第七話 修行再開
「んで、きみたちはなんでぼくにあいたかったの?」
とりあえず仲直り(?)したので、さっきの衝撃で倒れた木の上に座りながら話をする。顎の下を撫でてあげると、嬉しいのかわかんないけどすごく耳がピクピク動いていた。
ただ、「人族神に言われて、魔王を止めるため」なんて馬鹿正直に答えても、どうせ真に受けてもらえないだろう。そもそもミカエルの存在が公にでていないのだ、信じてもらえないどころか噂が流れることもあるだろう。ここは安牌に⋯⋯
「えっと、強くなりたいってのと、修行の成果を確認したくて⋯⋯」
「⋯⋯ふ〜ん」
フラビッツは一瞬考え、そう返事をした。そしてしばらく沈黙の時間が流れて⋯⋯
「それならさ、ぼくといっしょにしゅぎょうしようよ!」
「「「え?」」」
急に言われたことは結構衝撃的で、普段は無口なカロイくんまで反応してきた。
それは置いといて、なぜフラビッツまで修行をする必要があるのだろうか⋯⋯
「どうしてフラビッツまで?」
「ほら、ぼくってつよいじゃん?」
急に自慢が挟まってきたな⋯⋯こういう人嫌い(切実)
「ぼくがこのせかいにうまれたときからこのちからはあった。
でも、そのせいでぜんぶかんかくでやってきたんだよね。
だから、たたかいがたんちょうになっていたんだよ。
それじゃあ、おもしろくないじゃん?」
なるほど戦いを楽しむタイプですか。そんな気はしたけどさ⋯⋯
「で、そういうたたかいのかんがえかたをみにつけたい。
そこで、きみたちだよ!」
なにが「そこで」なのかわからないが、とりあえず聞いてみよう。
「僕たち?」
「そう!ほら、きみたちはぼくよりすこしよわいくらいのじつりょくしゃだから、れんしゅうあいてにはさいてきなんじゃないか、ってね!」
このウサギ、殺したい。ナチュラルにマウント取ってくるものだから、どんどんストレスたまる。たぶんわざとではないんだろうけど、言葉の端々に知性を感じるものだからより溜まる。
「なるほどねぇ〜、たしかに私たちの修行相手としてもいいんじゃない、ケンヤ?」
ミレイは結構余裕そうだな、と、返事をしつつミレイを見る。おっと、ミレイのもみあげに青筋が見えたよ。ミレイも相当たまっちゃったかな⋯⋯
「よし!きまりだね!さっそくぼくのすみかにあんないするよ!」
─*─*─*─
「ここがぼくのすみかね!」
フラビッツが住処としているのは、ちょっとした洞窟だった。あまり深くなく、日光も入るから、1年を通して同じような気温が保たれるらしく、快適らしい。かなり地面も平らなので、寝泊まりするところとしては最適だ。
その後は、フラビッツに友好の証として、ステーキのなんちゃってバター醤油掛けを食べさせてみた。かなりお気に召したらしく、「ぼくをなかまにいれてよ!」と言われたが、丁重にお断りしておいた。主を仲間にしている冒険者なんて、要らぬいざこざを生みそうだからね。いやまぁ主を仲間にしてるパーティもあるにはあるらしいけどさ。
ともかく、これでまた修行を再開できる。戦争開始まであと十ヶ月。それまでに、できるだけ強くなっておかなくては。僕は、安心すると同時に、気を引き締めたのだった。
あ、次回からフラビッツのセリフは漢字使うからね。読みにくいでしょ?




