最初の実習
最初にいた先輩隊員の多くは実演要員だったようだ。
残ったのは木津教官以下計5人。
新人は10人、5人パーティーが担当するのは過剰な気がする。
いや、実際指導や安全確保するとなると?
想像がつかない、僕が考えても仕方ない。
お互い一人づつ自己紹介する。
新人全員は覚えているかも怪しい、まだ結構曖昧だ……。
盾役のでかい剛山さん、剣士のイケメン木村さん。
魔法は細田さん、回復の三輪さん。
なんとなくイメージで覚える。
教官が全員に言う。
「まず今日やるのは、スライムとの実戦だ。
可能ならレベルを上げる。
弱い魔物として知られているが、金属まで溶かし食らう面倒なやつだ。
適宜指示を聞いて行動するように」
5組に別れ、それぞれ一人担当が付く。
僕はこの前話したメガネの新人、佐藤さんと組んだ。
やはりと言うか、さり気なく木津教官が来た。
まずはステータスを個人個人でメモしておく。
レベルアップやステータス上昇は自分で把握するように、との事。
報告はスキル取得など顕著な変化のみ担当者に伝えればOKだ。
全て言わなくていいのか。
どうせ鑑定持ちのチェックがいずれあるんだろうけど。
全員が電池式のヘッドライトをつける。
魔法が使えないことを想定、あえて光源魔法は使わないそう。
武器として使うのは鉄製の棒が一人一本。
ダンジョン入り口からすぐに左の道に入ると、大広間だった。
ライトの反射でスライムが光って……いや、つや消しのように反射は少ない。
僕達2人には教官直々に指示が出る。
「解っているとは思うが武器は溶かされることが前提だ。
防具を敢えてつけない理由はわかるな?
皮膚も溶けるから飛び散りに気をつけながら核の部分を狙え」
4度目でようやく核に当てられた。
佐藤さんも似たような感じみたい。
核がバラバラになって落ちるが、価値はほぼ無く触れないほうがいいそうだ。
おお、と言う声が聞こえた。
見ても何も無いような。
あ、レベルアップしたのか!
それぞれが討伐経験者だからな。
レベルが上がる直前だったのか。
僕は実質倒してないから、レベル2になるのは早いはず。
6匹目で来た!
名前 : ヨウ ハマベ 年齢 : 25
種族 : ヒト
ジョブ:
レベル : 2
体力 : 7/7
魔力 : 11/13(+2)
強さ :7
丈夫さ :7
知力 :13(+2)
器用さ :13(+2)
敏捷 :12(+2)
運 : 77
スキル :
【突き】 【振り下ろし】(新)
【袈裟斬】(新) 【水平斬】(新)
【鑑定阻害】〈隠蔽〉 【偽装】〈隠蔽〉
【火魔法】(新) 【土魔法】(新)
称号 :
ラッキーパンチ、キリ番
「ひあっ!?」
思わぬ変声、全員に笑われたようだ。
佐藤さんにも。
「スキルか」
小声で教官に訊かれる。
ロックオンされてるからな、マズい。
「後で報告でいいですか?
メモします」
「もちろんだ。
どうせ帰ったら鑑定も入るからな、お節介ですまんが」
教官っていい人かもしれない。
「えーと、2増えたのか」
などとわざとらしく言いつつ考える。
ステはいいとして、というか物理が悲しいことになっているが。
剣士系のスキルは1週間練習していた物だろう。
他人と比較のしようがないが……。
無難に小出しにするべきか。
それより魔法。
全部無いことにするのは流石にアレだろうか。
見せるべきものは見せて……。
特別危険なことはないはずと信じよう。
最終的にこうした。
レベル : 2
体力 : 7/7
魔力 : 11/13(+2)
強さ :7
丈夫さ :7
知力 :13(+2)
器用さ :13(+2)
敏捷 :12(+2)
運 : 77
スキル :
【突き】 【振り下ろし】(新)
【袈裟斬】〈隠蔽〉 【水平斬】〈隠蔽〉
【鑑定阻害】〈隠蔽〉 【偽装】〈隠蔽〉
【火魔法】(新) 【土魔法】〈隠蔽〉
称号 :
ラッキーパンチ、キリ番
火魔法は男のロマン!……?
お読み頂きありがとうございます。
もしよろしければ、この下の★★★★★(クリック)評価とブックマークをお願いいたします。




