水の1 少女を見た
ぎりぎり、短い予定です。
雨が降り落ちる中、二人の少年少女が道を駆け抜ける。
傘は持っておらず、制服は濡れ始めている。
「急ぐぞ」
「ちょ、ちょっと待って、早いって!!」
雨の強さを鑑みて、少年が急ぎはじめ、少女がそれを追いかける。
二人は双子だ。
少年が兄で、名前をソウマ。
少女が妹で、名前をラン。
兄弟関係はそこそこ。極端に仲が悪いわけではない。
「まずいな…………」
雨は大分強くなり、走って帰るにはもう風邪をひいてしまいそうなほどだ。
「はあはあ…………もう、あそこまで強くなったらもう雨宿りできそうなの探したほうが良くなかった?」
ランが膝に手を置いた状態で息切れしながら言う。
どうやら雨が強まりだした時点で雨宿りに切り替えようとしていたようだ。
「できそうなのはここしかなかったぞ」
対してソウマはまるで最初から今自分たちがいる場所を目指していたかのような口ぶり。
その様子にむっとし、ランは口を尖らせる。
「あのねぇ、失敗したっていえばいいじゃん! なんでそんな風にごまかすの!?」
「あのまま行くにしても雨宿りするにしても、休憩できそうなのはここだったのはわかるだろ?」
「ぐぬ」
しかし、ソウマに瞬時に言い負かされて口を閉じる。
ソウマが見えているものは、ランも見えていることが多い、
というのをちゃんと認識しているのは兄の方らしい。
「さてどうするか、携帯を取り出すにはバッグの表面がまずい状態なんだよな…………」
切り替えてソウマは帰りが遅れそうとか、迎えが必要そうとか、
それらを確認するためにも携帯を出したそうにしている。
が、バッグが濡れた状態で開けば、雨水が入り込むかもしれず、不用意に開けられない。
「でも、この湿度で乾くわけないでしょ、さっさっと開けた方が逆に被害少ないんじゃない?」
ごもっとなランの意見に今度はソウマは口ごもる。
しかし、やはり濡れた時のリスクは高い。どうするか…………ともっていた時。
「「…………あれは」」
二人同時に見つけた。雨が降りしきる中、
踊るように傘を回す少女、自分たちより幼い少女を二人は見かける。
気になって二人は少女を追いかけた。
雨宿りしている小屋の跡地は、幸運にも奥側は木で雨は防がれていた。
「あれ、いない? おかしいな…………こっちにいったのに」
「無視なう距離じゃなかったはずだが…………」
しかし、少女はどこかへ行ってしまった。木々があるとはいえ、
追いかけてすぐに見えなくなってしまった。どこへ行ったのか。
「どこへ行ったんだ…………ん?」
ソウマは少女を探す際に、ふと目に入ったものに視線を移した。
そこには、木の板と、アクセサリーがあった。
「ん~ソウマ、戻ろう……ん?」
ランはソウマが何かを見つめているのを目撃し、どうしたのかと近づく。
それに気づいたソウマはランに大丈夫とつげ、一緒に小屋跡地へ戻った。
「なんだたんだろう、あの子」
未だ雨が降る中、ランが見かけた少女のことを考える。
見間違いか、いな、少女は確かにいた、とランは考えている。
「さあな、ただもう関係ないと思っておいた方がいいかもな」
そう呟くソウマ、先ほどは感じた心配も切り替えてどこかへしまったようだ。
「もう、相変わらずだよね」
「おまえもな」
そうお互いに言い合う中、雨が弱まり始めた。
瞬時にソウマは走り出し、ランもそれを追いかけた。
「…………ん?」
ただすぐ、雰囲気が変わった気がした。なんとなくだが道の雰囲気が変わった。
そう感じたソウマだが、今度はランが止まらずにかけていく。
追いかけるものが入れ替わってしまってソウマは走るのを再開する。
「どうしたんだ、一体…………」
「ちょっと…………」
「ん? どうした」
「ちょっと、まずいかも、確かめたくて走ったけど、まずでやばい気がする」
どうやら異様な雰囲気はランも感じていたようだ。
ただ近づけばわかると思ったことが裏目だったか、不安そうだ。
「…………戻るか」
ソウマがそう言いかけた時、雰囲気がさらに変わった。
「「!!」」
まるで霧がかかったような、そんな雰囲気に足を止めた。
周りを見渡そうと顔を上げた瞬間、霧の雰囲気が消えた。
混乱するよりも早く、目に付いたのは…………
「「井戸?」」
井戸だった。ソウマとランの目に、井戸が見えたのだ。
その井戸におかしなことはない、おかしいのは、そこにあることだ。
「なんでこんところに井戸が……ここって住宅ないよね?」
「それどころかあんな古いものはこの地域にはないはず…………」
ありえないものが存在していることに、二人は戸惑う。
そんな時。
「あんたら」
「「!!」」
「あんたら、見ない顔だぁ」
声をかけられて、振り返るとそこにはおばあさんがいた、
頬に手を置いて、ソウマとランを観察している。
「どうしたどうした」
次におじいさんが現れた。不思議そうに二人を見る。
「おお、人か」
「それも学生」
「珍しい」
更に人が増える、増える、増える、どんどん増える。
その度に、二人には周りの景色が嫌でも入る。
家屋、畑、見張り台、井戸、そうここは。
「「村だ…………」」
ソウマとラン、二人は謎の村に行き着いてしまった。
…………ふふ、うふふ
笑う声が響く、少女の声が
続く
全部コンテストまでに出せるかわからんが、やり切ります。




