第三話 魔領に一番近い町
魔領ってのは魔族領のことです
語呂がいいから縮めました
今、自分たちはアクポッド王国のバーチという街に来ている。ちなみに森で修行してる時に、カロイ君と出会った。カロイ君もミカエルに言われて修行をしていたらしく、なんか気配を感じるので来てみたらいたという。カロイ君のその能力凄すぎ。
それはそうと、ここは魔族領に一番近い街として有名で、魔族と貿易をして栄えた街だ。そのため、イチアの街とはまた違った雰囲気になっている。イチアの街は中世ヨーロッパ農村部のような雰囲気だが、ここはレンガ造の平屋が多く、歴史の教科書の文明開化後の日本を思い出した。ザ・港町といった感じだ。
今回ここに来たのは、魔法付与を行うためだ。イチアの街だと高かったが、ここなら費用が三分の一ほどにまでなる。イチアからここバーチへの輸送費が馬鹿にならないのだ。それに、輸送費だけではなく輸送には日にちがかかる。そういうところからも、ここにきて魔法付与してもらうほうが効率的なのだった。
さっそくこの街のギルド─ギルドは帝国を除く人族大陸のすべての国に設置されている─に行き、おすすめの魔法付与依頼代理人を教えてもらう。前も言ったように、エンチャントをしてくれる人はこちらの大陸には居ない。なので魔族に頼むしか無いのだが、おいそれと魔族領にはいくことができない。そのため、魔法付与依頼代理人を介してお願いするのだ。
それなら誰を介しても同じだと思われるかもしれないが、違いはある。基本的に依頼代理人は一ヶ所に、多くても二、三ヶ所にしか依頼しない。いわゆる「お得意先」なのだが、エンチャントをしてくれる魔法付与人によって、質が変わってくるのだ。また、エンチャンターによって得意なもの苦手なものなどがあったりするのだ。今回ギルドに教えてもらったところは、多くのエンチャントがある程度の質を保ちつつやってくれるので、わざわざつけたいものがこれだからあの人、など考えたくない人や、どんな物があるかわからない人が利用するのでかなりの人が利用するそうだ。
実際に僕たちもお昼前に来てみたが、とても混んでいた。建物の外まで行列が続いていたが、とりあえず並んでおくことにした。
結局一時間ほどかかってしまったのだが、どうやら混む時間帯の少し後に来たらしく、自分たちの後ろには二、三組しか並ばず、行列も建物内で収まるレベルになっていた。
「では、身分証をご提示願います」
自分たちの番になりると、案内の人から言われた。どうやら裏組織などでないことを証明するために、身分を証明するものを提出しなければならないらしい。ミレイいわくギルドの指輪でもいいらしいので、提出しておいた。
「冒険者の方ですね。では、こちらからつけたいものをお選びください。」
受付の人が出したボードには、様々な魔法付与が書いてあった。が、やはりエンチャント一つで銀貨30枚以上は必要になるので、なかなかつけられる人も限られてくるのだろう。E帯以上という制限はあるらしいが、あまり意味はなさそうである。
肝心の内容だが、振る速度が速くなったり耐久力が上がったりするようなものから、魔法に対する耐性を持つようなものもあっだ。相手に状態異常を与えるものもある。
自分は、
『耐久』(銀貨30枚)
『加速』(銀貨40枚)
を、ミレイは、
『断切』(銀貨70枚)
カロイ君は、
『加重』(銀貨50枚)
を選んだ。クアッドビードルのお陰で大分お金が溜まってたとは言え、これで半分くらい無くなった。そして、武器を預けておく。預ける武器は、クアッドビードルの外骨格で作った『甲虫刀』だ。ただし、いくら近いとは言え海を渡るので、帰ってくるのは1週間後だ。この空いた時間は、この街の観光でもしてつぶそうかな。
「さて、1周間何もできないわけだけど、どうする?」
「スイーツ食べたい!」
「み、ミレイちゃんはいつも通りだね」
「でもま、まだお金はあるんだし、どっかでお昼ご飯食べるか!」
「やたー!」
とまぁ、僕たちはその場を後にしたのだった。
まだノルマの半分か...
変にノルマ立てるもんじゃないな...




