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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第一章
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ラッキーパンチ

※設定を、「非常時に備えての制服出勤・退勤」にしています。(4/15 20:10)

 最初に僕から『称号』と詳細?を聞き出したあと、北村教官はその効果を調べてみたそうだ。


 『ラッキーパンチ』。

 最初の取得者は不明、キリ番所持者はかろうじてデータで拾えたそう。

 実はこの分野では日本が世界でも進んでいる。


 本来ステータス、スキルは覗き見るか自己申告でしか分からない。

 しつこく追求するのはマナー違反。


 特に称号は自己申告でしか分からないとされている。

 高レベルまたは別種の【鑑定】で分かる可能性もあるが。


 ちなみに【鑑定】のレベルというのは確認されていない。



 日本の討伐隊は“裏技”で多くの隊員の称号を把握している。

 必要であればその条件も調査する。


『ラッキーパンチ』取得条件は、敵意を向けられたモンスターに一撃も攻撃しないこと。

 目前でそのモンスターが落石等々、ラッキーで死んだ場合、と確定している。


 あとはキリ番などの条件が揃わなければ称号に出ない。

 取得自体が相当ラッキーだったということだ。


 そこまではいいが、一般に好まれる“777”という数字の影響がどうなのか。

 意味不明の『おめでとう!』という説明。

 運の数値が77というのも気になる。


 運の最大値は100なので、それだけで意味ありげだ……。



 林教官には感謝しか無い。

 見た目で毛嫌いしてしまっていたが、それを言うなら25歳の普通レベルの顔のオッサンである僕だって同じ……。





 自宅アパートで2日間ゆっくりできた。


 今日はまず基地に出勤、それから手続きを経てダンジョンなどに新隊員として派遣されるそう。







 出勤の時は、持ち帰った制服を着て出勤する。

 帰りも原則制服だ。

 機能重視で、防刃程度の強度だが緊急時にも対応。

『アフれ』など遭遇した場合は当然動くわけだ。



 派遣されたのは車で山に入って1時間、僻地のダンジョン。

 新人はいつもの10人。

 結構広い敷地に教官以下10数人の隊員がいる。

 今回は全員男。


 予想はしていたが訓練用ダンジョンっぽい。



「教官の木津(きづ)、Cランクだ。

 新人は私のパーティーを分割して担当させる。

 今日は最初だから余計に隊員を呼んである。

 まず基本スキルを見せる、イメージするのは大事だからな」


 木津教官は品の良さそうな中肉中背のおじさん。



 まずは名前の紹介などは無しで、次々に実演を見せられる。

 制服のままで防具は付けていない。

 全然本気では無いんだろうな。



 まず、木剣による実演。

 動きが速いのは予想していたが、やはり手加減しまくっているのだろう。


 で、思っていたのとはかなり違った。


 どこかで見たようなカキンカキンという打ち合いはない。

 剣道とも違う。

 打ち合ったと思うと、ふわりとどちらかが逸らされる。

 音はしなかった。

 次の瞬間いつの間に寸止めしていて、互いに動きを止める。


 理解不能というか、スピードを手加減してもらって良かった。

 何度か繰り返す、違った動きだ。



 槍、ハンマーと続いたが、もうショーを見る感覚だった。

 見るだけで思考が追いつかない。





 次は魔法、なんとか切り替えて集中する。

 ネット動画で海外の冒険者の魔法は見たことがある。


 実際見ると、自然にさっきまでの事は忘れていた。


 火魔法は離れているのに熱を感じた。


 風、運んできた木が綺麗に切断される。


 水は普通の水から氷まで一通り。

 この辺でもう夢を見ているようで現実感がない。


 土魔法で地面が沈んだり突き出たり、トゲにもなっていた。


 聖魔法、隊員一人がナイフで腕に傷をつけ見る間に治る。

 マジックとか見すぎているのでやはり混乱した。

「あくまでイメージだけ覚えろ」と教官からフォローが入る。



 もう腹いっぱい。


 まさか、今のを見てスキルが生えていない?

【鑑定】持ちは今日はいないはずだけど。


 良かった、生えていなかった……。

お読み頂きありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 25歳をおっさんと書けるあたり作者さん若いんだろうなと思う 世間的に25は若者なので、年齢が透ける表現はあんまり無い方が作品に没入できる その辺のズレは一気に現実に引き戻されるので…
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