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第八話:古代の英雄、此処に眠る

 

 俺とアリアはアルカナスを倒し、神殿の奥へと進んでいった。古代の英雄たちの魂が眠る場所にたどり着くと、そこには荘厳な雰囲気が漂っていた。巨大な石碑が立ち並び、その表面には古代の文字が刻まれている。


「ここが……古代の英雄たちの眠る場所か。」俺が石碑を見上げながら呟く。


「この場所には強大な力が宿っています。私たちがこれから立ち向かう試練に必要な力となります。」アリアも同様に石碑を見つめ、決意を新たにした。


 石碑の中央には巨大な扉があり、その先には何かが待ち受けていることが感じられた。健太とアリアは互いに頷き合い、扉を開けた。


 扉の向こうには広大な空間が広がっており、その中心には輝く水晶が浮かんでいた。水晶の周囲には古代の英雄たちの魂が漂っており、その一つ一つが神々しい光を放っていた。


「この水晶が……古代の英雄たちの力か。」俺が近づきながら呟いた。


「気をつけてください、健太さん。この場所には試練があるはずです」アリアが警戒しながら言った。


 健太が水晶に手を伸ばすと、その瞬間、空間全体が揺れ動き、眩い光が彼らを包み込んだ。光が収まると、二人は別の場所に立っていた。


「ここは……どこだ?」俺が周囲を見回す。


「これは試練の場所です。私たちが力を得るために乗り越えなければならない場所です。」アリアが静かに答えた。


 その時、俺達の前に巨大な影が現れた。それは巨大なドラゴンであり、その体からは凄まじい力が溢れ出ていた。ドラゴンの鱗はまるで鋼鉄のように硬く、その目は燃えるように赤く輝いていた。


 ドラゴンが現れた瞬間、その圧倒的な存在感に神殿全体が震えた。俺とアリアの前に立ちはだかるその巨体は、まるで山のように巨大で、その全身を覆う鱗は鋼鉄のように光っていた。


「これが試練の相手か……!」俺が剣を握りしめる。


「気をつけてください、健太さん」アリアが冷静に警告する。


 ドラゴンの赤く燃える瞳が二人を睨みつけると、巨大な口が開かれ、轟音と共に火炎が吐き出された。その炎は神殿の石壁をも溶かし、熱風が俺達を襲った。


「避けろ!」俺が叫び、アリアと共に身を翻して火炎をかわす。


 火炎を避けながら、俺はドラゴンの足元に素早く回り込んだ。そして、鋭い剣を鱗の隙間に突き立てようとするが、鱗は予想以上に硬く、剣が跳ね返されてしまう。


「くそっ……こんなに硬いのか!」俺が歯を食いしばる。


 その瞬間、ドラゴンの尾が俺に向かって鞭のように襲いかかった。俺は反射的に飛び退り、尾の一撃を避けるが、尾の威力で地面が砕け散り、砂煙が舞い上がる。


「健太さん、援護します!」アリアが叫び、手をかざして魔法の力を解き放つ。彼女の手から放たれた雷の矢がドラゴンの翼に向かって飛び、その一部を焼き尽くした。


「アリアさん、ありがとう!」俺が感謝の意を示しながら、再びドラゴンに向かって突進する。


 ドラゴンは痛みに咆哮し、その巨大な翼を広げて反撃の準備をした。俺はその隙を突き、ドラゴンの足元に再び剣を突き立てた。剣が鱗の隙間に入り込み、ドラゴンの血が吹き出した。


「やったか……?」俺が息を切らしながら確認したその瞬間、ドラゴンの尾が再び彼に向かって襲いかかった。俺は素早く飛び退り、その一撃を避けるが、尾の威力で地面が砕け散る。


「健太さん、大丈夫ですか?」アリアが心配そうに叫んだ。


「まだまだいけるさ!」俺が叫び返し、再びドラゴンに向かって突進する。


 ドラゴンの攻撃は激しさを増し、火炎が彼らに向かって吐き出された。俺はその火炎を避けながら、ドラゴンの足元に素早く回り込んだ。そして、剣を振り下ろし、その一撃でドラゴンの足を貫いた。


 ドラゴンは痛みに咆哮し、その巨大な体を揺らした。俺はその隙を逃さず、再び剣を振り下ろした。


「アリアさん、今だ!」俺が叫ぶと、アリアは魔法の力を最大限に解放した。彼女の手から放たれた雷がドラゴンの体に直撃し、その一撃でドラゴンの体が痺れた。


「これで終わりだ!」俺が最後の一撃を放ち、ドラゴンの心臓に剣を突き立てた。


 ドラゴンはその場に倒れ込み、体から力が抜けていった。俺達はその場に立ち尽くし、勝利の実感を味わった。


「やった……私たち、やりました……!」アリアが息を切らしながら言った。


「そうだね……でも、これはまだ始まりだ。これからもっと強くなって、もっと大きな試練に立ち向かうんだ。」俺が決意を込めて答えた。


 その時、再び眩い光が二人を包み込み、俺達は元の神殿に戻っていた。神殿の中央には、先ほどの水晶が輝きを放っていた。


「これが……私たちの力……」アリアが水晶を見つめながら呟いた。


「そうだ。この力を使って、俺たちはもっと強くなれる。」俺が水晶に手を伸ばし、その力を感じ取った。


 水晶の輝きが俺達を包み込み、新たな力が体中に満ち溢れた。俺達の体は力強さを増し、その目には新たな決意が宿っていた。


「これから先に待つものが何であれ、俺たちは負けない。」俺が力強く言った。


「ええ、一緒にどんな壁も乗り越えられます。」アリアも同じく力強く答えた。


 俺は再び手を取り合い、新たな冒険へと踏み出した。異世界への挑戦は続き、俺達の物語はまだ終わらない。

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