わせね。」

そう言って自転車に乗って手を振って去って行く陽太に叫ぶ様に言った。

「昨日は助けてくれてありがとうー!」

そして一部始終を見ていたなこがニヤニヤしていた。「?なこ、どうしたの?」「ん〜?なんかいいなーって」

私は、さっきの話の途中を思い出した

「そういえば…さっきの、もう来れないって話し…なんで…?」なこは空を眺めながらポツリポツリと話して行く

「落ち着いて聞いてね…実は…私、死んでるの。」

「えっ…なこが…死んでるの…?」

「私もまさか霞が私のことを見えると思ってなかったの…それに…私の名前はなこじゃないの…」

「なこじゃないの…?じゃあ本当の名前は?」

「私は……私は、和子(わこ)なの…」

「和子って…お母さん……?!」

和子は静かに頷く

「私は…桂樹(けいき)の元に霞を置いて死んでしまって…心配だった…だけど…霞は強いのね…なんでもこなせるんだもん…」

私は蝉の鳴き声もかき消すほどの大きな声で泣き崩れた。

「でも、お母さん…これからは私と一緒にいてくれるよね……?」

「……私も一緒に居たいけど、死んでしまったからにはもう行かないと行けないの…」

「やだっ!せっかく…せっかく会えたのに!行かないでよっ!」

「そんなこと言われても、私は、もう1分後くらいには消えてしまう…仕方ないのよ…霞…」

自分でも母は死んでいて一緒に居れないことを理解していて、それでも認めたくなかったが認めざる終えなかった

「お母さん……じゃあさ…抱きしめていい…?」

お母さんは静かに頷き私を抱きしめた

「あのね、私…お母さんのこと、いまいち覚えて居なかったけど、もう顔も見たし声も聞いたから、ずっと忘れないよ…」

だんだんと薄くなって行くお母さんを抱きしめながら必死で話した

「…霞、よく聞いてね、私は消えてしまうけど、霞の中で生き続けるよ。それに将来霞のことを大切にしてくれる人と出会えるよ。霞…愛してるよ。」

お母さんは私のおでこにキスをして夕焼け空に消えて行った…

「私も愛してる…よ」


あれから5年後の今、

私はあの時の男の子、陽太と結婚して私のお腹には甘菜(あまな)と言う新しい命が宿っている。

この子にも私のお母さんが私にしてくれたみたいに、たくさん愛を与えたいな…

**あとがき**

作者です!

この度は「夏のおもひで」を

呼んでいただきありがとうございました!

少しだけ、霞たちの名前の由来や

どのような思いで制作したか、などをご紹介したいと思います!

 

②「霞たちの名前の由来」

霞と霞の両親や娘の名前はお花から名前を取りました。

主人公の霞は霞草(かすみそう)から、主人公の母の和子は和蘭撫子(おらんだなでしこ)から、主人公の父の桂樹は月桂樹(ゲッケイジュ)から、主人公の娘の甘菜は大甘菜(オオアマナ)から取りました。それぞれの花言葉も調べてみてくださいね!


 

①「夏のおもひでに込めた思い」

私がある日ふと思ったことなのですが、私が今いるのはご先祖様や親や周りの方のおかげだな、と思い、この思いを皆様にも伝えたいと思い、書き始めました!

少しでも、昔の田舎の夏のような懐かしい気持ちになっていただけたら幸いです!

 

最後にキャラクターのプロフィールも書いておきます!

本当にご一読いただきありがとうございました!

2026/9/4 寵進咲愛


主人公「霞(かすみ)」8月16日 18歳 

大学2年生で一人暮らしして1年ぶりに実家に帰って来た

性格は大学ではおどおどしていて周りに気を使いすぎて疲れるが実家ではニコニコしていて元気ハツラツな性格

母は幼い時に病死しておりあまり覚えていない

父は遊び歩いて帰ってこない

一人暮らしをするまで母方のおばあちゃんと住んでいた

母方のおじいちゃんは寡黙で主人公は接しにくいと思っている

父方の祖父母はあったことが無い

おばあちゃんっ子で先祖を大事にしている

好きな物 分けれるアイス 母 祖父母 先祖 猫 推しアイドル お気に入りの母が昔編んだミサンガ

嫌いな物 父 ピーマン 大学の人 賑やかな場所


母「和子(わこ)」 9月9日 

生前22歳で主人公を産んだ1年後に病死

性格は優しく気が弱いが最後まで弱い自分を見せたくなかった。

旦那は一つ年上で一度浮気をされだが、当時お腹に主人公がいたので苦渋の決断で許したが、主人公を産んでから旦那の朝帰りを横目にだんだん衰弱していったが主人公だけは守ろうと最後まで必死だった。

好きな物 主人公 りんご

好きだった物 旦那

嫌いな物 過去の話 弱い自分 旦那の親族 お酒 「桂樹の酒癖の悪さでトラウマに…」



父「桂樹(けいき)」 ?月?日 

浮気をしたりして遊び歩いているので生きているのかわからない

主人公は父を少ししか覚えていないしよく思っていない

43歳

好きな物 従順な女 酒 ギャンブル

嫌いな物 反論してくる女 子供


「霞から見た」なこ ?月?日 23歳

公園にいつもいて、どこに住んでいるかわからない

周りと話が合わない

世話好きで編み物など料理が得意

好きな物 分けれるアイス 桃

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