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なんか壮大なことが始まりそうな物語  作者: やまぬこもち
二章 一期一会な旅路
9/10

2章1話 「今、旅立つとき」

【登場人物】

凛夜レイガ  この物語の主人公。ゲームが好き。

       異世界に来る前は引きこもり。

       はなを探しに異世界に来た。


陽野森はな  レイガの幼馴染。異世界に転生した。

       転生前は学生。現在、行方不明。


レンゲ    レイガと同い年。

       魔力が切れやすく、記憶喪失。


ヴェイル   史上最強の剣聖。

       自他共に認める "最強" な存在。

「レイガにレンゲ!行くぞ!首都、ヒガシノミヤに!」


「ヴェイル、、、少しだけ待ってくれないか?」


そう言って、俺はヴェイルに少し待ってもらっている。人生に『別れ』というものはつきものだ。


「親方!」


「レイガぁ!大丈夫だったのか?急に錯乱して出ていっちまってよ、、、心配してたんだぞ」


「、、、すいません。」


「お前が無事だったってんなら、それでいいんだよ。」


親方はそういいながら、俺の頭を撫でる。この感触は嫌いではない。むしろ、好きだ。


「あ、あの、、、親方。大事な話があります。」


「どうしたんだ、急に改まって。」


「実は、、、首都へ行くことになりました。、、、だっ、だから、、、俺はもう、」


「、、、そうか。ふっ、その眼」


「はい?」


「決意の眼してるな。熱がこもってやがる。こういう奴はな、何を言っても自分の軸を保ってブレないんだ。行ってこい!世界を見て、学べ!」


「、、、っ、親方!ありがとうございました!」


親方はこの世界に来てからの父親みたいな人だ。間違いなく、今この世界で尊敬する人を聞かれたら親方と答えるだろう。


「レイガー!遅いから、置いてくよー!」


レンゲの声が聞こえる。


「ギリギリセーフってことで大丈夫か?」


「あぁ大丈夫だ。」


「もう置いてくところだったのに!」


ヴェイルが用意してくれた馬車に荷物を積み込む。


「さぁ、出発するよ2人とも。」


「おう!準備万端だ!」


「いつでも行けるよ!」


馬が走り出す。そして、サイギョクの門が見えてきた。


「レイガー!また来いよー!」


「いつ来てもいいからねー!」


「レンゲのおねえーちゃーん!またあそぼーね!」


みんなに見送られて街を出る。こんなのも悪くはない。俺はいつまでもこの街が好きだ。


少しずつサイギョクが遠くなる。


「レイガ、、、寂しいのかい?」


「まぁな。」


「えぇ!レイガまじ?」


レンゲが俺をおちょくる。


「とか言いながらレンゲも寂しいんじゃないかい?」


そのレンゲをヴェイルが煽る。


「ま、まぁそういうことにしてもいいわ!」


「さて、2人とも僕たちの馬車で首都ヒガシノミヤまでは5日はかかるから、覚悟しておいてくれ。」


「ま、まじか」


「大マジだ。まぁなぜなら途中で街に寄ったりするからなんだけどね、馬休ませるために。」


「ねぇ、ヴェイル。今、思ったんだけどね。ヴェイルが私たちを掴んで飛んだほうがいいんじゃないかな。」


「、、、旅はね、手間がかかるからいいんだよ。」


どうしよう。すごく殴りたい。命の恩人だけども。


「なぁ、ヴェイル。どうして、ヴェイルはそんなに強いんだ?」


「そうだなぁ、、、剣聖だから、かな」


「な、なるほど?」


「冗談だ。真面目に説明しようか。」


ヴェイルは1000年以上前から続く剣聖の家系『シュバルツ家』の出身だそうだ。剣聖は『聖剣・キングダム』に認められたシュバルツ家の人がなるという。そして、剣聖は誰よりも強い騎士であり、聖剣の力とシュバルツ家に代々継承される魔法『色彩術(しきさいじゅつ)』と『色光術(しきこうじゅつ)』を使える。以前見た『虚構色・漆黒』は色光術の1つだそうだ。


「そして、僕はさらに特別な存在なんだ。この眼がわかるかい?」


「、、、紫?」


「あぁ、そうだ。これは数億年に一度レベルで生まれる人間の持つ眼で、『紫炎眼(しえんのめ)』というんだ。」


紫炎眼の瞳には、金や赤、青といった様々な色が宇宙に輝く無数の星のように散りばめられている。


「紫炎眼を持っている人は、加護の同時使用が可能なんだ。」


「加護?」


「あぁ、加護は本来1人1つのものなんだ。ただ紫炎眼を持つ者は加護を複数持てる。ただ、紫炎眼を持っていない人でも加護を複数持ってる人はいる。紫炎眼の特別なところは加護を同時に発動できるんだ。紫炎眼を持っていない人は同時使用すると死ぬんだけど、持ってると負荷がかからないだ。そして、魔力もほぼ無限にある。」


紫炎眼、、、すごく恐ろしいものだ。まさに正真正銘のチート能力。それは悪魔教も脅威と見て、戦いを避けるわけだ。

紫炎眼と聖剣の力、、、その2つが奇跡的に噛み合って生まれた存在だということか。ヴェイルという存在がこの世界のイレギュラーなのだろう。だから、パワーバランスが崩壊した、ということだ。まさしく最強だな。


「ヴェイル?1つだけ気になることがあるんだけど、いいかな?」


レンゲがヴェイルに尋ねた。


「サイギョクをそのまま南に行けば、ヒガシノミヤに着くのに、なんで遠回りしてるの?」


「サイギョクの真南は危険区域なんだ。盗賊が大勢いて、未知数なんだ。だから、僕が2人を守りきれない可能性を加味して避けている。さ、もうすぐ今日泊まる街であるナカノに着くよ!」


ナカノはサイギョクの西に位置する街で、名産品としてブドウなどがあるらしい。前々から思っていたのだが、すごく地形が日本っぽい気がする。


「3部屋取れますか?」


「いくら剣聖さんの頼みでも、、、ね、今日は1部屋しか残ってないよ、、、」


「2人とも相部屋でもいいか?」


「まぁ俺は構わないけど、、、レンゲは?」


「んー、まぁいい、、、かな」


「それなりに大きい部屋だから大丈夫だと思いますよ。それに剣聖さんたちだから、晩御飯は1番いいもの出しちゃいます。」


「そんなの悪いですよ」


「いいのよ、だって私ね、、、剣聖さんの大ファンなの!」


女将さんは頬を赤らめて、そう言った。それを聞いてヴェイルはというと、、、


「それは嬉しいです!ぜひ、今後とも応援よろしくお願いしますね!」


手慣れているかのように対応していた。


「ヴェイル、、、慣れてるんだな」


「ん?まぁそうだね、、、よく言われるから」


だって、こいつは顔もいいし、性格もいいし、身長や体系だっていい、目も綺麗だし、声もいい、、、そのうえ、歴代でも最強の剣聖だ。正直、ヴェイルは羨ましすぎる、、、少しくらい才能を分けて欲しいくらいだ。


「レイガ、レンゲ、いいかい。今日の夜は晩御飯を食べたら少し夜回りををします。」


「夜回り?」


「あぁ、女将さんが色々とくれただろう?だから、お礼的な意味も込めてだ。」


ヴェイルはいいやつすぎる。

その日の晩御飯はすごく豪華だった。ヴェイルに感謝だ。ヴェイルといなかったらこんなにいいものは食べられなかっただろう。


「さぁ、2人とも行くよ」


「ヴェイル、この街結構広いぞ、どうするんだ?」


「んー、そうだなぁ、、、」


そう言うと、ヴェイルは空へと飛んだ。

数秒するとヴェイルが降りてきた。


「な、なぁヴェイル今のは?」


「『飛翔の加護』で飛んだんだ。そして、それに追加で『囁きの加護』を使った。囁きの加護は半径3キロ以内の声なら聞こえる。そして、あちら側で不良に襲われている人がいるようだ。行くよ」


と言うと、ヴェイルは俺とレンゲを掴み、、、


「2人とも舌を噛まないようにね、、、」


「「え?」」


爆速で駆け出した。


「これは『風の加護』と『加速の加護』だ。足がものすごく速くなる。」


なんで、こいつは喋れてるんだ!?


「ここの路地のようだね、、、」


俺とレンゲは酔っている。


「へ、へぇ、ここか、、、うぷっ。」


「は、はやすぎ、、、る、、、うっ、」


「すまないね、速すぎたかな?」


ヴェイルは路地へと入っていく。


「やぁ、みなさん。やめてもらおうか。」


「誰だ、、、お前?」


「剣聖ヴェイルだ。」


ヴェイルが名乗ると、不良は泣いたり、叫んだりしながら逃げ出した。中には失禁してるやつもいた。


「た、助けてくれてありがとうございます!」


「当然のことをしたまでです!」


ヴェイルはにこやかに笑った。こいつはやはりどこまでいってもイケメンなようだ。


ー次の日


「ヴェイルさん、また来てくださいね!」


「女将さん、泣かないでください!絶対にまた来ますから!」


どうしよう、ヴェイルのせいで、俺とレンゲはアウェイな気がしてやまない。


「さぁ2人とも!行くよ!」


俺たちはナカノを後にして次の街へと向かったのだった。

【あとがき】

2章は基本的に首都までへの旅路中心です。

今後も様々なキャラが出てくると思いますのでお楽しみにしていてください!

感想等お待ちしております!

ではまた!

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