消失
※今日5/03は00:25に続き2回目の更新です。読み飛ばしなきようご注意ください。
数件の記事には『死者5名、落盤事故か』の報道。
詳細は不明となっている。
幸い、今日調査に入ったのは首都の一箇所のみ。
だが、その記事だけが違うことを報じていた。
見出しが『ほらあな事故救援に自衛隊出動』。
内容は、『国または省庁の調査員が入るが戻らず』。
そこで記事は切れている。
『続きを読むには無料登録』とある。
「メンドイけど無料ならまあいいか」
「はやくはやく」
記事全文が出た。
午前中にまず3名、調査員(所属省庁等不明)が入ったが戻らず。
続いて昼前に酸素マスク等装備した3名のうち2名も戻らず。
昼過ぎにはパトカー数台、5名以上の警官が目撃された。
夕方までに2回に渡り自衛隊車両が到着。
5名の遺体が回収され、現在立入禁止。
それだけだ。
「スクショは撮っとくから」
「すくしょ?」
「スクリーンショット、画面撮影ね」
「ヨウはどう思う?」
「変な記事だな。
全部時間がはっきり書いてない」
「ほんと、聞き込み?とかでわかったのかな?」
「でも、ユイ。
それよりここで自衛隊が関わったとなると、前と違うよね。
少なくともダンジョンが自衛隊、国の管理下になるはず」
再読み込みして他に無いか探す。
あ、別ページ押してしまったか。
いや、移動してない。
これは……。
「ユイ、記事消されたみたい」
「マジ?」
さっきのスクショを見る。
確かに記事はあった。
「どうしたらいいと思う? ユイ」
「はやすぎよね」
この時点でいきなり自衛隊には行けないな。
近くの基地に行ったとしても入れるかさえ分からない。
政治家? 国会議事堂?
総理大臣に会うとか……。
「記者の名前、載ってるよ」
ユイが指で示す。
「さすがユイ。ヨミケイ新聞の記者、女性みたいだね」
桜 桃、漫画家とかアニメキャラみたいな名前だ。
「ヨウ、一緒に会いに行ってみる?」
「うん、絶対に話は聞かないと」
それと、もし山奥神社ダンジョンが見つかったら。
「あのダンジョンもなるべく見つからないようしないと。
ユイも手伝って」
「うん、わかったヨウ。
近いから、ダンジョンから行く?」
「うん、明日は朝ジャージで迎えに行くから」
いつも通りユイを送り、夕食も風呂も済んだ。
早速動きがあった。
歴史が変わったとしたら……早くもやることが山積みだ。
あのダンジョン攻略も中止し、できる限りのことをやらないと。
探索者協会のできるのはまだ先だ。
某国のニュースも無いが、人民と同時に軍も動くに違いない。
あ、今自分にできることがあるんじゃないか。
【スキル統合】。
リスクはあるが、試す価値はある。
現に、【鬼回避】では敏捷効果を差し引いても思わぬ余裕ができた。
【ドロップ鬼獲得】では最初はしょぼかった探知力が増した。
ダンジョンでは緊張感のせいかいつも忘れてしまう。
今夜トライだ。
お読み頂きありがとうございます。
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