隠蔽と人探し
※昨日5/03 20:00に続き、今日最初の更新です。読み飛ばしなきようご注意ください。
いい天気だ。
そういや、高校生に戻ってから雨にふられてないな。
いや登校時に傘をさしたことがあったっけ。
ユイが森をガンガン跳んでいき、それを追う。
とりあえずは大丈夫、ダンジョン付近にも森にも人はいない。
ユイが元気過ぎだけど、問題ない。
ダンジョンに入りそうな勢いで走っていたユイが急停止。
杖も渡してないから入らないとは思ったけど。
ここは山の中でも平地に近い。
ダンジョンは出る場所を選んでるのかも?
入り口は縦横3メートルほどのほら穴。
ダンジョンが生えてきた時に天井は盛り上がっている。
後ろからだと石のカマクラみたいな。
どう隠すか考えがまとまってきた。
(ヨウが木を切り倒す?)
(いや、そこまでしなくていいよ)
落ち葉をどけ、土の上に穴の形を描いて説明。
まず人や獣がぶつかっても折れない程度の太い枝を集める。
それを縦に並べていき、下側を力技で地面に押し込み立てかける。
あとは、最初に出た余りの枝と集めて来たもので全体を隠す。
(ああいう感じのを枝の根本から)
太い枝を指差す。
(けっこう曲がってるけど)
(真っ直ぐにする魔法とか無いの?)
(おにいさん、ご冗談を)
ユイはアイスアローとスピアの練習ついでに。
僕は跳び上がって大剣で斬るのでヒンシュクを買った。
剣を痛めたくないので、『不壊』の付いた大剣じゃないと困るんだよな。
【修復】を思い出して、枝落としはミノ剣を使ったけど。
ちなみにミノ剣は【ボックス】内で破片をパズルのように鞘に収めた。
そのまま取り出して【修復】、魔力10で見事に復活した。
ありのまま起こった事を話した。
な…何を言っているのかわからないと思うが。
土魔法を思い出して少しでも塞げないかとやってみるが。
土が盛り上がった、かも知れないレベル。
怪我の功名で木がしっかり固定できた。
魔法で地面が固くなっていたみたい。
曲がってるから結構隙間が空いたが。
後は入り口だけでなく全体を多量の枝葉で埋める。
そんなこんなでやっと出来た。
後は見つからないことを祈るのみ。
(【清浄】)
(ありがとう)
ちょうど昼前、帰って着替えて昼食、改めて待ち合わせることに。
目指すのは駅、電車を使って都内のヨミケイ新聞本社へ。
調べた範囲では、ヨミケイデジタルはその本社内にあるらしい。
同じ記事が夕刊に載っていたかは不明。
とにかく、桜という記者はデジタル記事を多く書いている。
以前の女子ファッションの記事をダシに接近する計画。
ユイがファンを装って面会をお願いする。
僕は本社の前の通りで【盗聴】。
ユイには僕の実ステが丸見えなので、【盗聴】の存在はバレていた。
「すみません、私ここの桜さんのファンなんです!
前のファッションの記事読んでて……」
受付のお姉さんが困ったように答える。
「いきなり来られましても、そういった方は。
あっ」
「桜さん! 前の記事読みました、大ファンです!」
さっきブツブツ文句を言いながら建物に入った女性か。
ユイ、カマをかけたな。
「えっ、わざわざ訪ねてくれたの?
ありがとう!」
当たりだ!
けど、予想外に反応が良すぎる。
「ちょっとひどい目にあっちゃってねえ。
そうだ、なんか食べる? おごるから」
おいおい、ユイは魅了の魔法でも使ったのか?
お読み頂きありがとうございます。
もしよろしければ、この下の★★★★★(クリック)評価とブックマークをお願いいたします。




