終焉
「──さあ? あるかも知れないし、無いかも知れない」
「は?」
僅かに間を開けて紡がれた梁明鈴の言葉に唖然とした羅雨は悪くないだろう。
──いやいや、全く答えになっていない! では、先程の自分に原因があると言う言葉は何だったのですか!?
羅雨は困惑し、彼女が自身を化かそうとしているのではないかとらすら思った。しかし、彼女は苦笑しているので、上手く説明する言葉が見つからないのだと理解した。
「私と羅秀にかけられた呪は最初何なのかすら分からないくらい弱いものだったの。それは私たちを繋ぐ物だと気が付いたのは羅秀が死に、彼の魂が次の身体に転生した後だった」
「羅秀が転生すれば貴女にはわかると? 何でそんな呪をかけたのですか?」
彼女を害する事が目的でないのはわかるが理由が分からない。
「私を一人にしない為、だったのかもね」
そう言って彼女は眉尻を下げた。
「理由は兎も角、私が言いたいのは別の事! 羅秀の転生者は皆見鬼の才は無かったけど、妖魔の影響を受けない体質だった」
「だから、今本来ならば妖魔に魅入られることなんて無かったと?」
羅雨の問に彼女は頷いた。
「けれど、私は妖魔に魅入られた、それとその
呪に関係があると言いたのですか?」
「ええ、まだ憶測の域は出ないわ。けれど、確信はある。私はこの千年妖魔孔を塞ぐ為に此処にいた。その役目がもう時期終わるの」
「それはどういう?」
羅雨は目を瞠った。
「もう此処には私は必要ないという事よ。此処から解放されるの。この千年もの間無かった変化なら当然関係があるはず。それを確かめる為に此処に呼んだ」
「それで答えはでましたか?」
羅雨は好奇心から不謹慎にもニヤけそうになる顔を引き締めて神妙な顔で尋ねると彼女は首を左右に振った。
「いいえ。でも魅入られた原因が私の与えた守刀は分かったわ。その原因の元に私を連れて行って欲しいの」
「連れて行く? 私が貴方を? 私の家に?」
羅雨は目を瞬かせた。
「ええ」
彼女はにっこりと微笑んだが、羅雨は暫くの間開いた口が塞がらなかった。
「さぁ、もう準備は済んでいるわ! 私を連れて行って頂戴な!」
羅雨は呆然としたまま、自身の頬を思いっきり抓った。
──夢じゃない……。
抓った頬はとても痛かった。




