見解
「──という事がありまして」
茶を啜りながら、羅雨は目の前に座る女性に今日あった出来事を伝えた。
「それは……私に話しても大丈夫な内容のかしら?」
女性は眉を八の字にして羅雨に問うが、羅雨は微笑んだ。
「大丈夫です! 神獣様は全てお見通しなので何も問題ありません!」
「それを貴方が言うのは違う気が……」
胸を張る羅雨に目の前の女性──神獣様事、梁明鈴呆れた顔をする。
「それに羅雨ならもっとちゃんとした話もつくれたでしょう?」
「買い被り過ぎです」
嘯く羅雨を明鈴が半眼で見ると、彼は視線を反らして言った。
「宮城の奇々怪々なる話の中に私の創作した話が連なるというのはどうにも恐れ多くて……」
それが本音のようである。
「語り継がれるとは限らないでしょうに……」
明鈴は呆れながらも、きっと羅雨の中では許諾出来ない何かがあるのだろうと理解する事にした。
「ところで、妖魔が跋扈する時代からいらっしゃる神獣様は飛頭蛮をご覧になった事はありますか?」
「ええ、まあ」
「何と!」
羅雨は目を輝かせたが、明鈴は羅雨の聞きたい事が分かり半眼になる。
「流石に飛頭蛮が首だけで水中で移動出来るかは知らないわよ?」
「何と……」
羅雨は分かりやすく肩を落として落胆。
「飛頭蛮……飛頭民は昼間は只人と変わらないから、普通に町で生活していたわよ。当人も自身が飛頭民だと気が付かないまま生活しているも者もいたくらいだし。騒動が起きて初めて自身が飛頭蛮だと気が付いたなんて事もあったかしら? 只人と結婚して子孫を残している者も少なからずいるから、意外と近くに子孫は居るかも知れないわね」
「おお! 夢があります」
羅雨は浮上し再び目を輝かせた。
「それよりも気になるのは人面瘡の方」
「何か気にかかることでもありますか?」
羅雨は目を瞬かせた。
「ただの腫物なら良いのだけれど、それこそ紗華国が荒れていた時分にも人面瘡は現れていた」
「荒れていた時分と言いますと、明鈴様が神獣になった内乱があった時代ですか?」
「それより少し後よ」
羅雨はある事が思い浮かび、彼女恐る恐る尋ねた。
「もしや、神話に語り継がれている仙人とは神獣様なのですか?」




