現実
※昨日以来初更新です。
体調不良でお待たせしました。しっかり睡眠を取りたいと思います。
※第二章のステータス画面の年齢を18に修正しました。
鈍くてごめんなさい。
表向きのステ画面はできた。
実は【ステータス作成】には、もう一つ変な機能がある。
もしかしたらいずれ使うときが来るのかも……。
高校卒業まであとわずか。
せめて卒業はしておきたい。
最大の理由は両親。
討伐隊……いや違う、日本での冒険者。
それが認知されるまでは、表面だけでも普通に生きないと。
今突然、魔物がどうこうと言って高校に行かないなどあり得ない。
気持ちはあせっている。
ダンジョンに自由に潜れるうちに。
けど、これは現実だ。
未来の重大な事態に備え行動しなければ。
でも、実際高校生に戻ってみれば、まずは常識。
それに従わざるを得ない。
『称号取り』はたった1個に終わった。
だがさっき、あの時しかできなかった。
それは済んだ。
現実に合わせ、自重している自分を憎々しく思う。
何度も「あの時」の記憶を反芻する。
トラウマにはしない。
でも、動機は持ち続ける。
元々授業中当てられるようなことはない。
普通に大人しくしてさえいればいい。
結局終業時間まで耐えた。
特に積極的に話すような友人はいなかった。
アニメなどの話をする3人くらいか。
今日はバックレ事件もあったし、避けられているかも。
言い訳は担任にしかしなかったし。
家に帰ってから考えるか。
ゆっくり帰る準備をした。
何を持って帰ってたか、ちょっと忘れてて思い出しつつ。
(ヨウ、いる?)
かすかな声のような。
はあ、なんかトラウマになってるのかな、
(ヨウここなの?)
(ユイ?)
(いた!)
校庭の遠くにいた。
走ってくる。
カバンを肩にかけたまま、思わず開いてた窓から校庭に跳んでしまった。
まあ1階なんだけど……幅跳び世界新だな。
加減は自然に出来てるから床は壊してないはず。
ダッシュしたいが我慢。
短距離世界新は、多くの生徒の前では見せられない。
加減して走る。
ユイはあの『アフれ』た街の少し先、清純女子高の制服だ。
学校帰りか。
少し幼い。
目の前で立ち止まった。
この時ユイは僕を知らなかったはずだ。
(ヨウ、よかった。やっぱりいた)
意味が分からなかった。
動けない。
抱きつかれた。
瞬間、全部理解した。
多分。
僕も抱いた。
(ユイはあのユイだよね?)
(うん。ヨウも……ヨウが戻してくれた?)
(うん)
突然思考が回り出す。
【加速】状態でユイはなぜ分かったのか……
思考が止まった。
唇で感じる、ユイの唇の感触。
僕の全神経はそこだけに奪われた。
お読み頂きありがとうございます。
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