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ピンハネ鳶のトビーの選んだ道...それは
屋上の看板で羽を休めるトビー。でも今日はいつもと何かが違います。
彼の奥深くに眠っていた闘争本能が刺激されたのでしょうか。
心地良い高揚感に包まれます。
そうか!これが俺の求めていた充足感なのだ!
トビーは女と犬たちにお辞儀をすると、空いていた窓から室内に入りました。
そこは社長室。トビーを雇った社長のいる部屋です。
彼はこの窓から、トビーにピンハネされる客を見るのが密かな楽しみでした。
ですが、もうトビーはそんなチンケな趣味に付き合う気はありません。
心躍る勝負ができたからです。
既に以前の自分をつまらないものとしてみているのでした。
な、何をしている?
狼狽する社長には目もくれず、トビーは自分たちが交わした契約書を持って飛び去りました。
某スーパーは、これまでの社長の悪事が露見して閉店することになりました。
女の家の玄関先には、一本の風切り羽が置かれていたとのことです