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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第一章
70/175

ラストスキルは突然に

※今日4/23は02:00に続き3回目の更新です。読み飛ばしなきようご注意ください。

 ミノはオーガに慣れたせいか、遅い。

 レベルが上がらないな。

 これもエセ上位と言われる理由なのかも……。




「逃げろぉぉ!」


 何かが宙に浮いていた。


 それを追うように杖を持った女性が空中を飛んで来た。


「インフェルノ!」


 あちち!

 一瞬熱かったがなんともない。

 こちらに火が来たわけではなく、宙に浮く魔物が燃えたよう。


 火は少しずつ消えていった。



 体は人間、顔は角のある狼のような?

 全身が赤い。


 今度は魔法士全員が魔法を放ったようだ。

 3つの火魔法と電撃とかが飛んだが……。

 何も起きない。


 僕たち剣士は必死でミノを攻略中。


 遅いミノ、【思考加速】で上空を見る余裕がある。

 空中の魔物は見定めるように辺りを見回している。

 さっきから1ミリも動いていないんじゃ?


 消えた!?


「きゃあ!」「あああ!」

 複数の悲鳴と怒号、追ってきた仲間だ。


 さっきの大きな火魔法を放った魔法士が食われている?

 遠くてよく見えないが、上半身が無いように見えた。

 そして次には……いなくなっていた。


 また消えた。


「ユリィ!」

『百花繚乱』のケンだ。


 ダッシュし魔物に斬りつけるが、既に……。

 魔物はケンを無視。


 火魔法の魔法士が順に、次は……。


「ユイ!」

(?)


【加速】!


 ヤツはもうユイの寸前、間に合わない!

【障壁】!


 魔物の一撃で壁は消えた。

 普通に動いているように見える。


【縮地】!

【縮地】!

【縮地】!

 人とミノの間を縫い、ユイにたどり着いた。


 剣は放り捨てたが……違和感。


 加速の中でユイをかばうように抱く。


 構わず僕ごと食いつくようだ。

 僕は吐き出すだろうね。



 もう噛まれたか、意識が消えそうな中。

 僕は残った最後の命を燃やした。


 【現実逃避】!


 消えて行く、全てが。


 死んだようだ。


 なのにイメージはつづく。




 地球が、太陽系が、銀河が。

 消えて行く。


 ただのイメージだろう。


 消えたのは僕だ。



 会社にいる僕が見えた。

 すぐ消えた。


 ユイがゴブリンを、泣きそうにホウキで突いている。

 突然ゴブリンが2つに分かれた。

 討伐隊じゃなく、自衛隊員だ。



 僕はどうしたんだろう。


 意識が闇に沈み……。






 学校か。


 教室、座っている生徒。

 教師が黒板に嫌な音を立てて文字を書く。

 この癖は……古文の松田だ。


 通ってた高校の制服だ。


 僕は。

 座っている。

 腕を見ると同じ制服。


 ノートの下手な字は自分のだ。


 なんだ、夢か。

 ほっぺをつねる、確かにあんまり感じない。

 あんまり?


 強くつねる。

 痛いよ。


 あ、地震。

 僕以外みんな机の下に入る。

 松田は頭が出てしまってる、バカだな。


 黒板の右にある日付は……。


 あの日だ。

 ダンジョンが出現した日。

第一章終了です。


お読み頂きありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] つよくてニューゲームって知り合いは記憶無いのがつらそう。
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