エセ上位魔物
※昨日4/22は21:53に更新しています。読み飛ばしなきようご注意ください。
「強い? まさかオーガ?」
僕のスキルを知っているリーダーが聞く。
「多分」
リーダーにはオーガに間違いないと伝わっただろう。
ユイの念話は今日はほぼ来ない。
緊張か自重か、スキンシップに満足なのか。
「こんな街中でかよぉ!」
「他は、ヨウ?」
「今のとこ2匹だけ、はぐれて来たような」
「ヨウは強力な【感知】があります、従ってください。
車はここに置いていきます。
全員降りて武器を整えて」
リーダーの口調が途中で変わった。
能力についても隠している場合ではないという事だろう。
「移動はヤスのペースに合わせて」
僕がいちおう先頭で、ペースを加減する。
いた! 2匹。
「いつものパターンで、いやヨウは2度めのアレを」
先頭のオーガ直前で止まり、全力の【威圧】と【ヘイト】。
腕の関節、弱点っぽいところを突く。
背後へ回ると振り向いた!
【予測】のサポートですぐに目を潰せた。
「ヤス!」
分断されるオーガ、まず1匹。
2匹目も手順通り。
「やれる? ヨウ」
「行けます! 2匹ならもう大丈夫です。
ですが……【感知】ギリギリに多数見え……味方もいます!
この前の『百花繚乱』、Bランクの人たちです」
会って2日経つかどうかだ、すぐに分かった。
「どう思う?」
「彼らは強いです。
こっちもサポートで充分やれます、行きましょう」
リーダーと僕以外の全員が辺りを見回してる。
ユイもだ、ちょっとスキルの説明不足だったみたい。
『百花繚乱』は次々オーガを殲滅している。
剣士の速さと強さか、魔法士の魔法かまでは分からない。
追いついた。
【生命感知】では広範囲にオーガと……未知の強い魔物がいる。
オーガの上位、下層の魔物って?
キャプテンでないのは分かったが。
1匹逃げて来た。
オーガは普通に、いやメチャ速い。
ゴウが追いつけず、僕が相手をすることになる。
全く同じ要領、危なげなく目を潰す。
ヤスが追い付いてぶった斬る。
「おう、見事なデコボココンビだな。
一発で分かったぜ」
前話したリーダーらしき剣士だ。
「ここ一帯は潰せたはずだが」
「はい、ここより後ろにはいません。
先にはオーガと未知の上位種がまだ多数いるようですが」
「分かるのか、ほう。
ミノ……ミノタウロスだな。
あいつらは硬いだけでエセ上位って言われてるからな。
ヤスと言ったか、活躍しどころだぜ」
他のみんなは僕らの会話を聞いているだけだ。
紹介くらいしたほうがいいよね?
「あなたは『百花繚乱』のリーダー、ですよね?」
「そうだ、名前はケンで覚えてくれ。
俺たちが先に動くから、取りこぼしのサポートを頼む。
ミノ、ミノタウロスはコツだけ教えるがやれるはずだ」
ケンが手で示すまま、僕たちも付いていく。
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