モノローグ:【加速】と【現実逃避】、そして
※今日は03:00に続き2回目の更新です。
天井が遠い気がする。
ああ、床にマットだからか。
【加速】と【現実逃避】。
【加速】は20秒、目を潰すのは必須として。
その後は《アレ》でいける、オーガなら。
ストップウォッチのカウント確認は必須だな。
どちらにしても、必要なときだけだ。
魔力満杯に戻す必要はないが、少なくとも数分は動けない。
最大の問題はレベルが上っても魔力100%消費なのか。
3や4になってみなければ分からないが。
根拠のない自信を持っておこうと思う。
スキルはイメージ。
それはまだ継続しているはず。
【現実逃避】。
『強さ』を求める僕への最後通告と思ったけど。
もっと大事なことがあった。
その前に。
『運命の再選択。生命100%消費。1回のみ』
単純に考えよう。
『死。1回のみ』
当たり前すぎる。
消費『生命100%』はそれほどとんでもない事象を起こすほどのエネルギー、なんだろうか。
それだけの物を使って1回のみ何かを起こす。
子供の頃、「逃げてもいいから最後に勝て」って父さんからよく言われた。
母さんは笑ってただけだった。
イメージよりもっと強く僕の深層にあるのは、父の教えだろう。
前の職場では逃げ続け、勝てなかった。
だけど、今は違う。
赤紙で僕の人生は変わった。
死ぬかもしれない毎日。
そこに生きがいが出来てしまった。
僕はおかしいのだろうか?
話を戻そう。
奇跡を起こすには一度死ななければならない。
だからこれを使うのは、本当に死ぬと思った時だけだ。
即死すれば使う暇がないかもしれない。
一生死ぬような場面は無いかもしれない、いやあるか。
ちょっと自分で笑えた……。
【現実逃避】という名前が突きつけてきたもっと大事な事。
自分が卑怯者だったと改めて思う。
ひどいごまかし。
会ったときからユイが好きだった。
『好き』を『かわいい』に変え、ごまかし続けた。
25年間叶わなかった、好きな人への思いが叶った。
なのに、クールなふりを続けちゃんと受け入れてあげられなかった。
まさに『現実逃避』しまくり。
ユイが“合宿”を言い出した時、どれだけ勇気が必要だっただろう。
ふたりだけの“合宿”、わかり易すぎる。
現に翌日からふたりで出勤してるし。
体を起こす。
ユイは何か詠唱している。
詠唱が必要な鍛錬なのだろう、全く分からないけど。
立ち上がって近づく。
ユイも気づいて上半身を起こした。
ベッドに腰掛け、抱き寄せた。
途中は記憶にない。
残るのは、唇で感じる唇の感触、それだけ。
(いままでごめん)
(ユイ、好きだよ)
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