第九話 固まる魔力
昨日、フラビッツからもっと効率的な魔法の撃ち方がある、というようなことを言われたけど、どんなものなのだろうか⋯⋯
「さて、昨日は魔法の詠唱を省いたわけだけど⋯⋯まだ、早く撃つことができるんだよ!」
「えっと⋯⋯昨日はもっと効率が良くなるって聞いたんだけど⋯⋯」
「効率も良くして、もっと早く撃てる方法があるんだよ!」
まじか⋯⋯効率も上げて速度も上げるのか⋯⋯そんな技術があるんだったら、もっと早くに教えて欲しかったよね。ま、詠唱省略みたいに、気づいた人がいないのかもしれないけどね。
「それで、その方法は簡単だよ!魔力を回すだけ!」
⋯⋯魔力を⋯⋯回す?どういうことだろうか
「それってどういうこと?」
興味を持ったのか、ミレイまで加わってきた。
「う〜ん、ほら、君たちは魔力をまとわせることはできるじゃん?その感じで、体中を巡らせるんだよ!」
たしかに、まとわせるときには魔力を動かしている。でも、それは言わば砂のような魔力をつかんで動かしている、というイメージに近い。その状態で体中を回したって、他の魔力を押しのけてて進むことになるから、全体を回すことはできない。どうすればいいんだろう?
あまりイメージができない僕たちに、フラビッツはこう言ってきた。
「そうだね⋯⋯ちょっと僕に触れてみてよ!」
言われた通りに触れると、少しくずったそうにしながら、
「ちょっと待ってね⋯⋯」
と、フラビッツが言った瞬間、体のあちこちで何かがズルっと動くような感じがした。まるで1本の紐が動くような⋯⋯というか、若干のデジャヴを感じる⋯⋯
「うわっなにこれ気持ち悪い⋯⋯」
「あははっごめんごめん
今の感じが、『魔力を回す』だ。1本の紐みたいなイメージだね。」
「できるかな⋯⋯」
「まぁ、これに関しては頑張ってもらうしか無いね。」
「それで、どうして魔力を回すと効率が上がるの?」
「う〜んと、ちょっと説明がめんどくさいんだけど⋯⋯
魔力ってのは、冷たいところにある水みたいなものなんだ。動かさなければ固まってしまう。それで、固いまま使おうとすると、一度柔らかくするというひと手間が入ってしまうんだ。そのせいで魔力効率が下がり、若干の時間差が生まれるわけだね。
でも、魔力を回してれば、少なくともこれ以上固まることはないし、それどころか柔らかくすることができるんだ。」
「ふ〜ん、なるほどね⋯⋯」
ミレイも納得した様子。それにしても、魔力を回すのが正解だったとはな⋯⋯実はこれまでに一度、できないか試してみたけど、うまくイメージできなかったんだよね。
でも、イメージはわかったから、あとは練習あるのみ!と、思い試しにやってみると、微かだが成功したようだ。ただ、魔力を動かすだけのときもそうだったが、とても気力を削られるので、あまり多用は難しいかもしれないな。
「目標は、意識せずとも魔力を回せる、ってくらいかな。
基本起きているときは必ずやるよーに!」
どうやらマスターするのはまだ先のようだ⋯⋯。
「そういえば、魔力を回しながらまとわせることってできるの?」
「ああ、それなら、なんていうんだろうな。魔力の流れ道をねじ曲げる、みたいなイメージでやればいいよ!」
「なるほどね、わかった!」
とは、ミレイとフラビッツの会話である。
──数日後
試しに魔法を撃ってみると、少し前に撃ったときと比べて明らかに威力が増大していた。体感二倍くらいの威力である。それに、フラビッツが言っていた通り打つスピードも速くなってきている。まだ何とか1日回し続けられるくらいだが、頑張れそうな気がしてきた。
やっべネタがナイ




